ざっくりいうと、サリヴァーンが法王になるために踊り子という存在が必要で、聖女にあの手この手を駆使して、踊り子になります、と言わせるお話です。(笑)
基本的にゲームの世界のままで、考察を参考に話を進めています。
R-18ですが、擬音や直接表現をどれだけ使わないで出来るかという実験もしてみました。
なので、もしかしたらとてもじれったい印象かもしれません。
大人な雰囲気を出せていれば成功かなと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
サリヴァーンは、執事にグウィネヴィアの聖女をその日の終課ののち部屋に来るように伝えた。程なくして貴賓室の重い扉が開き、聖女が入って来た。普段とは違う時間に呼び出され、少し戸惑ったふうであった。
「お呼びでしょうか?」
「ああ、少し待つように。これを片付けてしまうのでね。」
来訪者を見もせず、サリヴァーンは簡易の執務机で巻物に何かを一心に書きつけていた。
この時分に公用の訪問で無いのもあって、かなりくだけた対応をされた聖女は、少々面喰らいながらも、辛抱強く待った。
書きながら部屋の主は、おもむろに口を開いた。
「グウィネヴィア様がここアノール・ロンドを去り、仕える先がグウィンドリン様に変わってしばらく経ちますが……、如何ですか?」
「はい……。つつがなく努めさせていただいて居ります。」
聖女の受け答えは、僅かに緊張をはらんでいた。その訳は少し前から城内に不穏な噂が立ち始め、そのほとんどがサリヴァーンについてあまり聞こえの良くないものだったからである。
巧みにグウィンドリンに近づき、その地位を虎視眈々と狙っている、あるいは薬と称してその実、毒を盛っていると言ったまことしやかなものまである。
もしかしたら、サリヴァーンにとって不都合な流言を根絶する為に彼女は呼びつけられ、出所などを厳しく聞き出されるのかと思われた。
ところが身構えたものの、
「そうですか。ならば良かった。さて……。ああ。これは遠征で持ち帰った物の中にあったものです。」
という何気ない受け答えのみで、口調から判断するにどうやら懸念していたような内容についての呼び出しではないと解り、やや拍子抜けした。
サリヴァーンの誰に対しても丁寧な、知性を感じさせる物腰は一見優しげである。
だが、一度目を付けられるとイルシールの沼に生えている髪藻の如く絡みつき、逃れようともがくたびどんどん食い込み大変に厄介である、そんな評判が有ってか、あまり彼に近づこうとする者はいなかった。
差し出された陶器の華奢な器には、ふわりと香る深く濃い色の温かな飲み物が満たされていた。
サリヴァーンが飲んだので、恐る恐る口にすると思いのほか苦みがあるものの、不思議な清涼感が広がり、嫌いではない味わいだった。
「変わった味だが飲むと疲れが取れるのだそうです。ところで……、私は貴女に言っておかねばならない事があります。」
唐突にサリヴァーンは切り出した。
「貴女を不安にさせている件です。何なのかお解りになりますか?」
聖女は、身を固くしサリヴァーンを見た。
「ここしばらくの流言にある、私が処方し、……いつも貴女に運ばせているグウィンドリン様の薬湯の事です。」
サリヴァーンは聖女の目を見つめ反応を窺った。心当たりがあると云うふうな目がせわしげに動き、戸惑っているのがよくわかる。
ふ、とサリヴァーンは小さく息をつき、見る角度によって酷薄そうな痩せた相貌を少し和らげると、穏やかに話しだした。
「今飲んでいるこの飲み物をこしらえていた国には、さまざまな薬効が期待できるものがあって、原因が解明できないグウィンドリン様の病状に合うものを少しずつ差し上げてるのです。」
「ただ、病状が良くなったかと思うとそれぞれの薬による副作用が出るなどして、なかなか思うように行かなかったのです。それが結果的に他人の目には薬湯を差し上げるたび、具合が悪くなって行くように見え、いかにも私が非道な行いをしてると映ったのでしょう。」
事情を打ち明けられ、聖女は安堵の息をそっとついた。
サリヴァーンは、
「私がこんな出で立ちなのでよく誤解されるのでしょう。また、正統な聖職の出自では無いためそれを良く思わぬ者もいます。しかしいくつかのそうした事情を厭わず、取り立てて下さった王家の懐の深さに、だれが恩を仇で返すような真似をしましょうか。私は生涯かけてこの国に忠誠を誓っておりますし、また心より愛してやみません。」
そこでひと息つき、サリヴァーンはまだ温かさの残る飲み物を流し込んだ。
聖女もようやく納得し、自分の不安は杞憂だった事を素直に喜んだ。
――よかった、サリヴァーン様が噂されてるような不埒な方で無くて。
ほっとした面持ちで冷めかけた器を大事に持ち直し、同様に飲み干した。
「だが」
と、出し抜けにそれまでとはうって変わった、抑揚の無い声、あるいはずっと抑え込んだ怒りの中に居るかのようにサリヴァーンは再びゆっくりと語り出した。
「だが、今のアノール・ロンドの為政者グウィンドリン様は、ご自身がグウィン先王と敵対していた竜の末裔、しかも中途半端な血の継承で竜になりそこなった、言わば候補者の中では明らかにふさわしく無い、不適合者なのです。
それに、堂々としてご立派だった先王やグウィネヴィアさまと違い、いつまでたっても陰に隠れているような……」
グウィンドリンに対する批判は次第に熱を帯び、少々度が過ぎるあたりになってから、あまりに非礼な発言に聖女は思わずとがめた。
「では、サリヴァーン様はグウィンドリン様が再び玉座に戻られる事はないと仰るのですか。」
サリヴァーンは視線を彼女に戻し、しばらくの間何か考えていたがゆっくりと言い放った。
「……実は貴女も聞いている通り、私がグウィンドリン様のご退位を願っているのは本当です。
そして私こそがグウィンドリン様よりも治国の手腕を発揮でき、更なるこの国の発展を促すことができましょう。
……その際には、王となる者には、聖女の存在は不可欠です。聖女の力無くしては王の力は十二分に発揮できませんから。
貴女が呼ばれた理由はもう判ったでしょう。……今後は私のもとでその働きを見せなさい。」
突然、此度の用件が自分の処遇についてである事を知らされ、聖女は少し混乱した。
「サリヴァーン様、何を仰って……なぜ、わたくしが……?」
「グウィンドリン様は遅かれ早かれ退位なさるでしょう。その時に付いていた聖女は役目を終え修道院で一生を終えるか、野に下り人々に忘れられて生涯を終えるかのどちらかです。貴女はそのどちらにもなるべきではない。ならば、いま道を選びなおし、ここにとどまるのが最善だと思うのですが?」
語尾を上げ尋ねるように返した。
聖女の候補ならば厳格な審査があるとはいえ、他に居ない訳では無い。
サリヴァーンが何故自分のような者にこだわるのか理解に苦しむ上、何よりも仕える主を簡単に替える提案には抵抗があった。
「ですが、わたくしは……グウィンドリン様を裏切る事はできません……。」
弱々しく聖女は異を唱えるが、それがさらにサリヴァーンを苛立たせた。
「まだお判りにならないようですが、今現在、実質グウィンドリン様より力があるのは私です。貴女を助けられるのは私しかいません。」
「それに聖女は誰でもいいわけではなく、現在の権力者から移籍した、という事が重要です。なぜならそれまでの力が聖女を介して引き継がれるからです。」
「グウィンドリン様はあのようなものであってもやはり神は神。私には持ち合わせないものを持っています。その方に仕えた聖女ならばグウィンドリン様の威光をそのまま受け継ぐ事が出来るのです。」
と畳み掛けるように言った。
「貴女が仕えるべきはあの方ではない。あの方は貴女に何を与えたというのですか?私なら貴女に多くの物を与える事ができます。私の持てる魔術の一部でさえ。」
サリヴァーンの神をも恐れぬ不遜な告白と、信仰とは相反する魔術への誘惑に、聖女は心の内で病に伏す唯一の拠り所である
いつしか、雌鹿を仕留める狩人のように、サリヴァーンは冷静かつ優しげに緩慢な動きを以って、獲物をそれと気付かれぬよう部屋の際に追い詰めて行った。戸惑いと不安で胸をせわしく上下させ、怯えて見開く雌鹿の瞳は目の前の狩人に命乞いをしていた。
ふと、無防備な美しい獲物を追い詰めるのは、なんと愉しい事だろう、とサリヴァーンは思った。
嗜虐を駆り立てるその目に自らの中の必要以上の高ぶりを呼び覚ましそうになり、溢れる悦びを抑えきれずに居た。
いまここでこの聖女を思い通りにできるのなら、自らの野望は殆ど達成出来たといっても過言ではない。グウィンドリンになり代わって、あたかもこの地を治める事がもう決まっているかのようにその男はふるまった。
「聖女の役目は……、」
燭台に照らされた背の高い影が着実に間合いを詰めて行けば、聖女はさらに背後に下がらざるを得なかった。
「王となる者の為に……舞うのです。王の命ずるがままに。」
男が一歩進むごとにやって来るたった一つの選択に抵抗する為、困惑に震えながら聖女は後退し続け、果たして、どの神が彼女を救い出だすと言うのだろう、ついに聖女は目に涙を浮かべ両手で祈りの印を結んで懇願した。
「サリヴァーン様、どうか……どうか、お許しくださいませ……。始めよりわたくしはこの命をグウィンドリン様に捧げ……」
相手にとって最も忌避する名を懲りずに口にした刹那、男の目はぎらりと焔を宿し、次の瞬間に灰狼の身のこなしで、聖女の自由を奪った。男に身体ごと押し出され体勢を崩し、たまらず倒れ込んだ先は重厚な彫刻が贅沢に施されている、天蓋付きの広い
堅い床に倒れこむと身構えていた聖女は、予想外の着地に驚いたようだが、さして救われた状況に有るわけではないと理解するや否や、新たな危機から逃れようともがいたが、圧倒的な力で組み伏せられ、痩躯の男の下で微動だに出来ず力尽きるのを待つばかりであった。
「解らない人だな。グウィンドリン様に?なんだというのだ?二度とその名前を言えないようにしてやろうか。」
静かではあったが荒々しい本音が口をつき、嫉妬の青白く燃える
だがそれは一瞬のことで、女の匂いのする耳朶に口寄せると、
「私のもとに来なさい。私のもとに来て、私の為に舞いなさい。」
と、低く優しげにこれ以上ないほど甘やかに囁いた。
最前よりこの男は危険と、彼女の中で警鐘が鳴り響き、万策講じて抵抗を試みるもそれよりもなお早くサリヴァーンの声は身動きとれぬ乙女の耳から入り込み、するりと脊骨を滑り降りその先にあるこれまで固く封印して来た身体の
あたかも魔術師が不毛な荒地に杖をうがち、尽きぬ命の泉を出現させ豊かに溢れさせるように身体は素直に反応した。
また、法衣に焚き染めてあった
眼下の無防備に晒された白い首筋に、短く音を立て一つずつ丁寧に
ほう、という顔をし、サリヴァーンはまじまじと聖女の顔を覗き込む。
「……これは予想以上の。……先ほどの飲み物を、お気に召してくださったようですね?」
感度が増す副作用のある飲み物を、男と女はしかも充分に飲みほしていた。
触れるか触れないかの愛撫は、乙女の身体を更に切なくさせ、時折不意に押し付けられる唇に身体が跳ねるような官能的な鈍痛が襲いかかった。
緩急付けたサリヴァーンのいたぶりは、聖女の口に閉じる暇を与えず残酷に喘がせた。苦しげに息を付く聖女の唇に、サリヴァーンはねぎらいのつもりか、ようやく冷たく薄い唇を重ね合わせた。甘い処女の唾液は甘露のごとく男の口に吸われ、幾筋もの糸を引かせながら舌と舌は契約を結んだ。
長い口唇のまじわりに聖女の瞳は悦びに潤い、まだ事の序盤にも拘らず既に快楽の嵐に晒され、瞳の焦点さえもおぼつかなかった。
聖女のおとがいにねっとりと舌を這わせ、
胸元の小ぶりな双丘に辿り着くと、そのまろやかな柔らかさを存分にねぶり、潰し、執拗な
ひっ、と鋭く息を吸い込み、予期せぬ痛みと驚きに眉根にしわ寄せ唇を噛んで耐えた女は、むしろ、増える痛みの数に歓喜の表情さえ浮かべていた。
しばらくすると、一筋の甘美な紅色の筋が伝い、白い
この日、女は絶対服従と忠誠と所有物を意味する正式な印を与えられたのだった。
聖女は――法王の踊り子となった
すみません。ヘタレは重々解ってます。
前戯だけでアップアップでした。
精進いたします・・・。
個人的にサリヴァーンと踊り子ちゃんは仲が良かったと思いたい。