※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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宴会実況外伝すごいよ!!悟さん

今回の宴会は屋外でバーベキューをする事になった、主な理由は泊地の艦娘達が結構な数いる為、屋内で宴会しようものなら部屋に入りきらない奴が出てしまうからだとよ

 

そんで宴会の方はそれはもう盛り上がる盛り上がる、最初は拠点にいる穏健派の深海棲艦を見てビクビクしていた泊地の艦娘達も、お互い次第に打ち解け合って一緒になって騒いでると言ったところだ

 

騒ぐと言えば海賊団の連中は最初からぶっ飛ばしてやがったな……

 

宴会開始前にワンコと長門がそれぞれスピーチして、お互いガッチリと握手を交わしてから乾杯の音頭を戦治郎に取らせたわけだが、そこで戦治郎も何か話をしようとしたところで海賊団の連中がさっさと始めろと言わんばかりに、ブーイングを垂れ流しながらそこらで拾った蟹やら貝やらを戦治郎に投げつけ始めたのだ

 

それを見ていた穏健派の深海棲艦と泊地の艦娘達も便乗して、戦治郎に向かって物を投げ始める始末。まあこのくらいはじゃれ合いの範疇なので別に構わんのだが、俺の近くにいた皐月がマダガスカルアジロイモガイを投げようとしていたのは流石に止めさせてもらった。宴会前に俺の仕事を増やされるのは勘弁して欲しかったからな

 

それからすぐに乾杯の音頭が取られ宴会が始まったわけだが、その直後に海賊団の連中が戦治郎達特撮同好会のところへ殺到した。原因はあの巨大な光の柱の件である、一体何があったのかを木曾や摩耶、龍驤が中心になって問い詰めていたのだ。話を聞いた海賊団の艦娘の一部はその現場を見ておきたかったと非常に悔しがっていたようだな

 

その後翔の監修の下、シゲが巨大ステーキを焼いて皆に振舞っていた。こいつの能力ならどんなデカさの肉だろうと完全で完璧に焼き上げる事が出来るだろうよ、まあ俺はその現場を見てはいないんだがな。多分見てたらその場にいる全員が食事どころじゃなくなっちまうからな

 

それからしばらくして、光太郎がえらくしょぼくれた文月を発見し声を掛けていた

 

「どうしたの文月ちゃん?何か元気がないみたいだけど……」

 

「光太郎さん?あのね~、ヒーローさんが来てないみたいなのぉ」

 

文月の言葉を聞いた瞬間、文月の近くにいるヒーローの正体を知っている連中が一斉に噴き出しやがった。これには文月の言うヒーローご本人も苦笑いだ、光太郎が真実を告げるべきか誤魔化すかで悩みながら視線を巡らせていると、周囲から期待の眼差しを向けられている事に気付いたようだ

 

それに気付いてからの光太郎の行動は早かった、グラスに注がれていた酒を一気に呷り文月から距離を取る、そして奇妙な踊りを踊った後……

 

「閃転っ!!!」

 

光太郎がそう叫ぶと光太郎の身体が一瞬輝き、気付いた時には光太郎はヒーローの姿になっていた。正体を明かす方向でいく事にしたのか……

 

「シャイニングセイヴァー、参上っ!!!」

 

そう叫びながら前方を2本の指で指す光太郎、名前といいこのポーズといい……、同好会の召集はこれらを決める為にやりやがったんだな……。そんな事を考える俺の視界には、自身を助けてくれたヒーローもちゃんと宴会に参加している事を理解した文月が満開の笑みを浮かべて光太郎に飛びつく姿が映っていた

 

その後特撮同好会の連中が介入し、宴会会場である砂浜で即興のヒーローショーが行われた。悪の大ボスを戦治郎が、幹部役は空、他の4人は戦闘員としてシャイニングセイヴァーとやらになった光太郎に戦いを挑み、激闘の末最終的には敗走していた。尚重機アームの光る爪に挟まれたシゲがガチの悲鳴を上げていたのは何だったんだろうな?

 

このヒーローショーは大好評に終わり、ヒーローを演じた光太郎は駆逐艦を中心とした艦娘と穏健派深海棲艦にもみくちゃにされていた。良かったな光太郎、モテモテじゃねぇか

 

それからしばらくすると、ワンコが拠点の方からカラオケ用の機材を持ち出しカラオケ大会になったんだが、ここでも特撮同好会が大暴れしやがった

 

先鋒通が人は誰でも1つの太陽と歌い、次鋒シゲは何も迷わずに嵐の中に飛び込んでくそうだ、中堅は護と翔の2人が紫の力を解き放ち、副将空が自分の事をちっぽけな青い果実とのたまい、そして大将戦治郎が魔戒の剣士とやらに何か指示してやがった

 

その後に続いたのは意外な事に神通、水やら花やらのようにどうたら歌っていたがそれ以上に神通の歌唱力に驚いたわ。そして案の定加賀が持ち歌で参戦してきたんだわ、輝の奴を引っ張って来てな。まああの曲は輝もCD買って歌ってたから、問題なく歌えるからいいんだけどよ。因みに輝がその曲知った切っ掛けは、戦治郎達がやってた艦これのBGMを聴いたからだ

 

「悟さんは歌わないのですか?」

 

不意に声を掛けられたので、そちらの方を見てみれば龍鳳がいた

 

「生憎よぉ、あんま音楽ってのを聴かねぇもんでなぁ」

 

「え~そうなんですか?う~ん……、折角悟さんが歌うところ見たかったのに~……」

 

俺の返答を聞いてしょんぼりとする龍鳳、全く持ち歌がないわけではないんだがこの場に似つかわしくない気がするんだよなぁ……

 

「う~?悟さん持ち歌あるじゃないッスか」

 

いつの間にか俺の隣にいる護の奴がそう言いやがった、おい護お前余計な事言うんじゃねぇ!……あぁあぁ、龍鳳の奴期待の眼差し向けてやがんよ……

 

「つか護よぉ、おめぇ何でこんなとこいやがんだぁ?」

 

「自分は宴会を楽しんでる皆さんを撮影してるだけッスよ~」

 

そう言ってHMDを指差す護、そういやこいつのそれにはそういう機能があったんだっけか……、恐らくこの宴会の様子を写したデータを証拠品の中に混ぜて大本営の元帥に見せようって魂胆だろうな……

 

「やっぱり悟さんも持ち歌あるじゃないですか!皆さんも歌ってらっしゃる事ですし、悟さんも行きましょうよっ!」

 

そう言って俺の腕を引っ張ってカラオケ大会の会場に向かおうとする龍鳳、こうなったら仕方ねぇと諦めがついた俺は、龍鳳と共にカラオケ大会の会場に向かうのだった

 

「龍鳳さんも好きッスね~、まあ誰かが悟さんの事支えてやらないと悟さん潰れちゃうかもしれないッスからね~。自分は応援してるッスよ~」

 

護が何か言ってたような気がするが、会場の喧騒のせいでよく聞き取る事が出来なかった。あいつ一体何言ってやがったんだ?

 

さて、俺は龍鳳に引っ張られながらカラオケ大会の会場に向かっているわけだが、その前に俺の持ち歌の事について考える

 

この曲を知った切っ掛けは、大体特撮同好会の連中関係である。あいつら土曜の夜に戦治郎の家に集まって、戦治郎が気まぐれで買って来た特撮のDVD観ながら宴会するんだよな……、そんで皆で部屋で雑魚寝して日曜の朝に特撮番組観て解散って流れ作ってやがる。そのせいで俺が日曜に朝飯食う時は高確率で特撮番組を観る羽目になるのだ、この曲を知ったのは正にその時だったのだ

 

何故か分からねぇが、妙に聴き入っちまったんだよなこの曲……。おかげで気付いたらCD買って趣味の医学書の粗探ししてる時も1曲をループさせまくってたんだわ……

 

「おっお前達も歌うのか?」

 

そんな事を考えているとどうやら会場の方に到着したようで、そこにいた戦治郎にそう尋ねられた

 

「いえ、悟さんだけです。私が悟さんが歌うところを見てみたくてついお願いしちゃったんです」

 

「そう言うわけなんだわぁ、って事であの曲入れといてくれぇ」

 

「ああ、お前っつったらあの曲だもんな、……OK、次すぐ歌えるからって事でほれ」

 

戦治郎はそう言って俺にマイクを手渡す、すると今歌っていた奴が歌い終えて即席で作られた壇上から降りていく姿が見えたので、俺は先程手渡されたマイクを握り締め壇上に上がる。するとすぐに機材にこの曲の歌詞が表示されたので、俺はそのまま歌い始めるのだった

 

戦治郎達が社長応援歌とか息子応援歌と呼ぶその曲を……

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