※注意※
強姦と死の表現があります。
苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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「お呼びでしょうか……」
うんざりする。執務室に呼ばれる理由なんてひとつしかない。部屋に入るなり上着を脱ぐように命令される。それはそうだ。そのために、私は存在しているんだ。
最近は面倒になったのか、それともこっちの方が満足できるのかわからないけど、ブラのまますることが多い。言い含められて少しキツめのをつけてる。息苦しい感じはするけど、そっちの方がいい。早く終わってくれるなら。
ブラ……そう、ブラではないかな。最近は透けたレースの黒色ランジェリーのトップスが支給されている。なんだかもう、どうでもいい。私個人の感情とかは、あの人にとって、どうでもいいこと。
いつものように書類棚の方を指差される。奥の方には香水でも入れるようなひし形のきれいな小瓶がいくつかあった。
「どれがいいですか」
「赤だ」と言うので、中身がなんであったか思い出しながら、赤色のリボンが結わえてあるものを手にした。中で水っぽい液体が跳ねる。あぁ、そっか……面倒くさい。
あくまで平静な顔を保ったまま、中身をクッと口に流しこむ。味もにおいもそんなにはしなけど、なんか、嫌だ。
自分の胸を両手で寄せてあげると、唇の隙間から少しずつ液体をこぼしてしたたらせる。首筋を流れる感覚が不快だ。ぬらぬらと怪しい輝きを放つ透明な液体が胸の三角州に溜まって行く。手の力をゆっくり抜くと、すべて谷間へと吸いこまれた。なじませるため左右を上下させて肌にすりこむ。
小瓶にはそれぞれ別のものが入っている。赤いリボンに入っているのはオイルで、これはかなりマシな方。他にもローションや……違法薬物とか、中には劇薬まである。一度だけ薬物プレイをしたが、効果に個人差があるみたいで……私はそのまま昏倒してしまった。それ以来使われることはなかったが、それも妙な気遣いにしか思えない。
私は……なんのためにここにいるのでしょうか。艦娘として戦うために、そのために二度目の人生を与えられたはずなのに、慰み者にされるためだけに。ああ、憎い。こんな小さな体で産まれてしまった自分が憎い。こんな大きな胸で産まれてしまった自分が憎い。もっと背が大きかったら、もっと貧相だったら、もっともっと早く解体されていたはずだ。
提督は待ちきれないとばかりにイスから立ち上がる。下半身は既に丸出しで、小汚い雄の器官を直角にさせていた。もう一度小瓶を口にして吐きだす。今度は胸の上で水たまりを作ったままに。
「失礼します」
床に両膝をつき、下半身に対しのしかかるようにして、起立したそれを下乳から少し強引に入れる。ぬらぬらとおぞましい光の反射をする、ぷっくりとした頭が谷間から顔を覗かせた。蛇が這うような感触に耐えながら両の手で乳房を上下させる。胸はもうずっと使いこまれてしまい、今はもうそれを包む形に変わってしまったかも知れない。
下着はフロントホックだけがピンと張って浮き上がるように留められていて、なんというか水着のトップスに近い。だからこうやって着たまま行為ができる。ずっと前、谷間に猫みたいな形の穴があいたそれ専用みたいなセーターとかブラがあって、これはいいと思ったんだけど、使ってみたらなんだか妙に不満だったらしく一回着ただけで終わった。
胸だけでなく腰も使って満足させる。前かがみになってるから膝が痛い。いつまでこうしてればいいんだろう。私は別にこれが気持ちいいとかではないから……私はこうやって色々考えてるけど、提督は何を考えてるんだろう? きっと何も考えてない。
また殴られたくはないから、笑顔を作ってその顔を見上げた。表情は逆光でよくわからない。ぬうっと手が伸びてくる。ドキリとして一瞬身構えてしまったけど、私の髪をくしゃくしゃと撫でた。満足してくれてるみたい。よかった。歯ぎしりをするように食いしばって口角を上げた。
動きは一定ではいけない。早くしたり、遅くしたり、力を入れたり、抜いたり、左右の動きをずらしてみたり。根本まで行くと不愉快な毛の感触があって苦手だ。どこか水っぽい、肌とオイルが擦れた淫猥な音がする。……淫猥、なのかな。淫猥だと、いいな。もうよくわからない。これは、私にとって、日々の、仕事である。ただの、仕事だ。早く出して。早く、早く終わって。
頭を不快に撫でていた手が不意に止まる。覚悟する。覚悟して正解だった。髪を掴んだまま腕を引くと、殴りつけるように投げ倒された。竿に引っかかったフロントホックがはじけ飛ぶと同時に、後頭部に鈍い音と鋭い痛みが走る。
「づっ……うあっ……」
やや朦朧とした意識で視界にあったのは机の影で、あぁ、これにぶつかったんだなぁ、でも普通の痛みじゃないし角にでもぶつけたのかなぁ……と、なんだか漠然と考えていた。血のにおいと、鉄臭い味がした、気がした。カーペットの染みがまたひとつ増えたかも知れない。
息づかいが荒くなる私の体に馬乗りになると、ボールかなにかを握りつぶすように胸を弄ぶ。それも痛いが、それ以上に頭の方が痛いので、妙に救われた気分になった。
ゆっくり頭を起こす。乱暴な力で、出たり、入ったりが中で繰り返されていた。腰使いが一段と激しくなって、急に動きが止まる。胸の中で波打つのが伝わってくる。
かけられるのが嫌で一瞬顔をそらしそうになるが、意識して嫌々に舌を出しながら口を開き、目を瞑った。
「あっ、うぇっ……」
妙に生ぬるい液体がかかる。舌に、口の中に、まぶたに、首筋に、髪に、びちゃびちゃ飛んでくるのがわかる。出すだけ出すと馬乗りをやめてイスに腰掛けた……のだと思う。見えていないから、音がしたのだけ確認すると、目頭にかけられたモノを指ですくい取り、どろどろになった指先を、わざと音を立てながら美味しそうな風に舐めとる。
言わないと。でも言いたくない。でも言わないと。でも言いたくない。嫌だ嫌だ嫌だ。
「あはっ、すごい、いっぱい……んっ、美味し」
そんなわけない。そんなわけがない。こんなの、こんなのなんて。私は、私は……。
よく見ると手のひらが真っ赤で、そこではじめて本当に後頭部から出血が出ているのがわかった。窓からの光に照らされて少し朱色に見えた。白いのと赤さが混じって、汚らわしいもの中に異様な美しさを覚える。
顔中どろどろのまま、血を流し続けたまま、全身の震えを押さえながら敬礼をする。口内の精液がねちゃねちゃと糸が引く感覚を覚えながら声を出す。
「浜風でご満足いただけましたか? ご所望とあらば、またお呼び立てください」
精液を拭うことは許されていない。だから、このまま……そう、このまま服を着る。一刻も早くこの場から立ち去りたいので、下着を拾い上げてとにかく手早く着け直す。脱いで折りたたんでいたセーラー服を広げた。替えの服はなくて、もうこれ一着しか残っていない。何度洗濯しても黄ばんだタンパク質のシミがもう取れない。これからここに赤茶けた色が混じるかと思うとうんざりする。
「ありがとうございました」
執務室を出る際にもう一度敬礼をする。視線は私の顔に向いていない。オイルと精液と汗が混ざった液体で薄い生地の服は透けて、肌色と黒い下着が際立って浮き上がって見えていた。それをニヤニヤと、やたら憎たらしい笑みを浮かべて、そればかりを見送っていた。
「ぉ……ぅぉえっ……!」
部屋の扉を閉めた瞬間、足取りがふらついて、そのまま目の前の窓枠にもたれかかった。内蔵から急にこみ上げてくるものがあり、両手に口内と飲みこんだザーメンを吐き出した。少し鼻に入ったみたいで潮風にも似た生臭さが取れない。だからあれほど好きだった海はもう嫌いだ。
手のひらに撒けた白い濁りを握りつぶす。これでもう二、三日は平穏な日々が続く。
早くシャワーを浴びたい。本当はこの姿のまま過ごす決まりがあったらしく、着任当初は従っていたが、先輩艦娘から「提督は普段部屋から出ないので気にせず洗った方がいい」と言われて、それからは問答無用で洗い流すことにした。もっと早く知ってたらあんなに痒くなったり、妙に赤く腫れてしまったりなどなかったかも知れない。
途中、何人かの艦娘とすれ違うが、そのたびにひそひそと「浜風……また浜風」という声が聞こえた。かつては恥じらいもあったが、もう慣れたし……こうされるのは私だけじゃないから。
脱ぎもせずそのままの格好でシャワールームに入ると、上を向いて何も考えず蛇口をひねる。妙に冷たく感じる水が後頭部をしびれさせた。しばらくしてお湯が出る。うつむくと、足元に赤色の水たまりができているの気づく。シャワーを止めて、入渠ドッグへと向かった。
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□月○日
名前すら知らない軽巡と駆逐艦が一隻ずつ脱走。軽巡の方は処分されて、駆逐艦はまだ見つかっていない。いずれ捕まる。
新たに編入された駆逐艦が四隻。提督が具合を確認する際に一人が舌を噛んで死ぬ。めずらしい。三隻が最前線送り。全艦喪失。
□月△日
先日の行為で頭を大きく切ってしまったので入渠したが、修復剤の量が不十分だったらしく傷痕が残ってしまった。やだなぁ。
新たに編入された駆逐艦が五隻、うち四隻が最前線送り。全艦喪失。一隻は提督が確保。
◎月○日
手がふるえてちゃんとかけない。
かんさが入って、ていとくがつれて行かれた。
明日からどうなるんだろう。
そうしつかんなし。
なしって、はじめて、かいた。
◎月△日
脱走した駆逐艦が外まで逃げ出せたらしく、憲兵さんと偉い人がやって来て提督を連れていった。しばらく暇をもらえそう。
個別に鎮守府の内情を聞かれる。私が日記に喪失艦を記入していたものが証拠として採用された。返してくれないんだろうなぁ。
○月○日
移転先が決まって着任する。なんというか……ここの艦娘たちは、前のあそこと違い、なんかキラキラしててちょっと戸惑う。
提督に挨拶する際「この浜風の体は好きなようにお使いください」と言ったら頬を叩かれた。この鎮守府も期待できないかも知れない。
喪失艦なし。
○月△日
早々に秘書艦に任命される。事務、演習、出撃と激務だけど、なんだかちょっと楽しい。役に立ててる感じがして嬉しい。
私がどのような経緯でここにたどり着いたのか、提督は恐らく知っておられるはず。
あれから手を上げてくることもないし、体を要求されることもない。これから何をされるかと思うと怖い。
喪失艦なし。
●月×日
ようやくわかった。艦娘が毎日轟沈するという考え方は、多分間違っている。
私自身も徹底海峡へ出撃要請され、これは死にに行くのだろうと思った。でも途中で大破があると皆あっさりと引き返した。
恐らく、これが、ここの普通なのだ。以後、喪失記録はつけないことにする。
●月■日
最近、提督のお顔を見ていると、なんだか胸が苦しくなる。不思議。秘書艦なので、そうしないわけにもいかない。
こっそり調査したのですが、提督はどの艦娘にも手を出していない様子。それもまた不思議。
相変わらず仕事熱心であり、私に手を出すことはない。たまには気にかけてほしい。
▲月○日
わかった。この表現であっているかわからないけれど、私は提督のことを好いている。それに気が付いたら急に体が軽くなった。
提督がどう思っているかわからないので、この想いは『秘』にしておきましょう。
▲月●日
もし求められたら喜んで脱ぎたい。むしろ私から提督を襲うことだってためらわない。
性への欲求が止まらない。早く抱かれたいと自分から願うことなんてはじめて。
○月×日
練度というのは目に見えてわかるものではありませんが、提督に気に入られる程度にはあるのではないでしょうか。
明日、提督に『秘』を告白してみようかと思います。 願わくば、この関係が、末永く続くことを祈って。
○月○日
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突然、秘書艦としての任を解かれた。なぜ? 理由がわからないまま、部屋に戻って横になる。
寝て忘れることができたらいいなと思いながら横になったけれど、起きたら忘れてなくて、また思い出して泣いちゃうんだろうなと考えながら、眠った。
不意に起こされる。提督がお呼びであると。再び秘書艦として戻るよう指令が下されていた。
不安と……妙な焦燥感がわずかにある。ここ最近提督は何かを隠している。それがなんであるのかは、無理に気にしないことにしていた。
少し足早に執務室へ向かい、息を整えてから普段通りを装って扉を開く。そこにはいつも通りの提督のお姿と、いつも通りではない風景があった。
「わぁ……! こ、これ、どうしたんですか?」
提督は目線をあわせず照れくさそうに一言「君のために」と漏らした。
一面に広がる薔薇の平原に輝きがあふれる。夕焼けの陽が差し込み、少しオレンジかかった朱色となって、花びらは窓から風が小さく吹き込むたび蝶のように舞い踊った。
今日は私がここに来てから一年だから記念にと。そんなことすっかり忘れていた。
一輪の白菊と、紺色の小さな箱が差し出され、胸の鼓動が強くなって行くのがわかる。あぁ、提督、このために……。
「どうしましょう、こんな、こんな!」
左手を、と言われて差し出すと、ゆっくりと幸せの形が差し込まれた。なんだかもう全身に力が入らない。こんなことがあって良いのでしょうか。全てが輝いて見える。
この気持ち、なんと表現したら良いのでしょう。そう、この言葉を産まれて初めて使いましょう。
「浜風、幸せです!」
幸せ。これを幸せと言うのだ、きっと。
ところが――。
「君の初めてを貰いたい」という言葉に強い違和感を覚えた。
「何を、言って、えっ? 提督?」
提督は照れくさそうなしぐさで「今晩、部屋に来て欲しい」と続ける。さっきまであった熱みたいなものが急激に冷めて行くのがわかる。理由がわからない。何だか背筋に悪寒が走り、全身の震えが止まらない。
呼吸が乱れて、視点が定まらない。目をつぶって一度、大きく深呼吸する。
思い切りまぶたを見開く。目の前にいた提督の姿は視界に入らず、執務室の風景だけが飛び込んできた。
不意に窓からひときわ強い風が吹き付ける。潮風のかおり。舞い上がる真っ赤な花びら、夕日に照らされて、朱色に見えた。綺麗だ。綺麗なはずだ。でも、そのどれもが、穢れて見えた。なぜ。
どことなくぼんやりしているように見えたのか、提督が私の頭を撫でて……そして何かに気づく。
「君、ここに傷があるんだ?」触られたところから雷で撃たれたものが頭に走る。
「あっ、あっ……!」
嗚咽が止められない。あの男の顔が浮かぶ。もう二度と会うこともない、あの男の、海風と同じ精液のにおい、急に青い味が口の中に広がり、血が流れた時に見えた美しい朱色が、この部屋いっぱいにあった。
不意に一年よりも前の出来事が脳裏を巡る。あの男が捕まり、錆びついた艤装を廃材から探し出し、艦娘を諦めることができず、そんな私のことを軍が憐れんで……憐れんで? ここに?
「あぁ……あぁ……あああああぁぁぁ!」
私が前の鎮守府どんなことをされていたのか提督に説明されていない。それはきっと配慮だったのだろう。あえて事情を知らせずまっさらな環境で艦娘として再起して欲しい、きっとそんな憐みがあったのだ。
艤装を廃棄された多くの仲間たちは、艦娘であることも、人間に戻ることも許されず、解体されて血肉になることを選んだ。私は……私は、ただ一度でいいから、艦娘としての役割を果たしてみたかった。ただそれだけなのに……それは許されることではなかった。
名前も知らぬまま喪失していった艦、自身が何者であるかすらわからぬまま提督の玩具にされた者、別れの言葉もなく粛々と工廠で解体へと向かう列……忘れまいと誓った友の面影が、もうすっかり忘れていたあの光景が、余すところなく鮮やかな色彩となって、それは劇的に表れ始めた。
この一年でわかる。提督は極めて純真なのだ。だから、だから、提督は、あの時、平手打ちした。だから、今、初めてが欲しいなどと言ったのだ。純潔だと信じている提督は、私の体は凌辱の限りを尽くされ、綺麗なところなどひとつも残されていないことを、知らない。
こんな体で、抱きたいなどと……抱かれたいなどと、そんなことを。
できない。できない。私にはその資格がない。おこがましい、おぞましい、なんということを思っていたのだろう。
こんなのは――耐えきれない。
「てっ、提督……はっ、浜風、浜風は……」
抱かれていたのを跳ね飛ばして、吐きそうになりながら衝動に身を任せ、嫌悪感のある潮のかおりがする窓際に向かう。
笑顔……笑顔を見せないと。そうでないと、提督は、喜ばない。あの時のように、歯を食いしばって、口角を、あげた。
「提督、浜風は、幸せ――でした」
風を感じる。
全ての時間が遅く感じる。
幸せだった日々が次々に流れて消える。
……嫌だ、やめて。最後の、最後の瞬間なのに。
どうして、あの男の顔が、あの顔が、ねとついた気味悪い笑みが。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、最後に見るものがこれだなんて嫌だ死にたくない!
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!
死にた――
嗚呼、きれいな、朱色。