※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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ショートランド泊地強襲

途中で昼食を挟みながら空が翔鶴とライトニングⅡの改修を終えた頃には、時刻はヒトヨンヒトゴーとなっていた

 

2人が改修を終えて艤装と噴式艦載機の試運転を行おうと工廠の外へ出たところ、時雨から話を聞いたのだろうか2人の事を待っていたのだろう燎と日向、そして白露型3人と雲龍の姿があった

 

「ようやく改修作業が終わったみたいだな」

 

「ああ、翔鶴の艤装の改修に時間がかかってな」

 

燎が空にそう尋ねると空はこの様に答え、その姿を見ていた翔鶴がクスクスと笑いだす。空が言うように確かに翔鶴の艤装の改修に時間がかかってしまった為、作業が終わるのが遅くなってしまったのだが……

 

「もし翔鶴の艤装を稼働させた時に、何らかのトラブルがあってはいかんからな」

 

空がこの発言と共に、一切のミスが無い様にと物凄く丹念に作業しとても丁寧に仕上げを行ったのが作業が遅れる原因となったのである。その事を知っている翔鶴は、空の発言に対して笑みをこぼす事しか出来ないでいたのだ

 

「翔鶴さん、凄くカッコ良くなってるっぽいっ!」

 

「前より凛々しくなって、頼り甲斐がありそうな感じになってンなっ!」

 

燎と空が話をしている中、夕立と江風が翔鶴の下に駆け寄り改二甲となった彼女の姿を見た感想の述べる

 

「2人共、ありがとうございます」

 

翔鶴がそんな2人に一言礼を言うと……

 

「これが……、新型の飛行甲板……、そう言えばそれ専用の艦載機もあるのよね……?翔鶴、良かった艦載機の方も見せてもらえる……?」

 

カタパルトを取り付けられた翔鶴の飛行甲板をまじまじと見ていた雲龍が、興味深々と言った様子で翔鶴にそうお願いするのであった。翔鶴は雲龍のその頼みに嫌な顔1つせず、頼まれた通りに橘花改を見せると雲龍は本当に興味深そうに橘花改を観察するのであった

 

その後、翔鶴は艤装の試運転を行った後噴式艦載機を用いてワイルド達と今日2度目の模擬戦を行うのだが

 

「ウニャー!なんつー速度だニャー!」

 

「でもやってやれない事は無いミー!」

 

噴式艦載機の方は、空の猫艦載機達と互角に渡り合い

 

「なっかなか当たらないミャー!」

 

「翔鶴も日々精進してるって事だニー」

 

翔鶴自身もヘルとタイガーの猛攻を掻い潜り、日々の努力の成果をこの場にいる全員に見せつけるのであった

 

それからしばらくして、翔鶴の模擬戦が終了しその光景を見ていた者達が翔鶴の下に集まり話をしていたその時である

 

『こちらショートランド泊地哨戒艦隊!緊急事態ですっ!応答お願いしますっ!!!」

 

ショートランド泊地近辺の哨戒を担当していた穏健派の艦隊から、緊急の通信が入るのであった。その声には殆ど余裕と言う物が無いのか、がなり立てる様にして通信する哨戒艦隊の様子を怪訝に思いながら空が応答すると、通信機の先にいる相手の口からとんでもない事が伝えられる

 

『空さんですかっ!?大変ですっ!!例のヌ級がすぐそこまd……、うわあああぁぁぁっ!!!』

 

通信相手の断末魔の悲鳴が聞こえた後、通信機はノイズだけを吐き出すようになり通信は途絶えてしまうのであった……

 

「まさかあいつに翔鶴の居場所がバレたのか……っ!?」

 

通信を聞いた空が驚愕の表情を浮かべ、思わずそう呟くと

 

「そんな事よりも今は奴を迎え撃つ準備だっ!!!」

 

日向がその呟きに答える様に声を荒げ

 

「雲龍と白露型の3人はあいつとやり合えそうに無い艦娘達を連れてブインに避難しろっ!ったく……、まさか向こうからお出ましとはなぁ……。折角戦治郎と考えてた作戦も全部パァだよクソッタレッ!!!」

 

燎が忌々し気に悪態をつきながらも、その場にいた艦娘達にすぐさま指示を飛ばすのであった

 

その直後、泊地内に敵の接近を伝える警報がけたたましく鳴り響き、それを合図に泊地の艦娘達が次々と燎の下に集まり始め、集まった艦娘達に燎が状況の説明とそれに対しての指示を出すと艦娘達と燎は大急ぎで工廠へ向かって走り出すのであった

 

「皆揃ったね!それじゃあ行くよっ!!!」

 

昼寝をしていたところを警報に叩き起こされた川内が、ブインに避難する様に指示を出された艦娘達が全員いる事を確認し、それらを率いて泊地から脱出しようとしたその時である、北西の方角から激しく水飛沫を上げながら凄まじいスピードで何かが接近して来る……

 

「うげっ!?もう来たのかよっ?!」

 

「皆、急いでここから離れるよっ!!!」

 

相手の速度に驚愕する江風の傍らで他の艦娘達に脱出を促す時雨、そして艦娘達が時雨の指示に従い動き出したところで、泊地に急接近して来た物体であるヌ級は海面を勢いよく蹴って飛び上がり、泊地の埠頭に着地するのであった

 

『久しぶりだなぁてめぇら……、元気にしてたか……?えぇ……?おい……』

 

埠頭に着地するなりヌ級は英語で泊地の者達に挨拶するのだが、川内達はヌ級に構わずに泊地から脱出を開始するのであった。その様子を見たヌ級はニヤリと笑みを浮かべ……

 

『おいおい……、俺の事無視すんなよ……。寂しいじゃねぇ……k「「させるかっ!!!」」……あぁ?』

 

そう言いながら身体を縮め、川内達の方へと飛び掛かろうとしたその刹那、ディープストライカーを装着した燎と艤装とズーイストライカーを装着した日向が同時に声を張り上げながらヌ級に砲撃し、その行動を妨害するのであった

 

『何のつもりだてめぇら……、まさか雑魚の分際でおr「黙れ糞野郎っ!!!」』

 

ヌ級が燎達を睨みつけながら何か話そうとするのだが、それに割り込むようにして燎が声を上げヌ級に向かって右手の中指を立てる

 

「こっちはてめぇに好き勝手されたせいですっげぇ迷惑してんだよっ!!!てめぇの犠牲になった艦娘達の……、あいつの仇を今ここで討ってやるぁっ!!!」

 

燎はそう叫んだ直後、ヌ級に向かってビームカノンを、ビーム・スマートガンを、頭部バルカン砲を、そしてスモールパッケージとシーハンターをこれでもかと言わんばかりに叩き込み、それに合わせる様にして日向もヌ級に全砲門を向けて一斉射する。だが……

 

『そんな豆鉄砲が効くかよおおおぉぉぉーーーっ!!!』

 

燎と日向の集中攻撃を受けたにも関わらず、ヌ級は健在だったようで叫び声を上げながら爆煙を突き破って燎の方へと突っ込んで来るのであった

 

「マジで報告通りにタフな奴だなこいつはよぉっ!!?」

 

燎がしまったとばかりに舌打ちした後叫ぶ、そうしている間にも燎とヌ級の距離は縮まっていき、それに気付いた日向が燎を庇おうと2人の間に割って入る様に飛び込んだ直後……

 

「ぬぅんっ!!!」

 

その右足に龍気の煌めきを纏わせた空が、後方に跳び上がるなり突如出現した光の壁を勢いよく蹴り、その勢いを殺さぬままヌ級の側頭部に跳び蹴りを、【ディフレクトランス】を叩き込んでヌ級を豪快に吹き飛ばす

 

「2人共無事か?」

 

「ああ、私の方は大丈夫だ」

 

「さっきのはマジで危なかったわ……、ありがとよ、空」

 

ヌ級を吹き飛ばした空が2人の安否を確認する様に声を掛けると、燎と日向はこの様に答え、それを聞いた空は安堵した表情を一瞬だけ浮かべた後、その表情を引き締めヌ級が飛んで行った方角を見据えるのだった

 

『銀髪女の事ばっかで忘れてたが、お前もここにいるんだったなぁ……、同胞よぉ……』

 

『俺の事を同胞と呼ぶなと以前言ったはずだが……、まあいい……、それよりもどうしてここに翔鶴がいる事が分かった……?』

 

空に蹴り飛ばされたヌ級がそう言いながら立ち上がり、それに対して空はヌ級が翔鶴の居場所をどうやって突き止めたのかに関して問い質す

 

『知りてぇか?だったら力尽くで喋らせてみな』

 

「まあ、そうなるだろうとは思っていた……、燎、日向、お前達は翔鶴のところまで下がって援護してくれ。この状況でこいつの相手が出来るのは俺しかいないだろうからな……」

 

ヌ級が空の質問にそう答えたところで、空は燎と日向を翔鶴のところに向かわせ改めてヌ級と対峙する

 

こうして、空とヌ級の最後の戦いが始まるのであった……

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