※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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シゲ視点です

途中作者の趣味が混ざってます、ご容赦頂ければ幸いです……


炎の交渉

アニキ達が飛び出して行った時、俺達はあまりの唐突な出来事に対して驚き戸惑ってしばらくの間立ち尽くしていた……。そしてようやく皆が我に返って後を追おうとしたのだが……

 

「待ちたまえ、戦治郎は君達にここで待っているようにと言っていたはずだよ?」

 

リチャードさんに止められてしまった、何人かがそれに反論しようとしたのだが

 

「今の僕は君達の事を戦治郎に頼まれている立場なんだ、ここで君達に勝手な事をされると僕だけでなく戦治郎にも迷惑がかかるというのを分かっているかい?」

 

リチャードさんのこの言葉を聞いて、皆が悔しそうに口を閉ざす

 

「よしいい子だ、取り敢えず移動しようか。客人をこんなところで待ちぼうけさせるわけにはいかないからね、部屋を用意してもらうから戦治郎達を待つならそこで待っててもらえるかな?ああ、もしここの敷地内を見て回りたいのなら一言言ってもらえるかな?案内役を付けて案内させるからね」

 

リチャードさんはそう言って移動を開始し、俺達はその後を追って行き各自の部屋に案内されるのだった

 

 

 

「シゲー!今から格納庫行くッスよー!」

 

部屋でアニキ達の帰還を待っていた俺のところに、マモがノックもせずに部屋に侵入しそう叫ぶ。その後ろには案内役と思われる軽巡ヘ級の姿もあった

 

「あ~、お前技術班の人達と話したいって言ってたもんな……。……ここにずっといるのもなんだかんだで暇だし……、いいぜ、俺も付き合うわ」

 

俺はそう言ってマモと一緒に格納庫に向かう事にしたのだった、実際あそこには非常に気になる代物があったから、時間がある時また行きたいとは思っていたからマモの誘いは好都合ではあるんだよな。今度はしっかりジックリ近くで見させてもらうぜ、タキオンSSをよぉ!

 

格納庫に向かう道中で教えてもらったんだが、どうやらあの格納庫は往来を楽にする為にここの工廠と繋がっているんだそうな。だからここの人達にとっては、格納庫も工廠も同じ意味になるんだとか……

 

そんな話をしているとすぐに格納庫に到着する俺達、マモの奴は到着するなり案内役のヘ級の手を引っ張って奥にダッシュして行って、現在格納庫に残っているのは俺だけとなっていた。部屋に案内されるまでここにいた人達の姿も見当たらなかった事から、皆ここでの作業を終わらせて持ち場に戻ったのだろうと思いながら、俺は目的地であるタキオンSSがある場所へ向かう

 

その道中で大砲5門のツァーリプーシュカや、機銃5門の武装警察パート4、金色に染め上げたギドラ砲を装備した金星ウォーカーなどを見かけたのだが、ここの人達はメタルマックス3のファンなのだろうか……?

 

俺がそんな事を考えながら歩みを進めていると、目的地であるプラチナカラーのタキオンSSのところにすぐに辿り着いた。さっきは遠巻きにしか見る事が出来なかったが、今度は手を伸ばせば届くほど近いところにある、さぁて隅々までこいつを観察してあわよくばこいつのコピー品を自作してやんぜ!俺はそう意気込んでタキオンSSの観察を始めるのだった……

 

 

 

……このタキオンSSを調べて分かった事だが、こいつの持ち主はメタルマックス3を相当やり込んだ奴のようだ……

 

機銃はひぼたんバルカン、大砲はデリック砲、S-Eは固定装備のチタンソードにスモールパッケージと閃光迎撃神話、そしてボディーにMETEOR DRIVE(メテオドライブ)と書かれたステッカー、メーターパネルのところにはPAC3000の文字が……

 

これ絶対超改造施してんだろ!ひぼたんとスモパとかそれ前提だろこれっ!?しかもデリック砲とかセメント弾撃ち込む気満々じゃねぇかおいっ!そのクセ自分の方はCユニットのPAC3000の迎撃補助の恩恵受けた迎撃神話で相手の砲撃撃ち落とそうとしてやがるしっ!

 

そして何よりこのステッカー!エンジンはメテオドライブ積んでますって事かっ!?敢えて積載量最大のV100コングじゃなくて、タキオンSSの元となるサイファイの入手条件に関わっているスピードキングの超極レアドロップ品であるメテオドライブを拘りで積んでますって自慢かこの野郎っ!!!ホントえげつねぇ構成してんなっ!

 

……つかこれ、こんだけ改造してるけど実戦で使う気なのか?まさかこれ海上も移動出来るとか言わねぇよな……?俺がそんな事を考えていると……

 

「おぅ、われワシのバイクに興味あるんか?」

 

不意に背後から声を掛けられ、俺は驚きながらそちらの方を向いてみると、そこには作業服を身に纏った重巡棲姫の姿があった。……ちょい待て、今ワシのバイクっつったか……?

 

「あ、ああ……、つかこれアンタのなのか?」

 

「応、そいつはワシの相棒の『伊吹号』じゃ!っとそう言えば自己紹介しとらんかったのぅ、ワシは熊野 伊吹(くまの いぶき)っつぅもんじゃ。ここの技術班の班長をやっちょる重巡夏姫の転生個体じゃ」

 

こいつ夏姫の方だったのかよっ?!服違ったら全然違い分かんねぇなおいぃっ!?つかこいつがここのブッ飛んだ技術班のアタマかよっ!!?……まさかここのクルマの趣味って……

 

「最初の頃はワシしか技術屋がおらんかったけぇのぉ、そのせいで色々とまあ苦労したもんじゃ。ワンオペでここの連中の艤装の修理するとか、もう地獄としか言えんかったわ。まあおかげで班長なんて肩書もろうて、多少好き勝手しても目を瞑ってもらえるようになったけぇ頑張った甲斐はあったじゃろうなぁ」

 

そう言ってカッカッカッと笑いだす伊吹さん、ここにあるクルマは今まで伊吹さんが頑張って来た事に対してのご褒美って事か……

 

「ここって結構な人数いるんだよな……、それをおっさん1人で捌くとか、アンタってスゲェ人なんだな……」

 

俺が思った事を口に出した瞬間、伊吹さんは急に笑うのを止めて俺の胸倉を掴み唾を飛ばしながら格納庫に怒号を響かせる

 

「誰がおっさんじゃ誰がっ!!?ワシャまだ24じゃ!オンドレにおっさん呼ばわりされるほど老けとらんぞっ!!!」

 

こいつ俺達とタメかよぉっ!!!口調からてっきり爺さんか何かだと思ったけど、ストレートに爺さんって呼んだら失礼だと思って、オブラートに包んでおっさんにしてたのにそれでもダメだったのかよぉっ!?!

 

俺はすぐさま伊吹さん……、いや伊吹に謝罪し伊吹号を徹底的に賛美して、何とか怒りを静めてもらうのに成功した……。その時に分かったよ、こいつ生まれも育ちも広島だってのがな……

 

それからしばらくの間、俺と伊吹はサイファイ談義に花を咲かせ友好関係を築くのだった。まさか使用するクルマをバイクのみにしてクリアする奴がいたとは……、まあ俺もアニキからもらった奴で同じ事やったんだけどな……

 

「ところでシゲ、ワシの伊吹号を見とったらワレもサイファイが欲しゅうなったんじゃないか?つかぶち物欲しげに見とったじゃろ?」

 

唐突に伊吹がそんな事を言い出した、バッカおめぇそんな……、ったりめぇじゃねぇかこの野郎っ!!!あんなん見せられて欲しくならない方がおかしいだろうがよぉっ!!!見てろよこん畜生!さっきまで観察してたので大体の構造は分かったからなっ!!!いつか絶対同じもん仕上げてやるからなっ!覚えてやがれっ!!!

 

「そりゃまあ……、自分のお気に入りの奴が実在してたら当然欲しくなるだろうがよ」

 

まあ思ってる事全部ぶちまける訳にもいかず、こんな感じで返事をしたわけだが……

 

「まあそうじゃろうな!そんなワレに耳寄りな話があるんじゃが……、聞くか?」

 

俺の返事を聞いた伊吹がそんな事を言い出した、ある程度予想はしてるが取り敢えず話を聞いてみるか……。そういう訳で俺は伊吹の耳寄りな話とやらを聞いたのだった

 

 

 

 

 

伊吹の話を聞いた後、俺は伊吹に連れられて格納庫の隅にやって来た。そこにはカバーが掛けられたバイクが1台佇んでおり……

 

「こいつじゃ!」

 

伊吹がそう言ってカバーを取り外す、カバーが外された事でその姿が露わになったバイク、それは俺がさっきまで見ていたタキオンSSの元となったサイファイの強化型であるリュウセイだったのである

 

「バイク仲間を作ろう思うて作ったんじゃが、どいつもこいつも戦車の方に走りやがってな……。そのせいでこいつはここで埃被っておったんじゃ」

 

そう言って渋い顔をする伊吹、まあバイクは身体が露出してるから好きな奴じゃない限り乗ろうとは思わねぇよな……、転んだりしたら危ねぇし、戦場で乗るとかなったら頭おかしいとか言われるだろう……

 

「いつも伊吹号と一緒に整備しとったけぇ状態は悪うないはずじゃ」

 

伊吹が言う通り、このリュウセイはいつ作ったものか分からないが新品のような輝きを放ち、その2つのタイヤで大地を駆ける日を今か今かと待ち受けているように見えた……

 

「こいつを売ってくれるのか……」

 

「応、本当はタダでもいいんじゃがの」

 

そう、伊吹がいう耳寄りな話とは折角作ったのに誰にも使われないこいつを譲ると言うものだったのだ。伊吹はタダでいいと言っているが、俺はアニキから他者の作品を譲ってもらう時は必ず敬意と金を払えと教えられてきた為、それを伊吹に伝えてから購入する事を決めたのだ

 

「状態はホント新品みたいだな……、んでスペックはどうなってるんだ?」

 

「そうじゃのぉ……、こがいな感じじゃったわ」

 

俺はこいつの値段を決める為に伊吹にスペックを尋ねたところ、伊吹はそう言ってリュウセイのスペックを殴り書きしたメモを手渡してくる。……こいつぁまたまあ……、日本の公道をギリギリ走れる感じだな……。なんつぅモンスターマシン作ってんだこいつぁよぉ……、そうなると値段は……

 

「よし買った!値段に関してなんだが……、こんな感じでどうだ?」

 

「馬鹿野郎!こんなんいくらなんでも高過ぎるわ!そうじゃのぅ……、このくらいでどうじゃ!?」

 

「……いやいやいや、それは流石にお前に悪過ぎるわ!……これでどうだっ!」

 

「ワレ金銭感覚おかしいんちゃうかっ!?何でそないな金もっとんじゃっ?!そないな値段にされるとワシが吹っかけたみたいに思われるじゃろっ!!?だったらこれでどうじゃっ!!!」

 

こうして3時間にも及ぶ価格交渉の末、俺はスズキの隼の新車価格と同じくらいの値段で伊吹作のリュウセイを手に入れるのだった……。まあ、伊吹がいいって言ってるならいいか!

 

因みに価格交渉の後、伊吹に頼んでリュウセイのカラーを変更してもらった。何色にしたかって?そりゃお前、こんな未来的な形したバイクなんだからAKIRAの金田のバイクを意識したようなカラー、アキラレッド一択だろうがよぉっ!!!




あんりょ~?シゲが値引き交渉するはずが、作った伊吹サイドが値引きしてる~?

……まあいいかっ!
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