※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

245 / 655
鬼と提督会議

空達が試製甲板カタパルトの調整に成功し、カタパルトの量産とそれを用いる事で使用可能な装備を製作している中、ショートランド泊地の執務室ではトラック泊地で起こった戦いの顛末についての説明会が行われていた

 

説明会にはお隣のブイン基地の提督が直接来訪、それ以外のパラオ、リンガ、タウイタウイ、ブルネイの提督がオンラインで参加していた

 

その中に工廠で空の手伝いをしていた戦治郎の姿もあった、何故戦治郎がここにいるのかについてだが、カタパルトの調整に成功した際に空が工廠への立ち入り禁止を解除、この事を燎に伝えて欲しいと空が寝起きの翔鶴に頼むと彼女は直ちに行動を起こし、すぐさま執務室へと向かい燎に報告したのである。それを聞いた燎はすぐに工廠へと向かい戦治郎に今日執務室で説明会を開く事を伝え、戦治郎にも参加してもらえないかと頼み込むのであった

 

それを聞いた戦治郎は、空の了承を得て説明会に参加する事にしたのだが……

 

『戦治郎さんではないですか!この間は本当にありがとうございます~。いや~、まさかウチの朝潮達にも改二があるなんて思いもしませんでしたよ~』

 

戦治郎が執務室に現れるなり、リンガの提督が挨拶代わりと言わんばかりに間髪入れずにこの様な事を言ってきたのである

 

実はこの戦治郎、空が時雨達の改修を行っていた頃にリンガ泊地を訪れ、朝潮達の改修を行っていたのである。朝潮達の改二時の衣装については、時雨達の衣装を作っていた司に追加として製作依頼しておいた為抜かりなく準備が出来ていたりするのであった

 

とまあこんな事があったせいで……

 

『すみません、ウチの艦娘達の中に更なる改修が施せる者はいませんか?』

 

『いや、階級的にまず俺のところからだろうっ!』

 

『階級の場合、タウイタウイの提督より先に昇進していた私の方が先になると思うのだが……?』

 

「私のところ!私のところにはいないのっ?!ねぇっ!どうなのっ!?」

 

リンガの提督の言葉を聞いた他の提督達が、戦力強化が目的なのだろうかこんな調子で自分のところの艦娘達も改修出来ないかと挙って尋ねてくるのであった

 

「お前らその辺にしとけよ……、戦治郎が困ってるだろう……?」

 

その様子を見ていた燎が、他の提督達を落ち着かせようと頭を抱えながらそう言うと……

 

『お前のとこはいいよなぁっ!最優先で改修施してもらえてよぉっ!!!』

 

『しかも秘書艦の日向さんだけでなくご自身用の特殊な装備まで頂いているではないですか……』

 

『ああ、あのガンダムの奴……、初めて見た時は本当に驚いたな……。ウチの艦娘達も変なのが飛んで来たと大騒ぎしていたぞ……』

 

「ちょっと待って!私そんなの知らないわよっ?!特殊な装備ってどういう事よっ!?その辺しっかり説明しなさいよっ!!!」

 

提督達は今度は矛先を燎に向け、ギャーギャーと騒ぎ出すのであった……

 

「えぇいっ!静まりやがれコンチクショウ共っ!!!改修に関してまずはおめぇらのとこの艦娘のデータ見ねぇ事には何とも言えねぇよっ!!!どうしても改修して欲しかったら説明会の後こっちにデータ回しやがれっ!!そんで特殊装備については俺じゃなくて、穏健派の技術班の班長に問い合わせやがれってんだっ!!!いいなっ!?」

 

呼ばれたにも関わらず、肝心な話が一向に始まらない事に業を煮やした戦治郎が提督達に一喝、それで提督達が大人しくなったところでようやく説明会が始まるのであった

 

最初にトラック防衛戦の顛末が説明されると、提督達は沈痛な面持ちで昔のトラック提督がどんな人物であったかを懐かしむ様に話し、そんな彼が変わってしまった原因となったヌ級に対してその怒りをぶち撒ける。中でもタウイタウイの提督の怒りは尋常ではなく、その苛烈過ぎる様を見た戦治郎と提督達は思わずほんの僅かの間ではあるが押し黙ってしまうのであった……

 

その後、提督達がヌ級への怒りを吐き出し終えたところで、今度は防衛戦の後逃走した七瀬の事について話す事となった

 

一応リンガ、パラオ、タウイタウイの提督には防衛戦後一通り話をしていたのだが、タウイタウイの提督に強請られて協力する事となったブルネイ提督の為に、今一度改めて説明する事にしたのである

 

その際、七瀬を南西諸島に閉じ込める作戦をリンガの荒潮が提案したと戦治郎が言うと、リンガの提督がニヤニヤと不気味な笑みを浮かべていたとかなんとか……

 

『北の方は穏健派深海棲艦が台湾の高雄市に拠点作るってなってるみてぇだが……、それは本当に大丈夫なのか?作ってる最中に逃げられる可能性とかねぇのか?』

 

話を聞いていたタウイタウイの提督が、不意にそのような事を尋ねて来た。それに対して戦治郎は……

 

「炒飯の事か?それなら大丈夫だ!」

 

「いや、何でいきなり炒飯の話になるのよ……?」

 

「信じられるか……?その基地の名前、『護目炒飯』なんだぜ……?転生個体と言う脅威から【護】るのが【目】的だから護目なんだとさ……」

 

問題ないと返したところをブインの提督にツッコまれ、そのツッコミに対して燎が解説を入れるのであった。尚、ついでとばかりに海戦ちゃんぽん要塞の事を話すと、今度はブイン以外の提督が目を丸くするのであった……

 

「っと、話戻すけど……、炒飯基地は既に完成してるんだわ。ウチの優秀な大工様と、リチャードさんのとこの技術屋達が頑張ってくれたおかげでな。それと高雄市の方の許可も既に貰ってんだよ、あちらさんもやっぱ不安だったみてぇだからな、強硬派や転生個体の事話すとすぐさま快諾してくれたわ」

 

「その交渉、俺も隣で見てたけどよぉ……、リチャードさんとお前の交渉テクが凄過ぎて終始ビビってたわ……。戦治郎が市長やら台湾総統と打ち解けたところですかさずリチャードさんが話持ちかけて……。あのコンボ決められたら、多分誰だってお前らの要求飲んじまうと思うわ……」

 

戦治郎の話を聞いた燎がその時の事を思い出し、その時の様子を苦笑いを浮かべながらこの様に語る。それを聞いた提督達はその表情を引き攣らせる事しか出来なかったと、後にそう語っていたのだとか……

 

その後、話をまとめ各自の役割を改めて確認したところで説明会は終了、その直後に提督達が自分のところの艦娘達のデータを戦治郎に送ろうとし始める。それに対して戦治郎は約束だからと言って、自作したタブレットのメールアドレスを提督達に教えたところ、艦娘達のデータが津波の様に押し寄せて来るのだった

 

因みに、タウイタウイの提督からのメールには

 

『燎だけガンダム持ってるのはズルいから、自分にも何か作ってくれ』

 

この1文が書かれていた為、戦治郎はこの後すぐに伊吹にネオジオングスーツの製作を依頼、戦治郎達が南方海域を去った後に完成したそのスーツをタウイタウイの提督の下へ届けてもらうのであった

 

因みに、タウイタウイの提督が燎の事を呼び捨てにしていたり、砕けた態度を取っていた事、そしてトラック提督を復讐鬼に豹変させてしまったヌ級に対して怒り狂う様子に疑問を感じた戦治郎が、他の提督達が帰った後に燎にタウイタウイの提督の人間関係を尋ねてみたところ、なんと彼と燎、そしてブインの提督とトラックの提督は同じ軍学校の同期だったと言うのだ

 

「俺と鳳成……、ああ、タウイタウイの提督の事な、あいつ大原 鳳成(おおはら ほうせい)って言うんだ。んで軍学いる時は俺達2人がいつも喧嘩して、今ブインの提督やってる敷島(しきしま) アリスが止めに入って、その様子をトラックのがオロオロしながら見ててな……」

 

燎は昔を懐かしむようにそう言って、自分の昔話を始めるのであった。戦治郎はそんあ燎の話を文句1つ言わず、時に相槌を打ちながら静かに聞くのであった

 

「トラックの……、あいつ前は俺達の事君付けやさん付けだったんだが……、ああなってからは俺達の事も階級で呼ぶ様になりやがって……。恐らくそれは俺達を自分の復讐劇に巻き込みたくなかったから、俺達を遠ざけようとわざとやっていたのかもしれない……、そう考えると……、な……」

 

そう言って燎は物悲し気な表情をするのであった

 

「本当は俺達があいつのがああなる前に何とかしてやってりゃ、こんな事にはなってなかったんだろうな……。っと、悪ぃ、感傷に浸ってる場合じゃねぇな」

 

燎はそう言うと表情を引き締め、今後の事を戦治郎と話し合うのであった。七瀬の件は鳳成達に任せるとして、今も何処かに潜伏しているであろうヌ級をどうやってあぶり出し仕留めるかについて、じっくりと時間をかけて話を詰めるのであった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。