※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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輸送船護衛任務終了と・・・・・・

苛烈過ぎる修行の後、朝潮達は風呂を済ませるなりすぐにベッドに潜り込み、泥の様に眠るのであった。あれだけ厳しい修行を行ったものだから、疲れ果てて眠ってしまうのは仕方が無い事だろう……

 

そういう訳で次の日の朝、輸送船はトゥアマシナを発ち予定通りセネガルのダカールへと舵を切るのであった

 

その際艦娘達は輸送船に乗り込んで移動する事になった、本来はパースを出る時からこのような形で移動する予定だったのだが、正蔵の部下達の心遣いのおかげでそうする訳にはいかなくなってしまったのである

 

何せこの船には輸送船の乗組員と欧州に派遣するヤマグチ水産の社員が多数乗り込んでいるだけでなく、過積載にギリギリならないレベルで荷物を積み込んでいる為あまりスペースに余裕がないのである

 

一応、正蔵がタコ部屋のようにはなるが何とか海賊団とショートランド泊地の艦娘が休めるスペースを確保してくれたのだが、先程述べた心遣いのせいでタコ部屋の収容数を大きく上回る艦娘が集まってしまい、結局艦娘を常時展開しタコ部屋は休憩の際交代制で使わなければいけなくなってしまうのであった

 

それが一体どのような問題を引き起こすかについてだが、実はこの輸送船は穏健派の技術班による改造が施されており、荷物を限界まで積んでいる状態でも下手するとそこらの駆逐艦娘よりも速く航行出来るのだ。その速度、実に52ノット……、約96km/hで通常の貨物船の倍以上の速度を叩き出せるのである

 

普通の輸送船の場合は艦娘が輸送船の速度に合わせて航行するのだが、この輸送船の場合輸送船の方が艦娘に合わせて航行しなくてはいけなくなる、つまり航行速度が著しく低下してしまうのである

 

だがその問題もトゥアマシナで木曾達12人と朝潮達3人以外の艦娘達が帰った事で、取り敢えず解決と言う形になったのだ。まあ少々タコ部屋の密度が上がってしまったが、この程度なら問題ないと言う事で艦娘達は有事の時以外は輸送船内で過ごす事になったのである

 

因みに、護衛役として付いて来ている剛達は甲板の方で交代しながら艦載機やレーダーを用いて索敵を行っていたりする

 

ただまあ、この船が52ノットと言う速度を叩き出せてもトゥアマシナからダカールまではどうしても距離があり、結局輸送船がダカールに到着したのはトゥアマシナを出て5日後となるのであった

 

それまでの間、艦娘達は敵がいないようならば朝と夕方に甲板の空きスペースで軽いトレーニングを行い身体を鈍らせない様にしたり、剛主体で座学や英語の勉強をしたりして有り余る時間を有意義に使うのであった

 

そして時々強硬派の深海棲艦を発見し戦闘となるのだが、その戦闘の殆どは拍子抜けしてしまうほどあっさりと片が付いてしまうのであった

 

この辺りの深海棲艦を戦治郎達がガダルカナル島に向かう途中で粗方倒してしまった事と、元々この辺りの深海棲艦の強さが大したものではなかった事、そして朝潮達が凄まじい勢いで強くなった事が重なった為、その様な結果になっていたりするのである

 

そしてダカールに到着したところで、しばしの休憩を挟んでから正蔵が宣言通りに猛特訓を開始し、艦娘達はトゥアマシナの時と同様に疲れ果ててすぐに眠りこけてしまうのであった

 

そしてその翌日、輸送船は目的地であるイギリスのフェリックストーに向けてダカールを発つのだが……

 

「そこの船、止まってくださーい!」

 

輸送船がイギリス海峡に差し掛かろうとした時、近海警護をしていた艦娘に呼び止められ輸送船はその艦娘達の指示に従ってその場で停止するのであった

 

その後、件の艦娘達が輸送船に乗り込み船長達と話をしているところを、姿を隠した剛達が話の内容に怪しいところが無いか調べる為に盗聴していたのだが……

 

「……あら?この声って……」

 

「あ~、これ間違いなくあの娘ッスね~。でも残念だったッスね~……、翔はここにはいないッスからね~……」

 

聞こえて来た声に聞き覚えがあった剛と護が思わず声を上げる、そして通信機を操作して……

 

「おお……?おおっ!お前プリンツかっ?!ひっさしぶりだなおいっ!!!」

 

「その様子を見る限り、元気にしていたようだな」

 

「えぇっ!?摩耶さんに木曾さんっ?!」

 

摩耶と木曾を甲板に呼び出し、件の艦娘達の旗艦を務めていたプリンツとまさかの再会をさせるのであった

 

その後摩耶が陽炎達も呼び出してしばしの間昔話に花を咲かせた後、木曾が任務の話を切り出したところでプリンツが何処かに通信を繋げて話し始める。そしてプリンツが通信を終えると、木曾達に笑顔を向けながらこう言うのだった

 

「先程兄さ……、総司令に確認を取ったところ、目的地までエスコートして差し上げろとの事でした!そういう訳でこれより我が艦隊は警護任務を終了し、輸送船護衛任務を開始します!」

 

こうして輸送船はプリンツ達の先導の下無事目的地であるフェリックストーに辿り着き、木曾達は輸送船の荷下ろしと正蔵の商談が終わるまでの短い間ではあるが、イギリスとドイツの観光を満喫するのであった。尚、この期間中もトレーニングは欠かさず行い、時としてドイツ海軍の訓練に混ざったり、イギリス海軍と演習を行ったりしていた。また、時間がある時は正蔵が訓練に介入し、ドイツ海軍やイギリス海軍を巻き込んで地獄の猛特訓が行われる事もしばしば見受けられたのだった

 

それから数日後、正蔵の商談がまとまった為木曾達はプリンツ達に別れを告げて、来る時と同じ航路でオーストラリアへと戻るのであった

 

そしてその道中、インド洋に差し掛かったあたりで木曾達はまたもカルメンの連中に襲撃されるのだったが、この遠征中に行われた猛特訓の成果が実を結んだのかものの数分で、鎧袖一触と言わんばかりの勢いで連中を完膚なきまでに叩きのめしてしまったのだ

 

この結果には朝潮達だけでなく夕立を除くショートランド泊地の艦娘達も大いに驚き、彼女達に自信をつける事となるのであった

 

その後しばらく移動したところで、正蔵が木曾達に朝潮達をリンガ泊地に送る様に指示を出し、正蔵は今回の商談の内容をまとめた書類をパースにあるヤマグチ水産の本社に持ち帰る為に木曾達とその場で別れるのであった

 

正蔵と別れた木曾達は正蔵に言われた通りリンガ泊地へ向けて移動を開始し、インドネシアのジャカルタ付近に到着するのであった

 

「ここからは私達だけで大丈夫だと思います、それにもしかしたら私達の泊地の哨戒機がこの辺りを飛行しているかもしれませんので……」

 

「そうね~、最悪アタシ達の事を敵と勘違いして攻撃してくるかもしれないし、ここは朝潮ちゃんの言う通りにしましょうか」

 

不意に朝潮がその様な事を言ってきたので、剛がそう言って朝潮の意見に賛成して木曾達はここで朝潮達と別れる事になるのだった

 

「皆さん、本当にお世話になりました!今回の遠征で得た経験と知識、今後の戦いで活かせる様精進していこうと思います。本当にありがとうございましたっ!!!」

 

朝潮はそう言って深々とお辞儀をし

 

「この付近にまた来る事があったら、その時は私達に声をかけてくれてもいいわ。流石にこれだけの力を与えてもらっておいて、何もしないほど不義理じゃないから……」

 

「あらあら、素直じゃないわね~。っと、貴方達との旅、本当に楽しかったわ~。また縁があったら会いましょう~」

 

満潮が顔を背けながらそう言い放ち、荒潮がそう言いながら木曾達に向けて手を振るのであった

 

「ええ、アタシ達も朝潮ちゃん達とまた会える日が来るのを楽しみに……」

 

そんな3人に対して皆の代表として剛が言葉を掛けている最中……

 

「誰かあああぁぁぁーーーっ!!!助けてえええぇぇぇーーーっしゅっ!!!」

 

突然通信機から助けを求める悲鳴と、通信機越しに砲撃音が微かに聞こえるのであった……

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