※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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四代目太郎丸と・・・・・・

戦治郎の号令の下、扶桑達食糧管理組と空達工廠組以外のメンバーが、食糧確保の為に一斉に行動を開始する

 

拠点に住む人間が増え、それに伴って1日あたりの食糧の消費量が増えた為、今現在食堂の方で保管している食糧だけでは心もとなくなってしまったのだ。故に海賊団のメンバーは真剣に食糧集めに取り組むのであった

 

ある集団は森の中へと入り食べられそうな果実などの採取や、狩猟しても問題ない生物の狩猟を行い、ある集団は海で釣り糸を垂らして魚を釣ったり、海に潜って貝や海藻の採取や蟹や海老を捕獲して、順調に食糧を増やしていくのであった

 

因みに、集めて来た物が本当に食べられる物であるかの判断を下していたのは、軍に在籍していた頃にその手の知識を入手していた剛と、長門屋ペット衆筆頭である太郎丸であった

 

剛は兎も角何故太郎丸がこの様な役をやっているのか、それは戦治郎がガダルカナルにいる間、リチャードの手伝いに没頭していた事が少々関係している

 

リチャードの手伝いで忙しい戦治郎に中々構ってもらえなかった太郎丸は、暇つぶしの為にガダルカナルの中にある図書館の本を読み漁っていたのである

 

北方棲姫となった太郎丸は、生前長門一族に仕える犬だからと言う理由で様々な訓練を受けていた為、そこらの犬より知識と経験に富み、体力も凄まじい事になっていた

 

因みに、太郎丸に施された訓練は、猟犬、軍用犬、水難救助犬、各種探知犬、災害救助犬、警察犬、身体障害者補助犬と驚くほど多く、これらを全て修了した太郎丸は晴れて四代目太郎丸を襲名したのである。太郎丸がこれらの厳しい訓練に耐える事が出来たのは、偏に大好きな主人である戦治郎を守りたいと言う思いと、父である三代目太郎丸への強い憧れのおかげである

 

太郎丸の父である三代目は、それはもう凄まじい犬であった。過去に戦治郎と総一が三代目と太郎丸の散歩をしていた際、総一の事を快く思っていない輩が複数名、長門親子に襲い掛かって来た事があるのである。それを迎え撃とうと長門親子が構えたその時、三代目が親子の前に飛び出して襲撃者をたった1匹で襲撃し、無傷で撃退してみせたのである。その光景を目の当たりにして以来、太郎丸は三代目の事をとても尊敬する様になった

 

話を戻そう、ガダルカナルの図書館に入り浸っていた太郎丸は、ある日ある書物から生物の中には人間にとってとても有害なものがいる事を知るのであった。それを目にした太郎丸は、それらから戦治郎を守らないといけないと言う使命感を覚え、すぐさまそれらの生物についての情報を集め始めるのであった

 

有毒生物の存在を知ればその生物が持つ毒の成分と人体への影響を調べ上げ、その対処法を医療室に通って悟や医療チームにしっかりと教えてもらい、それらの毒を持つ植物が存在すると知れば、今度は植物に対しての知識を蓄え始める

 

そんな事を繰り返した結果、太郎丸は菌類を含む動植物達に関わる莫大な知識を、全て自分の物にしたのである

 

そう言う訳で……

 

「これはいける……、これもOK……、こいつは……、スンスン……、あぁダメ、これは毒あるから破棄ね」

 

「この子はそのままでいいわね、この子は背びれに毒があるのよね~……、こっちの子は内臓に毒有り……、この子は食べられる部位が無いから海に帰してあげて~」

 

太郎丸は己の知識と探知犬の訓練の成果を遺憾なく発揮し、集められた食糧の選別作業や問題がある部位を除去する作業を剛と共に砂浜に腰を下ろした状態で行っていた

 

そんな2人の作業を目の当たりにした艦娘達は、時には残念そうな表情を浮かべたり、時にはメモを取りながら選別が完了した食糧を輝の艤装の中に入れたり、問題あるものを処分したりしていた

 

と、その時だ

 

「これは……、……ん?」

 

不意に太郎丸が作業の手を止めて、海の方へと視線を向ける

 

「どうしたの?」

 

そんな太郎丸の様子を怪訝に思った剛が、太郎丸に向かって声を掛けると

 

「直掩機が深海棲艦の艦隊を見つけたみたい、え~っと……、これは~……っ!?」

 

太郎丸は一瞬驚きの表情を浮かべるのだが、それはすぐに表情から消え去り今度は獲物を見つけた肉食動物の様な獰猛な笑みを浮かべるのであった

 

太郎丸の表情の変化に戸惑いながらも、剛は太郎丸に艦隊がいると言う方角を尋ねると、自身の艦載機を飛ばして太郎丸が何を見たのかを確認する。すると今度は剛までもが太郎丸と似た様な表情を浮かべ、食糧集めに参加している者全てをこの場に集めて自身が何を見たのかを報告する

 

「皆、朗報よ。太郎丸ちゃんがワ級とか言う深海棲艦の艦隊を見つけたわ、進行方向から考えて、ミッドウェーの拠点から北マリアナの拠点に物資を運んでる最中だと思われるわ……」

 

剛の言葉を聞いた皆が目を見開き、ニヤリと口角を上げる。その様子を見た剛はすぐに立ち上がり……

 

「今の私達は海賊……、だったら海賊らしく、派手に暴れて物資を奪っちゃいましょうっ!!皆、準備はいいっ?!長門屋海賊団、出撃よっ!!!」

 

\応っ!!!/

 

この場にいる全員に指示を出すなり海に飛び出し、36隻のワ級と24隻の護衛からなる深海棲艦の輸送部隊に襲撃を仕掛け、ワ級達が持つ全ての物資を奪い尽くすなり、情報を持ち帰らせない為に1隻残らず海の底へと沈めてしまうのであった

 

これにより拠点の食糧はしばらくの間食糧集めをしなくてもよさそうなほどに集まり、その日の夕食は、食糧問題解決祝いとしていつもよりちょっぴりリッチな物となった

 

また、剛達による輸送部隊襲撃は、結果的に北マリアナの拠点に兵糧攻めを仕掛けた形になり、北マリアナの深海棲艦達は飢えに苦しみ士気を著しく低下させ、後日攻撃を仕掛けて来たトラック泊地の艦娘達に完敗し、拠点を奪われてしまうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、食糧問題が解決した事を喜ぶ海賊団だが、それは思った以上に長続きはしなかった……

 

「全員付いて来ているなっ!?今一度ここで作戦内容の確認をするぞっ!!!」

 

連合艦隊第一艦隊の旗艦を務める戦艦艦娘が、後ろを振り向きながら声を張り上げて作戦内容の再確認を行う

 

「これより私達は中部海域の制海権を取り戻す為に、ミッドウェー島にある深海棲艦の拠点に攻撃を仕掛け、拠点諸共中部海域を支配する飛行場姫を討つっ!!!」

 

「けどミッドウェー島の近くにあるウェーク島にも深海棲艦の拠点があるから、後顧の憂いを断つ為に先にそっちを破壊するんだったよね?」

 

旗艦の戦艦艦娘の言葉に続くようにして、随伴艦である空母艦娘が確認する様にそう尋ねた

 

「ああそうだ、本当はウェーク島の拠点の内部に侵入して拠点を制圧、そこを中継基地にして万全の状態でミッドウェー攻略に臨みたいのだが……」

 

「私達には難しいでしょうからね~……」

 

戦艦艦娘がそう言って溜息を吐き、その様子を見ていたもう1人の空母艦娘が苦笑しながらこの様な事を呟くのであった

 

「こういう時、彼らがいると助かるのだけれど……」

 

「ああ、そう言えばお前も彼らに助けられたんだったな。まあ毎回あいつらに助けられてては日本海軍の沽券に関わるからな、今回は北マリアナで大人しくしていてもらおう」

 

先程の2人の空母艦娘とは違う、3人目の空母艦娘がそう言うと、戦艦艦娘はこの様に返すのであった。と、この様に一部の艦娘が真面目な話をしている中、その後方では……

 

「うわー!これ凄いねっ!」

 

「これ1つで低速戦艦を高速化させるだけでなく、飛行まで可能にするとは……」

 

「私からしたら、お前達の義肢も十分オーバーテクノロジーだと思うぞ?」

 

「確かその義肢もあの人達が作ったものでしたよね?本当に凄い技術力ですね~」

 

駆逐艦艦娘3人と、彼女達を艤装に乗せて飛行する航空戦艦艦娘がこの様な会話を楽しんでいた。そしてそんな4人の様子をその更に後方で驚きのあまり言葉を忘れ、ただただ唖然とした表情で見つめる4人の艦娘がいるのであった

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