※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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闇の騎士吼える時

剛達の戦闘開始を合図に行動を開始した通達は、陽動部隊と上手く連携出来たおかげで何のトラブルも無く、全員無事に目的地であるミッドウェー島はサンド島へ上陸する

 

「司の能力、こういう時はホント強ぇな……」

 

「いや~、自分はシゲの迦具土も大概だと思うッスよ?」

 

サンド島に上陸した際、シゲが戦場を突っ切っている最中に目にした司の能力に対しての感想を呟き、それに対して現時点では能力に目覚めていない護が、シゲにじっとりとした視線を送りながら返答する

 

シゲが言う様に、海上では司の能力は脅威の一言に尽きるのである。潮の流れや波の大きさを操った上に、相手の視界を遮る様に雨を降らせて砲撃を妨害し、一点に固まって攻撃をしてようものなら頭上に海水の塊を形成して叩きつけ、散開していたら津波を発生させて問答無用で圧し潰す。他にも海水で作った鞭で相手を攻撃したり拘束したり、渦潮を発生させて相手の退路を断ったりと、文字通りやりたい放題なのである

 

そんな地獄の様な光景を目の当たりにした長門達は、しばらくの間呆然と立ち尽くしてしまうのだったが、剛に一喝されるとすぐに立ち直り、司に続くように、司に負けていられないと言わんばかりの勢いで、猛然と攻撃を繰り返して司に負けず劣らずの戦果を叩き出すのであった

 

「2人共、お喋りはその辺りにしておきましょう」

 

その後話を続けようとするシゲ達に対して通がこの様に言うと、祭壇を見つける為に通達は島のあちこちを音を立てない様に細心の注意を払いながら歩いて回り、遂に問題の祭壇と今まさに儀式を行おうとしているシスター・エリカと北端上陸姫、そして儀式を見守る大量の狂信者達を発見するのであった

 

「うわぁ……、こいつら剛さん達が派手に暴れてるのに、完全に無視して儀式やろうとしてるよ……」

 

「こいつらにとっては、それだけ重要な儀式って事なんだろうな……」

 

近くの茂みにその身を隠しつつ、その光景を目にした川内と木曾が、思わず顔を歪めながらそう呟く。と、そんな事をしている間にも儀式は進み、遂にエリカが儀礼用の剣を

振り上げ、生贄の首に向かって振り下ろそうとする

 

「通さん……っ!」

 

「分かっています!皆さん、仕掛けますっ!!!」

 

神通が通に指示を仰ぐと、通はすぐさまこの様に返して手の中に出現させた手裏剣を投擲してエリカの剣を弾き飛ばすと、それを合図に通達は茂みから飛び出して、生贄となっている艦娘が拘束されている祭壇目指して一直線に走り出す

 

突然の出来事に動揺する狂信者達を、シゲが炎を纏った突撃技【アル・フェニックス】で焼き払いながら道を作り、我に返って攻撃を仕掛けようとして来る狂信者達を今度は護がマルチプルミサイルとPDWのゲーリュオーンで迎え撃ち、シゲが切り開いた道を塞ごうとする狂信者達を、通、神通、天龍、そして前日に戦治郎から『夜戦丸』と言う忍者刀を貰った川内の4人が、次々と斬り捨てながら一心不乱に前に進む

 

そして……

 

「死に晒せアバ〇レエエエェェェーーーッ!!!」

 

先頭を走っていたシゲが、そう叫びながら纏っている炎を一層燃え上がらせながら加速して、エリカに【アル・フェニックス】を叩き込もうとしたその時だ

 

「させるかぁっ!!!」

 

シゲとエリカの間に割って入って来た北端上陸姫が、何とシゲの【アル・フェニックス】をエストックで受け止めてしまったのである

 

渾身の一撃を受け止められたシゲが動揺していると、北端上陸姫はシゲの攻撃を受け止めた姿勢のまま、エリカに向かってこう言い放つ

 

「こいつらの相手は僕がする!だからエリカはその間に儀式を進めるんだっ!!!」

 

「頼みましたよ、アルバート!」

 

アルバートと呼ばれた北端上陸姫の言葉を聞いたエリカは、この様に答えるとすぐに通に弾き飛ばされた剣の下に走り出す。それを見た川内が剣を奪う為にエリカ同様剣の方へ走り出し、神通は軽巡棲姫に姿を変えながら剣とエリカの間に割って入ってエリカを妨害する

 

「邪魔を……、しないで下さいっ!!!」

 

「そういう訳にはいきません……っ!!」

 

エリカはそう叫びながらエイの様な艦載機を発艦させて神通を攻撃するのだが、神通はそれを次々とその手に付いている艤装で撃ち落としながら、エリカの妨害を続行する。そして川内が落ちている剣を拾って破壊しようとしたその時

 

「えぇい邪魔だっ!!!やらせはせんぞぉっ!!!」

 

アルバートが叫びながらシゲを弾き飛ばすと、すぐさま鳥型艦攻を発艦させて川内に向かって突撃させ、艦載機の体当たりを受けて怯んだ川内が剣を取り落とそうとしたところで、アルバートの艦載機がその剣を空中で銜えて主の下へ戻って行く

 

「やらせないはこっちのセリフッスよっ!!!」

 

その直後、雑魚の掃除を終えた護がそう叫ぶと、剣を銜えた鳥型艦攻に向かってこれでもかと言うくらいにミサイルを発射、ミサイルの存在に気が付いた鳥型艦攻はすぐさま回避行動を取り、しばらくの間空中で護のミサイルと追いかけっこを展開するのであった

 

その後、アルバートは護を先に始末しようと思い、川内の時同様艦載機を発艦させて護に向かって突撃させるのだが、護はそれを艤装の高射砲とゲーリュオーン、マルチプルミサイルを駆使して全て撃墜して見せる

 

「ならばっ!!!」

 

それを見て護には艦載機は通用しないと判断したアルバートは、エストックを構えて護に斬りかかろうとする。が……

 

「ずぇぁりゃあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

「疾っ!!!」

 

護に斬りかかる直前で、アルバートはシゲと通に両サイドから奇襲される。アルバートは2人の奇襲に気付くとすぐに腰に下げたソードブレイカーを引き抜いて、シゲの攻撃をエストックで受け流し、通の攻撃をソードブレイカーで防ぐと同時に通の『朝日影』を絡めとってしまうのであった

 

それからアルバートはシゲを蹴り飛ばし、通に艦載機をぶつけて吹き飛ばし、先程絡めとった『朝日影』をへし折ろうとするのだが……

 

「折れない……、だと……っ!?」

 

どれだけ力を込めても折れるどころか曲がりもしない『朝日影』に、思わず驚愕し声を上げてしまうのであった

 

「妖精さんから頂いた素材を使い、先輩の手で鍛え上げられた打刀、『朝日影』はその程度では折れも曲がりもしませんよ!」

 

通の言葉を聞いて意固地になったアルバートが、『朝日影』の刀身にソードブレイカーを打ち付け始めたその時である

 

「戦治郎さんが打った刀は何もそれだけじゃないぞっ!『朝日影』の弟分の『鋼斬』の斬れ味、その身を以て思い知りやがれっ!!!」

 

木曾がそう叫びながら、『鋼斬』を引き抜いてアルバートに斬りかかる。だが……

 

ある言葉を耳にしたアルバートは突然無表情になると、木曾の攻撃を躱した直後、隙だらけになった木曾をエストックの柄頭で勢いよく殴りつけ、盛大に吹き飛ばしてみせ……

 

「今……、何と言った……?」

 

ボソリとそう呟く、アルバートの呟きを聞いた通達が怪訝な表情を浮かべた次の瞬間

 

「貴様っ!!!たった今!!!戦治郎と言ったかっ!!!??」

 

先程までの無表情から打って変わって、凄まじく殺気だった表情をその顔に貼り付けながら、アルバートは絶叫するのであった

 

アルバートのあまりの変わり様に通達が思わず唖然とする中、アルバートは更に激昂し、天を見上げながら怒りの声を上げる

 

「この世界に戦治郎が来ているのかっ!?!?!僕の人生を滅茶苦茶にしたあの男がっ!!!?!?僕の怨敵長門 戦治郎が来ていると!??!?お前達は言うのかっ?!!?!そうかっ!!!!!分かったぞっ!!!!!お前達はあの男の手下でっ!!!!!あいつはまた僕から全てを奪おうとしているんだなっ!!?!??!そうだっ!!!!!きっとそうに違いないっ!!!!!!!」

 

アルバートはここで一呼吸入れ……

 

「お前達があいつの手下と言うならばっ!!!!!容赦は一切しないっ!!!!!全員まとめて皆殺しにしてやるうううぅぅぅぁあぁぁぁーーーっ!!!!!!!」

 

アルバートがそう叫んだ次の瞬間、アルバートと直接戦っていた通達4人と、エリカの妨害をしていた神通と川内、そして人知れず拘束された生贄を解放しようと拘束具相手に悪戦苦闘していた天龍は見えない何かに全身を徹底的に切り刻まれ、全身を駆け巡る激痛に耐え切れず、通達潜入チームの全員が思わず膝を突いてしまうのであった

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