日が昇ってきたところで目が覚める
いつもだったら剣術の稽古をしているところだが、生憎それに使えるような棒状の物がないので代わりに海の中を泳いでみる事にした
おっほ! 海中でも呼吸出来るとかこの身体凄ぇ! 昨日悟から聞いてはいたが実際やってみると中々に面白い
潜れる深さはあんま考えなくていいらしいが、移動速度となるとやはり潜水艦の艤装を使ってる方が速いとは悟の談、う~ん、そこらへん補える機械とか作れねぇかな~?
いいところに沈没船を発見、昨日の話し合いのとき思う事があったので船内を探索して使えそうな布切れや服などを回収、ついでに鉄パイプみたいなのも3本ほど頂いて行く、スレッジハンマーも見つけた、これは輝にあげよう
島に戻ったら皆起きていたので光太郎と司に布切れや服を、鉄パイプを通に2本、ハンマーを輝に渡す、通と輝に関してはただの武器提供である、素手でもやれん事はないだろうが使い慣れたもんがあるだけで気分が違うだろ?
光太郎と司に関しては、取り敢えずそれで隠すとこ隠して欲しかったからだ、渡したとき何だこれ?みたいな顔してたけど身体の方指したら理解してくれたよ……、いつまでもスッポンポンでいるのははしたないと思います!
朝食を食べながら今日やる事を話し合う、全員でまとまって動くよりいくつかのチームに分かれて動いた方が効率よく深海棲艦を探せるだろうという事で班分けが始まる、その結果
Aチーム 戦治郎(太郎丸+金次郎+大五郎) 護 司 剛
Bチーム 空 光太郎 シゲ 通 弥七 六助
Cチーム 翔 輝 藤吉 悟 甲三郎
こんな感じに分かれる事になった、因みにミドリガメだった甲三郎は砲台子鬼へ、コーカサスオオカブトだった六助は浮遊要塞へと姿を変えていた、鷲四郎達のように言葉を話す事が出来なかったのが残念だった……
Aチームが小島の西側から、Bチームが東側から移動を開始して深海棲艦を探して接触を試みて、Cチームは小島にお留守番である、陸上型と潜水艦だとどうしても航行速度に問題が出てくるからだ、それに小島とはいえ今は立派な拠点である、しっかり防衛して欲しいのだ
食休みを挟んだ後、それぞれ行動を開始するのであった……
さて、我々Aチームはただいま絶賛クルージング中でござる、深海棲艦が中々見つからないでござる……
「しっかし、北海ってのはホント小島が無いッスね~、精々油田があるくらいッスか?」
護が言うように、この北海の真ん中あたりは島がない、その代わりに油田やガス田があるわけだが今の俺達にはそれは障害でしかない、艦娘が警護している可能性が高いので見つけ次第避けるようにしている
「確か北海の真ん中あたりには小島がないというのは聞いた事あるんだけど~、でもそうなると今さっきまでアタシ達がいた島はどういう事なの?ってなるのよね~」
そう、それは俺も気になる、本来存在しないものが存在している……、この世界と俺達がいた世界には相違点がある……な、深海棲艦とか艦娘とか俺達の世界じゃ存在してねぇもんな、もしかしたら他にも色々違いがあるかもしれん、まあ何にせよ情報集めしないとだわ
そう考えているところに司が報告してくる
「おっとぉ? 2時方向に団体さんがいるみたいですよ? ル1ヌ2リ1イ2、都合よく黒髪美人さんがいらっしゃるじゃないですか~、ボス、どうします?」
「ル級がいるのか……、いきなり鬼やら姫やらが頭数揃えてきたら警戒されそうだし、俺単独でまず接触してみるわ、皆はとりあえず潜って様子見しててくれるか? もし戦闘になったら合図出す、OK?」
一同が頷き海へと潜る、さって俺も行きますか……
「すまない、ちょっとだけいいか?」
ル級達に声をかけ近づく俺、ル級はこっちを見るなり目を見開いて驚いた後、リ級と何かコソコソと話をしていた、どんな会話してんだろうか?
ル級とリ級が小さく頷き合いル級が答える、その後ろでリ級が何処かに通信しているようだ……、あんれ? 何かこれ警戒されてね?
「どうしました? 戦艦水鬼様」
あ、割と流暢に話せるのね、それともこの身体だからそういう風に聞こえるだけなのか? まあ、それは取り敢えず置いておいてっと……
「私は最近このあたりに来たばかりでな、ここら一帯の状況がよく分かっていないのだよ、良ければこのあたり一帯の状況など教えてもらえないだろうか?」
「……、そうでしたか、それで、貴方は何処の所属なのですか?」
所属ってなんぞ?! いやいや焦るな俺……、まだ何とかなるはずっ!
「すまない、そのあたりもよく分からないのだよ……、何分先程目覚めたばかりでな……、気が付いたら海の上に寝ていたもので……、フラフラと彷徨っていたら貴方達を見つけたので声をかけさせてもらったのだよ」
「そうですか……、おい、確認はとれたか?」
ル級の表情が何か険しくなってきてるんですけどぉ?! 俺何かミスった!?
「それが、先程問い合わせたところこのあたりにこちら側の戦艦水鬼が発生したなどという情報はないとの事でした」
こちら側って何だよ!? 後深海棲艦は深海棲艦が何処でどの個体が発生したとかいう情報感知出来るって言うのかよっ!?
「各員戦闘準備! こいつは転生個体だ! 先程生まれたようだが油断はするな! 確実にここで仕留めるぞっ!」
ぎゃあああああぁぁぁっ!!! 敵認定されたあああぁぁぁっ!!! つか転生個体ってなんだよおおおぉぉぉっ!!!
「皆すまん! トチった! 戦闘だっ!」
俺がそう叫ぶなり剛さん、司、護、金次郎を頭に乗っけた太郎丸を首のあたりに乗っけた大五郎が海面に飛び出す
「んなっ!? 仲間がいただとっ?! ええい、怯むな! 一斉射撃!」
ル級が叫びヌ級達が艦載機を飛ばし、それに合わせるように砲撃しようとしたところでイ級が1匹水柱に飲み込まれ姿を消す
どうやら剛さんが海面に飛び出す直前に魚雷を発射していたようだ、先制魚雷こえぇ・・・・・
そんな中、ヌ級達が放った艦載機がこちらに向かってくる……、が物凄い勢いで銃弾と砲弾の弾幕が形成され片っ端から叩き落されていった
犯人は護、流石防空棲姫なだけありますわ~……、確かゲーム作る以外の趣味でサバゲーやってるとか言ってたな、ゲームのモーション作るのの参考になるからやってるとか何とか……、って護の機銃捌き見て剛さんが何か感心してません? 気のせい?
護の弾幕の間を縫って飛ぶのは司と剛さんの艦載機、無駄な動きがなく正確に弾幕を避けて飛ぶのは剛さんの奴だろう、逆にオーバーな動きしてるクセにヒョイヒョイと踊る様に弾を避けてるのは司のだろうな~、あいつ動画サイトにコスプレしてダンスする動画とかアップしてたしな、しかもそのダンスがやたら巧い事巧い事……って考えてる場合じゃねぇや
「鷲四郎、頼んだ!」
「あいよっ! 任せな旦那っ!」
そう言って俺も鷲四郎を出して2人の艦載機をサポートする
護の弾幕のせいでヌ級達の艦載機は全滅したようで、こちらの爆撃や雷撃をモロに受ける相手艦隊、ヌ級1匹、イ級1匹が撃沈、ヌ級1匹中破、ル級は小破止まりでリ級は損害なし、アレを避けるかリ級ェ……
「……致し方無し、お前はこの事を報告するんだ! こいつらは私達が引きつける!」
ル級がそう叫ぶとリ級は頷き反転し撤退し始める
「逃がすかボケェッ!!!」
俺はそう叫びリ級を追おうとしたがル級の砲撃がそれを阻む、減速して何とか砲撃を躱すがそこに中破したヌ級が俺目掛けて突っ込んで来る、こいつ玉砕覚悟かよっ!
背中に括り付けた鉄パイプを抜こうとしたところ、剛さんが猛ダッシュで突っ込んできてヌ級に飛びつきヌ級の両肩を掴んだと思ったらヌ級の上で倒立、突っ込んで来たときの勢いを殺す事なく縦回転しヌ級を持ち上げたかと思えば海面に垂直に叩きつける、ヌ級は二度と浮かび上がってくる事は無かった……、何ぞこの技かっけぇ!!!
そうしている間に護と司がリ級の追跡を始める、そこにル級が砲撃を撃ち込もうとしていたので今度こそ鉄パイプを抜きル級に叩きつける……、が、ル級の盾の様な艤装に阻まれ有効打にはなっていない
「甘いわっ!」
ル級が叫び艤装で俺の鉄パイプを撥ね退ける、俺はバランスを崩し隙を見せてしまいそこにル級が反対側の艤装を叩きつけようとする
そこに砲撃、艦載機による機銃掃射、魚雷のセットが飛んでくる
ル級がそちらに気を取られている間に間合いを取ってそれらの攻撃を回避する、攻撃が飛んできた方角をチラ見してみれば大五郎の姿、ナイスアシストだお前ら!
ル級はというと、砲撃と魚雷は何とか出来たようだが機銃掃射を受けてしまい中破してしまったようで艤装から煙が出ていた
これはチャンス! 鉄パイプを握り直しル級との間合いを一気に詰め、気合を入れて鉄パイプを薙ぐ、ル級はまたも艤装で防ごうそしていたので言ってやる事にした
「知ってるか? とある男は鉄パイプで物を切断するんだぜ?」
気合を込めた鉄パイプはル級を艤装ごと横一文字に薙ぎ、その身体を両断するのであった
……やっべマジで出来るとは思ってなかった