※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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疑惑の大和

長門に言われた通りに海賊団+天龍が工廠の床に正座したところで

 

「む?そこの天龍は新しいメンバーか?」

 

長門が天龍の存在に気付いて、この様な言葉を投げかける。それに対して天龍が自己紹介しようと声を上げたその時だ

 

「「「「天龍(((さん)))っ?!」」」」

 

工廠の隅にいた大和、大鳳、矢矧、初霜の4人が、天龍を見るなり目を丸くして驚きの声を上げ、すぐさま彼女の下へと駆け寄っていく

 

その直後に大和達は天龍に色んな事を夢中になって質問し始め、その様子を見ていた長門は困惑しながら戦治郎達にあの天龍が何者なのかを尋ねる。すると現在進行形で挙動不審になっている戦治郎に代わって、空がその質問に答えるのであった

 

空の言葉を聞いた長門達が驚愕の表情を浮かべたところで、不意に悟が天龍に向かってこの様な提案をするのであった

 

「天龍よぉ、積もる話があるんならよぉ、医務室の方でやってもらえねぇかぁ?ここ来る前によぉ、チビ達に翔の事頼んでたんだわぁ。きっとチビ達も大和達に話してぇ事が山ほどあるだろうからよぉ、どうせだから加えてやったらどうだぁ?」

 

天龍は悟がどんな意図でこんな提案をしたのか分からなかったが、取り敢えず頷き返して大和達を六駆と春雨がいる医務室へと案内するのであった

 

その後悟が太郎丸に頼んで内部把握を使ってもらい、大和達が工廠から完全に離れた事を確認したところで、悟は空に向かってこう言い放つ

 

「空よぉ、大和はここから完全に離れたからよぉ、そこの非童貞ピュアピュアおじさんを叩き起こしてやんなぁ」

 

「任せろ、すぐに再起動してやる」

 

悟の言葉を聞いた空は、悟にそう言って1度頷き返すと周囲の者達に危ないから離れる様にと注意を促し、皆が離れたのを確認したところで……

 

「ふんっ!!!」

 

空は気合の掛け声と共に先ずは正座してプルプルしている戦治郎に勢いよく【スライディング】を仕掛けて戦治郎のプルプルする身体を宙に浮かせながら上下反転させ、直後に空は身体の向きを反転させて腕の力だけで跳躍するなり、戦治郎の首を足で挟み【バベルクランブル】をお見舞いする

 

しかしそれだけでは終わらないっ!空はすぐさま頭から床に叩きつけられた戦治郎の身体を起こして今度は【スープレックス】として魔神風車固めを叩き込むと、続ける様に戦治郎を掴んだまま自身の上半身を起こして、戦治郎の首を掴んだ状態で【ジャイアントスイング】を開始、そして戦治郎の身体を宙に投げ飛ばすと空も跳躍して〆の【スープレックス】として空中でスイングDDTを戦治郎に仕掛けるのであった

 

「「【DSC】!!【DSC】!!!」」

 

その光景を見ていたシゲと護が興奮しながら立ち上がってそう叫び、他の者達は戦治郎に対しての空の仕打ちにただただドン引きした後、直後に我に返り何事も無かったかのように振舞う戦治郎に、更にドン引きするのであった……

 

そう、戦治郎が挙動不審になっていたのは、戦治郎が大和の気配を感知してガチガチに緊張していたからである。非童貞でありながら、自身が好意を寄せている女性に対しては初心、故に悟は戦治郎の事を非童貞ピュアピュアおじさんなどと呼んだのである

 

その後、再起動した戦治郎が長門達に自分達がここにいる理由とこの海域の現状を説明すると、長門達は驚愕しながら思わずその場で固まってしまうのであった。そしてそこまで話したところで、ふと思い出した様に戦治郎が長門達に尋ねる

 

「そういやお前ら、どうやってここに来たんだ?」

 

この海域は現在不思議な力が働いて羅針盤やGPS、通信機が仕事をしなくなっている為、何かしら目印を付けながら航行しないと間違いなく迷子になってしまう状態になっているのである。なのに長門達は迷う事無く、最初の目的地であるこのウェーク島にやって来た。戦治郎はそこが不思議でたまらなかったのである

 

「それなんだが……」

 

戦治郎の言葉を聞いた長門は、困惑の表情を浮かべながら、自分達がウェーク島に辿り着くまでの話を始めるのであった

 

長門達はこの海域に入ったところで作戦内容の再確認を行い、第1目標であるウェーク島を目指して進んでいたのだが、いくら進んでもウェーク島が姿を現さない事にメンバーが疑問を持ち始めたそうだ

 

そこで長門が羅針盤を確認すると、羅針盤の針はグルグルと勢いよく回転するなり、羅針盤のガラス面を突き破って天空目指して飛び上がって行き、やがてその姿は見えなくなってしまったのだとか……

 

そこに来て、ようやく長門達は空と海の色がおかしい事に気付き、大本営がある横須賀鎮守府に通信を入れたのだが、通信はノイズが走るばかりで繋がらず、その事実が彼女達に絶望を突きつけ、彼女達は不安に駆られ動揺し始めるのであった

 

そんな時だった

 

「皆さん、あちらに向かってみましょう」

 

出撃時に日向のズーイストライカーを目の当たりにした瞬間愕然とし、道中での戦闘で見た長月と皐月の義肢を駆使した戦闘方法に度肝を抜かれていた大和が、突然そう言いながらある方角を指差したそうだ

 

「それから私達は大和の言う通りに針路を取っていたら、ここに辿り着いたんだ」

 

「大和の言う通り、ねぇ……」

 

長門の話を聞き終えた戦治郎が、そう呟きながら怪訝な表情を浮かべる

 

「天龍に気付いてからの反応を見る限り、彼女と大鳳、矢矧、初霜は……」

 

「ああ、空が思っている通り、彼女達は桂島泊地所属の艦娘だ。更に言えば大和は桂島泊地の提督の秘書艦だ」

 

「お~お~、あの腐れ外道のド畜生の秘書艦やってやがったのかぁ……、こりゃぁ何かあると思って良さそうだなぁ、えぇ?おいぃ?」

 

空が長門に大和達の事を尋ねたところ、長門はこの様に返し、それを聞いた悟が顔を顰めながらこの様な言葉を口にするのであった

 

「こりゃあ大和に色々と聞かねぇとだなぁ……」

 

悟の言葉を聞いた戦治郎が、そう呟きながら頭をバリバリと掻きながら溜息を吐くと……

 

「頑張れ戦治郎、お前ならきっと出来るだろう」

 

「てめぇの嫁艦なんだろぉ?だったらてめぇが何とかしやがれってんだぁ」

 

「そうだな、いつまでもあんな調子では、口説き落とす事も叶わんぞ?」

 

「そうねぇ、変に気を遣わずにいつもの調子で接してあげたら、すぐにいい関係になれるんじゃないかしら?」

 

「頑張って下さい戦治郎さん!空さんだって翔鶴さんをGET出来たんです!きっと戦治郎さんだってやればデキるはずなんです!」

 

空が慈愛に満ちた表情を浮かべながら、悟と日向がニヤニヤしながら、剛がニコニコしながら、龍鳳が目を輝かせながらこの様な事を口々に言ってくる

 

「ちょい待ち!俺が聞くのん?!無理無理無理ぃっ!!もうちょい慣れる為の時間頂戴っ!?」

 

「いいのか戦治郎?そんな事している間に、アビス・コンダクターの連中が儀式を完了させてしまうかもしれないんだぞ?」

 

皆の言葉を聞いた戦治郎があわあわしながら返事をすると、すかさず光太郎がこの様な事を言って戦治郎の退路を断とうとする。が、それはこの状況ではほんの少し悪手であった

 

「あ、そうだ!そういや光太郎達の報告聞いてねぇや!って事で光太郎達は報告よろっ!」

 

光太郎の言葉を聞いた戦治郎はそう言って話を誤魔化し、わざとらしく姿勢を正してから光太郎達の報告を待つ。それに対して戦治郎をからかっていた集団は一斉に光太郎を睨みながら舌打ちをする

 

その後、申し訳なさそうな表情を浮かべながら、光太郎がアビス・コンダクターの儀式に鉢合わせした事、それを妨害した事、そして生贄の艦娘の救出に失敗した事を皆に報告すると、その場にいた全員が険しい表情を浮かべるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに、ウェーク島に到着した長門達は、早速拠点に攻撃を仕掛けようとしたのだが、長門が拠点に掲げられている赤い海賊旗の存在にいち早く気付き、すぐさま攻撃中止を指示するが、時既に遅し、大和達桂島の艦娘達がその時には既に砲撃を行っていたのであった

 

大和達が撃った砲弾は真っ直ぐ拠点に向かって飛んでいくのだが、砲弾がある地点まで到達したところで、戦治郎達が前日に設置完了させた合計250基の閃光迎撃神話が一斉に起動し、大和達の砲弾は閃光迎撃神話達が放つ250本のレーザー光線に蜂の巣にされ、拠点に届く前に空中で爆散してしまうのであった

 

この光景を目の当たりにした艦娘達の多くが呆然とし、一部は腹を抱えて笑い転げ、長門は頭を抱えて溜息を吐いたそうだ

 

その後、長門が般若の形相で拠点に乗り込み、戦治郎を捕まえるなり工廠に海賊団のメンバーを集合させ、戦治郎達にこの海域にいる理由を聞いた上で、説教を行おうとしたのだった。尤も、それは天龍の存在によって有耶無耶になってしまった訳だが……

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