次からは時間を戻して泊地ルートいきます
小火が起きた部屋の修繕が終わり、皆でワンコさんの部屋に集まってこの後の事について話し合った
まずはタレ蔵の事だが、これは少々気がかりではあるが見失ってしまった以上、今からどうこうする事は出来ない
一応探しはするけど仲間に引き戻す為ではなく、今度こそ確実に仕留める為に探すんだそうだ。もしあいつが敵対勢力側に付いてここの情報を流したりしたら大事だからな、多分これ考えたのはキャシーだろう……
次にヤンキー達の件だが、恐らくあっちはここへの攻撃を止めるつもりはないだろう、仲間を沈められた事で余計にやる気になって襲ってくる可能性の方が高いくらいだ。しかもケートスの件があるから、もしかしたらアリーさんから新しい装備を渡されている可能性だってある……
それに対抗しようと思ったら今の戦力じゃ少々不安がある、俺がワンコさんにそう言ったら彼女も同意見だったらしく、了承してもらえるか分からないが総本山の転生個体を何人かこちらに回してもらえないか頼む事にしたそうだ。それが通れば戦力的な問題は解決するか?まあ送られてくる転生個体がタレ蔵みたいな奴でなければだけど……
因みに、火達磨になったヤンキー君については、怪我が治るまでの間はワンコさん達がしばらく面倒を見るとの事。エリチのヤンキー君には後で謝罪しておくか、俺達も両膝と両肘以上の事はやるつもり全くなかったからな……
そしてマダガスカルの事に関しては、長門から元帥に話をするそうだ。強硬派がここに攻め込むのを完全に防ぐ事は出来なくても、穏健派の攻撃による被害が無くなるだけでも上等と言っていいだろうからな。それに今回の共闘で海軍の一部だけでも認識を改めさせる事が出来れば、和平への道もきっと見えて来るはずだ
最後に俺達についてなんだが、俺達のマダガスカルでの用事は全部終わったわけだから、これから光太郎達と合流する為にアムステルダム島の方へ向かう事にしたのだ……ひとっ風呂浴びてからなっ!
いやね?今身体がめっちゃ汗臭いのよ、ほらシゲの能力であの部屋の室温爆上がりしてたし?その後で修繕作業なんかもやったし?それ以前に戦闘の後空のとこ直行したから入渠してないじゃん?だから自分でも分かるくらい臭うんだわ……
「って事で風呂入りたいんだけど、ここって風呂あんの?」
「あるわよ、私がワンコにお願いして作ってもらった奴がね。最初来た時にお風呂が無いって聞いた時はびっくりしたわね~……、今は皆好んで入ってくれるようになったんだけど」
風呂の場所を聞いたらキャシーが答えてくれた、そういや深海棲艦の拠点には基本風呂なんてなかったっけな……、キャシーマジ感謝!
そういうわけで俺、シゲ、輝の3人はキャシーの案内のもと風呂に向かったわけなんだが、何か入口が1つしかなくな~い?
「あの馬鹿はシャワーで十分とか言ってたからね、だから大浴場は1つしかないわよ?」
絶望した!男湯無いとか事故の元でしかねぇぞっ!!!
「輝、シゲ、工廠行くぞ!多分空のドラム缶3つくらい余裕であるはずだからな、外でドラム缶風呂やんぞっ!!!」
「いやいや、ちゃんと貴方達が入ってる間は誰かが間違えて入らないようにしておくから、安心してこっち使いなさいって」
キャシーの厚意と説得の末、俺達はこの拠点の女湯を使う事になったのだった……
やたらいい匂いのする更衣室で服を脱いで大浴場へと向かうと、そこには天然大理石製のおっきなお風呂がありました。細部にもちょっとした拘りがあるところから、キャシーって温泉とか好きなのかもしれねぇな……
「「んあ"ぁ"~~~……」」
「2人共おっさん臭いですよ……」
しっかりと身体を洗い湯船に入った俺と輝が思わず声を出す、それを聞いていたシゲが苦笑しながら指摘してくるけど、気持ちいいんだから仕方ないじゃんかよ~。それに俺も輝も火傷してるから湯がちょっち沁みるし……
「しっかしシゲも能力使えるようになったか~、しかも炎とか……、炎使いは俺がなりたかったな~……」
「何かすみません……、でもアニキだったらもっとかっけぇ能力とかになるんじゃないです?こう……、大妖丸の斬撃飛ばすとか」
それもいいな~、でも俺としては大妖丸に炎纏わせて焔霊とかやりたかったな~……
「シゲ、おめぇの能力でここの湯の温度上げられねぇ?ここの湯はちょいぬるいきがすっからよ」
輝お前腕と胸火傷してんのに大丈夫なのか?まさか馬鹿過ぎて火傷の痛みが分からねぇとか……。……流石に輝もそこまで馬鹿じゃねぇか、すまんな輝
「多分出来ると思うんすけど、まだ使いこなしてるわけじゃねぇんで狙った通りに出来る保証ありませんぜ?ミスったら2人共瞬時に茹で上がる可能性も……」
「OK、そういやここは他人様の風呂だったな、勝手して怒られるわけにもいかねぇしやっぱいいわ」
シゲの言葉を聞いて湯の温度の件を諦める輝、流石にボイルされるのは嫌だわな……
そんな感じで3人で他愛もない話をしていると……
「どう?ここのお風呂は気にいてもらえたかしら?」
そう言いながらバスタオルを身体に巻いたキャシーが、大浴場へと入って来た……ってぇっ!!?
「ピャアアアァァァーーーッ!!!」
「うおおおぉぉぉーーーっ!!!」
「おっほおおおぉぉぉ~~~っ!!!」
突然のキャシーの登場に慌てて股間を両手で隠す俺、顎まで湯船に浸かるシゲ、鼻の下を伸ばして両手を叩く輝。俺はすかさず輝に延髄斬りを直撃させ、その意識を即刻刈り取った
「おいコラキャシー!俺達以外が間違えて入ってこねぇようにするっておめぇが言ってただろうが!!こりゃどういう事か説明しやがれっ!!!」
「説明しなきゃいけないほどの事でもないでしょ?私は貴方達が入っている事を知った上で入って来てるんだから、どこも間違えてはいないわよね?」
ああ~、間違えて入ったわけじゃなくて、狙って入って来たって事ね~。って納得出来るかよぉぉぉっ!!!
「それに貴方達は今は女の身体なんだから、そんな細かい事気にしなくてもいいんじゃない?……えいっ♪」
そう言って俺達の目の前で身体に巻いていたバスタオルを取るキャシー、こいつには恥じらいってもんがねぇのかよおおおぉぉぉっ!!!
「やめんかい!俺の心の41m砲が最大仰角になっちまうぅっ!!!」
「アニキ、そういう嘘はやめた方がいいと俺は思うんすよ……」
俺とシゲは慌ててキャシーから目を逸らしながら、そんなやり取りを交わす
「なになに?戦治郎のってそんなに大きくなかったって事?」
シゲの発言に食い付くキャシー、もうちょっち自重してよぉ!
「いえ逆ですわ、51m砲クラスのサイズあんのにそれより二回りも小さいサイズで周りに申告するもんで、それ聞いた後実物見た野郎共が自信をなくしていくと言う……」
そこバラすのやめてぇっ!そんでキャシーは妖艶な雰囲気出すのやめてぇっ!!!
「ふふっ、貴方達ってホント面白いわね。っとからかうのはこのあたりにして、こっち見ても大丈夫よ、水着着て来てるから」
キャシーの言葉を聞いて恐る恐るキャシーの方を見てみると、本当に水着を着ていらっしゃるではありませんか。それならそうと早く言えっつぅの……
その後、意識を取り戻した輝も加わった4人でこの大きな風呂を満喫した
風呂から上がったところで、俺達はすぐにマダガスカルを出る準備を始める。ワンコさんとキャシーに騒動を起こした件を改めて謝罪し、世話になった礼を言う。
その時に鹵獲したケートスをどうするかの話になったのだが、4隻はワンコさん達が、3隻は俺達が貰い受ける事になった。本当なら4隻貰えるはずだったんだが、タレ蔵が持ち去ってしまったからな~……、シカタナイネ
それと、ワンコさん達の拠点の通信周波数を教えてもらった。これは二正面作戦が終わった後の祝勝会のお知らせをする為だ、ここまで仲良くなったんだからお招きしないのは失礼だと思うからなっ!
こうしてマダガスカル方面の作戦は成功という形で幕を閉じ、俺達はアムステルダム島へ向かった光太郎達と合流する為にマダガスカルを発つのであった
「おおぉぉぉ……、フィンガーフレアボムズッ!!!」
アムステルダム島へ向かう道中、シゲは遭遇する深海棲艦との戦いで積極的に炎を使った攻撃を仕掛け続け、遂に能力を使いこなせるようになっていた
さっきの戦いでは、先程の声と共に指先の1つ1つから大きな火球を出し5つ同時に放つ、ダイ大のフレイザードのアレを完璧に再現していた
「シゲ~、お前それ何処で知ったよ?ダイ大とかおめぇらの世代の作品じゃねぇだろ?」
「すみません、アニキの部屋にあった単行本で知ったんですわ。あの作品マジ面白かったですわ~」
おっま俺の部屋勝手に入ってたのかよ~……、まあダイ大の良さ分かってくれたんならいいやっ!許す!
「ダイ大から技を持って来たか……、ならば俺が言いたい事は……、分かるな?」
「ウッス、精進します!」
空が言いたい事……、炎関係でダイ大と言えば……、あぁあれか!あれは俺も見たい!
「戦治郎さん、ダイ大って何だ?シゲのあれとどんな関係があるんだ?」
「木曾達は世代じゃねぇから知らねぇだろうな~……、まあ昔のジャ〇プの漫画だ。もしこっちの世界にもあるなら読んでみるといい、面白れぇぞ」
木曾が興味を持ったのかダイ大について聞いて来たから、簡単に説明してオススメしておく。ガキの頃傘でアバンストラッシュの真似したっけな~……、懐かしい……
「烈火の炎からは何かねぇのか?俺ぁあれ好きだったんだが」
「俺、それ読んだことねぇから分からねぇですわ……」
輝の問いにそう答えるシゲ、それを聞いた輝はガックリと肩を落としながらも参考になるからと強く烈火を推していた。あれも面白いよな、ちょっちエロいとこあったけど……
っとまあこんな感じで敵を蹴散らしながら光太郎達がいるアムステルダム島に向かっていたんだが……
「あれ……?あの島……」
「どうした?翔、何か見つけたか?」
ケートスに跨り偵察機を飛ばしていた翔が不意に声を出したので、俺は何があったか尋ねてみた
因みにケートスに乗ってるのは姉様&瑞穂、長門、輝&翔の5人だ。皆低速だからこうなるのはシカタナイネ
「あの島、恐らく僕達が目指しているアムステルダム島だと思うんですけど、その一部が燃えてるような……?……いえ、燃えてますこれっ!位置的に多分件の泊地が燃えてますっ!!!」
その報を聞くや否や、俺達は大急ぎで目的の島へと向かった
「悟っ!そっちの状況はどうなってんだっ!?」
「来たかおめぇら、随分遅かったじゃねぇかよぉ」
島からかなり離れた位置で悟達を発見、近寄って話しかけてみたらこちらを見る事も、手を止める事もなくそう返して来た。悟は今、手のひらを緑色に発光させながら、あの泊地の艦娘と思わしき艦娘達の治療を行っている最中だったのだ
「シャチョー達来たんスかっ?!だったら早いとこ泊地の方に行ってあげて欲しいッスッ!!!」
俺達に背を向け、艤装からありったけのミサイルを発射しながら護がそう言ってきた。どういう事だ?と思ったが、よく見たら光太郎の姿がここになかった
「光太郎は何処行ったんだっ!?」
「光太郎さんは泊地の方で戦っているわ!早く助けに行ってあげてっ!!!」
「光太郎さんは不知火達を逃がす為に、1人だけ泊地に残って戦っています!」
光太郎の居場所を尋ねたところ、悟の治療の手伝いをする陽炎と不知火が答えてくれた。あいつ1人で戦ってるだとっ!?つか誰とだよっ!??
「あれ……、加賀さん?加賀さんは何処にいるんですか?」
「もしかして、泊地に取り残されちゃったのっ!?」
俺達が話している横で龍鳳と明石が話をしていたんだが、会話内容からするにどうやらあの燃えている泊地に加賀が取り残されているみたいだった……
「分かった!だったら急いで救援に向かうぞっ!それとそっちの2人!加賀の事は俺達に任せとけっ!!!」
不意に声をかけられて驚いたまま固まってしまう龍鳳と明石、だが返事を待ってる時間が惜しいので返事を待たずに俺達は泊地の方へと急行した
「……なんだありゃ……?」
「俺に聞くな……、俺も少々混乱しているんだぞ……」
泊地に到着した時、その目に映ったものを見て思わずそう呟く俺、そしてそれに答える空も俺と同じ心境のようだった。いや、多分これここにいる皆の心境なんだろうな……
俺達の目には、大五郎より一回り大きい腐った巨神兵みたいな奴と、それと戦うまるで特撮ヒーロー番組から飛び出して来たような、黒い甲冑のようなものを全身に纏った奴の姿が映ったのだ。あっヒーローの方がビーム発射したっ!!!
『先輩、聞こえますかっ?!』
そこで通からの通信が入る
「応、今目の前で行われてるヒーローショーのせいで、状況が全く分かんなくなっちまったとこだが……」
『よく聞いて下さい、そのヒーローみたいな人が光太郎さんですっ!そして戦っている相手はこの泊地の提督だったものですっ!!!』
……ごめん、ホントどういう事なの……?