さて、水上バイクを駆るヤンキー共を相手取るのは俺、空、剛さん、シゲの4人なわけなんだが……
「もう!こいつらチョコマカチョコマカと鬱陶しいわねぇっ!」
12隻ある水上バイクの内の1つにケルベロスを向ける剛さんが叫ぶ、艦載機すら撃ち落とすあの剛さんの腕前を以てしても水上バイクの操縦者を仕留めるのに苦戦しているのである
あいつらが使っている水上バイク、思っている以上に速い上にかなり小回りが利いているのである、おまけに後ろの奴が積極的に攻撃を仕掛けてくるもんだから、中々落ち着いて照準を合わせられないでいるのである
「これ鹵獲するんすよね?!骨折れそうだなおいっ!!!」
奴らの砲撃を躱しながらシゲが叫ぶ、最初はヤンキー1匹捕まえるだけだったんだが、意外にも剛さんの提案で水上バイクも鹵獲する事になったのである。何でもこの水上バイクからフラリンからもらった銃器類と同じ気配を感じ取ったんだとかなんとか……
「俺達相手にお喋りたぁ余裕あるじゃねぇか……よぉっ!」
シゲを背後から鉄パイプ先輩で殴りつけようとする操縦者のヤンキー、どうやらシゲの隙を突いて背後に回り込み急接近してきたみたいだ
「っしゃオラァッ!!」
「ガァアアアァッ!!!」
まあ相手が悪かったな……、鉄パイプ先輩でシゲを殴りつけようとしたヤンキーは、その腕をシゲに瞬時に掴まれ捻じられ、肘にテコの原理を利用したショートアッパーを叩き込まれた上で水上バイクから引きずり降ろされたのである
「よっしゃ!こいつ捕縛して尋問しましょうぜっ!」
シゲナイスゥ、よくやったぞ~。って事で1匹捕獲したので後は全部殺っちまって大丈夫だなっ!因みにこの場に拘束する為のロープも鎖も何も無かったので、仕方ないから尋問するヤンキーの残りの肘と膝をシゲに砕かせて逃げられないようにしてもらった
相棒がシゲにやられたのを見て驚くアタッカー役のヤンキー、我に返って水上バイクの操縦をする為にハンドルを握ろうとするも、そこを剛さんに狙い撃ちされてそのまま御陀仏である
そうやって操縦者を失った水上バイクが何か都合良く俺の近くに来たから、この水上バイクは俺が使わせてもらおうかね☆
「水上バイクも鹵獲成功!後は細かい事気にせず奴らを潰すぞっ!」
捕獲と鹵獲の関係で、手加減しながら相手してたんだよな~。剛さんもショットガンやマシンガン使えば確実に倒す事は出来るんだけど、そうしたら水上バイクが壊れるし情報聞き出す為に捕まえようとしてるのも無意味になっちまう。でももうそんな事気にせず殺れるってもんだっ!
「その言葉を待っていた……っ!」
ヤンキーと追いかけっこしていた空は、そう言うとライトニングⅡを宙に浮かせ始める。それ見て驚いたヤンキーが操作誤って味方と衝突、味方同士で喧嘩をおっ始めようとしていたところを空に爆撃されて、ヤンキー4匹がしめやかに爆発四散していた
「これ姉様や長門に渡せば速力問題解決するんじゃね?」
「艦娘だったらこれの操縦しながら艤装で攻撃なんて事も問題なく出来そうよね~」
「おっほ!これ中々いいじゃねぇですか!構造調べて量産出来るようにしましょうよっ!」
そんな事を話すのは俺と剛さんとシゲの3人、俺が水上バイクを片手で操縦しながらヤンキー共を追い回して、残った手に握り締めた大妖丸でその首をスポーンと刎ねたところで剛さんとシゲを発見したのだ。そんで剛さんを俺の水上バイクに乗せて戦闘再開、シゲはさっき俺に首を刎ねられたホトケさんを水上バイクから蹴落として沈め、その水上バイクを頂戴して俺達に追随しているのだ
しかし、戦ってて思ったんだがこいつら手応え無さすぎねぇか……?こっちはラリ子クラスを相手するくらいの覚悟だったんだが、蓋を開けてみたらそこら辺の深海棲艦に毛が生えた程度の強さ……。単にラリ子の能力が凶悪だっただけで転生個体の基本性能はこんなもんなんだろうか……?
「どうした戦治郎、何か考え事か?」
そんな事を考えていた俺に、いつの間にか鹵獲した水上バイクに乗った空が話しかけて来る。空が鹵獲したのは今乗っている奴だけではなく、ライトニングⅡの上に1つ、俺が知らない間にライトニングⅡに取り付けたと思われるアームにも1つ掴ませている。空頑張り過ぎぃ!
「いやな、こいつらラリ子と比べて弱ぇなって思ってな、転生個体って聞いてたからラリ子くらいの強さかと思ってたんだけどな~って」
「ふむ……言われてみれば……」
「弱ぇならかえって都合いいんじゃないです?その方が戦いも早く終わりますし」
「確かに気になるところねぇ……、でも今は目の前の事に集中しましょ。さっきと違ってこっちも水上バイクを手に入れた事だし、あっちの有利性は無くなったも同然、このまま押し切って早く皆のところに戻りましょ」
剛さんの言う通りだな、話し合うのは皆と合流してからでいいか。今は残ったヤンキー達を始末してしまうかっ!
この後の展開は割と一方的なものとなった、機動力が同じなら後は戦闘技術での勝負、そうなると俺達の方が圧倒的有利となりまして……
空が持ってた余剰分の水上バイクに乗って相手を追いかけ回し、背後からクロスボウのエトンで操縦者とアタッカーを纏めて射殺す剛さん
相手に横づけしたらクロとゲータに噛み殺させ、距離があれば砲撃させる。反撃してきたとしても水上バイクを自在に操り、その攻撃を悉く躱すシゲ
猫戦闘機達とライトニングⅡを操って相手を追い込み、自分のところに近付いて来たところで相手の水上バイクに飛び移って大乱闘する空
俺の方も太郎丸や俺の速力上昇に伴って速力が上昇している大五郎と連携して、すれ違い様に首刎ね飛ばしたり、ラリアット叩き込んだりとやりたい放題である
結果、相手は尋問する為に残しておいた奴以外全滅、水上バイクは太郎丸と大五郎にも手伝ってもらって合計8隻ほど鹵獲出来た
「大漁大漁!んじゃ皆のとこに戻るとすっかっ!」
「あっちも終わっているといいのだがな」
「まだやってたら、この水上バイク渡して戦力アップさせちゃいます?」
「それいいかもしれないわね、扶桑ちゃんとか喜ぶんじゃない?」
そんな事を言い合いながら、俺達は皆がいるであろう北の戦場へ戻るのであった
「てめぇら……、こんな事してただで済むとは思うなよ……」
シゲの水上バイクの後ろに乗せた尋問用ヤンキーがそう呟いていたが、今の俺達にはその言葉の意味が分からなかった。精々負け惜しみか何かだろう、その程度にしか受け取っていなかったのである
これが後に大きな戦いの火種になるとは思いもしなかった……
「ただいま~、ってこっちまだやってたのか」
「ちょっ!貴方達のそれってあいつらの水上バイクじゃないっ!」
キャシーのとこに戻ったらめっちゃ驚かれた、これが俺達の実力って奴よっ!
「それで、状況はどうなっている?」
「貴方達が行った後、向こうの増援が来てこっちが数で不利ってところね。貴方達のとこの子達は無事だけど、こっちの損害がかなり出たわ」
空がキャシーに状況を聞いたところ、どうやら押されてるっぽいな~……
「おっし、んじゃコレ届けて戦力強化しちゃいますかね!って事で行って来るわっ!皆は鹵獲した奴を拠点の方に運んでおいてくれっ!」
俺はそう言って、太郎丸と大五郎を連れて皆が戦っている方角へと突っ込んで行った
「こんちゃー!お届けものでーす!」
「えっ!?戦治郎さん?!もうあちらの方を終わらせて来たのですかっ!!?」
「流石は戦治郎さん達ですね……」
まずは姉様と瑞穂のところへ向かった、こいつら2人は低速だったから優先的に渡す事にしてたからな!
「応、そんでこれが戦利品ってわけだ。おめぇらに渡すからそれで一暴れしてくるといい!」
「ありがとうございます、それじゃあ瑞穂ちゃん、いつものようにお願いね」
「分かりました扶桑さん、この瑞穂がしっかりとナビゲート致します」
この2人のやり取りを聞いて、姉様が迷子属性持ちだったのを思い出した。っていつものようにって何だ?
「では、参りますっ!!!」
そこ聞く前に姉様達行っちゃった……、しかし姉様飛ばすな~……。もしかしてこういうの好きだったりすんのかな?
「よう長門、苦戦してるみてぇだな」
「戦治郎!?もう戻って来たのかっ?!」
姉様達と同じような反応ありがとう、まあ早いとこ渡す物渡して次行きますか。でないと話が長くなりそうだからな!
「そんなおめぇにこいつをどうぞ、機動力さえ何とかなればおめぇならあいつらを一捻りに出来る、そうだろう?」
「ああ、そうだな!この水上バイク、有効に……」
長門が全てのセリフを言い終わる前に俺が動く、長門目掛けて砲弾が飛んできた為俺が間に入って切り払ったのである
その射線を目で追うと、その先にいたのは案の定タレ蔵だった……
「そいつを俺に寄越しなっ!そうすりゃ俺はもっと活躍出来るだろうからなっ!!!」
……あ"?
稼働編で遭遇した転生個体は3匹と言ってたけど、敵性で且つラリ子みたいにボスクラスの強さの奴と遭遇したのが3匹という事でお願いします……