※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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基地の名は・・・・・・

トラック泊地の大会議室……、そこでは現在それはもう激しい戦いが繰り広げられていた……

 

戦治郎が鋭い目つきで空、光太郎、悟の3人を見据える中、件の3人も戦治郎同様対峙する相手に鋭い視線を向け、非常に重苦しい雰囲気を漂わせる……

 

辺りを見回せばシゲ、護、伊吹の3人が床に倒れ伏せ、輝に至っては腰から上が壁に突き刺さっていた……。そんな地獄絵図の様な光景が広がる中、戦治郎が不意に喋り出す……

 

「おめぇらも中々しぶてぇな……」

 

「それはこちらのセリフだ……」

 

「こっちとしては早いところ折れてくれたら助かるんだけどね……」

 

「ほんっとぉにおめぇらはよぉ……、分かってねぇよなぁ……」

 

戦治郎の言葉を聞いた3人が思い思いに言葉を口にしていき、悟がここで一旦言葉を区切って一息入れたところで、続けてこの様な事を言い放つ

 

「ラーメンってのはよぉ……、塩こそが至高だって言ってんだろうがよぉ……っ!」

 

「味噌の種類と作り方によって無限大の楽しみ方がある味噌こそが、究極のラーメンだってさっきから言ってるだろうっ!」

 

「ラーメンと言えば醤油だろうっ!日本のラーメンの原型と語り継がれ、宇宙食にもなった醤油ラーメンこそがラーメンの原点にして頂点っ!これだけは譲れんぞっ!」

 

「ラーメンっつったら豚骨だろうがよぉっ!直ぐに茹で上がる極細ストレート麺にしっかりと絡むとろみのあるスープ!この組み合わせこそが最高なんだろうがっ!」

 

悟の言葉を聞いた3人が一斉に魂からの叫びを上げ、悟の意見に反論する

 

そう、ここにいるメンバーはどのラーメンが一番素晴らしいかで言い争っているのである。事の発端は台湾に建設予定の基地の名前決めを始めるところまで遡る……

 

 

 

 

 

「穏健派の拠点の名前決めるんです?だったらいっその事穏健派の拠点の名前はちゃんぽん要塞みたいに食べ物の名前で統一しません?その方が覚えやすそうですし、何より艦これのイベント海域で食べ物の名前付いてる海域とかありましたよね?それに則るって意味も込めてですけど」

 

会議の最後の最後で台湾に建設予定の基地の名前を決める事になった際、シゲがこの様な提案をしたのである

 

「中々面白い事を言うね、うん、確かにそうやって何か関連性を持たせたらその拠点の名前も憶え易くなるだろうし……、僕はいいと思うよ?」

 

「んじゃそれ採用なっ!そんでついでだからちゃんぽんとも関連性付けてみようぜっ!」

 

こうしてリチャードから了承をもらい、戦治郎の意見も取り入れて名前を考えているといくつかの候補が上がり、その中から名前を決める事になったのだが……

 

「う~ん……、ラーメン……、ラーメンか~……」

 

候補の中にあったラーメンの文字を見た戦治郎が思わずそう呟く

 

「ラーメン美味しいよね~……」

 

「うむ、あれは最早日本のソウルフードと言っても過言ではないだろう……」

 

「たまに無性に食いたくなるよな……」

 

その呟きを聞いた光太郎、空、輝がつられるようにそう呟くのであった

 

その直後である、後に「ラーメン聖戦(ラーメン・ラグナロク)」と呼ばれる事となる戦いの始まりを告げる悟の呟きが言い放たれた(ギャラルホルンが吹き鳴らされた)のは……

 

「そんなラーメンの中でよぉ、最高に美味い奴と言やぁ……」

 

「豚骨だろ」「醤油だな」「味噌だね」「チキンラーメンだろな~」「塩だろうよぉ」

 

「「「「……あ"ぁ"?」」」」「ん?」

 

こうしてラーメン聖戦は開戦し、インスタント麺の王の名を出した輝が戦治郎、空、光太郎の3人に真っ先に狙われ、3人の攻撃を同時に受けて吹き飛ばされ頭から壁に激突、そのまま腰のあたりまで深々と突き刺さって輝は沈黙してしまう

 

こうして暴れ出した4人を止めようと醤油豚骨派のシゲと尾道ラーメン至上主義の伊吹が割って入ったのだが、戦治郎と空に半端者扱いされながらぶっ飛ばされたシゲが伊吹を巻き込みながら魚介系派の護に衝突、そのまま3人一緒に仲良く気絶してしまうのであった……。護が完全にとばっちりではあるが、これは運が悪かったと諦めてもらおう……

 

その後4人は己の意見を主張しながら激しく激突、大会議室を豪快に荒らし回るのであった……

 

そうして4人はそれらの行為を幾度となく繰り返し、今に至るのであった……

 

「埒が明かねぇ……、こうなったら次で決めてやるぁっ!!!」

 

「「「おおおぉぉぉーーーっ!!!」」」

 

そろそろ決着を付けようと4人が気合いを入れているところで、突然翔の言葉が聞こえて来た

 

「それじゃあ台湾の基地の名前は『護目(ごもく)炒飯基地』でいいね?」

 

\異議な~し/

 

その言葉を聞いた4人は、思わず愕然としながら硬直してしまう。そう、彼らが激闘を演じている間に翔が皆の意見をまとめて基地の名前を決定してしまったのである

 

「ちょっち待ちぃっ!!!これは一体どういう事だっ!!?説明プリーズッ!!!」

 

4人の中で最初に我に返った戦治郎が、大慌てしながら翔にそう尋ねると……

 

「貴方達が馬鹿やって皆に盛大に迷惑かけている間に、こっちで意見まとめて決定させてもらいました……。そっちが終わるのが何時になるか分かったもんじゃないですからね……、これ以上皆に迷惑をかけない為にもこうした訳なんですけど……、まあ仕方ないですよねぇ……?」

 

翔は戦治郎達がいる方向へ最大まで目を見開き、その瞳を向けながらそう答える、その瞳は例によって例の如く瞳孔がガン開きし、虹彩が真っ赤に染まっていた

 

「「「「マジすみませんでしたっ!!!」」」」

 

ガチギレした翔の瞳を見てSAN値を削られてしまった馬鹿騒ぎの主犯4人は、直後に迅速に謝罪の言葉を述べながらその頭を驚くべき速度で下げるのであった

 

こうして非常に馬鹿げた理由で始まったラーメン聖戦は、1人の料理人のおかげで終息するに至ったのであった……

 

そうして会議が終了し、戦治郎達はトラック泊地を発ち各々が帰るべき場所へ、向かうべき場所へ移動を開始しようとした時だった、戦治郎がある事を思い出してそれを愛宕に尋ねると……

 

「今医務室で赤ちゃんの真似事しているあの人の事?あの人は新しい提督がここに派遣された際、乗って来た船で大本営に送って引き取ってもらう事になったわ」

 

愛宕はニコニコしながらそう返して来るのであった

 

その後の事も聞いてみると、調子が戻り次第あの提督を軍法会議にかける事になっているのだとか……。罪状はやはりと言うべきか、勝手に戦闘行為を繰り返していた事と占守を私情で撃った事が挙げられていた

 

「もしあの人が変な事を口走りそうになったら、その時は証人として付いて行く事になっている私が何とかして止めてみせるわ。そうしないと折角再会出来た摩耶がまた危険な目に遭っちゃいそうだからね♪」

 

愛宕はそう言って摩耶の方へとウインクをする、すると摩耶は余程恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしながら俯いてしまうのであった

 

「せかせか、んじゃあその時は頼んだぜ愛宕。っと長話しちまったな……、皆待たせてすまんっ!」

 

愛宕の言葉を聞いた戦治郎は、そう言うと急いで海に向かい……

 

「トラック泊地防衛戦、これを以て爆鎮完了とす!って事で帰るぞー!」

 

声高らかに作戦終了宣言をして、戦治郎達はガダルカナルへ、輝達は基地建設予定地である台湾へ、燎達はショートランド泊地へ、翔達はちゃんぽん要塞へと向かって出発するのであった

 

尚、これは後から愛宕から教えてもらった事だが、トラック提督は送られた大本営で治療を受け幼児退行こそ治ったものの、結局廃人の様になってしまい海軍から除籍されたそうだ……

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