※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

231 / 655
トラック泊地防衛戦 中の上

『な、何だ今のはっ?!』

 

『おいおいおいおい……、さっきの奴泊地に思いっきり突っ込みやがったぞ……。ここに来て更に増援か……?』

 

先程トラック泊地に凄まじいスピードで突っ込んだ飛来物のせいで、トラックの艦娘達が激しく動揺、混乱し辺りは騒然となる。そんな中戦治郎とリチャードはポカンとした顔のままどちらからともなく話し始めるのであった……

 

「今の声、シゲの奴だな……」

 

「伊吹の声も混ざっていたね……」

 

「まあ飛んで来たのが2つですからね……、それはそうとリチャードさんには見えましたか……?」

 

「ほんの少しだけだけどね、でもまああれが何なのかについては自信を持って答えられると思うよ……」

 

「奇遇ですね、俺もですよ……」

 

「じゃあせーの、で言ってみるかい?……せーの」

 

「「バンガード・オーバード・ブースト」」

 

2人が声を合わせてシゲ達が使っていたあの物体の正体を言い当てる、そして2人の間に暫しの間沈黙が訪れ、その後2人は同時に溜息を吐くのであった

 

その直後である、戦治郎が頭を抱えながら何かを言おうとしたその時

 

『全くあの2人は……、いくら何でもはしゃぎ過ぎだろうが……』

 

『いやいやいや、あれははしゃいでるとか言う問題じゃねぇと思うぞ……?』

 

通信機から聞き覚えがある声が2つ聞こえてくるのであった

 

「その声は空かっ!?それにショートランドの提督もっ?!」

 

『ああ、つい先程Ex-Sスーツの改造が終わってな。丁度一息入れているところで増援がどうたらと騒がしくなったから、スーツなどのテストがてら参戦する事にしたんだ』

 

『そういう訳で源 燎(みなもと りょう)少将以下8名はこれよりウェーク島からの増援部隊を迎え撃つ!これでいいんだよな?』

 

戦治郎がその声に反応し大声で呼び掛けたところ、声の主である空とショートランド泊地の提督である源 燎少将はこの様に答えるのであった

 

「助かるっ!ってそういやそっち誰がいるんだ?」

 

『VOBが飛んで来た方角を見てみろ』

 

戦治郎が気になった事を尋ねてみたところ、空からこの様な返事をもらった為戦治郎とリチャードはシゲ達が飛んで来た方角に視線を向ける。するとそこには5つの飛行物体が存在していたのだった……

 

「わぁい、ツッコミどころの大バーゲンだ~!さぁて~、どっからツッコもうかな~?こんなに一杯あると迷っちゃうな~……、コンチクショウ!」

 

『さぁ何処からでもかかってこいっ!』

 

それを視認した戦治郎がついつい声を荒げ、それを聞いた空がそんな戦治郎を挑発する様なセリフをほざくのであった

 

「じゃあ遠慮なく行くぞこの野郎っ!燎については除外!」

 

『普通だったら真っ先にツッコまれるところだろうがな……』

 

まず除外された燎についてだが、現在燎は大改造を施されてEx-Sからディープストライカーに姿を変えたガンダムスーツを装備してこの空を駆けているのである。本当なら燎自身が言うように、真っ先にツッコみを入れられても可笑しくない存在なのだが、戦治郎がこの事を知っていた……、いや、暇が出来た時ちょくちょくパーツ作成を手伝っていた為晴れてツッコミ対象から除外されたのであった

 

「って事で一番手は姉様!」

 

『は、はいっ!?』

 

戦治郎が最初に指名したのは扶桑であった、扶桑は急に名前を呼ばれた事で大いに驚き、その様子を隠そうともせずに返事をする

 

「姉様はなんで飛ぶのん~?」

 

『え?あっ!え~っとぉ……、せ、戦艦ですけど~……』

 

「おい空、姉様に何仕込んでんだ、おぉん?」

 

扶桑とやり取りを交わした直後、戦治郎は空に対して矛先を向けるのであった

 

『解せぬ……、何故俺だと思った……?』

 

「シゲと伊吹は年齢的にあずまんが知らねぇだろうがよぉっ!!!そうなると消去法でおめぇしか残らねぇんだよっ!!!」

 

『戦治郎、いくらなんでも決めつけるのはよくないと思うぞ?まあこのネタを姉様に教えたのは俺だが』

 

「やっぱりかよコンチクショウッ!!!」

 

空の返答を聞いた戦治郎が地団太を踏みながら叫び、その様子を傍から見ていた扶桑は苦笑いを浮かべるのであった

 

さて、何故戦治郎が扶桑にあの様な質問をしたのか……、それは扶桑が本当に空を飛んでいるからに他ならないのである

 

今扶桑が背負っている艤装には、GP01フルバーニアンのユニバーサル・ブースター・ポッドが取り付けられ扶桑はそれを用いる事で空を飛んでいるのである。本来ならそれだけで飛べるはずがないのだが、何故か扶桑はそれだけで空を飛んでいるのである

 

戦治郎がその辺りの事を空に尋ねるのだが、空からはディープストライカーの余剰パーツを使って伊吹が作った事以外は知らないと言う答えが返って来るのであった

 

空からの回答を聞いた戦治郎は扶桑が飛ぶ原理を解明する事を諦め、次の標的に狙いを定める

 

「次っ!日向っ!おめぇも飛ぶのかよっ!?」

 

『ああ、私もシゲが作ったこの『ズーイストライカー』のおかげで飛べるようになったんだ。おかげでよく分かったよ……、これからは航空火力艦の時代である事と瑞雲の偉大さがな……』

 

そう言って腕を組みうんうんと頷く日向の姿を見た戦治郎は、引きつった表情を浮かべながら困惑するのであった

 

扶桑のユニバーサル・ブースター・ポッドと同じ様に、ディープストライカーの余剰パーツを使ってシゲが作り上げたと言うこのズーイストライカーは、見た目はガンダムSEEDに出て来るエールストライカーと同じなのだが、配色が瑞雲カラーとなっているのである。恐らくシゲが気を遣ってこの様な配色にしたのだと思われる……

 

こちらについては劇中でもこれを装備して飛んでいるので、戦治郎は追及の必要は無いと判断して話を進めるのだった

 

「次っ!!そこのクソでけぇ尻尾生やしたペーネロペー!!!誰だね君はコンチクショウッ!??」

 

『僕ですよ僕、璃栖瑠です。シゲ君と伊吹君に対抗して技術班の子達がディープストライカーと並行してこの機体を作ってて、僕はそのテストパイロットをお願いされてたんですよ。で、ディープストライカーと同時にこの機体も完成したので皆さんに同行したってところです』

 

「ガダルカナルの連中が作ってたのはこれかよぉっ!!?つかその尻尾どうにかなんねぇの?さっきから風で靡いてすっげぇブルブルして見ててめっちゃ気持ちわりぃんだけど……?」

 

『一応引っ込める事は出来るんですけど……、そうすると艤装を使って手数を増やす事が出来なくなっちゃうんですよね……」

 

戦治郎とこの様なやり取りを交わした璃栖瑠は、ははは……と力なく笑うのであった

 

こうして戦治郎のツッコミ祭は幕を閉じ、脱線した話は本来の軌道に戻る

 

「ハァ……、ハァ……、取り敢えず話戻すけど、そっち8人いるんだっけ?空と燎と姉様と日向と璃栖瑠さんに……」

 

『俺の艤装に乗っている翔鶴、扶桑に抱かれている瑞穂、日向に抱かれている龍鳳を加えて8名だ。この8名でウェーク島の増援を叩く』

 

戦治郎がツッコみ疲れの為か肩で息をしながら改めて空達の艦隊に誰がいるかを尋ね、それに対して空が先程とは打って変わって真面目なトーンで戦治郎の問いに答えるのであった

 

「承知した、そっちに関しては任せたぞ」

 

『ああ、任せてくれ。こっちの連中は誰一人として泊地には近付けさせないさ』

 

戦治郎と空はこの様なやり取りを交わした後、相手が目の前にいないにも関わらず2人同時にグータッチをする様な仕種をし、互いに今やるべき事の為に直ぐに行動を開始するのであった

 

「お疲れ様、いや~……色々と凄いものが見れたね」

 

戦治郎が空との通信を終えたところで、リチャードが労う様に戦治郎に話しかけて来る

 

「全くですね……、ディープストライカー以外についてはホントマジで俺は知りませんでしたから、めっちゃ驚かされましたよ……」

 

「だね、僕としてはVOBまで作っていた事に驚きを隠せないよ……。っとVOBで思い出したんだけど……」

 

リチャードとこんな感じでやり取りを交わしている最中、リチャードの口から出て来たVOBと言う単語を聞いた時に戦治郎はある事を思い出す

 

「ああ、シゲ達の事ですか……。あいつらには佐渡達の救助をお願いしておきますか……、あの2人今丁度泊地の敷地内にいるわけですし……」

 

戦治郎はそう言いながらシゲ達に佐渡達の事を伝える為に、通信機を操作してシゲ達に向けて通信を飛ばすのであった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。