※この作品はR-18です。

【完結】はる君とレイアちゃん   作:はのじ

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ほのぼの。


初めての二人

「春。準備はいい?うん。来て」

 

 レイアと春の二人は、春の部屋のベッドの上にいた。

 

 レイアの準備は万全だった。まだ幼い身をベットに横たえ両の足を開き、後は春を待つだけだった。長くスラリとした両の手を胸を隠すようにクロスさせ、拳はぎゅっと握られている。

 

 これからする行為はアンジェリカに見つかれば、怒られるどころでは済まない。父の輝政に報告され、春に当分会えなくなるかもしれない。そんなのは嫌だった。普段から迷惑を掛けている父母の言いつけは出来る限り聞くようにしている。まだ親孝行の出来ないレイアにはそれ位しかできないのだから。でも春と離れ離れになるのは絶対に嫌だった。きっと、いや間違いなく言いつけを破り春に会いに行くことだろう。

 

 後悔などない。これはレイアの我儘だ。しかし春を巻き込んだ事については少しだけ申し訳なく思っていた。でも春なら許してくれる。絶対に会いに来るから!

 

 レイアの眦から一筋の涙が溢れた。春の事になると感情が制御できなくなる。でも涙を流せる事を何故か嬉しく思う。

 

 緊張の為かレイアは思考が揺れ動く。春が優しくレイアの涙を拭った。

 

 そうだ。今は集中しなきゃ。

 

 春と目が合った。レイアは頷き、合わせるように春が動いた。春の影がレイアに重なった。

 

 春は掌をレイアの肢体の脇に置き自らの体を支える。自然と見つめ合う二人。春の上体がゆっくりと下り、二人の顔の距離が零になろうとした時。

 

「春!駄目!やっぱりちゅーは駄目!」

 

 レイアがクロスさせていた腕を春の胸に押し当て春のキスを拒否した。

 

 今よりもっと幼い頃、キスは普通にしていた。レイアと春の両親も微笑ましい様子で止めることはなかった。しかし小学生になり三年生へと上がる頃、アンジェリカが二人のキスをやめる様に言ってきたのだ。これは秋奈も同意していた。二人の性の乱れを心配しての禁止だったがレイアには到底理解出来ない事だった。嫌だと拒否したレイアに二人は、優しく諭し、もっと大きくなってから、と時期をぼかして妥協案を提案した。懇願するアンジェリカと秋奈に心が乱れ渋々だが了承した。大きくなったらって六年生くらいだろうか?レイアの小さな世界ではその程度が限界だった。しかし約束は約束だった。出来る限り守らなければならない。

 

 春はレイアの突然の拒否に怒ることも悲しむ事もなかった。その代わりに春は頬をレイアのそれに近づけ擦り合わせた。

 

 産毛だけが触れる距離から熱が伝わる距離まで。幾つものバリエーションで擦り合わせる。

 

「ふあぁぁぁぁ」

 

 余りの気持ちの良さにレイアの喉から知らず声が漏れた。頬の接触は過去何度もある。しかし産毛だけが触れる新鮮な感覚、肌を優しく撫でるように擦れる触感。レイアは過去体験したことのない触れ合いに幸せな気分になる。今まではレイアから春に触れる事が殆どだったので、ただ当てて押し付けるだけだった。

 

 レイアの予定ではキスから始めるつもりだった。しかし直前まで約束を失念していたのだ。アンジェリカに内緒の行為で、レイアも緊張していたのだ。しかしこれも悪くない。キスではない。今後は堂々と行ってもアンジェリカも文句は言わないだろう。

 

 春はレイアの頭部の後ろに掌を優しく差し込み引き寄せるように軽く支える。それにより頬の接触は強くなりより二人の熱を交換しあう。

 

「んっ…ふぅ」

 

 レイアも伸ばした両の腕で春の首を優しく抱え春の優しさに応えた。

 

「んっ…んぅ……」

 

 しばらく頬の触れ合いを楽しんでいたレイアから春が離れた。

 

「あっ」

 

 離れてしまった熱にレイアの頬が、心が寂しがった。もっと続けたい。しかし春の瞳を見て思い出した。そうだ。この行為はレイアが春にお願いしていたものなのだ。

 

「うん。ごめんね春。じゃあお願いします」

 

 春の手がレイアの胸に伸びる。二次性徴の兆しもないレイアの胸は女性としての柔らかさはない。しかし幼い少女特有の薄く体全体を覆うしなやかで若木の新芽にも似た独特の感触がある。まだ少し固いが軟らかい。

 

「うぅぅ…」

 

 くすぐったくも優しく触れる春の掌。春の掌はレイアの胸からお腹、脇、鎖骨、腕、お臍、背中と至る所に伸びる。その度にレイアは春の掌の熱を感じ、でもくすぐったくて声を我慢する事に必死だ。

 

「んっぅぅぅ」

 

 気がつけば春の掌の動きが止まった。レイアはほっとすると同時に寂しくもなる。見つめる春にレイアは頷く。もう後戻りは出来ない。

 

 春の腰が動いた。ゆっくり、ゆっくりと、しかしそこに躊躇いの様子は一切なかった。

 

 春の動きに合わせてレイアの口から声が上がる。最初は小さく、やがて大きく。それはレイアの可愛い口から出るとは思えないとても大きなものとなった。

 

「あっ!あぁぁんっ……あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 レイアが声を抑える様子はない。最初からそのつもりもなかった。この家には今、レイアと春しかいない。

 

「うぁぁ……!駄目!駄目!OH!MY!GOD!(オーマイガー)」

 

 掌を頭にしたレイアが髪を振り乱す。上体も会わせて動くためベット丈夫へと体が移動しそうになる。春がレイアの腰を押さえ、レイアが動けないようにした。

 

「て、春ぅぅ……春ぅぅ……うぅぁぁ!いぃぃぃ!!ふぁあぁぁぁ!!」

 

 レイアの下半身の移動は止まったがレイアは頭を掴んで髪を振り乱したままだ。

 

 元から止めるとばかりに春は押さえた腰から手を話レイアの手を掴みベットに押し付けた。

 

 春と目が会うレイア。視線に縛られこれでレイアは動けない。動く事が出来ない。

 

 しかしレイアは激しく動いた事によって上気した顔で、ごめんね。もう大丈夫だよ。と言わんばかりににっこりと春に微笑んだ。

 

 春の動きが変わった。前後に動いていた腰を強く押し付けるように。弧を描くように。時折腰を戻し決して単調な動きにならぬよう。繰り返し繰り返し。

 

「あっ!あっ!あっ!うぁっ!いっ!うぁぁっ!」

 

 レイアが目を見開いた。頭を振り乱す代わりに歯を食いしばり始めた。力を込めた首には筋が浮かび桃色に色づく。

 

「て、春!春!駄目!駄目!!死んじゃう!死んじゃう!あっ!あぅ!くぅっ…あっぁぁ!あっぁぁ!」

 

 レイアはまたいやいやをするように髪を髪を振り乱した。それを押さえるため春は掴んだ手を離し、肩を支点に浮かんだ背と腰を沈めるように腰を押さえた。開放されたレイアの掌は頭部を掴むこと無く彷徨いシーツへ向かう。そしてそれを強く掴み、皺が拡がった。爪の先は白くどれほど強く握っているか伺いしれた。

 

 春が一際腰を強くレイアに押し当てた。

 

「んあっ!それ駄目!来ちゃう!来ちゃうからぁぁ!」

 

 押し当てた腰をさらに強く。そして別方向にいくつも力を加えた。

 

「駄目!だめ!ダメ!くるっ!きちゃうぅ!!て、はる!はるぅぅ!」

 

 春を見るレイアが春に両の掌を伸ばした。春がその手をしっかりと力強く握った次の瞬間。

 

「っんあぁぁあぁぁんっ!んんっああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ぁぁ…ぁぁ……ぁ…」

 

 強く長く尾を引く絶叫にも似た悲鳴がレイアの喉から絞り出された。

 

 レイアの背は弓の様に強く反り返りしばらくその状態が続いた。繋がった掌が要石の如くレイアを支えた。つま先がつんと伸び切り痛々しくもみえた。

 

 やがてレイアの掌からは力が抜け、首は傾き口元は力なく半開きとなる。瞼はピクピクと動いているが閉じられていた。レイアは時折ビクリと痙攣するように動いているだけだ。しかし意識はある。これまでの行為で意思を失う理由などない。

 

 春は掴んだ掌を一本一本優しく離していく。そして膝を立てるとレイアの肢体をまるで触れるだけで壊れてしまうシャボン玉を掌に載せるかの如く肢体を抱え俯きにした。そしてレイアの両足脚を同じく優しく折りたたんでいく。

 

 ぐったりと体に力を入れないレイアは春のなすがままだ。両足の隙間はぴったりと閉じず、少しだけ開いた形に。ふくらはぎはアヒル座りのように外に広がっている。だらしのない土下座にも似た姿勢でお尻を春に突き出す形だ。両手は後方に投げ出され両の肩で一部体重を支える不自由な姿勢でもあった。

 

 春がレイアの腰に触れる。押さえるのではなく支えるように。春の腰が動いた。

 

「あぅ…ちょうだい…もっと…ちょうだい……て、はる…はるぅぅぅああああああああ!!!」

 

 またしてもレイアの声が部屋中響き渡った。

 

「んぁああ、んぁああぃぃ…んぁっんぁっんぁっんぁっぁるぅはぁるぅ!!!いぎぃっ!!んくっ!んっ!んっ!ああぁ…んっ!」

 

 春の腰は単調な動作を繰り返さない。一つとして同じ動きはなく優しく繊細に決してレイアを傷つけぬよう細心の注意をはらい、しかし力強く変拍子もにも似た動きを止まること無く繰り返す。

 

「いぎぃっ!んぎぃっ!いい!いい!ぎぼちぃぃぃぃよぅ!!うぇぁっ!もっうぅど!もっぅっっどぉぉ!」

 

 最早レイアの喉から響き渡る声は意味を成していない。春の動きに合わせて出るに任せているだけだ。部屋に流れるレイアの悲鳴。どれだけの時間が経過したかレイアにもわからなくなっていた。

 

 春は体の動きはそのままに体重をレイアに預けた。レイアの背に春の腹部と胸部が当たる。春の手はレイアの胸に回された。

 

「あっ!あっ!あっ!ふぅっあ!うんっん!ひぃぃああぁぁ!い"い"っっい!も"っどぉぉぉ!!」

 

 春の腰の動きか手の動きか、もうどちらの動きに合わせた声か分からない。

 

 春は投げ出されていたレイアの両腕を掴んだ。そしてぐっと引き寄せた。だがそれはレイアに負担がかからぬように最大の注意が払われていることが外からみてもはっきりと分かる動きだった。

 

「ぐるう!ぐるっじゃうぅぅ!!おがっぎぃぃぐぅ!!っぁぢぁうぅぅ!!ぁっぐるっ!まぁった!!……ぎぢゃう!!て、ばぁるっ!!ばる!ばる!……きちゃっ!!う"ぅぅぅぅっ!!」

 

 最後とばかりに掴んだレイアの腕を強く引き寄せる。そして同時に腰も回転を加えながら強く強く。

 

「んぐぅ!あぁぃぃ!っんぅっ!ぼねがぎ!!いっじょぎ!!いっじょぎ!!んぐ……いぐっっ!!いぐっっ!!ぐぁあ………!!あああああああぁぁぁぁがぁあぁぁぁぁ……ぁぁ…ぅぁ……ぁぁ…………ぁぁ……」

 

 またしても悲鳴があがった。それは獣(けだもの)の咆哮にも似た大絶叫。長く長く尾を引き三〇秒以上は出ていたのではないだろうか。

 

 レイアは折り曲げた脚はそのままに力なくぐったりとしていた。瞳は白目を剥き、口元は涎でれらてらと光っている。不定期におこる痙攣がレイアの命の証明をしているようだ。

 

 春はレイアに手を伸ばす。そうだ。まだまだ時間はあるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

「という事をパパとママが昨日してたの。ここで私が止めにはいったって訳。パパはママを虐めてないって言うし、ママもパパがずっと大好きで虐められた事なんてないって言うし」

 

 二人は演技で汗ばんだ体はそのままに、レイアはタオルで口元を拭いながら春にそう言った。

 

 演技の最中、一度も脱ぐことなくずっと着ていた服は着替えずにいた。二人に着衣と頬の接触はあっても粘膜の接触は一切ない。

 

 今日レイアはアンジェリカに注意された。今喋った事は二度と、絶対、誰にも、言ってはいけない。

 

 絶対にだ!

 

 鬼気迫るアンジェリカの様子にレイアはこくりこくりと頷いてしまった。もともと友人などいない。おしゃべりするのは家族と桐山家の住人のみ。そしてそれは主に春だけだ。

 

 意味がある約束とは思えないが約束は約束だ。出来る限り守るつもりだった。

 

 演技の最中、レイアの口からでた声は、知らずでてしまったものあるが、基本アンジェリカを真似たものだ。途中、輝政と言いそうになったが、やっぱり呼ぶのは春の名前がいい。

 

 春の動きもレイアが事前に説明し、軽くリハーサルをしてからの実施だ。やるからには本気の演技をする。そうしなければ父の気持ちも母の気持ちも理解できないと思ったのだ。入念に事前説明をしていたので春の動きもレイアの満足のいくものだった。

 

 ただ薄暗い中、怯えながら見てしまったレイアなので細部は勿論違う。本来はもっと長く続いていたように思う。まだまだ幼いレイアに理解の及ばない行為を長時間覚えておく事は難しい。輝政の背中に隠れ、見えなかった動きや動作も当然わからない。だがアンジェリカの声は印象深く、隠しようがなかったため、かなり自信はあった。輝政もいろいろアンジェリカに声を掛けていたが春は喋らないので全てカットした。アンジェリカの声が大きすぎて聞こえにくかったのもある。反省点としては、演技が恥ずかしくて最初がぎこちなかったかなといったところだろう。

 

「真似をしてみれば何か分かるとおもったけど。春はどうだった?」

 

 冬至と輝明を連れて夕飯の買い物に出かけたアンジェリカと秋奈はもうしばらくするとかえって来るはずだ。レイアは春と二人での留守番を買って出た。ならば折角のこの機会、アンジェリカと輝政の行為をトレースし、真似することで果たして輝政がアンジェリカを虐めていなかったのかを検証するため春に協力をお願いしたのだ。

 

 アンジェリカも秋奈も専業主婦で家事に育児に忙しい。声を上げれば絶対にばれてしまう。普段なら絶対に出来ない検証もこの機会を逃せばいつ出来るかわからなかった。まさに絶好の機会だった。

 

「やっぱりよく分からないわ。裸じゃなきゃいけなかったのかしら?今度お風呂で試してみようかしら」

 

 だがお風呂は声がよく響く。何らかの対策が必要だろう。

 

 もし何らかの理由でアンジェリカ達が早く帰宅した時の為に備えて着衣はそのままにしたのが失敗だったかもしれない。今となってはただの杞憂だった。

 

「でも今日はもうお終い。少しだけ楽しかったね」

 

 千載一遇の機会はそうそう無いだろう。アンジェリカ達も、いまこの瞬間に帰宅してもおかしくない時間だ。

 

「結局分からず仕舞いだけど、春に触られて嬉しかったしママもそうだったのかしら」

 

 アンジェリカと輝政がしていた行為は不明だが、きっと輝政はアンジェリカを虐めていない。レイアも春に虐められているとは一度も思わなかったからだ。きっと二人はじゃれ合って遊んでいただけなのだろう。パパに悪い事をしてしまった。昨日の事ちゃんと謝らなきゃ。夕食でみんな揃った時がいいだろう。レイアはそう結論づけた。

 

「なんだか疲れちゃった。春、ママ達が帰って来るまで一緒に寝ましょ」

 

 長時間の演技に少し疲れ、睡魔が襲ってきた。春も眠そうにしている。

 

「春はこっちね。うん。手をつないでと。あ、そうそう。さっきのほっぺたで触り合うのしながら寝ましょ」

 

 二人がお互いの頬を触れ合う内に意識はあっという間に落ちていった。ここ数ヶ月で一番幸せな夢を見ながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

「ただいまー。春ー。レイアちゃーん。どこー?」

 

 秋奈が帰宅し、リビングに居ない二人を探して声を出した。

 

「秋奈。こっちこっち」

 

 アンジェリカがレイアと春を見つけ、秋奈に教える。

 

 二人は仲良く春のベットですやすやと寝ていた。我が子を愛する二人にはそれはまるで天使の寝姿だ。

 

「まだまだ子供ねー。ほんと可愛い。うふふ。食べちゃいたいくらいよ。なんちゃってぇ」

 

 おどける秋奈にアンジェリカが返す。

 

「寝ていても手を繋いでるわ。このままずっと子供でいてくれたらなぁ」

 

「あら駄目よ。ちゃんと成長してもらって大人になって幸せになって欲しいもの」

 

「そうね」

 

 二人はふふふと笑いあって、夕飯の準備を始める。もうすぐ釣りを楽しんでいる輝政と夏彦が帰ってくる。前と一緒で一匹も釣れていないかも知れない。鮮魚店の店主がまた教えてくれるかな。値札の取れた魚ではないことを期待して二人は料理を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




無茶苦茶だけど書いてて楽しかったです。

これで終わっても問題なさそうですね。
ちぃっと考えます。
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