※この作品はR-18です。

【完結】はる君とレイアちゃん   作:はのじ

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Zucker! sucre!сахар!

 桃色に色づいていた桜の花びらは一年に一度の大演舞で、通りがかる人たちの目と心を楽しませ、行き交う人々と来年の再会を約束し最後の花びらの一枚を一際強く吹いた風に身を任せた。

 

 まだ少し肌寒かった気温は徐々に上昇、しかし時々寒く、そして暑くなる日が訪れ、上着を気にする勤め人を困らせていた。

 

 一陣の風が金糸で出来たようなハニーブロンドの髪を舞い上げた。困った風に空いた右手で風に踊る髪を押さえつける少女。通勤、通学途中の男性は少女の容姿に、肢体に、仕草に、見惚れ足を止めてしまう。例え見知っていたとしても視線は引きつけられ目を逸らすことは難しい。

 

 少女は美しかった。可憐だった。淫靡だった。人の手では到底作り上げることが出来ないと思わせる美の神すら嫉妬させる程の美しく調和の取れた完璧なスタイル。にも関わらず不思議と稚気を感じさせる仕草と淫魔もかくやと思わせる全身から漂う雰囲気が渾然一体となり得も知れぬエロスを醸し出している。

 

 頬は僅かに朱に染まり、少女が僅か以上に興奮している様を伺い知れることが出来た。それは見惚れる男性達の妄想を掻き立て、気がつけば快楽で可憐な顔を恍惚の表情に歪ませた彼女を組み敷く我が身を想像してしまうのである。

 

 何か用事が出来たのか一人また一人と自宅へ戻る者がいた。今から戻ってしまえば遅刻は免れないだろう。残ったのは勤め人が多かった。彼らの多くには社運を掛けた一大プロジェクト、若しくは人生を変える大きなイベントが待っていた。遅刻など以ての外だったのだ。

 

 少女が髪を撫で少し乱れた髪を整え終えた。そして横を向き口を開く。少女は世にこれ程のものがあるのかと思える程幸せな表情をしていた。

 

 少女の隣には僅かに残る少年らしさを残しつつも精悍といってもいい顔を少女に向け優しく微笑む一人の学生。

 

 レイアと春は高校二年生に進級していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人は手を繋いで歩いていた。二ヶ月程前からだ。恥じらいはそのままに少女はある日突然決意し人目があっても春の手を握るようになったのだ。

 

 春の目には隣で手を繋ぎ歩いているレイアが幼き日の姿に重なって見えた。昔と違うのは引かれていた手を引くようになった事だ。世界に色と音が生まれた以降、春の記憶は少女と重なっている。思い出す記憶には必ず少女がいて、春の手を引いていた。レイアと出会って以降、所々ある記憶の欠落はきっとレイアが隣にいなかったからだろうと思う。春は大切な思い出を決して逃さないとばかりに繋がった手を確かめるようにしっかりと握り直した。

 

 二人は徒歩通学だ。電車通学など以ての外。理由は語らずとも推して知るべしである。元々アンジェリカが徒歩通学可能な高校を選び、春がそれに付き合う形だが、二人には別々に進学する意思は元よりなく、そしてアンジェリカ達両親がそれを許すつもりもなかった。

 

 少女は浮かれていた。超浮かれていた。というのも小学校、中学校と一度も同じクラスになったことがない春と初めて同じクラスに編成され、あまつさえも二年連続で同じクラスとなったからである。余談であるが担任の教諭も変わらず、実績と熱意と人気を買われた山尾修司、三九歳であった。

 

「春。私前よりあそこの感度が上がったみたい。春のおちんちんが気持ち良すぎて、もう声が我慢できなくなっちゃった」

 

 カバンからスマホを取り出した眼鏡がよく似合う背広姿の男性が電話を掛けながら帰路に向かう。

 

「部長ですか?一ノ瀬です。電車が急に止まって間に合いそうにありません。え?そんなアナウンスはない?私の使っている駅だけが止まってしまったんです!仕方ないでしょうが!!私にどうしろって言うんですかぁぁ!!!!」

 

 少女は少年に語りかける。

 

「私も春の声聞きたいから次は私が上になるね。春は動いちゃだめだよ。でも春はおっぱいが好きだから口を使うのだけは許してあげる」

 

 ズボンのポケットからスマホを取り出した二〇代の男性が電話を掛けながら帰路に向かう。

 

「ほのか!飛行機には間に合わない!大丈夫だ!式の本番はなんとかする!リハーサルはどうするのかって!?そんなの知るか!今それどころじゃなんだよぅ!!!!」

 

 少女は少年に語りかける。

 

「本当はコンドームもいらないんだけどね。もしもの時はママも協力してくれるって言ってくれたけど、赤ちゃんは大切に育てたいから今は我慢我慢。早く子宮で春の精子を沢山受け取りたいな……」

 

 おもむろに懐からスマホを取り出したいかにもやり手に見える、ブランドスーツに身を包んだ男性が電話をかけながら帰路に向かう。

 

「専務、私です。アナルハイム様との会合には参加できそうにありません。私がいないと話にならない?たった一人に五〇億のプロジェクト任せきりにするからだろうがぁぁぁ!!私抜きでやれぇぇ!!!私も抜くゥゥ!!!!!!」

 

 急に閑散とした周囲を見てレイアが呟いた。

 

「今日は静かね。何かあったのかしら」

 

 春は何も言わずレイアの手を引き学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レイアと春はあの日結ばれた。

 

 

 一瞬の視線の交差で完璧な意思の疎通ができた二人はお互い間違えてしまった。レイアは春の腰を引き寄せ、春は逆らわず腰を振り落とした。

 

 位置を確認するまでもなくお互い知り尽くした体である。僅かの躊躇もなかった。

 

 結果、レイアは純潔を散らし、褒美として子宮に精を受けた。

 

 二人はその後も肌を何度も重ねているがレイアが恐れていた事態(アンジェリ化)にはなっていない。

 

 レイアは共感を感じた秋奈に相談を何度も行っている。結果は春との行為にも影響し、二人の性交は幸せで満足したものとなっている。今は過去に失敗した体位に挑戦しながら二人でどうすればお互いがもっと気持ちよくなれるかこれまでとは違った意味での試行錯誤を繰り返している。

 

 春の精を一度子宮に直接受けたレイアはますます魅力と色気を増した。

 

 また強い風が吹き、少女の制服のスカートを持ち上げるいたずらをした。

 

 通学路に男性は春一人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。

この物語も最後に向かうことにしよう。この先二人がどうなるかは、これまでの物語を知る賢明なる諸兄の数だけ存在する。未来は確定せず、無限に存在するからだ。

 

 筆者の我儘を言わせて貰うならば、二人にはこれからも幸せであって欲しいと望むのみである。

 

 物語の筆を置く前に最後はやはりあの人に締め括って欲しいと思う。これが筆者の最後の我儘である。

 

 では皆様。短き期間でありましたがありがとうと言いたい。

 

 皆に幸あれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

 その日アンジェリカは目の前で浮かれるレイアを見ていぶかしんだ。これまでも浮かれる彼女を何度も見てきたが些か以上に様子がおかしい。

 

スマホのイヤホンを耳に刺し、百面相を繰り返す顔は朱を通り越して紅である。

 

 聡明なアンジェリカはピンと来た。

 

 アンジェリカは三十三歳になり二十代でグランマと呼ばれる事は回避した。春の手を引き、怖いもの見たさのレイアが輝政との寝室での睦み合いを覗きに来る事も、回数が増えると徐々に馴れ、口外しないことを厳重に約束させ咎める事はなくなっていた。

 

 輝政も了解しての事であり、アンジェリカの一存ではなかったが、新たな扉を開いてしまった事は事実であった。

 

 先日、春とのマンネリセックスを解消するためにレイアがアドバイスを求めてきた事は記憶に新しい。

 

 ははーん。

 

 教授した知識の中には性行為を撮影し、後に二人で見ることで気持ちを高めたり、羞恥をあおるといったものもあった。不特定多数に見せる、或いは見られてしまうかもしれない環境下に晒す上級者向けのプレイもあるがアンジェリカは興味がない。あくまで夫婦の営みの延長から逸脱するつもりはない。

 

 レイアを見る。

 

 瞳を閉じ、イヤホンを耳にしていると言うことは動画ではなく音声のみの録音だろう。そしてあの百面相は行為の最中の音声に間違いない。

 

 ふふふ。音声だけだなんてまだまだ未熟ね。

 

 親として、先達としてここは自慢の娘のセックス事情を確認する必要がある。先日のアドバイスが活かさせたかも気になるし善きアドバイスが出来るかも知れない。

 

 夫婦の営みを覗かれ続けた意趣返しなどでは絶対にない。

 

 レイアに気がつかれるよう近づき手振りでイヤホンを外すよう伝える。

 

 アンジェリカに気がついたレイアはイヤホンを外した。

 

「なに、ママ。どうかしたの?」

 

「レイア。ママとっても心配なの。あなたと春君が順調にお付き合いしてるのかとか、ちゃんと経験が活かされたのとか」

 

「?。大丈夫よ。何の経験かはわからないけど、春とは何も問題ないわ。これからもずっと一緒よ」

 

「そう。でもね第三者が知ってこそ初めて分かる問題もあるのよ。それをよこしなさい」

 

 青天の霹靂とはこのことか。レイアが驚愕の表情を浮かべた。

 

 そしてレイアの瞳が語った

 

  ――何を聞いていたのがバレてる!

 

 アンジェリカの瞳が語る。

 

  ――こんなところ(リビング)でそんなもの(えっちぃの)聞いている自分の迂闊さを呪うがいいわ。

 

 レイアの瞳が語る

 

  ――一体何考えてるのよ!

 

 アンジェリカの瞳が語る

 

  ――ママはあなた達の幸せをいつも願っているわ。SHINOGONO言わずよこしなさい。

 

 二人はテーブルを間に挟み、じわりじわりと一進一退の攻防を続ける。

 

「ママ!お願い!許して!絶対に嫌なの!」

 

「大丈夫口外しない。約束するわ」

 

「人の……を聞きたいなんて信じられない!」

 

「あらあら。私達夫婦のセックスを散々見た口で何を言ってるのかしら」

 

 新しい扉は開けたが、それとこれとは別だった模様。

 

 テーブルをぐるぐるとバターになりそうな勢いで回り続ける二人。絶対に聞かれたくないレイア。必ず聞くという断固とした決意のアンジェリカ。お互いに負けられない戦いがそこにあった。

 

 しかしこのままでは埒が明かず千日手に陥りかねない。時間はレイアに味方してしまう。主婦として輝政が気持ちよく過ごせる家を保たなければならない。しかしアンジェリカは慌てない。これまでに培った経験と修羅場はレイアが絶対に敵わないものだった。

 

「あ、春君いらっしゃい。レイアならここよ」

 

 見え見えのテレフォンパンチ。

 

「春!?お願い助けて!ママ(変態)が…うっ」

 

 しかし引っかかった。なんのかんのと言いながらレイアはアンジェリカを信用していた。

 

 アンジェリカの体がブレた次の瞬間レイアは意識を失った。当身だ。危険なので普通は出来ない。してはいけない。

 

 アンジェリカは家族親族には格闘家が多かった。幼い頃から病弱であった故にことさら愛され、危険から身を守る為の技を多く教えられている。小娘の一人や二人、安全に無力化するなど簡単な事だった。

 

「まだまだ。甘いわね。そこが可愛いところでもあるのだけど」

 

 アンジェリカはレイアが倒れる前に抱きとめ、ソファーに横たえた。

 

 邪魔者は排除した。これは大事な大事な愛しい娘の成長を確認するために必要な事である。

 

 アンジェリカは出歯亀気分で再生ボタンを押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

……

 

ねぇ。何か言ってよ

 

えーと。いつもお世話になってます?

 

どうして疑問形なのよ。

 

なんとなく?

 

いじわる。

 

初めて言われた気がする。

 

もう。こうやって色々とお話するのが大事なのに。

 

わかった。気にかけるようにする。

 

秋奈に聞いたの。

 

母さんに?

 

うん。夏彦と時々してるんだって。どうしたの?

 

……親の性事情は知りたくなかった。

 

私ママの一杯見たから気にならないわ。春も見たじゃない。

 

……覚えてません。

 

時々都合よく記憶消えるよね。ね。お話しましょ。お互い思ってる事いっぱい。

 

……

 

……

 

ちゃんと入ったね。

 

うん。

 

……

 

……

 

重い?

 

大丈夫。支えてくれてるし。

 

……

 

……

 

春のおちんちんとっても暖かいね。

 

レイアの中だって暖かいし…気持ちがいい。

 

春、動いてないのに?男の人って動かないと気持ちよくならないってママが。

 

レイアの中、ぐねぐねうねって動いてる。わかる?

 

私なにもしてないよ。力も入れてないし。

 

……ほら。

 

……あ。ほんとだ。こういうものなのかしら?

 

知らないよ。初めてなんだから。

 

……

 

……

 

春、動かないの?

 

このままでいい。

 

いいの?

 

うん。それに痛いでしょ?

 

大丈夫よ。

 

本当に?

 

……少し痛いわ。

 

少しだけ?

 

……もの凄く痛いの。

 

うん。もう少しこのままで。

 

……

 

……

 

春。私、ママと一緒でとってもえっちな女みたい。

 

どうして?

 

もっと早く春のおちんちん入れて欲しいって思ってたの。

 

え?

 

でも春がとても一生懸命だったから言えなかった……

 

うわぁ。ごめん。

 

うん。許す。春はなにかある?

 

胸に挟まれてびっくりした。

 

あら?嫌だった?

 

凄く興奮した。今度またして欲しい。

 

ふふふ。うれしいわ。

 

もっと声聞きたい。

 

そうなの?

 

声聞きたくて少し意地になってた。

 

もう。声我慢するの大変だったのよ。

 

……

 

……

 

もっと早くお話してればよかったわね。

 

そうだね。思ってるだけじゃ駄目だったんだ。気持ち良さそうにしてたから嬉しくて、早く入れたいのにすげぇ我慢してた。……すげぇ馬鹿だわ。

 

そんなことないわよ。とても気持ちよかったわよ。一生懸命な春の顔も見れたし。

 

……

 

照れる春もかわいいわ。

 

やめて。

 

他にある?

 

頭と腰は触っちゃダメっていってたたろ?

 

……敏感すぎるもの。怖かったの。春に嫌らしい女だって思われるのが

 

思わないよ。

 

そうね。今なら分かるわ。やっぱりお互いちゃんと話し合うって大事ことね。

 

もうひとつ聞いていい?

 

もちろんいいわよ。

 

膣の中も触っちゃ駄目って言ってただろ。

 

うん。

 

どうして?

 

……理由は二つあるの。一つは初めてセックスに挑戦したとき春を突き飛ばしたじゃない?

 

うん。

 

またしちゃうんじゃないかって怖かったの。

 

そんなことじゃ怒らないよ。

 

違うの。そんな事しちゃった私が嫌だったの。もう絶対にしないって決めたから…

 

ありがとう。もうひとつは?

 

笑わないでね。

 

笑わないよ。

 

最初にここに入るのは春のおちんちんだって決めたの。例え春の指だって許さないわ。

 

ふっ

 

笑った!

 

笑ってないよ。

 

絶対に笑った!

 

笑ってないよ。

 

笑わないって言ったのに…

 

はははは

 

もう!なら私も言っちゃう!春私のおっぱいに吸い付いているときの顔が怖いわ。

 

え?

 

あとおちんちん口に入れている時、よだれでてたし。

 

え?え?

 

それに、シャワー長いから一人でドキドキする時間が長くなっちゃうし、春が張り切り過ぎて私ばっかり気持ちよくなっちゃうし、もっと春を気持ちよくしたいのに。

 

ふははははは。

 

もう。今日の春、本当に意地悪だわ。私も意地悪しちゃう。えい。

 

あっ!!

 

これでどうだ。

 

っ!!

 

あっ。出ちゃうのね。嬉しい。気持ちよくなってね

 

!!!!!!

 

……

 

……

 

……すごい……わかるわ……とっても暖かい…

 

……ごめん

 

どうして謝るの?気持ちよくなかった?

 

……信じられないくらい気持ちよかった。……けど…コンドーム忘れてた…

 

くすっ。大丈夫よ

 

大丈夫な日なんかないよ。

 

大丈夫よ。絶対に産むから……絶対に…

 

……そうか。分かった。なら大丈夫だ。

 

うん……春、このまま私の中に入ったままでもう少し……

 

……

 

……

 

……

 

……

 

……

 

……

 

……

 

 

 

 

 

 

■

 イヤホンを耳から外したアンジェリカは、本当の本当に様々な思いを胸に、顔を押さえてその場に崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

                        了

 

 

 




お約束の天丼が出来て満足です。

この物語はこれにて本当に終了です。
あと幾つかのネタとか自分でも引いてしまったエロ回のファイルがいくつかあるんですが、それは別の作品を書く機会があれば流用しようかと思います。

この作品自体に自信が持てず路線変更してしまいましたが、書いていて楽しく、沢山の作風を実験的に試させて頂きました。小説の初心者でしかも初めて書いたR-18小説。愛着があったから出来た事でしょう。

次にハーメルン様で書く機会があればもう少し魅力のある作品を書きたいと思います。

何はともあれ読了ありがとうございました。
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