永遠の煩悩者、第三十三話の18禁verです。

内容は横島とルシオラのエロが9割なので、永遠のアセリアを知らず、本編を見た事が無い人でも楽しめると思います。
逆にGS美神を知らない人はまったく楽しめないのでご注意ください。

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永遠の煩悩者 第三十三話 R-18

 

 

 永遠の煩悩者 第三十三話

 

 黄昏の約束 R-18

 

 

 

 

 実に懐かしい光景が横島の目の前にあった。

 薄汚れた畳。煤けた壁。狭苦しい六畳一間。築何十年にもなるボロアパートの一室。

 見慣れた元自室だ。窓から夕日が差し込み、部屋を黄昏色に染めている。

 

 その中に、一つだけいつもと違う光景があった。

 潰れたせんべい布団。そこに見え隠れする細く白い足首と、小さな触覚。微かな寝息。

 

 ルシオラが寝ていた。

 

 ゴクリと生唾を飲み込む。もう夢だというのは分かっている。

 悠人との喧嘩が終わって、治療を受けてテントで横になって気づいたらこんな状態なのだ。夢以外に説明がつかない。意識はしっかりしているから、いわゆる明晰夢というものだ。

 夢の中で恋人が寝ている。自由に動ける。さあ、どうしたものか。

 

 答えなど決まっている。

 恋人と甘い言葉を交わしあう、などと言うリア充じみた戯言をほざく横島ではなかった。

 惚れた女が目の前にいるのだ。これはもうヤルしかないではないか。

 だけれども、今すぐルシオラを起こして淫夢をむさぼりつくすとはいかない。

 

(一発やろうとしても、どうせ「この変態がーー!!」とか言ってアイアンクローでもしてくるに決まってんじゃー!!)

 

 エロい夢など昔から何度も見てきた。だが、夢ですら想いを遂げられたことは無かった。

 雇用主などは、彼女のエロい夢を見ようとすると現実から夢の中にまで干渉してぶん殴ってくるという荒業すらこなしてくるのだ。

 それ以外でも大抵は後一歩という所で邪魔が入るのがお約束である。

 

 ならば、取るべき道はひとつ。

 起きて抵抗される前にひん剥いて、一気に欲望を突っ込むのだ。

 もちろん、現実でやったら最低最悪だ。エロバカでもそれは分かる。だが、所詮ここは夢の中。夢の中ぐらい暴虐でもいいではないか。

 

「ぐふふふふ! 横島、いっきまーす!!」

 

 一気に飛び掛かる。空中で服を脱いで、パンツ一丁になるお約束付きだ。

 そのまま布団を引っぺがそうとして、空中でピタリと止まった。

 

「そういや、濡らさないと確かメチャクチャ痛いって話だよな」

 

 エロ知識だけなら、横島は広辞苑並みにある。気になったエロ単語は辞書を引いて、きちんとチェックマークを残す程の模範的なエロ生徒だった。

 良くあるAVのように、濡らさずに突っ込んですぐに気持ち良くなるなどはありえない。

 特に横島の巨根では高い可能性で裂傷して、酷ければ布団は血の海になるだろう。

 

 夢の中とはいえ久しぶりにルシオラに会えたのだ。痛い痛いと泣いているのを強引に組み伏せながら思いを遂げるというのは、やはり後味が悪い。

 とはいっても、エロいことはしたい。夢の中ぐらい、ルシオラを抱かせてくれと思う。

 

「むむむ!」

 

 頭と息子。理性と本能がぶつかり合う。そして、答えを出した。

 起こさないように前戯をして濡らし、起きそうになったら一気に挿入する。

 いわゆる睡姦と呼ばれるものだ。当然ながら、非常にマニアックである。

 押さえ込めないリピドーと、へたれのずれた優しさと、馬鹿が組み合わさった結果、到達した答えがこれだった。変態の面目躍如といえるだろう。

 

「横島、今度こそいっきまーす!」

 

 寝ているルシオラの足元までいくと、そのまま匍匐前進で布団の中に潜り込んでいく。

 ルシオラの寝巻はネクリジェとショーツだけという中々に扇情的な格好である。

 どちらも生地は薄く、凝視すればポッチも透けて見えるかもしれない。

 

(これはパンツではない。パンティーなのだ!!)

 

 心の中で熱くシャウトしながら、パンティーに手をかけた。

 これを脱がせば桃源郷への道が開かれる。少しだけ罪悪感がこみ上げてきたが、どうせ夢なのだからと罪悪感を無視した。

 栄光の手を生み出して、パンティーのサイド部分をそっと切った。

 

 

 

 はらり、とパンティーがシーツに落ちる。

 

「……ぐ、ぅおお」

 

 横島の鼻からは赤い滴がシーツに落ちた。ルシオラの女性部分は、実に上品であった。

 具は飛び出ておらず、色はツヤツヤ。薄いピンクは処女の色。

 かと言って、子供達の様に未成熟では無い。ヘアはあるし、大陰唇は厚ぼったいわけではなく、包皮に包まれたクリトリスも見えている。

 ヘアは薄く、茂っている範囲も狭い。キチンと刈り込んだ芝生のようだ。

 横島は満足気に頷く。完全なツルツルでは子供のようで萎えるし、かといってタワシでは引く。あくまでもソフトに、そして上品でなければならない。

 

「はあ、ふうっ!」

 

 半ば理性を失いながら割れ目に指をのせて潜り込ませてみる。

 

「……ッ!」

 

 ルシオラの唇から僅かに苦しそうな声が漏れた。

 慌てて指を引く。まさか起こしてしまったかと緊張したが、すぐに寝息が聞こえてきた。ギリギリセーフだ。

 

 指で擦った部分は僅かに赤くなっていた。

 碌に触れられたことが無いから、まだ皮膚そのものが薄いのだろう。濡れてもいないのだからなお更だ。

 炎症の後を見て、横島は少し正気を取り戻した。

 

「濡らさんと……まずは濡らさんとな!」

 

 指一本でこれだ。下準備をしなければ大変なことになるだろう。

 はやる気持ちを押さえ付けて、指を割れ目に軽く置いて、そのまま上部に移動させる。芯が少し残っている豆を触る感触。

 女性にとって最も敏感な部分を、指の平を使って優しく刺激してやる。

 

「……ん」

 

 ルシオラは小さな声をもらすが起きる様子は無い。

 クリトリスに触れるたび、足の付け根あたりがピクピクと動いた。アソコがじんわりと湿っていく。

 俺の手でルシオラが感じている。

 それが誇らしい。これが本当の栄光の手であると、横島は確信する。

 

「うぅ……くぅ……ぁぁ」

 

 横島の手の動きに合わせてルシオラは体をくねらせ身悶える。

 頬は紅潮して、白い肌はしっとりとした汗をかいて艶かしく輝き、ぴったりと閉じていた小陰唇は開いて液を吐き出し始めていた。包皮からクリトリスの芯部分が頭を出している。

 慎重に包皮を剥いて、もっとも敏感な部分の核を露出させる。小さかったそこは、確実に大きくなって充血している。

 

 半ば理性を失った顔で横島はそこに顔を近づけると、何を思ったのかクリトリスにキスをする。そして、強く吸った。

 

「っぁ……ああああああ!」

 

 太股が細かく痙攣して、秘所からは今までにないほどの液が迸る。横島の顔にも飛び散ってきて、強い雌の香りに横島は恍惚とした。

 

「もう、もういいよな! 大丈夫だよな!!」

 

「何が大丈夫なの?」

 

「そりゃナニさ! さあ、いざ往かん! 約束の……地……へ」

 

 一体、俺は誰と会話しているのだ?

 

 横島は恐る恐るアソコから目をそらして彼女を見る。

 果たしてそこには、頬をこれ以上ないほど赤くして目に大きな涙を溜めながら、怒りの形相でプルプルと震えるルシオラがいた。

 

「くっ、間に合えーー!!」

 

 慌てて股間の永遠チン剣を構え、渾身の突きを繰り出す。

 

「チン剣肉棒取り!!」

 

 ルシオラは慌てて股を閉じる。そして、膝でチン剣を両端から押さえ込んだ。そのまま、万力で潰すように力をこめる。

 ぶちぶちぶちぃ!

 肉が、男の根源が潰れる音が響く。

 

「ぐぎゃあああああああああ!!」

 

 三下の如き悲鳴を上げながら、股間を押さえて横島は悶絶した。

 哀れではあるが、自業自得という言葉が相応しいだろう。

 ルシオラも嘆きようでは負けてはいない。

 

「ふぇぇぇん! これはいくらなんでもないわよーー! もうロマンチックは期待してなかったけど、いくらなんでもこれはあんまりでしょ~!」

 

 惚れた男に睡姦されれば、さもありなん。

 

「あと一歩! あと一歩だったのにちくしょーー!! こんちくしょ~~!!」

「この馬鹿ヨコシマーー!!」

 

 泣き叫ぶ全裸の男と下半身裸の女。

 

『これは酷い』

 

 この場をセッティングした某神剣は、酷すぎる艶場に頭を抱えるのであった。

 

 

 互いにひとしきり泣いた後、二人はようやく落ち着きを取り戻した。

 横島はオチが付いたにも関わらず目が覚めないのが不思議であったが、まだエロの希望はあるのかと情熱を燃やす。

 その為にも、何とかルシオラの機嫌を良くする必要があった。

 横島は土下座でルシオラの機嫌を伺う。ルシオラはいつものスーツ姿になって仁王立ちで横島を見下ろしていた。

 

「で、ヨコシマ……何か言い訳はあるかしら……辞世の句ぐらい読ませてあげるわ」

 

「だってしゃあないだろ! 夢の中とはいえ、惚れた女が寝てるんだぞ! やらいでか!」

 

「そこは普通に起こしてからやりなさいよ! どうして睡姦に走るの!?」

 

「だって起こしてやらせろって言っても嫌がるだろ! 今だって怒ってるし!」

 

「やらせてあげたわよ! 私だってヨコシマが好きなのよ!」

 

「る、ルシオラーーーー!!」

 

 ぴょい~んと横島がルシオラに飛びつく。

 あ~はいはい、とルシオラは呆れた目つきで横島を見すめると、闘牛士の如く身をかわす。

 勢いよく壁にぶつかった横島の額から、噴水の如く血が噴出した。

 

「う、嘘つきーー!! やらせてあげるって、やらせてあげるって言ったくせにーー!!」

 

「前にも言ったけど空気を読みなさい!! やらせてあげるって言ったでしょ! 少しはお預けしてちょうだい! 犬だって出来るのよ!! 待て、お預け!!」

 

「俺は人間だぞ! 犬じゃないから待てなんてできるかい!!」

 

「ああもう! どうしてそんなにバカなの!?」

 

 やらせてあげると言ったのだ。だったら少しぐらい待って欲しいというのがルシオラの本音だ。だが、横島の、というよりも男の立場からすれば『やらせてくれると言うのなら、さっさとやらせてくれ』というのが本音である。

 男女の隔たりは、こういう辺りにも良く出るものだ。

 

「もう、分かったわ。ここは私が折れるわよ」

 

 やれやれと両手を上げたルシオラは、そのまま布団の上に倒れこんだ。

 

「さ、好きにして」

「好きに……つーと?」

「しましょ」

「マジか?」

「マジよ」

「本当か?」

「本当よ!」

「本当に本当か!?」

「本当に本当よ!!」

「そんなに俺にやってほしいのか!?」

「ねえ、ヨコシマ。今、どれだけ女に恥をかかせているか分かってる?」

 

 やろうやろうと、男に迫る淫乱な女にされてしまったルシオラは怒り心頭だ。

 それでも横島の目にはまだ疑いの光がある。飛び掛ったら、また息子を苛めるのでないか、という強い猜疑が渦巻いていた。

 

「ああ~もう!! どうしてここで怖気づくのよ!」

 

「んなこと言われたって……なあ」

 

 これが先ほど睡姦を仕掛けてきた男なのだろうか。

 据え膳食わぬにも程がある。非常に面倒くさくて情けない。

 だが、それも仕方ないことだろう。それだけ何度も何度もお預けを食らい、煮え湯を飲まされ続けてきたのだ。

 唐突にOKを貰っても、どうしても素直に信じることが出来ない。

 

「安心して、ヨコシマ。貴方はやれるわ。いえ、やらなければならないのよ!」

 

「え~い! 口では何とでも言えるだろ!! 証拠を出せ証拠を!!」

 

「これを見なさい!」

 

 ルシオラはある場所を指差す。

 そこには、この文字が浮かんでいた。

 

 必須タグ R-18 クロスオーバー

 

「馬鹿な! 必須タグにR-18があるだと!!」

 

「その通りよ! 分かる? このタグが付いている以上、ヨコシマはやれる……いえ、やらなければいけないのよ!!」

 

「おお……キーやんよ! サッちゃんよ! 感謝します!!」

 

 敬虔な信徒の如く、横島は感謝の祈りを捧げる。

 産めよ、増やせよ、地に満ちよ。汝、姦淫すべし。

 偉大なる二柱の祝福が聞こえた。

 

「ルシオラーー!!」

 

「きゃあ!」

 

 もう何の遠慮もなく、ルシオラを布団に押し倒す。

 抵抗は無かった。しょうがなさそうに笑って、彼女は横島に身を任せる。

 それが横島にはたまらない。全てを委ねてくれる女がいるという事実がどうしようもなく血を滾らせる。

 器用にスーツをビリビリと破って、欲望のまま女性の最奥に触れようとして、ピタリと手が止まった。

 

 もう焦る必要は無いのだ。

 R-18タグが存在する以上、そこには絶対に到達できる。逆に言えば、そこに到達した時点で、いつこの話が終わっても可笑しくない。最後のお楽しみは取っておかなければならない。

 触りたい部分は他にもあるのだ。その筆頭は、やはりこの部分以外にないだろう。

 

 ふにん。

 

「やっぱりそこを触るのね」

 

 ルシオラが呆れたように言った。

 そう、胸だ。愛と夢とロマンがここにはある。

 

 ふにふにふにふに。

 

 手にすっぽり収まるぐらいの胸を揉み、つまみ、愛撫する。

 柔らかいマシュマロをもみしだいた。

 ルシオラはくすぐったそうにしたが、その表情には少し不安が見え隠れする。

 

「やっぱり大きいほうが嬉しいかな?」

 

「い、いや、そんなことはないぞ! はははは!」

 

 横島は朗らかな笑い声を上げるが、ルシオラはジト目で横島を見つめる。

 ばれていると悟った横島は、取り繕った笑みを浮かべながら小さく言った。

 

「やっぱり、大きい方が嬉しいかも」

 

「うん、知ってたわ」

 

 何てことないようにルシオラが言う。

 だけれども、その声に元気がないのは分かった。

 

「でも、ほら、レスティーナ様と比べればずっと大きいぞ!」

 

「カップAAAの人と比べられてもねえ」

 

「いや、流石にAAぐらいはあるんじゃないか……あったらいいなあ」

 

 世の中、上には上がいるものだ。いや、この場合は下には下がいるといったほうが正しいか。せめて子供ならまだ分かるが、普通に成人していてあの寸胴体系は凄まじい。

 

 ちなみに、横島の力を持ってすればレスティーナの胸囲を測るなど造作もないのだが、どうしても測ろうとは考えなかった。

 何故なら、レスティーナのカップはAAAすら下回っていて計測不能という恐れすらあったのだ。

 

「B……A……AA……AAA……ッ!」

 

 BOM!!

 と、スカウターが破壊されてはたまらない。

 ルシオラはまだつまめて揉めるぶんはあって良かったと横島はほっとした。

 世の中には微乳派や貧乳派がいるし、乳全てを愛する一派もいる。横島も、全ての乳を愛しているが、やはり好みとしては巨乳である。

 

 おっぱいは男の夢なのだ。

 夢ならでかい方が良いではないか! 大は少を兼ねるのだ!!

 

 ここで横島は思いつく。

 どうせここは夢の中。ならば、もっと夢があっても良いはずだ。

 どこぞの熱愛者もこう言っていたはず。

 自分を信じれば、夢は必ず叶う!

 

 両方の乳首に人差し指をそえる。

 一球入魂。一指乳魂。B地区連打。

 

「これが、俺の全力だ! 受け取れ、ルシオラーー!!」

 

「やあ!? なに、なんなの! 乳首が熱い……ああ!」」

 

 乳首に注入される謎パワー。ルシオラの乳首がピカーンと発光する。

 光が収まると、貧乳から普乳へと進化した胸がそこにあった。

 唖然とするルシオラだが、我に返ると怒りに満ちた目で横島を睨みつける。

 

「ヨコシマ……そんなに私の貧乳が嫌だったの!?」

 

「嫌じゃないぞ! ただな……その……そうだ!

 あれからもう二年近く経っているんだ。生きていたらこれぐらいに成長していただろ」

 

「……私の胸が成長するとでも?」

 

「いやいや! パピリオは成長の余地は無いとか言ってたけど、俺はそうは思わんぞ。成長していたらこれぐらいにはなったはずだ! これは正当な成長さ」

 

「そう……そうね! うん、これぐらいは確かに大きくなったかも」

 

 横島の説得にルシオラもあっさり納得した。

 正確に言えば、納得したかったのだろう。未来は誰にも分からない。希望に満ちていると考えるのが人の性というものだ。

 

 ルシオラの胸が成長した所で、またHが再開する。

 大きくなった胸を、横島は揉んで吸った。ルシオラはくすぐったそうに体を震わせる。そして乳首に口をつけて、舌先で弄ぶと初めて声を上げた。

 

「ちょ、ちょっとヨコシマ! 変な声が出ちゃうからダメ!」

 

 抱かれると決めたとはいえ、やはり恥じらいが消えるわけではない。はしたない声で喘ぐというのは、真面目なルシオラには耐えられないのだろう。

 必死に声を我慢するルシオラに、横島は萌えて燃えた。もっと可愛くて乱れた声を上げさせてやると強く吸って、舌で乳首を攻撃する。

 

「う……あ。やあ……んん! 舌はダメなの! うぁ、ひぃあ!」

 

 蛇のように、ナメクジのように、舌がうねりを上げて乳首に絡みつく。

 指で弄り回したり、口で吸うぐらいまでは声をガマンできたルシオラだが、暖かくヌメヌメの舌には耐え切れず、髪を振り乱して悶える。

 横島が口を離すと、刺激を受けてピンと立った乳首が現れた。

 

「むうう、将来赤ちゃんが出来たら、このおっぱいはそいつのものになるのか……許せん!」

 

「はあっ、はあっ……まったくもう。何を言ってるの」

 

 お馬鹿な横島の言葉にルシオラは苦笑して、その未来を想う。

 そんな事はありえないと、両者とも思わない。今はただ、輝かしい未来に思いを馳せた。

 

 そして、とうとうその時が来る。

 

「ルシオラ……やるぞ!」

 

「うん……優しくお願いね」

 

 ルシオラを布団の上に仰向けにさせると、横島はその上に覆いかぶさる。

 

 竿を招きやすいようにと、横島はルシオラの膝を手に当てて無理やりM字に開脚させる。ルシオラの女性器がぱっくりと完全に晒される。完全に無防備になったアソコに、横島のモノがピタリと当てられた。

 ルシオラも覚悟していたが、流石に羞恥心が刺激されて思わず目を閉じる。

 だが、それは失敗だった。見ていれば気づけたはずだ。竿の角度があまりに悪いと。

 

 ブチブチブチ!

 

 その瞬間、ルシオラは肉が無理やり切り裂かれる音を聞いた。

 

「痛あああいい!!」

 

 絹を裂くような悲鳴が響き渡る。

 入ったはいいものを、ただでさえ狭い膣口に急角度で突っ込んだために竿は肉壁を深く削るように進入してしまう。いくら濡れていても、これではどうしようもない。

 

「よ、ヨコシ……いたい……もっとやさし……くぅあ! うぁ!」

 

「ルシオラ! ルシオラ!!」

 

 横島はルシオラの名を呼びながら、無我夢中で腰を動かす。ルシオラの懇願を無視、というよりも聞こえてすらいなかった。

 惚れた女を抱いているという陶酔。息子を包み込む熱い肉壁。祝・脱童貞(脳内)。

 理性は完全に飛んでいて、ただ本能のままに腰を打ち付ける。

 

 夢中で自身の体をむさぼり続ける横島に、ルシオラは愛されているという実感を存分に味わう。だが、いかに精神的に充足しているといっても限度があった。

 

「グゥ……ゥゥ……ひっ、はっ……ンンン!!」

 

 シーツをギュッと握りしめ、唇を真一文字に噛み締めて痛みに耐える。

 膣を抉られるという初めての感覚に、ルシオラの瞳から涙が溢れた。

 熱い。痛い。苦しい。

 ルシオラは初めてで、しかも、ここまで乱暴では快楽など生まれるはずもなかった。

 

 一回止まって欲しいとルシオラは訴えたが、理性を飛ばした横島には届かない。

 これは完全に想定外だった。痛みは覚悟していたが、優しい横島の事だから、きっと優しく抱いてくれると思っていたからだ。だが、これでは獣のセックスである。

 

 どうにかしなければと考えて、一つ思いついた。

 ここは夢の中。だからこそ胸を大きくできた。ならば、その逆も可能なのではないか。

 思い立ったルシオラはすぐさま動いた。

 

「小さくな~れ~小さくな~れ~」

 

 遠慮なく膣をえぐる息子に念をかける。

 

『ぎゃあ~~~~!!」

 

 息子の絶叫が膣内に響いた。まるで棒アイスが溶けるように小さくなっていく。 

 横島が異常に気づいた時には、もはやしなびたニンジンのように成り果てていた。

 唖然とする横島に、ルシオラは屈託なく笑いかける。

 

「うん、これぐらいなら大丈夫かな……ヨコシマ――――来て」

 

「来て……じゃない! なんてことすんだよ、俺の自慢の息子が~~!」

 

「ん……だって大きくて痛いんだもの。これぐらいなら私も動けそう……あ、やっぱり痛いからもう少し小さくしてもいいわよね。小さくなれ~小さくなれ~」

 

「ひ、ひいいぃ!」

 

 息子の危機に慌てて腰を引こうとするが、ルシオラは足で横島の腰あたりをがっちり押さえていた。だいしゅきホールドと呼ばれる捕縛術の一つである。

 

「や、やめろ! 離せ、ルシオラ! 」

 

「なんでよ。ほら、こういうの好きなんでしょ。ヨコシマが買ってきたエロ本にこういう台詞があったじゃない。

 『ふふふ、お前の膣を俺のチンポの形にしてやろうか!!』って。物凄く横島も興奮してたじゃない」

 

「違う! 合っているけど違う!! あ、うあ! いやだ、抜け、抜いてーー!!」

 

「大丈夫よ。しっかり抜いてあげるから!」

 

「いやああああああああああああ!!」

 

 横島の涙が飛び散ってシーツを濡らした。

 細く、薄く、息子は潰されるようにルシオラの膣型に改造されていくのであった。

 

 

 

 

 

「なあ、もう少し大きかったんじゃないか」

 

「プハッ! これぐらいだったわよ! これ以上大きくなったら顎が外れるでしょ!」

 

 ルシオラは横島のモノを口から出すと、玉を弄りながら文句を言った。

 

 あの後、ガチ泣きを始めた横島にルシオラもだいしゅきホールドを取りやめた。

 この世界に来て、凍らせられたり切り離されたり小さくされたりと、息子も散々な目にあってきたものである。これがダークファンタジー。ダークファンタジーとはかくも恐ろしいものである。

 ひとまずエッチを取りやめると、ルシオラは念じて息子を元の大きさに戻して、ようやく人心地をついた。

 

 横島は恐ろしいことをしでかしたルシオラを少し恨んだが、息子を引き抜いた時に血がべっとりと塗りたくられているのを見て、もう少し優しくするべきだったと反省していた。

 会話もなく、ただ一方的に欲望を遂げようとした自業自得でもあったのだろう。

 

 初めての性交は成功しなかった。

 だから当然、ここでエッチをやめるという選択はありえない。

 トライ&エラーは全ての基本だ。何故失敗したかを考えて、次は成功しなければいけない。

 

 失敗の理由は単純。横島が暴走したから。

 では何故、暴走したのか。これも明白。性欲が暴走したから。

 ならば対策は単純。やる前に一発抜いて、性欲を押さえ込めばよい。

 これは童貞や早漏が暴発を防ぐために有効なテクニックの一つだったりする。

 

 それで横島はルシオラに欲望の処理を、つまりはフェラチオをお願いしたのである。

 ちなみにフェラチオをして欲しいと告げられたルシオラは『分かっているわよ』と生暖かい笑顔を浮かべて、横島の方が恥ずかしい思いをしていたりもする。

 

 ルシオラは口を大きくあけて、横島のモノを舌でしごく。

 

「どお、ひもちい~?」

 

「る、ルシオラ! あまり喋るな。歯が、歯が当たったぞ!!」

 

「ごむうんなはい」

 

「あ、でも喋ってもらうとメッチャ気持ちいい!」

 

「どーひゅればいいにょよ!」

 

 口いっぱいに頬張りながら眉を顰めるルシオラに、横島は酷く興奮した。

 これだけ綺麗で真面目な女性が自分の汚いモノを頬張っている。凄まじい背徳感だ。

 だけれども、すぐにそんな背徳感は吹き飛んだ。想像以上の快楽に横島の余裕がなくなる。

 

 舌使いはたどたどしいが、妙に気持ちいい部分ばかり狙われた。

 さらに思いもしないタイミングで玉を触られる。それもやはり、気持ち良い部分ばかりだ。

 

 どうしてルシオラは自分の肉体を知り尽くしているのか。

 原因は、うっすらと理解している。さきほどエロ本の内容を知っていたのも当然だ。

 恐る恐るといった様子で横島はルシオラを見ると、彼女は物凄く慈愛をこめた笑みを浮かべた。

 

 一方的に自分の事ばかり知られていると分かって恥ずかしく悔しい。僅かな怒りも込めて分身たちを発射する。

 

「っ!? モゴ! んんん!!」

 

 ルシオラの口内で機関銃の如く放出する。

 目を丸くして驚くルシオラだが、ここで彼女は意を決した顔となり、コクコクと喉を動かす。表情は苦しそうだったが、嫌そうな顔はせずに全てを飲み干してしまった。

 

「ま、マジか! 飲んだのかよ!?」

 

 本当に飲んでしまったのかと、驚いた顔の横島に、

 

「ヨコシマのだからよ! 本当なら絶対に飲んだりしないわ」

 

 戸惑いなく精液を飲むような女と思われるなど冗談では無いと、ルシオラは強く言う。

 

「……それとも、嫌だった? 喜んでくれると……思ったのだけど」

 

 はしたなく、いやらしい女に見えてしまったのか。

 ルシオラは不安そうに横島を見つめる。

 そんなルシオラが横島には愛おしくて堪らない。

 

「ああ~もう可愛すぎる! 愛してるぞ、ルシオラーー!!

 

 横島はもう、満面の笑みを浮かべる。

 物凄くエロイ顔をしているのに、どこか無邪気な子供のような表情だ。

 これだけ喜んでくれると奉仕し甲斐もあるものだと、ルシオラもほっとした。

 

 一発抜いてすっきりした所で、再びHに挑戦する。

 今度はルシオラも指示を出して、しっかりと腰を突き出す速度や角度も考える。

 秘所に竿をあてがったまま、横島はゆっくりと腰を進めた。

 

 ズニュゥゥゥゥ。

 

 ルシオラは今度は悲鳴をあげることなく横島を迎え入れた。

 熱い棒がゆっくりと入ってくる感覚。切り裂かれるほどの痛みは無い。ただ、熱く、圧迫感だけがある。

 

「ヨ、ヨコシマ……大丈夫?」

 

 ルシオラが恐る恐る聞く。

 これでまた何も言わずに腰を動かし始めたら泣くしかない。

 

「あ、ああ。ルシオラも……痛くないか?」

 

 気遣うような横島の視線に、ルシオラは頷くとほっと息を吐いた。どうやら冷静ではあるらしい。

 とはいえ、横島は暴走するほどでは無いが余裕もなかった。

 ルシオラの中は、熱く、きつく、柔らかい。

 一刻も早く腰を動かしたかった。

 

「る、ルシオラ! 動いていいか!?」

 

「ええ、大丈夫よ……少しずつお願いね」

 

 そして横島は腰を動かし始めた。

 始めはぎこちない。お互いが気持ち良くなる為に、どれだけの速さで腰を動かしたらいいのか、そもそもどう動けばいいのか。

 まったく経験がないから、恐る恐る腰を動かす。

 

 ルシオラも同じだ。無反応で動かないマグロにはなりたくないが、下手に腰を動かしたりすると抜けてしまう恐れがある。それに声も我慢していいのか、それとも無理にでも喘いだほうがいいのか分からない。

 

 なんとも初々しいSEXだ。

 だが、これで横島は煩悩の申し子にして性欲魔神。

 肉棒をあちらこちらにこすり付けて、ルシオラの反応を逐一見逃さずに観察を続ける。

 

「うぅ……んん……くぅぅ!」

 

 少しずつルシオラの喘ぎ声が大きくなる。

 声が大きくなる時に竿をこすり付けていた場所を覚えていて、そこを集中的に突いた。

 

「くぅぅ……」

 

 だが、ルシオラの喘ぎ声は大きくならなかった。

 

「なあ。ひょっとして声出すの我慢してるか」

 

「うん。だって、やっぱり恥ずかしいのよ」

 

「もっと遠慮なく声を出してくれていいんだぞ。つーか、聞きたい!!」

 

「そう? 分かったわ、変だなんて思わないでね……オウゥ! イエース! イエース!」

 

「それはやめろーー!!」

 

「んん、間違ったかしら?」

 

 なんだかんだと遊びつつ、二人の官能は瞬く間に上達していく。

 腰の動きは確実にリズミカルに、そしてダイナミックに。同時に言葉を交わす回数も減っていき、互いの息遣いと腰を打ち付ける音だけが部屋に響く。

 だけれどもコミュニケーションが減ったわけではない。

 互いに腰を動かしながら、相手の反応を見て腰の強弱や、こすりつける場所を確認しているのだ。

 お互いに深い快楽を。より強く結びつける場所を。

 二人はお互いの体を知って、より高まっていく。

 

「ヨコシマ。私達、まだキスしてないわ」

 

 自分達の昇天が近いのを悟ったルシオラはキスを要求した。異論など横島にあるはずもない。

 ルシオラの背中に手をやって起こし、正常位から対面座位に姿勢を変化させる。

 

「う……ああぁ!」

 

 子宮口にまで当たりかねないほど深く竿が侵入した。

 二人は無我夢中で腰を振りながら、残った僅かな理性でキスをしようとする。

 だが、ここで横島は気づいてしまう。

 ルシオラの唇が、白く汚れているのを。

 

 そういえば、先ほどフェラをしてから一度も口をゆすいでいない。

 つまり、今のルシオラの口内には、討ち死にした横島の分身達が山ほど埋もれているわけで。

 

 スカ!

 

 ルシオラのキスを、横島は見事なスウェーバックで避けた。

 

「ヨコシマ?」

 

「いや、だって……さっき出したから汚いし」

 

「自分のでしょ! それぐらいガマンして!!」

 

「キスなら後ですればいいだろ!」

 

「私は今したいのよ!」

 

 続けざまにキスを狙うルシオラだったが、横島は持ち前の回避能力で見事に避ける。

 まともに狙っても当たらないと悟ったルシオラは、大きく腰をグラインドさせた。

 グチュグチュと濃密な水音が響いて、横島が痙攣する。

 

「うあああ!」

 

「勝機!」

 

 快楽で動きの鈍った隙をついて、ルシオラが仕掛ける。

 

「くっ! まだだ!!」

 

 強烈な快楽に気をやる所だったが、ギリギリで唇を避ける。

 ならばもう一度、とルシオラは腰を振ろうとしたが、横島も黙ってみているわけでは無い。

 

「させるか! いでよ、オマタノヤロチよ!」

 

 横島の息子が膣内で光を放つ。そして現れたのは八つの首を持つ蛇であった。

 一番巨大な蛇は横島のモノであったが、その周囲には小さな七つの首を持つ蛇がおり、彼らは膣壁を舐め、吸い、刺激する。

 凄まじい快楽にルシオラは目をつむり首を振って耐えた。そっちがその気なら負けていられないと覚悟を決める。

 

「いきなさい、我が眷属たち!」

 

 またしても膣内が光を放つ。

 現れたのは、大群の蛍たちだ。彼らは蛇の周囲に纏わりついて麻酔を打ち込み眠らせようとする。さらに大本の竿に優しく噛み付いて昇天を促す。

 これはもはや戦争であった。膣内大戦争と呼ぶに相応しい。SEXとは戦争なのである。

 

 相手を逝かせて放心した隙をついてキスする。あるいはキスを避ける。

 愛あるSEXは思いを伝え合う。だが、伝え合ってもどーにもならないのが現実だ。

 互いに腰を打ち付けあうこと一分。ついに決着の時が来る。

 

「美神さん、技を借りるわ! 極楽に……逝きなさい!!」

 

「ば、馬鹿な! この俺が……ぐあああああああ!!」

 

 美神が聞いたら『訴訟も辞さない』と言うだろう。

 

 ルシオラは膣に力を入れて息子を締め付け、オマタノヤロチを滅して横島を昇天させた。

 基本的に快楽しかない横島に対して、ルシオラは痛キモチイイという痛みと快楽の両方を感じていた。その差が出たのだ。

 

 勝機到来!

 

 ルシオラはぐったりとした横島に口付けを迫る。

 だが、ルシオラは忘れていた。

 男は力尽き果てるとき、ファイナルアタックと言える一撃を繰り出すことを。

 

 ドドドドドドドドドドドドド!!

 

「きゃあああああ!」

 

 予期せぬ一億総突撃にルシオラは悲鳴を上げる。

 ルシオラとて昇天する寸前で耐えていたのだ。熱く激しく己の腹に押し入ってくるヨコシマン精鋭部隊が一億相手ではひとたまりもなかった。

 目の奥が点滅して、意識が白く染まっていく。それでもルシオラは最後の力を振り絞り唇を前に突き出した。

 

 ギャギン!!

 

 どちらの前歯が強靭なのか。どちらの鼻骨が頑強なのか。

 それを確かめ合う音が響く。

 横島とルシオラの初エッチの最後は、両者とも顔を押さえて悶絶しあうという無残な結末に終わるのであった。

 

 

 営みを終えた二人は無言で互いに向き合う。

 そして、

 

「ルシオラ……もう一度だ……やるぞ!」

 

「分かったわ。次はもっとロマンチックによ! なんなのこのギャグエロは!!」

 

 こんなギャグ的な18禁で話を終えてなるものか。

 もっとHでロマンチックなSEXをしてやる!

 

 二人の思いは一致していた。

 一歩踏み出そうとしたルシオラに、一枚の紙が降ってくる。

 その紙に書かれた文字に、ルシオラは少し悩んだようだったが、

 

「ねえ、ヨコシマ。ヨコシマは何があっても死なないわよね?」

 

「そりゃ俺は排泄物を食ってでも生き残る男だからな」

 

 横島の答えにルシオラはにっこり笑うと、手に持った紙を投げ捨てた。

 

「ルシオラ、今度は風呂場でやってみないか!」

 

「いいわね! 背中流してあげるわ!!」

 

「よし、壺洗いだ、壷洗い!」

 

「も~本当にエッチねー」

 

 二人はぴったりと寄り添いながら銭湯に向かう。

 その紙に書かれた内容を横島が見ていたら、こうも簡単にHをしようと言っただろうか?

 ルシオラが投げ捨てた紙には、こう書いてあった。

 

 

『リアルがヤバイ』

 

 

 

 一人で寝るのがギリギリの煎餅布団に、一組の男女が包まっていた。

 男は女を守るよう包み込むように抱いていて、女は男の胸に顔を押し付けている。

 そこには甘く、艶やかで、淫らな匂いが満ちていた。

 どれだけ愛情があろうと、親子、兄妹、親友では出せない、心と体が両方とも繋がり合ったからこそ放出できる匂いである。

 男は女の黒髪を愛おしそうになでながら耳元でささやく。

 

「なあ、約束しないか」

 

「どんな約束?」

 

 男の言葉に、女は目を輝かせて問いかける。

 心を震わせるピロートークを期待していた。

 

「次に会った時は……どんなエッチをする痛あ!?」

 

「どうしてそっち方面にいっちゃうの!? あんだけやったでしょ! ここからは砂糖を吐かせるようなピロートークが主題でしょ」

 

「俺にそんなの期待すんなよ」

 

「もー。ほんとにエッチなんだから」

 

 横島の二の腕をつねったルシオラは、呆れたように溜息を吐く。

 根本的にエッチでお馬鹿な横島相手に色気のある会話は難しい。

 だけれども、その顔には隠しきれない充足があった。確かに甘い会話ではないが、こうして惚れた男とお馬鹿な会話をするだけで十分に嬉しいのだ。

 

 その様子を見て取った横島は少し真面目な顔で考え込んだ。

 ルシオラが十分に楽しんでくれているのは分かる。だけれども、男としてはもっともっと喜ばせてやりたいと思った。惚れた女に格好良い所を見せてやりたいという見栄が出る。

 

「え~い、分かった! 砂糖を吐かせるようなピロートークをやってやるぞ!」

 

「は~い。頑張って~」

 

 期待してないのが丸分かりなルシオラの応援に、横島は逆に奮起する。

 色々と臭い言葉を考えたが、ここは心のまま素直に言葉を紡ぐと決めた。

 

「約束だ! 俺は絶対にお前を幸せにする!!」

 

 圧倒的な決意が横島の瞳に宿っていた。

 決意の瞳を注ぎ込まれたルシオラは言葉を失くす。横島は続ける。

 

「あの時、俺は『アシュタロスは俺が倒す』って約束したよな。あれ、後悔してんだ」

 

 ルシオラを助ける為にアシュタロスを倒す必要があったから、そう約束した。あくまでも、ルシオラを助けるためである。彼女が助かるなら、別にアシュタロスが生きていようが死んでいようがどちらでも良かったはずなのだ。

 にも関わらず、あの時はアシュタロスを倒すと約束してしまった。その約束は果たせたのが救いであったが、しかしルシオラを失っては意味が無い。

 だから今度こそ、ルシオラを幸せにすると宣言したのである。

 

「俺は惚れた女との約束は絶対に守る。死んでも守ってみせる。だから安心してくれ。ルシオラ……お前は俺が幸せにする」

 

 子供として転生したのなら、父親の立場で幸せにする。

 もし子供として転生できなかったのなら、自身の魂を弄繰り回してでもルシオラを転生させて、来世まで追いかけて恋人として幸せにする。

 

 それは横島忠夫という男の誓いだった。

 

「何度でも言うぞ。俺は絶対にお前を幸せにする!

 俺は俺の煩悩パワーを信じる! ルシオラ……俺を信じてくれ!!」

 

「ヨコシマ……ああ、ヨコシマ」

 

 ルシオラは声にならない小さな喘ぎ声を上げながら横島の胸に顔を押し付けた。

 

 感極まって泣いているのだろう。

 誰が見てもそう思うに違いない。横島も、胸に収まり小刻みに震えるルシオラを見てそう思った。

 

「ダメなの……その約束だけは……出来ないの」

 

 横島の胸の中で、ルシオラは約束を拒絶した。

 だけど、その言葉は横島に聞こえないように小さく呟いただけ。

 拒絶に気づかぬまま横島はルシオラを愛おしそうに抱きしめて、

 

「ねえ、ヨコシマ。どうして私のお尻を撫で回すのかしら?」

 

「いや……その……いい空気になったから……もう一度どうかな~って」

 

「こんの、エロ馬鹿ーー!!」

 

 ルシオラは横島を担ぎ上げると、そのまま窓に思い切り分投げる。

 横島は、ルシオラが俯いていたため、どういう表情をしているか見る事はできなかった。

 きっと嬉し恥ずかし笑顔を浮かべているのだろうと、彼は信じた。

 

「ルシオラー! 愛してるぞーー!! またHしようなーーーー!!!!」

 

 呆れるような、同時に心をほっとさせるような能天気な横島の叫びが木霊する。

 そして、奇跡の出会いは終わった。

 

 横島の部屋は消え去って、世界は暗黒に包まれる。

 暗い闇に一人立ち尽くすルシオラに、一本の剣が近づいていった。

 

『終わったか』

 

 現れた『天秤』を、ルシオラは射殺すような目つきで睨みつける。その目からは涙が止め処なく流れ続けていた。

 

「『天秤』、私は始めて本気であなたを憎いと感じたわ」

 

『……そうか。だが、約束したのは貴様自身だろう……私はただ』

 

「これが慈悲とでも言いたいつもり? 少しでも罪悪感を減らしたいのかしら」

 

 言われて、『天秤』は沈黙した。

 この精神世界に横島を呼び寄せ、ルシオラと邂逅させたのは言うまでも無く『天秤』だった。それも、上司から指示を受けた言うわけではなく、独断で二人を合わせたのである。

 

 『天秤』は何も言わない。

 沈黙した『天秤』をルシオラは目を細めて睨みつけたが、最後に肩を落とした。

 誰がなんと言おうと、約束を拒否できなかったのは自分自身なのだ。

 責任は自分自身にある。

 

「仕方がないわ。もう、仕方がないのよ……仕方ないじゃない」

 

 ルシオラは言い訳するように繰り替えす。

 

 約束。

 これだけはするべきではなかった。横島に聞こえるように拒絶するべきだった。

 『ヨコシマに幸せにしてもらわなくても良い』と言わなければならなかった。だというのに。

 

「拒絶できるわけないでしょ! 出来るわけない……ないのよ!!」

 

 だけど、出来るわけがないだろう。惚れた男が、最高の男が、瞳を燃やして幸せにするといってくれたのだ。それを拒絶できる女がどこにいるというのだ。

 

「愛してるのよ! 愛されてるのよ! 誰よりも……私達は愛し合っているの!!」

 

 ルシオラが血を吐くように、声を荒げて叫ぶ。

 楽しくて、暖かくて、もの凄く馬鹿で呆れることもあるけれど、こんなにも胸を弾ませる男が他にいるか。

 こんなにも格好悪くて、格好良い、煩悩男が他にいてたまるか。

 

 幸せになりたい。

 幸せにしてあげたい。

 だけど、

 

「もう、どうしたらいいのよ」

 

 敵の思惑は分かっている。

 奇跡が起きなければ地獄だ。

 だけど奇跡が起きれば――――起きてしまうという事は。

 

「永遠神剣……奇跡の剣め! 貴方達みたいのがいるから!」

 

 罵倒に、『天秤』は何も言わない。

 圧倒的な能力を持った、不可能を可能にする奇跡の剣。それを『天秤』自身は誇りとしてきたが、それが必ずしも幸いであるとは限らないと、彼も理解し始めているのだ。

 

 ルシオラは考える。

 どうすればハッピーエンドを迎えられるのか。

 答えそのものは簡単だ。

 

 セリアやハリオンといった愛を語らえる女性達。

 悠人やルルーといった信頼できる仲間達。

 

 現実で横島を支える人たちは沢山いる。

 強く現実の中で生きている横島は、どれだけ打ちのめされ叩き潰されても、きっと立ち上がり幸せな生活を送れるはずだ。

 

 だけれども、もし彼女達が横島を支えられなかったら。

 横島が幸せに妥協をしなかったなら。

 人知の及ばぬ奇跡を求めてしまったなら。

 

 彼は誰にも手を伸ばせないほど天高く飛翔するだろう。

 それは、誰の手も届かないほど墜ちるというに等しい。

 ハッピーエンドもバッドエンドも失われた、果ての道へ突き進むのみ。

 

「ヨコシマ……過去や未来に目を向けすぎないで。貴方は愛し愛される人。どうか現実で幸せに」

 

 彼に幸運を。

 

 蛍は最後の祈りを捧げて、闇にとけていった。

 

 

 

 

 パチリと横島は目を開けた。

 野営の際にお世話になるテントの幔幕が目に入ってくる。

 先の夢の内容は、すべて覚えていた。

 

 生まれてから何千回と朝の目覚めを体験してきたが、これほどの爽快感は始めてだ。

 まるで元旦の朝にパンツを履き忘れたような爽快感。というかパンツを突き破り息子が露出していた。

 息子が軽い。そしてデカイ。こんな気持ちは初めてだ。もう何も怖くない。

 

 羽毛のように軽い体を起こす。にちゃりと、手に何かが触れた。

 その感触に覚えがありすぎる横島は不快そうに顔を歪めて、急いで拭くものをさがして辺りを見回して。

 

「あ」

「あ」

 

 テントの隙間からこちらを覗くスピリット達と目が合った。何故か第二詰め所の全員が勢ぞろいしている。

 慌てて股間部分を隠す。

 だけど、肥大化した息子は手だけで隠せるものではなく、脱ぎ捨てられたズボンはグチャグチャに汚れていて隠せる状況では無い。

 

「あ、あの白い液体って……」

「さっきまで腰をカクカクって……あんなのされたら」

「あううヨコシマ様の……あううう!」

「男の人の自慰はこうやるのですね」

 

 好奇と恐怖。

 異様な視線が大人組みから横島に注ぎ込まれる。

 横島はもう言葉も無かった。先ほどまで見ていた夢の内容を考えれば、どういう痴態を皆に見せ付けてしまったのか想像に難くない。

 

「え、え~と……大丈夫だよヨコシマ様! おもらしぐらい」

「そうだよ~」

「……とても恥ずかしいことだけど、そこまで気にしなくてもいい……と思う」

 

 子供達が少し困りながらも笑顔で言う。シアーも横でうんうん頷く。そしてニムも珍しく彼を擁護した。横島を見つめる大人達の視線が異様だったので、そこまで酷くないとフォローしたのだ。

 純粋な子供達に横島は酷く罪悪感を持ったが、続く言葉に目を剥いた。

 

「それにシアー達だって始めての自慰の時にやっちゃっもん」

「頭真っ白になって凄かったねー!」

「ニムは漏らしてない!」

「そうですね。でも思いっきり潮吹いてましたけど」

「う……そういえばヘリオンって妙に慣れてなかった?」

「そうだよ~一人だけ驚いてなかったし……慣れてたの?」」

「ちちち、違いますよ~!」

「そうかな~ブラックはエッチィような気がするよ~」

 

 子供達の爆弾発言。

 横島の視線は思わず膨らみかけの胸や、大きくなり始めたお尻に向かう。

 だが、すぐに逸らした。子供達をそういう目で見てしまった罪悪感で胸が痛い。

 

「あ、貴方達! 人前でそういう事を言っちゃダメって教えたでしょ!!」

 

 性教育を施したヒミカが顔を真っ赤にして怒る。

 だけれども、ネリーは強い目でヒミカを見返した。

 

「だからだよ!」

 

「何が言いたいの!?」

 

「だから……ヨコシマ様のその……恥ずかしい所を見ちゃったから、ネリー達もヒミカ達も恥ずかしい事は皆でやってるって言ったほうが、ヨコシマ様も恥ずかしくないでしょ!」

 

 ネリーは顔を赤くしながらも、きっぱり言い切った。大人達は驚く。

 自分達が恥ずかしい思いをすれば、ヨコシマ様も恥ずかしくないだろう。

 子供達は横島の事をしっかりと考えていたらしい。いや、これは考えすぎたと言うべきか。

 横島としては、子供達にここまで気遣いさせてしまった現実に、もう泣きそうだった。

 

「あっ、私がお洗濯します! 大丈夫です、ヨコシマ様のなら汚くありません!」

 

 顔を真っ赤しながらもヘリオンが進み出る。

 お小水ぐらいなら洗えば大丈夫だと、白く汚れたズボンを持とうと手を伸ばした。

 

「ちょ!? まてまて! 汚いから触んな!」

 

「もう、そんなに恥ずかしがらなくても……何でしょう、この匂い?」

 

「なんか匂いするねー」

 

「匂う~」

 

「というか、何でヨコシマのだけあんなに白いの?」

 

 形容できない匂いが部屋に満ち、子供たちは頭を捻る。

 おしっこか愛液の臭いかと思ったが、ここまで強い臭いでは無い。

 それに何故、横島のだけ白い液体なのかニムントールは首を捻って言た。

 

 どうやら子供達は自慰や勃起を知っていても、男の性に関しては中途半端な知識しかないらしい。性教育を施したヒミカやハリオンも実物を見たのは初めてで、匂いや色に関しては説明できなかったのが要因だ。クンクンと鼻をうごめかせる子供達に、横島の羞恥心と罪悪感はさらに膨れ上がる。

 

 それは大人達も同じだ。この有様を、どう乗り越えたらいいのだろう。まさか子供達のように『私達もやってますよ~あはは~~』などと笑い飛ばすわけにもいかない。

 

 ヒミカはもうどうしたらいいのか分からず、顔を赤くしたり青くしたする。ハリオンはいつも通りと微笑む。ナナルゥも好奇心からか謎の白い液体を凝視している。

 ファーレーンは両手で顔を覆って何も見ないようにしているが、実は密かに鼻を利かせて匂いを学習していたりする。

 

「皆、落ち着いて。これはただの生理現象。騒ぐほどでもないわ」

 

 意外にもセリアは頬を赤くするだけで落ち着いていた。彼女は以前に意識不明の横島を付きっ切りで看病していたから……まあ、そういうことである。

 落ち着き払ったセリアに、他のスピリット達は感心したように頷いた。何だかセリアが大人のように見えたのだ。

 そんなセリアに、ハリオンはニコニコと笑顔を浮かべる。

 

「うふふ~セリアさんも成長しましたね~以前にヨコシマ様の下半身を拭いたときに大きくなって我慢汁が溢れた時に『どうしようどうしよう』って半泣きになったセリアさんはもういないんですね~」

 

「セリアさん、その話詳しく」

 

「いきなり言い出すのファーレーン! というかハリオン、貴女はどこで見ていたのよー!」

 

 とうとう、頼みの綱のセリアすらハリオンにやられてしまった。

 もはやこの騒動を収拾するのは不可能だろう。

 

 誰か俺を殺してくれ。

 

 必死に手で股間を隠すものの、大きくなった息子は隠しきれるものではなく、周囲には白い液体が刺激臭を漂わせる。それらを見つめる美女美少女集団。

 あまりの羞恥に、横島は現実逃避をするように天幕を仰ぎ見る。

 天幕には穴が空いていた。穴の周囲には、びちゃりと白くてネバネバしたものがこびりついている。横島は、もはや言葉も無い。スピリット達も唖然とする。

 

「嘘……あんなの無理……無理ですぅー!」

 

 ファーレーンはガタガタと震えて、セリアの目からは光が消えた。ナナルゥは謎の白いネバネバを採取しようとして、ヒミカは必死にそれを止める。あのハリオンすら微笑みを青白くさせて「自動発動する蘇生魔法を」と真顔で呟く。

 

 排泄物を食べてでも生きたいと豪語できる横島だが、それでも存在する羞恥心とか自尊心が悲鳴を上げる。

 

 ――――――生きて、ヨコシマ。

 

 夕焼けを背景にして、ルシオラがエールを送ってくれているのが分かる。

 だけど、物事には出来ることと出来ないことがあるのだ。

 

「うおおおおおお!! 誰か、誰か俺を殺してくれえええ!!!!」

「ヨコシマ様ご乱心! ヨコシマ様ご乱心!!」

「うあわわ! 本気でお腹切ってる! ニム、早く蘇生してーー!!」

 

 この日、蘇生魔法が使用された回数が十を超えた。

 そしてこの話題は二度と出さないようにと、永遠に秘匿されることとなる。

 

 




 この話を書く必要ないのでは、と思う人も多いかもしれないですが、非常に重要な話です。わざわざ18禁版を書いたのは相応の理由があります。18禁版を書くと減るとも言われたけど、それでも書かないわけにはいかない大切な話です。

 テーマは原作でありえそうなエッチ……でした。ギャグとエロを組み合わせた18禁版GS美神。でもGSっぽいエロって難しい。一応、原作初期を見ながらノリで書いてみたんですが……難しい。
 GS美神のキャラと空気を残したまま、しっかりとエロをやってる作品を見てみたい。大抵、横島のエロが妙に上手すぎたり雰囲気が甘甘で綺麗すぎて、良く出来すぎているから逆にGSっぽく感じないんですよね。そもそも数が少なすぎるし。誰か原作でありえそうなエロギャグを書いてくれないかな。難易度が高すぎて私にはこれが限界。

 次回はシロ達との最終決戦。
 永遠のアセリアという作品の根源とも言うべきお話。

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