※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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UA5000突破!

まさかこんなに多くの人に見て頂けるなんて夢にも思っていませんでした……

この作品を見て下さった方々に多大なる感謝を

本当にありがとうございます

見て下さる方々、そして作者自身も楽しめる作品にしていきたいと思います


勢力図

「とりあえず、勢力図見ながら説明すっか……、大和よろしく」

 

「分かりました、二人ともまたこのタブレットを見ててください」

 

漣と霞は大和が操作しているタブレットを覗き込むと、赤い丸と青い丸からいくつかの矢印が伸びた画像が表示されていた

 

「今表示してもらってる奴はまあおめぇらが考えてるだろう勢力図だな、赤が人間で青が深海棲艦だ」

 

戦治郎が言う通り、その画像は漣達がさっきまで頭の中に浮かべていた勢力図のそれだったのだ、赤丸と青丸それぞれの中に白い□で囲まれた『強硬派』と『穏健派』の文字、双方の『強硬派』から『強硬派』と『穏健派』に矢印が伸びてその上に【攻撃】と書かれていた

 

「だが、現在はこんな生温ぃモンじゃねぇ、大和」

 

「はい、これが現在の勢力図です」

 

現在の勢力図として出された画像は、先程の画像より明らかにゴチャゴチャとしていた

 

まず、青丸に少し重なっている紫の丸、その紫丸の中には『支配』『継戦』『信奉』『発狂』『自由』と書かれ『自由』以外のものから矢印が至る所に伸びていた、また青丸の中にあった『穏健派』が青丸と紫丸が重なってる位置に移動しており、その隣に『嫌戦』の文字があったこの『嫌戦』からも至る所に矢印が伸びている

 

「な、なんじゃこりゃぁっ!」

 

「それが今の勢力図、すっげぇゴチャゴチャしてっだろ? 1つづつ解説していくわ」

 

あまりのカオスっぷりに漣が驚き、いいリアクションを頂きましたと言わんばかりにクククと笑う戦治郎が解説を入れていく

 

「紫丸は転生個体を示す奴なんだ、青と重なってるのは純正と転生の混成ってわけだ」

 

「それって、純正と転生の穏健派が手を組んでいるって事なの? 一体どうやって……」

 

「手を組むどころか完全に合併してんぞ、転生サイドの穏健派のトップが俺でもビビるくらい優秀な方でな、純正穏健のトップを説得するわ派閥に入ってない転生をガンガン仲間に引き込むわで、派閥の規模では最大だな、ツートップのお茶会は絵になってたっけな~……」

 

戦治郎が懐かしむような眼をしながら語る

 

「お茶会って、ご主人様はそれに参加しちゃったりしたんですか? 絵になるとか言っちゃってますけど……」

 

「深海棲艦同士でドンパチしてたから混ざって暴れてたらお茶会に招待されたんだわ、正に紳士織女のお茶会って感じだったもんだから久しぶりに本気でお茶会したわ、そこで頼まれ事もした、まあ内容は簡単なもんよ、人間の穏健と接触出来るようにしてくれってな」

 

どうやら現在の深海の穏健派は3つの勢力の穏健派全てを合併させようとしているようだ、それは本当に実現するのであろうか

 

「まあこの件は大本営に報告したが、現状じゃ難しいって事だったな、今人類サイドは強硬派が強めだからそこ何とかしてからじゃねぇとまず無理だわ、って事で海軍の掃除なんかも仕事として頼まれる事になってんだよな、俺らの鎮守府は」

 

海軍の掃除……、何か嫌な予感がする……、そういえばこの人達ブラ鎮の艦娘を助けたりしてたとか言ってたよな……、まさか……

 

「今はそれより勢力図だな、掃除の件は依頼来たとき言うからそれまでお楽しみってこった、さて、まずは『支配』がいいか、これは全ての生物の頂点に君臨するべきは転生個体の深海棲艦であるって考えで動いてる連中だな、純正強硬、人類、穏健、嫌戦と対立してるが継戦とたまに手を組んで来る超武闘派だな」

 

「転生個体が頂点って……、こいつら子供なの? 粋がった不良かなんかの集まりとでも言うの? バッカじゃないの?」

 

霞が吐き捨てる、理由が何でも自分が1番じゃないと気が済まないわがままな子供と同レベルな感じがしたのだ

 

「大体それで合ってるから困るんだよな……、雰囲気も世紀末な感じだし……」

 

ため息交じりに戦治郎、どうやら当たっても嬉しくない勘が当たってしまったようだ

 

「次いくぞ次、『継戦』は多分『発狂』と同レベルで頭おかしい連中の集まりだな、自分達の存在意義は戦う事であり戦争が永遠に終わらない世界を創り上げる事こそが使命って考えで動いてやがる、戦場で散った兵士や兵器開発に関わった奴が多いのが特徴でどこにでも攻撃仕掛けてきやがる」

 

「あ~、ゲームとかでもそういう事やってる組織とかってありますよね~」

 

「俺らが生きてた世界にもいたぞ、同じ理由でテロ活動やってたテロリスト集団がなぁ……」

 

何それ怖い、戦治郎の表情もちょっとばっかし渋い

 

「次は『信奉』、信奉は深海棲艦を崇拝してる連中だな、敵は人類のみで純正強硬と手を組んでるって言うか支配されてる感じだわ、その関係で純正強硬からしたら裏切者みたいな穏健には攻撃こそしないっつうか出来ないが協力もしない、転生の事は深海棲艦とカウントしないから支配と継戦とも協力しないって感じだ」

 

「それって不味いんじゃないの? 転生って純正より強い奴ばかりなんでしょ? 純正の艦隊に混ざって出てきたら大惨事にしかならないじゃない」

 

霞が指摘する、スペックが段違いの転生が純正の中に混ざっていれば判別が効かない、通常個体と勘違いして油断したところに手痛いダメージを被る、そしてそこに群がってくる大量の純正……、考えるだけで恐ろしい……

 

「そう、それがすっげぇ厄介なんだよな~……、まあ実行されればだがな、純正強硬トップのリコリスは執着心もすげぇがプライドもべらぼうに高いから切羽詰まるまではその戦法を使うこたぁないだろうな、人類は純粋なる深海棲艦が粛清するんだ~って感じでな」

 

それを聞いてほんの少しではあるが安心した、しかし戦治郎はリコリスとの間に一体何があったのだろうか? 名前を出せばバカバカ言ってるが妙にリコリスに詳しい気がする

 

「次、『発狂』と『自由』だが、こいつらは正直野良犬みたいなもんなんだよな、群れて行動するわけでなく単体で動いてる事が多いがグループ分けの都合でとりあえず~って感じで入れているが……、違いは精神がぶっ壊れているか否かだけ、発狂は自分以外全てが攻撃対象、酷いのは自傷行為やってたりすっぞ、事故って死んだ悪質ストーカーだったり殺人鬼だったり異常性癖持ちのやべー奴が大体ここに入るわ、俺らが戦ったル級は発狂になるな」

 

「はいはーい! 自由はご主人様達みたいな人達って事でOKですか?」

 

「え? あぁ……、うん、大体それで合ってる……、自由は名前通り自由な奴らだな、気分次第で相手に攻撃したりしなかったり、どっかに肩入れしたりしなかったりとホント思うがままに動いてる、各勢力が勧誘してるのは大体自由の奴ら相手だな」

 

大体とは言ったが実際はまんま自分達の事だと思い、なんとも複雑な表情になる戦治郎

 

「気を取り直して最後の『嫌戦』だが、こいつらは非常に面倒くさい、戦う事は最大の悪、戦争は最高の禁忌って考えだな、艤装も武装も付けずにプラカードやら持って行進してる事が多いが見つかると厄介」

 

「? 何が厄介なんですか?」

 

艤装も武装もなく、行進してるだけなら無害な気もするのだが……

 

「こいつらの前で戦闘してたらいつの間にか囲まれて、360度から罵声浴びせられて挙句の果てにこっちの艤装を無理矢理外そうと突っ込んで来る、追い払おうと攻撃したら暴力反対だなんだと……、あー!クッソうるせぇしウゼェんだよあいつらマジで!!おめぇらが無理矢理艤装外したせいで何人の艦娘が溺死したり狙い撃ちされて沈んだりしてると思ってんだよあのクソ共がよぉっ!!!」

 

何か思い出したのか戦治郎が突然怒り出す、大和が一瞬驚くもすぐに戦治郎を宥め始める

 

「ちょっと、何で艤装を外しに来るのよ? 戦うのがダメなんでしょう?」

 

「艤装持ってると戦いたくなるだろうからダメだとか言うんだよ、武器があるから戦争がなくならない、武器がなくなれば平和になるとか甘ったれた事考えてんだよあの平和ボケ連中は……、艦娘がどうやって海上に立っているのかとか知らねぇしそれが戦闘中になくなるとどうなるかまで考えいってねぇ、この世界が戦争の真っ只中ってのにすら気付いてねぇんだよ……」

 

肩で息をしながら戦治郎が答える、まだ完全に怒りが静まったわけではなさそうだ

 

「まあ、深海の穏健派にも同じ事やって本来協力し合っていいはずなのに敵対してるんだよな~、それと群れてなければ何も出来ないから少数で活動してるのは見つけ次第ガンガン沈めてくれていい、こっちの説得には一切耳を貸さないわ仲間を囮にしたり盾にしたりして逃げたりと自己中ばっかだからな、群れが大きくなる前に潰すのがベスト」

 

酷い事を言っているようだが内容が内容だけに向こう側の自業自得としか思えない、というかやり方が違うだけで目的は同じはずの穏健派にすら攻撃するって何を考えているのだろうか、呆れて物も言えなくなる

 

「さて、こっちは言いたい事は大体言ったな、何か質問あるか?」

 

リコリスの事や穏健派のツートップが気になるところではあるが、空腹感が意識を占拠し始めてきたので、このあたりで終わって欲しいのが正直なところである、現在時刻はヒトナナサンマルとかなりの時間ここにいたようである

 

「よっし、じゃあこの話はこれで終わりだ! 丁度腹も減ってきたし食堂行くかっ!」

 

「提督、漣ちゃん達に1つ伝え忘れている事がありますよ?」

 

食堂に向かおうと立ち上がった戦治郎に大和が言う、どんな要件なのだろうか?

 

「ああ、そうだった、漣と霞に頼みたいんだが、おめぇら2人で話し合ってローテ決めて秘書艦である大和の補佐をやって欲しいんだわ」

 

秘書艦の補佐? この鎮守府はそんなに忙しいのだろうか? そう考えたとき海軍の掃除という単語を思い出す

 

「ここの鎮守府は特殊な仕事もやってんだろ? 救助だの牧場だの資源採掘だとかな、通常の書類だけでなくそこらの書類も追加されるし、俺も必要だったら出撃だとか工廠の手伝いしなきゃなんねぇからな、そうなると大和や大淀だけじゃ手が足りんって事でな、それに漣には初期艦で秘書艦やる楽しみ奪っちまった感じするからその埋め合わせってとこか、頼めるか?」

 

ああ、そこ気を遣ってくれるのか……

 

「そういう事なら漣h「いいわ!やってやるわよ!あんた達はいつもイチャイチャしてだらしないし見てらんないのよ!私が補佐のときはガンガン仕事するわよ、覚悟しなさい!」……、あ、漣もOKですよ、はい」

 

言葉こそこんな感じだが表情はすっごく嬉しそうな霞、さっきのセリフもめっちゃ早口で言ってたしホント大和の事が好きなようだ

 

「お、おう……、じゃあ明日からよろしくな、っと気を取り直して飯行くぞ~」

 

戦治郎、大和、霞、漣、途中から空気と化していた通の5人は執務室を出て食堂へと向かうのであった

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