皆様よいお年をお迎えください
俺が提督だったものの目の前に降り立った直後、俺の視界の隅で何かが点滅しているのに気付く、それは携帯バッテリーの残量を示すアイコンのような形をしており、現在その中に表示されているゲージが半分くらいまで減っていたのである
これが一体何なのかは今のところ分からない、気になるところではあるが今はそれを悠長に調べている暇はない
「ル"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ーーーッ!!!」
提督だったものが叫び、目の前に降りて来た俺を踏み潰そうとしているのだ
「やらせねぇってのっ!」
そう言って俺は地面を蹴って右側に飛び退く、その際距離を稼ぐ為に先程空を飛んだ時に使ったスラスターとバーニアを噴射したところ、視界の隅のアイコンのゲージがちょっとだけ減ったのに気付く
「これは……、もしかしてタンクのエネルギー残量か?」
だとしたら不用意にスラスターを使わない方がよさそうだ、使わないといけない時に使えませんじゃ話にならないからな
「取り敢えずアイコンの謎は解けたとして……、さっきの礼だ、取っておけっ!」
俺はそう言って先程俺を踏み潰そうとした足にレーザーを撃ち込んだのだが……
「うへぇっ!レーザー撃っても減るのかよっ!?こりゃエネルギーのご利用は計画的にってところだな~……、回復させる方法とかないのかな……?」
そんな事を呟きながらレーザーを撃ち込んだ提督だったものの足を見てみると、レーザーが当たったところにポッカリと風穴が開いていたのだが、それも自己再生のせいですぐに塞がってしまう。どうやらレーザーはもっと出力を上げて太い奴を叩き込めば有効打になりえそうだ
だが、最大出力のレーザーを確実に相手に当てる為には、どうしても相手の動きを封じる必要がある。護のミサイルがあるっちゃあるが、あれは発射されてからここに到達するまで少々時間が掛かるし、長時間相手の動きを止められそうにないから取り敢えず計算から外す
それにタンクのエネルギーを使い切った時、俺自身に何が起こるのか分からない部分が正直恐ろしい。最悪、レーザーを外してエネルギーがゼロになった途端パワードスーツが動かせなくなって、パワードスーツが俺の棺桶になる可能性だって有り得るからな……
そういった都合もあって、現状では最大出力のレーザーでの攻撃は実行不可能だと判断する。せめて戦治郎達が来てくれればな……
そんな事を考えながらミゴロさんを取り出す俺。レーザーも乱発出来ないとなるとどうしてもこいつを使わざるを得ない、そう思いながら取り出したミゴロさんは俺の変身の影響を受けていないのか、いつものガトリング砲の姿のままで、撃ち出す砲弾にも特に変化が見られなかった。よかった、こいつまで変な事になってたらどうしようかと心配していたが、杞憂に終わったようだ
そうして俺はミゴロさんで提督だったものを牽制しながら、戦治郎達の到着を待っていると……
「……ぉぉぉおおおぉぉぉーーーっ!!!」
背後から誰かの叫び声が聞こえる、この声は……っ!
「こいつは翔のリクエストォッ!!!いくぜ『禁忌「レーヴァテイン」』っ!!!」
そう叫びながら腕から10mはありそうな巨大な炎の剣を出したシゲが、提督だったものに飛び掛かるように斬りかかる
提督だったものはそれを半身をズラして回避しようとするも、ちょっとだけ間に合わなかったのかシゲの炎の剣が右肩に叩き込まれていた
炎の剣が叩き込まれた右肩は、激しい光を放ちながら消滅していく。それに巻き込まれた右腕も閃光を放ちながら見る見るうちに消滅していく……、これってもしかしてシゲが出してる炎の剣の熱が原因で提督だったものの腕がプラズマ化現象起こしているのか……?つか、いつの間にシゲはそんな事出来るようになったんだよ……
「光太郎!大丈夫かっ!?」
気が付けば戦治郎達が俺のところに駆け寄って来ていた
「よく独りで持ちこたえたな、後の事は俺達に任せてお前はゆっくり休んでおけよ?」
「その姿について色々聞きたいところではあるが、その前にあの化物を何とかしなくてはな……」
戦治郎と空はそう言って各々の構えを取るのだが……
「待った!あいつに接近戦は不味い!」
慌てて俺が2人を制し、提督だったものについて話し始める。俺の話を聞いたマダガスカル組の表情が険しいものになっていく……
「あいつに触れると取り込まれるとか……、通りで通が後方に下がってるわけだ……」
「生半可な攻撃だと自己再生しちゃうってのも厄介ね……、さてどうしたものかしら……」
「それについてなんだけど……」
提督だったものの特性を聞いて頭を抱える戦治郎、そして提督だったものを倒す方法を考え始めた剛さんに俺が声をかける。戦治郎達が到着するまでに考えた最大出力のレーザーによる攻撃についてである
「なるほど……、その為にはあいつの足止めをする必要がある、と……」
「ならば吾輩達があやつの足止めをしようではないか、話を聞いている限りでは吾輩達の攻撃ではあやつを倒せそうもなさそうじゃからな……」
「綾波達が出来る事を、精一杯頑張らせてもらいます!」
俺の話を聞いた長門さん達は、そう言って提督だったものへと砲を向ける。それに続くように海賊団の艦娘達も提督だったものへ砲を向け、攻撃を開始するのであった
「接近戦が出来ねぇってんなら、俺は加賀だったか?ちょっくらそいつ探しに行ってくるわ!」
そう言って泊地の内部構造把握を使用する輝、それらの情報を入手するなり輝は舌打ちして入渠ドックの方へと走り出したのだ
「あの建物の中から生体反応が1つ!それ以外に反応が無いってこたぁこれが加賀とか言う奴で間違いねぇ!何でこんなクッソ危ねぇとこにいんだよ全くよぉっ!!!」
そんな事を叫びながら全力疾走する輝の背中を見送った後、俺は提督だったものの方へと向き直る
「ここでようやくお披露目ってとこだなっ!大五郎、グスタフドーラをブチ込んでやれっ!!!」
「グオオオォォォーーーッ!!!」
俺のすぐ傍で戦治郎が大五郎に指示を出し、大五郎のクロスアームに接続された2門の列車砲を模した武装で提督だったものを攻撃する
砲撃の反動でバランスを崩さないようにする為に地面に両手を突き、咆哮を上げながら大五郎が列車砲を発射すると、大五郎のその巨大な身体はその反動でコンクリートをガリガリと削りながら1mほど後退する
そしてそれほどの反動を発生させながら大五郎から撃ち出された砲弾は、提督だったものの左腕を再生出来そうにない程に粉々に破砕する。恐らくアクセルから譲ってもらった設計図に、戦治郎が手を加えて強化したのだろう……
「戦治郎、次はその砲撃で足を狙ってくれ!あいつを達磨にしてから最大出力を叩き込む!」
「あいよっ!大五郎、聞いてたなっ!?」
「合点だぁよ~!」
俺は先程の大五郎の砲撃を見て、更に確実にレーザーをぶつける方法を思いつき、戦治郎に頼んで提督だったものの両足を吹き飛ばしてもらう事にした
「シゲは熱線みたいなの出せるか?!」
「熱線……、OK、イメージ出来たんでいけます!」
「なら俺のレーザーに合わせてそれをブチかましてくれっ!」
「了解!」
そして今度は確実にあいつを仕留める為にシゲに頼んで威力の底上げを図る、現在タンクのエネルギーが半分しか残っていないのでどのくらいの威力になるか分からず、少々不安だったのだがシゲの攻撃を見て、同時攻撃したらほぼ確実に仕留められるだろうと思ったのだ
そんな事を考えていると、ズズゥンという音と共に提督だったものが地に伏す。どうやら戦治郎達が上手い事やってくれたようだ
それを見た俺はすぐにヴェスバーを展開し、タンクに残っているエネルギーを全てそれに注ぎ込む。これでもし俺が動けなくなったとしても、きっと戦治郎達がカバーしてくれると信じているからこそのフルチャージである
「いくぞシゲえええぇぇぇーーーっ!!!」
「うおおおぉぉぉーーーっ!!!いっけえええぇぇぇーーーっ!!!」
俺とシゲが気合いと共に放った極太のレーザーと熱線は、提督だったものとその背後にあった瓦礫の山を完全に飲み込んでしまうのであった