※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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光太郎→シゲ視点です


勘違いから始まる出会い

「こんなものでいいか?」

 

「ああバッチリだ、これがあれば望ちゃん救出の成功率がきっと上がるはずだ。急にこんな事頼んですまなかったな空、ありがとうな」

 

俺はあの後すぐに空を捕まえて、放水砲の更なる追加と俺が思いついた装備を艤装に組み込んでもらったのだった

 

空が新装備の具合を尋ね、それに対して俺が礼を言ったところでシゲからの通信が入ったのだ

 

通信を聞きた瞬間、俺は入渠ドックの方へ走り出した。大破と言う事はかなり負傷しているはずだ……もしここで無理させて症状が悪化でもしたら目も当てられない……、確かストレッチャーがあったはずだからそれを使って大破者を早急に入渠ドックの医務室に連れて行かねば……っ!

 

そんな事を考えていたら、メインストレッチャーを押しながら現場へと向かう悟と鉢合わせした……

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?無理に身体動かすんじゃねぇぞ?」

 

俺と飛龍に支えられた長門にそう声を掛けながらゆっくりと岸へと向かう俺達、長門からの返事が無い事から相当弱っているのが容易に想像出来た

 

とまあ今はこうやって何とか話聞いてもらって一緒に拠点に向かっているんだが、最初に接触した時のやり取りが酷かった事酷かった事……

 

 

 

俺は話し合いの後暇だったから摩耶、木曾、阿武隈を連れて沖に出て釣り糸垂らしてたんだが……

 

「貴方達そこからすぐに離れなさいっ!」

 

背後から急に叫び声が聞こえて来て、何事かと思って振り返ってみたら蒼龍がこちらに向けて艦載機発艦してやんの

 

「うおおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

あまりにも唐突過ぎてマジでビビったわ……、思わず叫びながらクロとゲータを出して艦載機を迎え撃つ俺、他の3人も手伝ってくれたおかげで何とか無傷で生還

 

そんで艦載機飛ばして来た蒼龍の方を見てみれば、有り得ないものを見たような表情して固まってたんだわ

 

「いきなり何すんd……ごばぁっ!!!」

 

蒼龍の奇襲に腹を立てた俺は文句の1つでも言おうと思い、蒼龍を見据えて声を荒げようとしたその時だった、俺の顔面に綾波の砲撃が直撃したのは……

 

「「シゲーーーっ!!?」」「シゲさーーーんっ!?」

 

上半身の仰け反らせる俺を見た3人が叫ぶ

 

「や~りま~した~!皆さん今のうちにその重巡棲姫から離れて下さい!」

 

「いや、や~りま~した~じゃねぇよっ!あたしらのツレに何してくれてんだお前!」

 

「落ち着け摩耶!事情を知らない奴からしたら、シゲが俺達の仲間だなんて誰も思わないはずだから!」

 

「シゲさん大丈夫ですかぁっ!?しっかりしてくださぁいぃっ!!!」

 

俺に砲撃を当てた綾波に噛み付こうとする摩耶に、それを羽交い絞めにして止める木曾、阿武隈は大声を張り上げながら俺の肩を掴んで前後にガックンガックンと勢いよく揺らしていた

 

「えっと~……、これってどういう事……?」

 

「すみません……、綾波もよく分からないです……」

 

この状況を見て、俺に攻撃を仕掛けて来た蒼龍と綾波は混乱してるようだった……

 

 

 

「つまり……、貴方達はその長門屋海賊団だっけ?そう言う集まりの仲間同士って事なのね……?」

 

「さっきからそう言ってるだろ……、クソがっ!」

 

何とか話し合いの席を設けて2人に事情を説明する俺達、さっき俺が攻撃されたのが余程気に入らないのか、摩耶は説明の最中ずっと不機嫌さを露わにしよく悪態をついていた

 

「そうとは知らず、いきなり攻撃を仕掛けてすみませんでした……」

 

「いや気にすんな、事情知らなきゃ誰だって俺の事敵だと思うはずだからな……」

 

先程攻撃した件について謝罪する綾波、まあこれについてはホントに仕方がない事だからな……

 

「それで、この先にある拠点は貴方達の拠点なのよね?」

 

「ああ、当初の予定では奪い取った後1泊してすぐに破棄するつもりだったんだがな……、色んな厄介事が重なって当面の活動拠点にせざるを得なくなっちまってな……」

 

蒼龍の質問に答えながらふと思う、望ちゃんの件にマダガスカルの件、この拠点にミサイル付けた奴の件……、俺達厄介事に好かれ過ぎじゃね?

 

「ここは補給拠点だって聞いてたから、あの時みたいに資源がたっぷりあるんだろうとか思ってたら変な奴にゴッソリ持って行かれた後だったとか……、ここ来るのにかなり苦労したってのになぁ……」

 

肩をガックリと落としながら摩耶が言った、ホント踏んだり蹴ったりだったよな~……。まあすげぇ気になる情報入ったからそれでよしって事になったが、やっぱり遣る瀬無いよな~……

 

「変な奴……ですか……?」

 

おっと、綾波が食い付いちまったか……、だがこれは気軽に話せる内容じゃねぇな、況してや細かい素性が分からないこいつらには尚の事な……

 

「こっちの話だ、深入りすると火傷すんぜ」

 

俺がマジ顔でそう言うと、綾波はビクリと身体を震わせてからその件を突く事を止めてくれた。剛さんがガチになるくらいの事だから、これが相当危険な案件だってのは俺でも分かったからな……

 

「そう言えば、お前達は何でこんなところにいるんだ?何か俺達の拠点の事気にしてたみたいだが……、何かあったのか?」

 

おっとそうだった、話が脱線するとこだったわ。サンキューキッソ

 

「そうだった!えっと……」

 

「蒼龍ー!綾波ー!無事かー!」

 

蒼龍が本題を切り出そうとしたところで、また背後から声がかかる……。あっ今何か嫌な予感がした……

 

「むっ!深海棲艦……それも重巡棲姫じゃとぉっ!?」

 

「もしやお二人はあの重巡棲姫に捕まっているのではっ?!」

 

「うぅむ……仕方がない、やるぞ妙高っ!!!」

 

「2人共中破してるんだから無理だけはしないでねっ!」

 

やっぱこうなるのか……、向こうで勝手に盛り上がっている蒼龍達の仲間のやり取りを聞きながら、海賊団のメンバーは溜息をつきながらのそのそと迎撃準備に移る。しかしさっき聞き捨てならない単語が聞こえたような……?

 

「皆待って待ってー!攻撃禁止ー!」

 

「皆さん落ち着いて下さーい!砲撃しないで下さーい!」

 

慌てて仲間に攻撃中止を呼び掛ける蒼龍と綾波、しかしその努力も空しく砲撃が始まってしまった……

 

面倒臭ぇ……、そう思いながら相手の方を見て驚愕する海賊団のメンバー達。そこにいたのは黒煙を噴き出しながらもこちらに果敢に砲撃を仕掛ける利根と妙高、その後方には同じく中破していると思われる飛龍に……

 

「飛龍に支えられてるのって長門かよっ!しかもあれってどう見ても大破してんじゃねぇかっ!!!」

 

「私が言いたかったのはこの事だったのっ!特に長門が危ないから入渠させてもらえないか聞こうとしてたのよっ!!!」

 

「それを早く言えええぇぇぇーーーっ!!!」

 

摩耶達がこちらに向かって飛んで来る砲弾だけを撃ち落としている間に、俺は拠点にいる皆に向けて通信を入れるのだった……

 

 

 

 

 

「よし着いた!ここで待つようにって医療担当の人から指示があったから取り敢えず艤装を外してここで待っててくれ、俺は今かr「シゲー!リアカー見っけたから持って来たッスよーっ!」ナイスだマモ!摩耶達はあのリアカーに外してもらった艤装を乗せるから手伝ってくれ!」

 

「「「了解っ!!!」」」

 

利根と妙高を何とか落ち着かせて拠点へ向けて移動を開始し、拠点に到着したらすぐに皆に指示を出す俺、皆も素直に従ってすぐに動いてくれたので作業はスムーズに進み後は悟さんを待つだけとなった

 

「しっかし最初会った時は旦那の舎弟としか思えなかったシゲも、今じゃまとめ役が板について来たな!」

 

「そりゃおめぇアニキの教育の賜物って奴だ」

 

待ち時間中に摩耶が話しかけて来た、まあアニキの舎弟ってのは否定しねぇ。しかし俺がまとめ役ねぇ……、俺はただアニキがいつもやってるのを真似してるだけなんだがなぁ……

 

「旦那?アニキ?そやつは一体何者なのじゃ?」

 

「戦治郎さんと言って、俺達長門屋海賊団の頭領で俺の剣術の師匠だな。俺を改二に改修してくれたのも戦治郎さんなんだ、海賊団に所属してる艦娘は大体が戦治郎さん達に助けられた奴らばかりだな」

 

利根の疑問に誇らしげに答える木曾、俺も今のお前の気持ちが超分かる!ホントあの人には頭上がらねぇし、足向けて寝れねぇわ……

 

「そんな凄い人なんだ……って改二改修っ?!木曾って改二があったのっ!?」

 

蒼龍がめっちゃ驚いてやんの……ってそういやこの世界は誰が改二になるかっての殆ど把握してないんだったな……、そりゃ驚きもするか……

 

「木曾どころか今ここにいる艦娘は全員改二になれるんッスけどね、利根と長門、阿武隈は設計図必要ッスけど」

 

そこ!それは今ここで言う事じゃねぇだろっ!ほら見ろ!皆ざわつきだしたじゃねぇかっ!!!

 

「私達皆改二に……、何で貴方はそんな事知ってるの……?貴方達h「どけどけどけー!お医者様のお通りだぁー!」……えっ?」

 

飛龍が何か言い掛けたところで、ガラガラと言う音と共に声が聞こえた。声がした方向を見てみれば、救急車に載ってる台……、名前なんだっけ?まあそれを物凄い速度で押しながらこっちに向かってくる光太郎さんと、その上で胡座をかいている悟さんの姿が見えた

 

「患者はあそこかぁ!光太郎停止だぁ!」

 

「はいはいっとぉっ!」

 

悟さんの言葉を聞いて急ブレーキをかける光太郎さん、すると台の上に乗っていた悟さんが勢いよく前方に投げ出されて海に落っこちる……。これはコントかなんかか……?

 

「あの、今の人って……?」

 

「海賊団きってのスーパードクターです……」

 

蒼龍が海に落っこちた悟さんを指差しながら尋ねる、悟さん……ちょっとハジケ過ぎじゃねぇですか……?見ててめっちゃ恥ずかしかったんですが……

 

取り敢えず悟さん達も来た事だし、後の事は全て悟さん達に任せて俺はマモと一緒に艤装が載ったリアカーを引っ張って工廠へと向かったのだった

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