ホノルルからの通信を聞いた戦治郎が、拠点内放送を使って医務室にいるメンバーを会議室に呼び、会議室に大和達が姿を現した瞬間極度の緊張状態に陥った戦治郎に対して空がドラゴン・スープレックスを放って緊張を解した(?)ところで、戦治郎が大和達に今から行おうとしている作戦について説明し始める
当初の予定では3つの艦隊で作戦を実行するはずだったのだが、先程の通信を聞いてしまった以上助けない訳にはいかないという事で、戦治郎達は4つの艦隊に分かれて作戦を実行する事になったのだ
その編成は以下の通り
ミッドウェー潜入……通、シゲ、護、木曾、神通、川内、天龍
ミッドウェー陽動→侵攻……剛、輝、司、摩耶、阿武隈、瑞穂、陽炎、不知火、天津風、時雨、夕立、江風、長門、日向、大和、飛龍、蒼龍、加賀、大鳳、矢矧、長月、皐月、綾波、初霜
ホノルル直行……戦治郎、空、光太郎、藤吉、望、長門ペット衆
お留守番……悟、扶桑、龍鳳、龍驤、春雨、暁、ヴェル、雷、電
作戦としては、先ずは剛達がミッドウェーに攻撃を仕掛け、拠点周辺と内部にいる深海棲艦を引っ張り出してかき集め、引っ掻き回して混乱させている間に潜入部隊である通達を島に向かわせ、アビス・コンダクターの儀式を妨害しながら生贄の救助に当たる様になっている
ホノルル直行部隊は文字通り、作戦開始と同時にホノルルに全速力で向かい、研究所とやらを攻撃する深海棲艦を排除した後、生存者達を救助する流れとなっているのである
最後のお留守番部隊だが、時々苦悶の表情を浮かべて呻きながら眠る翔をほったらかしには出来ないし、皆が出払っているところを攻撃されたらたまったものではないと言う事で、一部の艦娘に拠点に残って拠点を防衛してもらう事にしたのである
そして通達が生贄を救出し、戦治郎達がホノルルの生存者達を救助完了したところで、お留守番以外の部隊が全て合流しミッドウェーに本格的な攻撃を仕掛け、拠点を陥落させるのがこの作戦の概要である
この作戦を立てる際、戦治郎は長門に今回の作戦には介入しないと言う約束を反故してしまう形になってしまった事を謝罪するのだが
「状況が変わってしまったのだから仕方ない、この事は気にするな」
長門はそう言って、自身に向かって申し訳なさそうに頭を下げる彼を許したのであった
事実、今回の場合戦治郎達は事故に巻き込まれて、不可抗力でここに来ているのである。そんな彼らを一体誰が責められようか、最初は説教の1つでもしてやろうと思っていた長門は、彼らの事情を知ったところでそう考える事にしたのである
そもそも長門達の作戦の仮想敵は、飽くまでも強硬派深海棲艦だけだったのだ。そんな彼女達が作戦を開始し、いざ蓋を開けてみれば相手は転生個体の集団と手を組んでいて、その中には戦治郎達に苦戦を強いる様な奴が紛れ込んでいると言うではないか
もしここで戦治郎達と会わなければ、自分達は呆気無く全滅し戦治郎達が闇城と呼んでいる転生個体の手駒にされていたかもしれない……、長門はその事を考えると背筋を震わせると同時に、戦治郎達がここにいてくれて本当に良かったと内心で安堵の息を吐いていたのであった
戦治郎が大和達に作戦の概要を伝えたところで、戦の前の腹ごしらえと言う事で今から食事にしようと提案、全員がそれを了承すると戦治郎達はすぐさま食事の準備に取り掛かるのであった
その際、お客様に変な物は食べさせられないと言う事で、戦治郎の指示で今回の食事の材料は全てワ級達から奪った物を使ったのだが、それは間違いだったと戦治郎は後に語るのであった……
海賊団の食事事情を知らない長門達は、情け容赦無く料理を貪り食い、有ろう事かおかわりまで要求して来たのである。一部の者に至っては、翔の料理が食べたかったと不平まで漏らす始末……。その光景を見ていた戦治郎は内心で頭を抱えながら絶叫し、ホノルルへの救援物資に回す分の食糧を確保隠蔽した後、他の海賊団のメンバーと共に自分達で獲って来た食糧で腹を膨らませるのであった。尚、これが原因であれだけ余裕があった食糧は想像以上に、ゴッソリと減ってしまうのだった……
そして食休みの後、戦治郎の口から作戦開始の号令がかかり、ウェーク島にいる者達は各自割り当てられた役目を全うする為に、すぐさま行動を開始する
ミッドウェーに向かう部隊は、尋常ではない速度で走り出したホノルル直行部隊の背中を見送った後、ミッドウェー島へと針路を取って移動を開始、しばらく航行してミッドウェー島が見えるところまで来たところで通達潜入部隊が停止、剛達が戦闘を開始するのをその場でじっと待つのであった……
それからしばらくすると、遠方から砲撃音や破裂音、荒れ狂う波の音が聞こえ、それは時間が経つに連れて激しさを増していく……、どうやら剛達が予定通り戦闘を開始したようだ
「始まりましたね……、皆さん、準備はいいですか?」
この部隊の旗艦を任された通が、後ろを振り返りながら尋ねると
「問題ないッスよ~」
「"待"ってたぜぇ……、この
「あいつら絶対許さねぇぞっ!!!泣いても攻撃止めてやんねぇからなっ!!!」
「気合い入れるのはいいが、感情に任せて突っ走ったりするなよ?」
海面に腰を下ろしていた護、シゲ、天龍、木曾の4人がこの様に答えながら立ち上がり
「今から移動したら、いい感じに夜になるかな?うーん!この状況での夜戦!!すっごく楽しみだなーっ!!!」
川内が瞳を輝かせながら声を上げる、川内の言葉を聞いたメンバーが空を見上げると、空は夕日で真っ赤に染まり、川内が言う様に目的地に着く頃には日は完全に沈み、夜の帳が下りていそうであった。とその時である
「到着する頃などと言わず、どうせですから今この瞬間から、夜の闇に紛れて移動しませんか?」
唐突に通がこの様な事を言ったのである、通の言葉を聞いたメンバーが怪訝そうな表情を浮かべたその刹那、通の仮面が変形し鬼面モードとなるや否や、通が即座に印を切ると鬼面の口からフェロー諸島での決戦の時、フェロー諸島周辺を真っ暗な闇に閉ざしたあの黒いモヤが勢いよく噴出され始めたのだ
「ちょっ?!おまっ!?」
「通ストップストップッスッ!!!」
その光景を目の当たりにしたシゲと護が、ギョッとした後すぐさま通を止めようとするのだが……
「お二人共、安心してください」
不意に神通がそう言って慌てる2人を制止すると、通に代わって事情を話し始めるのであった
何でも通はガダルカナルにいる間、神通が見守る中この術を完全に制御出来る様に修行を重ねていたそうだ。最初の内は初めて発動させた時と同じ様に、術の効果が切れると共に倒れていたそうだが、修行を重ねる内に術の効果が切れても倒れなくなり、やがては闇の効果をかなりの範囲に広げられる様になったそうだ
「今ならこの海域全てを、この闇で覆える様になっていると思いますよ」
通は例の黒いモヤを吐き出し続けながら、神通の話を聞いて呆然とするメンバーに向かって、ほんの少しだけ得意げにそう言い放つのであった
それからしばらくして、鬼面からモヤが出なくなる頃には辺りは完全に闇に閉ざされてしまうのであった
「準備完了ですね、では皆さん……、参りましょうか……っ!!!」
\応っ!!!/
通は辺りを見回してしっかりと術の効果が出ている事を確認したところで、行動開始を宣言、皆の返事を耳にした瞬間神通を抱えて超高速で移動を開始するのであった
尚、シゲ達がとんでもない速度で移動し始めた通を追いかける際、シゲは木曾を抱きかかえた状態で、護は艤装から降りた後に天龍と川内を自身の艤装に乗せて、自力で全力でダッシュする羽目になったのだとか……
因みに、通は事前に戦治郎と剛に『闇寄せ』を使用する事を伝えていた為、それぞれの部隊は『闇寄せ』が発動した時も特に混乱する事はなく、予定通りに作戦を遂行する事が出来たそうだ