※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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鬼と党首

俺達はリチャードさんのあのセリフと共に、カッコよく敵陣に突入したわけなんだが……

 

「なあ戦治郎……、これ俺達が来る意味あったか……?」

 

「お前の祖父さんとリチャードさんだけで、敵陣壊滅してんじゃねぇか……」

 

シャイニングセイヴァーに変身した光太郎はそんな疑問を俺に投げかけ、それに続くように輝が今の状況を分かり易く言葉にしてくれた

 

そう、今絶対平和党は祖父さんとリチャードさんの奇襲を受けて、海上にいる戦力の2/3を失っていたのだ

 

強硬派は何処に行ったかって?さっきの演説のせいで全員絶対平和党に組み込まれてしまったみたいなんだわ……

 

奴らは修羅と化した祖父さんと大統領魂全開のリチャードさんを止める術を持ち合わせていないようで、ただただ一方的に蹂躙され祖父さんとリチャードさんに狩られるだけの存在と成り果てていた……

 

ホント光太郎が言った通り、これ俺達の出番ねぇじゃん……。艦娘達も皆揃いも揃って祖父さん達の動きに圧倒されて、口開けたまま呆然とその様子見てるだけだし……。っとそうだったそうだった!

 

「木曾、神通、祖父さんの動きは目で追えてるか?」

 

「すまねぇ、碌に追えてねぇ……」

 

「これはその……、あまりにも凄すぎて参考にならない気がします……」

 

俺が剣術使いの2人にそう尋ねたところ、このような返事が返って来た。まあ正直俺も無茶言った自覚はあるんだよな……、2人共ごめんな?

 

「1年半でしたか……、そんなに長い時間戦い続け、生き残り続ければあれほどまでにに強くなるのも頷けますね……」

 

近くにいた通がそんな事を零す、しかも数も数だったみたいなんだよな~……。確か1年半の間で、強硬派の深海棲艦を大体1万5千匹は斬り捨てたとか言ってたような……?ホントよく今まで生きてたな、この祖父さん……

 

通の言葉を聞いた俺がそんな事を考えていると、俺の足元から悟の頭が突如出現!ちょっとぉっ!?いきなり出て来るとビックリするでしょぉっ!?!

 

「おめぇらよぉ、人が何度も呼び掛けてんのに無視するたぁどう言う了見だぁ?」

 

ああ、悟の奴今通信機が使えねぇの知らねぇのな……、そういう訳で俺は悟にその事について説明するのだった

 

「そう言う事ならまぁ仕方ねぇわなぁ……、ったく洗脳とかクソ面倒クセェもん出してきやがってよぉ……。つか人格を作り替えるとかよぉ……、戦争よりてめぇの方がよっぽど危ねぇじゃねぇかよぉ……」

 

俺の話を聞いた悟がそんな事を言っていた、そうなんだよな~、この党首の能力は人権を完全に無視してんだよな~……。七瀬とか言う奴は、人が人として生きる事より世界平和の方が重要だと言うのか?ホントわけ分かんねぇよ……

 

悟の言葉を聞いた俺がそんな事を考えていると……

 

「ええい!忌々しい野蛮人共がぁっ!何故我々の邪魔をするっ!?何故そうやって武器を手に取り無駄に戦火を拡げるっ?!我々はただ世界平和の為に活動しているだけではないかっ!!!それが何故貴様らに邪魔をされなければならないのだっ!!?貴様らは平和な世界と言うものを見てみたいと思わんのかっ!??」

 

えらく早口でそんな事を叫んでいる声が聞こえて来た、俺はその声が気になって声の発生源の方を向いたところ、そこには口に主砲の代わりに黄色いメガホンを咥えた駆逐ナ級後期型flagshipが1匹いた。何だこいつ……?何でメガホンなんか咥えてんだ……?

 

俺がしばらくそのナ級の事を観察していると、不意にそのナ級と目が合ってしまった。恐らく向こうも俺の視線に気付いたんだろうな……

 

「何だ貴様はっ!私の方をジロジロと見て何を企んでいる!?それに何だその姿はっ!!?あちこちに武器など装備して……、まさか貴様はあいつらの仲間だと言うのかっ!?貴様もあいつらと同じで争い事を好む道理の通じん野蛮人なのかっ?!!」

 

何かめっちゃ高圧的にボロクソに言ってきやがったんですが……

 

「y「あいつらの仲間ならばその言葉を聞く耳は持たん!やつらと同じように戦争を望む貴様の話など聞く価値が一切ない!それだけではない!貴様の話を聞く時間がもったいない!その時間を我々の活動に充てた方が間違いなく有意義なのだからなっ!!!それが分かったら二度と私に話しかけるなっ!!!いいなっ!?!」

 

あの野郎……、俺の言葉に自分の言葉思いっきり被せて来やがったぞ……、そんでまた自分だけ言いたい放題言って話を無理矢理終わらせやがった……

 

「n「私はさっき二度と話しかけるなと言ったはずだっ!!!まさか貴様は人間の言葉も理解出来ない獣か何かかっ?!?ふざけるのもいい加減にしろっ!!!私は先程貴様とこのような下らんやり取りをするのは時間の無駄であると!確かにそう言ったはずだ!!!なのに貴様はまた私に話しかけようとしてきた!!!そうか!!!これはあいつらの仲間である貴様による我々の活動に対しての妨害工作なのだな!!!何故貴様はそのような事をするっ!!?貴様もあいつら同様いたずらに戦火を拡げたいとでも言うのかっ!??そう言う事なら我々はそんな危険な貴様を粛清するっ!!!」

 

何か勝手に決めつけられて攻撃対象にされてしまったんですが……、いやもうホント何なのこいつ!?話が通じないを通り越して話させてくれないっ!!!会話が成立しないっ!!!ふざけるなとか言ってたけど、それはこっちのセリフだばっきゃろうっ!!!

 

つかこの口振りからすると……、どうやらこの駆逐ナ級後期型flagshipが絶対平和党の党首、七瀬 直忠のようだな……。党首って言うから鬼か姫だろうと思ってたら、まさかのナ級だったでゴザル……。まあその能力がえげつなさ過ぎて鬼や姫の比じゃないくらい油断出来ない相手なんだがな……

 

俺がそんな事を考えていると、七瀬は七瀬の支持者と思われる深海棲艦を自分の周りに集め始め、俺達に差し向けようとしていた……のだが……

 

「じゃらっしゃあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

ある程度数が集まったところを祖父さんに狙われて、支持者達は祖父さんが飛ばした剣閃でまとめて真っ二つにされて海底へとその姿を消していくのだった……

 

「また貴様か大鬼神っ!!!ええいこのままでは支持者の数が減ってしまう!こうなったら撤退だっ!!!これは逃走ではない!明日への前進であるっ!!!繰り返す!これより我々は明日へ向かって前進するっ!!!皆の者!この私!!七瀬 直忠に続けぇっ!!!」

 

七瀬は祖父さんの姿を見るなり、そう叫んで撤退を開始したのである。って七瀬の航行速度早ぇっ!!!支持者全員置き去りにして、一人だけとっとと水平線の彼方に消えやがった!!!お前自分の支持者を何だと思ってんだよっ!!?

 

「戦治郎!今がチャンスじゃ!!!支持者連中をここで削れるだけ削るぞっ!!!」

 

「穏健派各員に告ぐ!これより僕達は絶対平和党を追撃するっ!!!今のうちに倒せるだけ倒してしまうよっ!!!」

 

祖父さんの言葉に呆気にとられてた俺達は、リチャードさんが出す指示を聞いて我に返り、リチャードさんが予め配置していた穏健派の皆と協力して絶対平和党に追い打ちをかけるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦治郎、彼と話してみてどう思った?」

 

追撃戦が終わり、七瀬こそ取り逃したものの残りの支持者を殲滅したところで、リチャードさんが不意に俺にそう尋ねて来た

 

「俺はあれを会話と認めるつもりはありませんよ……、何ですかあれ……、一方的にあいつが喋るだけじゃないですか……」

 

「だよね……、実はあいつは1度僕達のところに話し合いを持ち掛けて来た事があるんだよ……。まあそれもさっきの君とのやり取りと同じような感じだったけどね……」

 

俺の返事を聞いたリチャードさんが、メタルウルフのヘッドパーツを取りながらそう言った。自分から話し合いって言っときながらそれかよ……、あいつは会話って単語の意味知ってんのかな……?

 

「あの……、最後の追撃は本当にやらなければいけなかった事なのでしょうか……?」

 

俺とリチャードさんがそんな事を話していたら、姉様が表情を少々曇らせながら近づいて来てリチャードさんにそう尋ねる。姉様の後ろには瑞穂の姿もあり、こちらも姉様と同じように浮かない顔をしていた

 

そういやリチャードさんと初めて会った時、強硬派が撤退開始したら見送ってたのに今回は情け容赦なく追撃してたな……。一体何でなんだろ?

 

「あの党首の能力は洗脳のようなものと聞きました、それだったら悟さんにお願いしたらどうにか出来たのではないかと、先程扶桑さんと話している時にそう思ったのですが……」

 

瑞穂の言葉を聞いたリチャードさんは、俯きながらもその疑問に対して返答する

 

「僕達も同じ事を考えて、支持者を捕まえて医療スタッフに治療を依頼した事があるんだよ……。その結果、あの能力の影響を最後まで受けた者は自分が何者なのか、自分がどうしてここにいるのかも分からなくなっていて、病室のベッドで七瀬が主張する思想を譫言の様に賛美し続けたていたんだ……。スタッフからも言われたよ、これは無理だって……」

 

何それ怖い……、って事はあいつの能力で人格書き換えされた時点で詰みって事なのな……、冗談抜きで恐ろしい能力だなおい……

 

「おめぇらがお茶会やってる間によぉ、俺はここの医療スタッフと話してたんだけどよぉ、ここの連中がダメってなると俺でもダメみてぇだわ」

 

また突如海面から生えて来た悟ヘッドがそんな事を言った、ってだからいきなり現れんなっつぅのっ!!!ってか、悟がこう言うのは珍しいな……、それだけここの医療スタッフは信頼出来る腕前って事になりそうだ

 

「っとそういやナ級の件ですっかり忘れてたわ、ほれ」

 

悟はそう言うと海面から何かを引っ張り出し、俺達に見せて来たのだが……

 

「これは……、ソ級か?」

 

「あぁ、あの時俺がおめぇらに伝えようとしてたのはよぉ、これの事だったんだよなぁ」

 

悟が俺達に見せて来たもの、それは縫合糸で雁字搦めにされた1匹のソ級だったのである

 

「こいつはよぉ、どうやら強硬派の所属みたいなんだわぁ。つか海の中には強硬派の潜水艦しかいなかったんだよなぁ、まあ俺がこいつ残して全部捌いてやったんだがなぁ」

 

悟はそう言って口角を上げる、悟は確か俺達が七瀬に洗脳されそうになる前から海の中にいたっけな。んで七瀬の能力の事知らなかったって事は、七瀬の能力は海の中にいたら回避出来るって事か……。でもそれだと艦娘達がどうしようもないからな……、これは対策考えねぇとだなぁ……。まあそれは兎も角、今は……

 

「サンキュー悟、海上のは絶対平和党に無理矢理組み込まれた後、祖父さん達が全部片付けちまって確保出来なかったから助かったわ。って事で~……」

 

俺はそう言って不気味な笑顔(姉様談)を浮かべながらソ級に迫り、尋問を開始するのであった。何故こいつらは絶対平和党と行動してたのか……、それがホント気になってたからな、そう言うわけでこいつにはその辺の事洗いざらい喋ってもらうぜ~……?ぐっひょっひょっひょっひょ……

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