これは空が工廠で見習い妖精さんと出会っていた時の事である……
ガダルカナル島にて……
先日の人工衛星連続爆破事件を教訓に、マモが打ち上げる人工衛星を予め量産しておく為の装置を作りたいとか言い出したのである
「人工衛星の量産て……、そがいな事そう簡単に出来るんか?」
伊吹が訝しげな表情を浮かべながらマモに尋ねる、それを聞いたマモはふっふっふと笑った後に伊吹の問いに答える
「そのへんについては考えがあるッス!」
「ほぉ~、何か自信あるみてぇじゃねぇか。ちょっちその考えって奴がどんなのか教えてくれるか?」
自信たっぷりに言うマモを見たアニキが、マモの考えとやらに興味を持ったようでその内容について尋ねる
それを聞いたマモは仰々しい態度をとりながら、その考えとやらを俺達に説明し始める
「自分の考えと言うのは、技術班の皆さんにマイクラの工業化MODとそれに関係するMODで作れる機械類を再現してもらうってもんッス。皆さん架空の機械や兵器を再現するのは得意って言ってましたッスからね、んでそれを使って人工衛星の生産ラインを構築するんッスよ」
それを聞いた俺、伊吹、アニキの3人が大爆笑し始める、マモが言うようにここの技術班の人達は架空の機械や兵器を精巧に再現するのが得意な人達なのだ、実際リチャードさんのメタルウルフや格納庫の戦車群がその全てを物語っている
そんな人達なら、きっとマイクラの産業用機械も余裕で再現出来るだろう。うん、正直その発想はなかったわ……、多分俺と一緒に爆笑してるアニキと伊吹もそうなのだろう
それからの俺達の行動は早かった、技術班の人達は伊吹を中心にしてすぐさま作業に取り掛かり、あっという間に人工衛星の生産に必要な機械群を次から次へと作り上げていくのだった
そしてそれらが出来上がり次第、アニキとマモが次々とデータを入力していくのであった。俺?俺はアニキ達がデータ入れ終わった機械を、指定された位置まで運ぶ作業を担当してるんだよな~
そうしている内に機械群の作製とデータ入力、機械群の配置が完了し動作テストを行ったところ、機械群は正常に動作し無事にあの見てるだけでムカついてくるペンギン型人工衛星が生産されるのだった
「なぁマモ……、やっぱデザイン変えた方がよくね?」
「俺もそう思うわ……、普通の人工衛星にするだけで1基あたりのコストは減るし、何より見てる俺らが苛立たなくて済むからな……」
出来上がったふざけ切った見た目の人工衛星を見ながら、俺とアニキがそんな事を言うと……
「何を言ってるんッスかっ!?このデザインのおかげで耐久性が上がり、一目見ただけで自分達が作ったって分かるようになってるんッスよっ?!このデザインを捨てるなんてとんでもないッス!それにコストと一緒に性能まで減ったらどうするんッスかっ!??」
マモの奴が必死になって却下する、どうやらマモはどうしてもこのデザインで行きたいらしい……
そう言えばさっきアニキがコストの話してたけど、この間の打ち上げ失敗による資源の損失をアニキが計算したようで、その結果2回の打ち上げ失敗で各資源が4億ずつ無駄になったんだとか……
そういう訳で、アニキがマモを連れてリチャードさんのとこに謝罪に行ったところ、笑って許してもらった上に、ここの資源の備蓄に関するデータを見せてもらったそうで……
その結果、後100回は打ち上げ失敗しても全然余裕があるほどの資源がここにある事が判明したのである……
ただまあ、だからと言って遠慮なしに資源を浪費するのはどうかって事で、アニキはコスト削減を提案したのである。まあ先程マモが即座に却下したがな……
その後機械群は順調にクソペンギンを量産し、合計72基のクソペンギンを作り上げる。そしてそれを使って3台のロケットを組み上げたところで今日の作業が終了するのであった
そして次の日、組み立てたロケットを早速打ち上げるのだが……
1台目はある程度上昇したところで爆砕してしまった……、原因は海賊団所属の艦娘達が対空射撃の訓練をしていた為である、訓練中に発射された砲弾が運悪く、流れ弾としてロケットに当たってしまったのだ……
「2度ある事は3度あると言うッスからね!こうなると思って昨日あんだけ量産したんッスからねっ!!!」
爆砕するロケットを見たマモはそう叫び、2台目の準備をしながら艦娘達に訓練を一時中断するように頼み、すぐさま2台目の打ち上げを開始する
そして2台目を打ち上げ、しばらく見守っているとさっきより上昇したところでまたも爆砕してしまう……。今度の原因は先程の爆発を見て集まって来た強硬派による、ロケット打ち上げの妨害を目的とした対空射撃だったのである。哨戒機を飛ばしていた翔からこの連絡を聞いたマモは……
「ゆ……許さないッス……絶対に許さないッスよ虫ケラ共っ! じわじわとなぶり殺しにしてやるッス!! 一人たりとも逃がさんッスよ覚悟やがれッスッ!!!」
怒り狂いそう叫び散らし連中がいる海に飛び出して行く、流石にこれは許容出来ねぇよなぁ……。そう言う訳で俺達は部隊を編成して、マモの後を追い強硬派の連中を念入りに〆上げるのだった
この後海上に警護部隊を配置してから臨んだ5回目の打ち上げ、これだけやってダメだからと、誰もが諦めかけていたのだが今回打ち上げたロケットは順調に上昇していき、その姿は見る見るうちにちいさくなっていき、しばらくするとロケットは視認出来なくなる
ロケットが視認出来なくなったところで、マモがHMDを操作してロケットに取り付けたカメラの映像をHMDに映し出したところで……
「……やった……、やったッスよおおおぉぉぉーーーっ!!!」
マモが歓喜の咆哮を上げる、そして皆にもその映像が見えるようにと準備しておいたスクリーンにその映像を映し出す。そこには俺達が住む青い地球の姿が映されており、それを見た皆が一斉に歓声を上げる。どうやらロケットは無事に衛星軌道に乗ったようである
それからマモがワイヤレスの魔改造箱コンを使って、衛星を狙い通りに設置していき……
「これで……ラストッスッ!!!」
マモがそう叫びながらボタンを押し、それを以って24基全ての人工衛星の設置が完了するのであった
その直後、俺達はマモの下に駆け寄り皆でマモを胴上げし、最後はアニキによるノーザンライト・ボムで〆となった。そりゃまあ余裕あるとは言え、人様のとこの資源を全部で10億ずつ使い込んだらそうなるわな……
こうして無事人工衛星を打ち上げる事に成功した俺達は、食堂で祝杯を上げようとしていたのだが……
「あ、シャチョー達にはもうちょっと付き合ってもらうッスよ~」
マモがそう言って俺、伊吹、アニキの3人を呼び止め、海の方へと向かっていく。俺達はマモが何をするつもりなのか疑問に思いながらもその後を追う
そうしているとマモは海に出て島から離れ、しばらく辺りをうろついたところで敵艦隊を発見する。するとマモは懐からハンドガンのような物を取り出し、相手に向けてその引き金を引いた
「護、そりゃ一体何じゃ?」
「これはッスね~……、見てのお楽しみッス!」
伊吹がそのハンドガンのような物についてマモに尋ねたのだが、マモにそう返されて詳細を説明してもらえなかった。その直後、ハンドガンのような物からピピッ!という電子音が鳴り……
「これでOKッス!皆ちょっと離れるッスよ~」
そう言ってマモが敵艦隊から離れていく、俺達は本当に訳が分からないまま取り敢えずマモについて行く。そうしてしばらく移動していると今度はピーッ!と言う電子音がハンドガンもどきから鳴り響き、その直後……
空から無数の巨大な光線が敵艦隊に向けて降り注ぎ、瞬く間に敵艦隊を消滅させてしまったのである……
「わっしょーいっ!!!こいつも問題なく作動したッスねー!」
「なあ護……、今の何だ……?」
ハンドガンもどきを片手にガッツポーズをとるマモにアニキが尋ねる、アニキの顔が真っ青になっているが、多分それは俺も同じだろう、伊吹の方は驚愕して立ち尽くしてやがるな……
「今のはあの人工衛星に仕込んでおいた衛星レーザー砲で、その名を『ゼウスサンダー』って言うんッスよ~。このレーザーポインターガンでターゲットを指定して、腰に付けてたソーラーパネルで集めたエネルギーを自動追尾したターゲットに叩き込む超ド派手な自分の必殺武器ッスッ!!!」
マモが胸を張ってそんな事を言っていた、道理で作ってる時資源を馬鹿食いした訳だ……
「それ俺の許可無しで絶対使うなよ、いいな?」
それを聞いたアニキが無慈悲にそう言い放つと、マモは驚きのあまり固まってしまっていた。まあ普通に考えたらこうなるよな~……、これ冗談抜きで強力過ぎるもんな……。下手に乱発してたらこっちにも被害出そうだし、何よりアリーさんとかがその技術応用して似たようなの作ってきたら厄介だからな~……
「護の用事も終わったみてぇだし、帰って打ち上げすっか!」
俺がそんな事を考えていたら、アニキは固まってしまったマモを肩に担ぎながらそう言って島の方へと戻り始めたので、俺は未だに固まっている伊吹を引っ張りながらその後を追うのであった