※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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ソロモンへ向けて

楽しい宴会が終わり、ワンコさん達に別れの挨拶をしてマダガスカルを発ち、俺達は再び廃墟と化したアムステルダム泊地へと来ていた

 

何故泊地に戻ったのかと言えば、ここの通信機を復活させた後長門さんに大本営へ通信を入れてもらい、迎えの船を出してもらう為だ。まあ長門さんがそれを実行してる頃には俺達はここを発ち、オーストラリアで一休みしてからソロモン諸島へ向かうんだけどね

 

プリンス・エドワード諸島やマダガスカルからここまで凄い距離あったけど、ここからソロモンってなるとその2倍以上移動しないといけないからね……、オーストラリアあたりで休憩入れないと絶対誰か倒れそうだよ……。まあそれでも物凄い距離移動するんだけどね……

 

そうそう、どうして迎えの船を出してもらうのかについても話しておこうと思う

 

1番の理由としては、泊地の艦娘の数が多いから。数が多過ぎると移動中に誰かがはぐれてしまった時気付くのが遅れてしまうかもしれないし、敵に発見されやすくなって頻繁に戦闘になる可能性があるんだよね

 

2番目の理由は、この泊地の多くの艦娘が解体を希望しているからである。今回の件で大きなトラウマを植え付けられてしまい、戦場に出るのが怖くなった娘や軍を信用出来なくなった娘が沢山出たのである。そんな娘達に道中で戦闘をさせるなんて事が出来る訳もなく、安全に日本に連れて帰る為にこうやって船を呼んでもらう事になったのだ

 

因みに義肢を作る前に解体希望か否かを聞いていたらしい、何でも戦場に戻る気がある娘には長月さんの義手のように武器を仕込んだ義肢を作り、解体希望の娘には武装を排除した義肢を作ったそうな

 

「しかし、まだ使えそうなここの資源の一部を俺達が持って行ってもいいって、本当に良かったのか?」

 

戦治郎が瓦礫の山から発掘した通信機を修理しながら加賀さんに尋ねる、何とここの秘書艦を務めていた加賀さんが今回の件のお礼として、この泊地に残っている使えそうな資源を持って行っていいと言ったのである

 

「今の私達に出せるものがこれくらいしかありませんから、それに軍に渡すよりも貴方達に渡した方が効果的、そう思っただけよ」

 

淡々とそう答える加賀さん、確かに資源は欲しいところではあるんだよね、今回の移動は特に長い距離を移動する事になるから尚の事……、でも本当にいいのかな?

 

「戦治郎さん達に渡した分は焼失した事にしておきますから大丈夫ですよ!ですから細かい事は気にせず使っちゃって下さい!きっとそっちの方が資源も喜ぶと思うんですよ!」

 

「そう言う事なら有難く使わせてもらうぜ!」

 

明石さんの言葉を聞いて戦治郎が納得する、ここまで言われたら遠慮する方が失礼なのかな?ならば戦治郎が言う通り有難く使わせてもらおう

 

まあ、その資源も既にかき集められており、俺達の前にズラリと並べてある状態だったりするんだけど……

 

「取り敢えず艤装に積載スペースある奴はガンガン積み込んでくれ~」

 

作業の手を止める事無く戦治郎が言う、俺はその言葉を聞いてから自分の艤装の積載スペースを確認すると……、OK、俺の方はまだ余裕があるからいくらか積み込んでおくか。そう思ってドラム缶を持ち上げると……

 

「うわわわわ……!」「うきゃ~」「ちょ……っ!お前達!声を出すなっ!」

 

ドラム缶の中から聞き覚えがある声が微かに聞こえてくるのですが……、周りの皆も作業の手を止めこっち見てるし……

 

取り敢えず手に持ったドラム缶を地面に置き、周囲に目配せしたら木曾さんが鋼斬を抜きながら近づいて来た。木曾さん、どうぞよろしくお願いします……

 

「ふっ!」

 

気合いの掛け声と共に、鋼斬を振るってドラム缶の上部を斬り飛ばす木曾さん。いや~お見事です!

 

その後斬り飛ばされたドラム缶の上部を外して中を覗き込んだら……

 

「「「あ……」」」

 

その中には長月さん、皐月ちゃん、文月ちゃんが入っていた……。資源集め中に姿を見かけないと思ったら……

 

「3人共、何か言う事は?」

 

「ごめんなさい~……」

 

俺が3人にそう尋ねると、文月ちゃんがしょんぼりしながら真っ先に謝ってくれた。俺はよく出来ましたと言わんばかりに文月ちゃんの頭を優しく撫でてあげる、すると文月ちゃんはとても気持ち良さそうに笑みをこぼしていた。……フミィ……

 

「頼む!私も連れて行ってくれっ!私はまだお前達に恩を返し切っていないんだ!ここまで案内してくれただけで十分だと言っていたが、それでは私が納得出来ないんだっ!だから頼むっ!!!」

 

そう言って頭を下げる長月さん、皐月ちゃんと文月ちゃんを助けた事で恩義が更に上乗せされた感じかな……?

 

「長月は案内が出来ただけまだマシじゃないかっ!ボクなんて助けられてからまだ何もやってないんだよっ!?折角こんな凄い義足までもらったのに、何も返せないままお別れなんて嫌だよっ!!!」

 

そう叫ぶのは皐月ちゃん、彼女の言う凄い義足と言うのは、その義足で意識しながら海面や地面を蹴った時にとんでもない移動速度や跳躍力を叩き出せるという代物である。並の艦娘だったら、皐月ちゃんが唐突に消えたように見える事だろう

 

っと今は義足の事じゃなくて皐月ちゃん自身の事か……、確かに彼女は助けられてから碌に恩返しになりそうな事出来てないんだよな~……、……よし

 

「2人の気持ちは伝わったよ、俺達はその気持ちだけで十分……なんて言っても2人共納得出来ないよね?だからこうしよう、2人には日本海軍が変わる切っ掛けになるように、今回の件の証言を元帥さん達にしっかりと伝えて欲しいんだ。2人共あの提督の被害者で実際に手術をされた立場なんだから、その証言はきっと重いはずだ」

 

俺は2人の事をしっかりと見ながら諭すように言う、2人は1度顔を見合わせた後黙って頷いてみせてくれた

 

「2人が頑張ってくれれば、俺達も日本に受け入れてもらい易くなるなるはずなんだ。だから2人にはその準備をやっててもらいたいんだ、頼めるかな?」

 

俺が2人に尋ねると……

 

「ああ、任せろっ!!!」「まっかせてよっ!!!」

 

2人は声を合わせて、大きな声で返事をしてくれた。取り敢えずこの子達の事はこれでOKかな?

 

「大したものね」

 

俺達のやり取りを静かに見守っていた加賀さんがそう言った、……輝の隣をしっかりとキープしながらだけどね……

 

「俺はヒーローになっちゃいましたからね、このくらいの事は出来ないと……なんてね」

 

俺が悪戯っぽく加賀さんにそう返事したところで……

 

「つかおめぇは向こうだろうがっ!何で俺の隣にいるんだよっ!?」

 

そう言って輝は加賀さんを持ち上げ、そのまま長門さんの方へ向かい……

 

「ほれ、お届け物だ」

 

「あ、ああ……」

 

「そんな……、馬鹿な……」

 

輝はそう言って長門さんに加賀さんを手渡す、長門さんは引き攣った表情で輝から加賀さんを受け取り、加賀さんは長門さんの腕の中で絶望に打ちひしがれていた……。いやまあ、これは仕方ないんじゃないかな?加賀さんは此処の提督の秘書艦だったわけだし、提督が普段どんな事をしていたかを大本営の人達に伝えないといけないでしょ?だから貴方が俺達に同行するのはどうしても無理だって事、お願いだから分かって下さい……

 

「よっし!修理完了っ!!!」

 

輝達がそんなやり取りをしていると、戦治郎がそう叫び勢いよく立ち上がる。どうやらお別れの時が来たようだ……

 

「そうか、終わったか……、通信機の事もそうだが、今まで明るみに出ていなかったこの泊地の事といい、穏健派深海棲艦や転生個体の事といい、お前達には助けられてばかりだったな、本当に感謝しているよ」

 

そう言って手を差し伸べて来る長門さん、戦治郎はそれを握り返しながら

 

「俺はお前にすっげぇ助けられたんだけどな、情けねぇ俺に喝を入れてくれた件、本当に助かったわ」

 

そう言ってニカッと笑う、そしてどちらからともなく手を放したところで長門さんがハッとして戦治郎に尋ねる

 

「そう言えばこの通信機はどうしたらいいんだ?やっぱりお前達に返しておくべきか?」

 

「いや、記念品って事でお前達が持っててくれ。もしかしたらまた使う機会があるかもしれねぇからな」

 

俺達が使っている通信機を慌てて耳から外そうをする長門さんを、戦治郎がやんわりと手で制止ながらそう言った

 

「そうか……、なら有難く頂戴しておこう。っと引き留めてしまったな、それではまたな」

 

「応、またな!出来れば再会するのは日本がいいな!」

 

「ああ、そうだな……」

 

戦治郎と長門さんは、そう言ってからお互いに背を向け歩き始める。戦治郎は俺達の方へ、長門さんは先程戦治郎が修理した通信機の方へ……

 

「待たせたな、んじゃあ長門屋海賊団、ソロモンへ向けて抜錨だぁっ!!!」

 

\応っ!!!/

 

こうして、俺達はアムステルダム泊地の艦娘達と長門さん達大本営主力艦隊の面々と別れ、ソロモン諸島へ向けて旅立つのだった




閃転!シャイニングセイヴァー

光太郎の能力、救いを求める者達を助け出し、立ち塞がる脅威を打ち砕く『輝く救世主』、シャイニングセイヴァーへ変身する力

救助活動極振りだった艤装を、攻撃極振りに変更するような感じ

エネルギーの制約こそあるものの、その攻撃は当たれば大概のものは粒子レベルで分解されるなど、凄まじいの一言に尽きる

ヒーローに憧れ続け、その人生最大のトラウマを乗り越えた光太郎だからこそこんな能力になったのかもしれない



快癒の翠緑

悟の能力、命に執着する悟に芽生えた癒しの力

発動中は手が緑色にほんのり発光し、細胞の老化現象を起こす事無く傷を癒したり、痛みを取り払う事が出来る。使えば使うほど成長し成長すれば傷の治癒速度が上昇したり、細菌やウイルスによる病気の治療、肉体疲労回復なども出来るようになる

転生個体の能力の中でも非常に珍しいタイプの能力
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