俺は今、ドイツ海軍の総司令官のお部屋でコーヒーとバウムクーヘンをご馳走になっております
あの檻のとこ来てたお偉いさん、まさかの海軍総司令官さんですた……
「うめぇ……、マジうめぇ……、目ぇ覚ましてから海藻と貝と魚しか食ってなかったから余計に美味しく感じる……」
「海藻って……、貴方そんなのよく食べようと思ったわね……」
ビス子が何か言ってやがる、そういや海外の人間は海藻食う事殆どねぇってどっかで聞いたなぁ……
「生憎俺は日本人だからな、海苔やら昆布やら食う機会多いから抵抗はねぇよ、っとこのバウムクーヘンはお持ち帰り可能か? 仲間達にも食わせてやりてぇんだ」
「構わんよ、戻るときに渡せるように手配しておこう、しかし本当に美味しそうに食べるな……」
苦笑いしながらもお土産を手配してくれる総司令さんマジイケメン! 抱いて……、いややっぱいいや
俺の正面に座っているこのドイツ海軍総司令官、名前をアクセル・レーダーと言うそうで驚く事に俺とタメなんだとか……、若い総司令官だなぁおい!
まあ、話聞いてみりゃぁお偉いさん達が会合してるところを深海棲艦に襲撃されて軍の上層部が壊滅状態になったみたいで、急遽アクセルが総司令なんてもん背負わさせられる羽目になったそうだ、まあそのおかげでドイツ海軍が艦娘配備して戦えるようになったみてぇだ
っと、それはそうと何で俺が総司令室でオヤツ食ってるかについてだが、自己紹介の後にこっちが今のとこ持ってる情報を出せるだけ出したのだ
と言っても転生個体関連以外での情報は俺が知っている世界には艦娘も深海棲艦も実在せず、それらは架空の存在であると認知されている事と、俺達の大半がそれらが登場するゲームをやっていた人間でどんな艦娘がいるか知っている事くらいしか無かったんだがな……
たったそれだけの情報だが、アクセル達を驚愕させるには十分だったようで、俺はめでたく檻から出されただけでなく俺達が欲しがっている情報をくれるって事で移動したところ通されたのがこの部屋で、そこから今に至るってわけ、腹の虫には勝てなかったよ……
因みにビス子が俺を檻から出すのをすんげぇ反対してたが
『彼の目を見てみるといい、ああいう目をしている奴は信用出来る奴だ、君もそのうち部下を持つ事になるだろうからな、覚えておくといい』
アクセルにそう言われて完全に沈黙していた
「さて、君達が欲しいと言っていた情報だが、世界情勢だったか?」
「ああ、転生個体についてはそっちも分かってねぇみてぇだから当分保留として、まずは世界情勢だな」
そう言ってアクセルが話始める……
こ れ は ひ ど い
アメリカはボッコボコにやられたのか音信不通、ヨーロッパはそのショックで混乱状態で連携して戦うどころではないそうだ
そんで日本は国の都合もあってかなり本気で深海棲艦とやり合ってるらしく、艦娘の配備も日本が最初だそうでそのおかげで今もある程度は戦えているらしい
ドイツは上層部壊滅前は艦娘の配備をしない方向だったらしいが、艦娘配備賛成派のアクセルが総司令になった事と旧上層部が使おうとしていた通常兵器類が通用しない事が旧上層部壊滅という形で実証されてしまった為、世界で2番目に艦娘を配備する事が出来たそうだ
「艦娘配備はいいんだが……、まさかビス子しかいねぇって事はねぇだろうな……?」
気になったので聞いてみた、確かドイツ艦って言ったらビス子にレーベ、マックス、ユー、プリンツ、グラーフだったっけ?
「そこは問題ない、ビスマルク、Z1、Z3、U511の艤装は既に量産が可能となっている、しかし……」
ん~? こりゃ何かあったな……
「量産の為にプリンツの艤装のデータを収集していたのだが、艤装のテストをしていたところを深海棲艦に襲撃されて現在プリンツの艤装とその使用者が行方不明になっているんだ……」
あいたたたたた……、こりゃまた面倒な事になっててまぁ……、ビス子の表情がすんげぇ事になってやがらぁ……、おぉ怖い怖い……、あんだけ怒ってるってなると相当慕われてたみてぇだなぁ……、うっし!
「戦治郎……、君にt「任せろ!!!」……、まだ要件を言ってないのだが本当にいいのか?」
「プリンツ探してくれって言いたいんだろ? そんくらい話の流れで分かるわ、そもそも俺らも今は何やったらいいか分かんねぇ状況だから都合がいいっちゃいいんだよ、前金としてバウムクーヘン貰うしな!」
そう言ってアクセルに向けてニカッと笑う俺、もしプリンツが生きて何処かに捕らえられていたら深海棲艦の拠点襲撃するいい口実になるしな~、そんでそこを新しい拠点にして装備関係整えたり出来たらパーフェクト!
「……、すまない、本当は我々だけの力で解決するべき問題なのだが、生憎こちらもまだ艦娘の配備が思ってた以上に難航していてね……、港の警護に出せるほどの余裕すらもない状況なんだ……」
ああ、道理で警備ザルだったわけね……
「気にすんなって、それに……、ほれ」
そう言って俺はバウムクーヘンをフォークで切り分けた後フォークで突き刺しアクセルの口元へと突き出す
「一体何のつm「いいから黙って食え」……、んぐ……、……これは本当に美味いな」
「食ったな? んじゃあこれで俺とおめぇは同じ釜の飯食った仲、共存共栄する関係、つまりダチ……、うん、友達ってこった! OK?」
わぁ、アクセルもビス子もポカーンとしてらっしゃる、ちと強引過ぎた気もすっけど気にしねぇ!
「少々強引過ぎないか?」
「知らん! ともかくこれで俺とおめぇは友達だ、ダチが困ってるんなら助ける! 俺や俺の仲間達からしたら当たり前の事だ、だからおめぇはこの件は俺に任せてプリンツの無事を祈りながらグラーフの艤装の開発を進めるこった」
アクセルはその言葉を聞いて笑顔を零す……、が、最後の言葉を聞いて質問してきた
「待ってくれ、今グラーフと言ったか? それは第二次大戦中に建造中止になった正規空母のグラーフ・ツェッペリンの事か?」
う? グラーフの艦娘いるの知らなかった系?
肯定したら凄い勢いでどっかに電話してた、めっちゃ早口で指示出してる事くらいしか分からんかったぞ……
何事かと聞いてみれば、どうやら空母相手に苦戦していたみたいだな……、さっきヌ級とヲ級を2匹づつ見かけたからぶっ飛ばしたって言ったらめっちゃ感謝されたぞ……
さて、あんま長居してたらあいつらが心配するだろうから戻るとすっか
帰り際、お土産のでっかいバウムクーヘンを受け取るときに他の国にも技術提供する事を勧めておいた、特にイタリア、イギリス、フランス、ロシアには渡すべきだと強めに言っておいた
深海棲艦が他の連中が思っているほど弱くない事に加え、転生個体の存在がどうも引っかかって仕方がない事を伝えるとアクセルもどうやら俺と同じだったようで二つ返事で承諾してくれた
「さて、そろそろ行くわ、機会あったらまた来るわ」
「分かった、プリンツの事、頼んだぞ……」
「任せとけって、大船……、いや、戦艦に乗ったつもりでいろ、……んっ」
そう言いながら俺はアクセルに拳を突き出す、アクセルも意図を理解してくれたようで同じように拳を突き出しグータッチする
俺はこの日、この世界での初めての友人を手に入れた
戦治郎とアクセルは後に【極東の一鬼当千】【欧州の守護神】と呼ばれる程の活躍をするのだが、それはまだ先の話である
因みに同い年だって事教えたらめっちゃ驚かれたような気がするんだよな~……、まあいいか!
戦治郎はこの段階では30歳、鎮守府稼働編では32歳だけどあの段階ではまだ誕生日を迎えていません