※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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キャシー

キャシーさんは元々TV女優として活動していたそうなんだが、正直あまり売れてなかったらしく任されるのは端役ばかり、主役を張った事は1度もなかったんだとか

 

「端役俳優なんて言葉はあるんだけど、やっぱり女優やってるんだったら1度くらいは主役をやってみたいと思うのよ、それでつい魔が差しちゃってね……」

 

キャシーさんは主役の座を得たいが為に、TV局のプロデューサー相手に枕営業に手を出してしまったのである

 

「それで本当にドラマの主役に抜擢されちゃってね~……、本当はそこでやめるべきだったんだろうけど……」

 

そう言って苦い表情を浮かべるキャシーさん、それで味を占めてしまったキャシーさんはそれから幾度となく枕営業を行い、多くのドラマ作品の主役を演じたんだとか

 

しかしそれも長くは続かなかったそうだ、週刊誌に枕営業の現場を押さえられ写真付きで大々的に掲載されてしまい、多くのファンから盛大にバッシングされたんだとか

 

「大した演技力もないのに主役とかおかしいと思ってたとか、色んな事沢山言われたっけな~……」

 

それ以降、キャシーさんは端役すら与えてもらえなくなり女優業から手を引かざるを得なくなったそうな

 

「挽回する為に必死になって演技の練習とかやったんだけど、結局貼られたレッテルを剥がすまでには至らなくってね。いっそブルーフィルムの方に行こうと思ったけどそっちも断られちゃったのよね~」

 

普通の職に就こうとしても、貼られたレッテルのせいで何処にも相手してもらえず、遂には街娼にまで身を落としてしまったんだとさ

 

「これに関しては自分でやらかしちゃった結果だからね、もう自業自得って事で受け入れる事にしたわ。本名も芸名も捨てて源氏名のキャシーを名乗ってるのは覚悟の表れと戒めの為ってところかしら?」

 

もし枕に手を出さなければ、この人はきっとこんな事にはなっていなかったんだろうな~……、まあ今は自覚も反省もしてるみたいだし、俺達が今更どうこう言う事じゃないな

 

「それで、私が今こんな事になってるのは大体あいつのせいね」

 

話を続けるキャシーさん、ある日いつも通り街角で客待ちしていたキャシーさんの前にタレ蔵が現れ、彼女を買ったそうだ

 

なんでも大きな仕事をやり遂げて、大金を掴んだから派手に遊ぼうと思った時にキャシーさんが目に留まったとかなんとか

 

「やる事ヤった後、その仕事してる時の武勇伝を嫌っていうくらい聞かされたわね。正直すっごくどうでもよかったんだけど、お金の為にあいつが喜びそうな言葉を選んで相槌打ってたっけな~……」

 

そう言って顔を歪めるキャシーさん、相当嫌だったみたいだな~……、あいつの自慢話……

 

「で、そんな事やってたら見知らぬ男達が部屋に押し入って来てね、何事かと考える暇も与えられないまま私とあの馬鹿はそいつらに撃たれて死んだみたいね。多分あいつの仕事に対する報復ってところじゃないかしら?」

 

厄介事の巻き添え食って死んじゃったってところか……、この人可哀想過ぎやしないか……?

 

「それで気が付いたらこの姿になってて、マダガスカルの近くに浮かんでいたみたいなのよね。まあそれが私だけだったらよかったんだけど……」

 

状況を把握する為に周囲を見回したところで、南方棲鬼になったタレ蔵を見つけてしまったんだとか……

 

「あいつ、気が付くなり私に噛み付いて来たのよね、俺が死んだのはお前のせいだー!とか言ってたわ。どう考えたってあんたのせいでしょうが!って言い返してやったらすぐに掴みかかって来たっけか~」

 

タレ蔵ェ……、お前それ絶対お前のせいだろうがよ……。何でも人のせいにしないと死んじゃう病気とか患ってんのか?剛さんとか額押さえて呆れ返ってるぞ?

 

その喧嘩の最中にワンコさんの部下達がやって来て、2人をワンコさんのところに連れて行ったんだとか

 

「その時にこの世界の事をワンコに教えてもらったのよ、あいつはその話中ずっとワンコの胸ばかり見てたみたいだけどね……」

 

俺も男だから気持ちは分からんでもないが、状況考えろよタレ蔵……

 

因みに、話に出て来たワンコさんは翔と一緒に部屋の一角にあるキッチンでお茶菓子作ってた。ワンコさんばかりに負担をかけたくないと思った翔が、自分がお菓子作りをやると申し出たんだけど、ワンコさんが客人の手を煩わせるわけにはいかないと丁重にお断りしたのだ

 

そうしてどっちも一歩も譲らない展開になったところで、早くお菓子を食べたい空が2人でやればいいだろうと提案、それが可決されて今に至っているのである

 

「OK、2人の事は大体分かった……分かったんだが……、どうしても分かんねぇ事があるんだわ……」

 

「どうしたの?何か気になる点があった?」

 

うん、1つだけすげぇ気になるところがあるな……

 

「何でキャシーさん「キャシーでいいわ」お、おう……、キャシーは俺の脚の上に座ってるんだ?これが分からない」

 

この人、最初俺の対面に座っていたんですよ。そこはワンコさんが座る場所じゃね?とか思ったけど、そんなのお構いなしとばかりに目の前の席にストンと腰下ろしたんですよ

 

その後にキャシーが何者かについての話になったわけなんですけど、その最中に何度も脚を組み替えたり、前屈みになったりしてたんですよこの人

 

紅茶を飲む姿もすげぇ色っぽいのよね、長門屋の野郎共の誰かがそれを見てたからなのだろうか生唾飲んでおったし……、その仕種の1つ1つが妙に艶めかしいんですよぉ……

 

仕舞いにゃ途中で席を立ったかと思えば、ソファーの上で胡座かいてる俺の脚の上に腰をストン……、今も振り返るように俺の方見てるんですよ~、ちょっと身長差があるから上目遣いになりながらね~……。これ、どう見ても誘ってるとしか思えないんですがねぇ……?

 

「あら、気付かない?」

 

ウンボクワカンナーイ、ってマジで誘ってんのかよぉ……。やめて!俺には大和がいるから誘惑するのやめて!いやまだ大和と会ってないけどさ……。イヤン顎に指這わせないでっ!

 

「貴方からはいい男の雰囲気?オーラ?そんなのを感じるのよね~」

 

ウホッいい男!じゃなくって何だそれ、まるで俺が心身共にイケメンみたいじゃねぇか。今の今までそんな事一切言われた事ねぇぞ?

 

「ほう……」「へぇ……」

 

空~?剛さ~ん?何で関心したような呟きしてるの~ん?何頷いてるの~ん?

 

「男を見る目はあるみたいねぇ~」「戦治郎の本質を見抜くか……やるな……」

 

もうやだ……、誰か助けて……

 

「そっちの私とそっくりなお兄さんも、中々イケてると思うんだけどね~。そう言えばお兄さんの名前は?」

 

おっしゃ!矛先が空の方に行った!こいつの名前聞いたらきっとそっちに気が行くはずだ!……ごめんね、空……

 

「……空、石川 空だ……」

 

空の名前聞いた瞬間ポカンとするキャシー、このリアクションから察するにキャシーもこいつが何やったか知ってるっぽいな

 

「石川 空って……、オリンピックのフルコンタクト空手の金メダリストのあの石川 空っ!??」

 

おっほっほ!やっぱり知ってた!ついでに海賊団と大本営組の奴らもめっちゃ驚いてやがんぜっ!!!

 

長門屋の宣伝の為と言う極めて不純な動機で出場してるけど、金メダル獲得とその試合内容のおかげで滅茶苦茶話題になって、長門屋も大繁盛したっけな~……

 

まあ金メダル獲得まで得意の超光速正拳突きや上段回し蹴りで、全て相手を一撃必殺してりゃあ話題にもなるか。こっちはいつあいつが自壊しちまうかでハラハラだったけどなっ!!!

 

「皆さ~ん、お茶菓子が出来ましたよ~」

 

「おかわりもありますので、よかったらどうぞ」

 

どうやらお茶菓子が出来上がったようで、翔とワンコさんがこちらに戻って来た。作ったのはケーキか……、こりゃまた美味そうだわ!

 

さって、キャシーは空の方に行った上にワンコさんも戻ってきた事だし、そろそろ本題に移りますかねぇ……




戦治郎達の世界のオリンピックの種目にはフルコンタクト空手がある設定です
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