戦治郎達が研究所の奥へ戻って行ったノーマル変態達から、情報を絞り出す為にその後を追い、空達がエリート変態達との戦いを始めた頃、沖の方に残った光太郎達はと言うと……
「ごおおおぉぉぉーーーっ!!!」
「ぐおおおぉぉぉーーーっ!!!」
大五郎の骨から生み出された死霊兵、大五郎ゾンビA&B相手に苦戦を強いられていた
戦治郎達を見送った後、光太郎が最初からローリングオリオール・ロードをぶっ放し、死霊兵の大半を即刻消滅させてしまうのだが、大五郎ゾンビと大五郎ゾンビに庇われた事でオリオール・ロードの直撃を免れた死霊兵達が、なんと無傷で生き残ってしまったのである
それを見た光太郎が急いでバッテリーを使ってエネルギーを回復させ、2発目のオリオール・ロードを放とうとした時、大五郎ゾンビ達が光太郎目掛けて突進して来るのであった
「えっ!?ちょっ?!」
自身に向かってくる大五郎ゾンビの移動速度に、思わず光太郎が驚き動揺してしまう。何とこの大五郎ゾンビ、本物同様全高が8.8mあるくせに、そこらの軽巡や駆逐よりも速く移動しているのである。予想外の出来事に光太郎が動揺している間にも、大五郎ゾンビ達は間合いを詰め……
「ぐごおおおぉぉぉーーーっ!!!」
「ごがあああぁぁぁーーーっ!!!」
2匹同時に光太郎に向かって、巨大な拳を振り下ろすのであった
「やっば!?」
我に返った光太郎が思わず声を上げたその時、光太郎の前に巨大な影が割って入って来る。そう、本物の大五郎である
「ぐがあああぁぁぁーーーっ!!!」
大五郎は咆哮を上げながら、2匹の大五郎ゾンビの拳を腕の盾で弾き飛ばした直後、巨大過ぎる鉤爪が指先に付いたガントレットを装着した腕を勢いよく振るい、大五郎ゾンビ達の胴を豪快に切り裂いた後、光太郎を抱えて後方に飛び退く
「サンキュー大五郎!」
「まだだぁよ光太郎……」
光太郎が自身を庇ってくれた大五郎にお礼を言うのだが、大五郎は大五郎ゾンビ達が立っていた場所を見据えながら、この様な事を言うのであった
大五郎の言葉と視線を不審に思った光太郎が、その方向に視線を向けるとそこにはなんと上半身と下半身が分離した大五郎ゾンビが立っていた。光太郎がそんな大五郎ゾンビ達に驚いていると、大五郎ゾンビ達に海水が集まり始め、やがて大五郎ゾンビの切り離された上半身と下半身は、集まった海水を取り込む事で見事にくっついてしまうのであった
「コアになってる部分をどうにかしない限り、奴らは復活し続けるのか……、ホント厄介だな……」
光太郎がそんな事を呟いた時、他の死霊兵の相手をしていた九尺が光太郎達の下へ、どういう原理で実行しているのかは不明だが、連続後方宙返りしながら寄って来ると
「光太郎さん、大丈夫やったね?」
先程大五郎ゾンビのターゲットになっていた光太郎に、心配そうに尋ねるのであった
「大五郎のおかげで助かったよ」
光太郎はそんな九尺にそう返すと、九尺は1度頷いて見せてから、更なる問いを光太郎に投げかける
「そいで光太郎さん、あの大五郎のバッタモンはどがんすっと?」
「今考えてる真っ最中なんだよね……、何で俺のオリオール・ロードが効いてないのか……、まずそこが分からないと何とも言えない感じ……」
「ああ~、あれか~」
九尺と光太郎がそんな会話を交わしていると、不意に大五郎が訳知りと言った感じで声を上げる
2人が大五郎に、大五郎ゾンビに何故オリオール・ロードが効かなかったのかを尋ねると、大五郎はこの様に返答した
「あの光線、オラの偽もんの身体の表面を半分ほど削っただけで、コアのところまで達してなかっただぁよ。要は光線を当ててる時間が短すぎたから、効いてない様に見えてるだけだぁよ」
「ああそうか……、大五郎クラスのサイズの相手にいつもの感覚でやったら、そうなるよね……」
大五郎の言葉を聞いた光太郎が、そう言いながらガックリと肩を落とす。と、光太郎の発言と同時に突然九尺が動き出し、手にしたハンディーチェーンソーで、光太郎目掛けて飛んで来た砲弾を切り払う
光太郎が何事かと思って砲弾が飛んで来た方を見ると、そこには未だに残っていた春雨の骨から作られた駆逐棲姫の死霊兵が、手に付いている主砲の砲口から煙を立ち上らせながら立っていたのである。いや、よく見るとその周囲に今すぐにでもこちらに砲撃を仕掛けようとしている個体の姿もあるではないか
「長話し過ぎたごたぁね、そいぎんおいは引き続きあいつらの相手はしよっけん、光太郎さん達はデカブツの方ば頼むね」
九尺は一方的にそう言うと、駆逐棲姫の死霊兵達に向かって突撃を仕掛け、その中の1隻の胸に容赦なくハンディーチェーンソーを突き立てた後、その傷口に薬液が入った容器を無理矢理突っ込んでから、空いた手で強引に閉じた傷口にハンディーチェーンソーのグリップ部分を思いっきり叩き付けて薬液の容器を破壊、体内に埋め込まれた容器から飛び出した薬液が死霊兵のコアに触れると、死霊兵はビクビクと身体を震わせた後、その姿を保てなくなって海水の塊になるなり、その姿を海の中へと溶け込ませてしまうのであった
「九尺にああ言われた事だし、俺達もやるかっ!」
「んだ~!」
光太郎と大五郎はお互いに言葉を交わした直後、それぞれ左右にジャンプして飛び掛かって来た大五郎ゾンビ達の攻撃を回避するのであった
「つか今更だけど、何でこいつらこんなに速いんだよ……?その図体でその速度は反則じゃないか……?」
「あいつら一切武装してないからな~、武装が無い分身軽になって、あんな動きが出来るのかもしれないだぁよ」
ふと思い出した様に光太郎が呟くと、大五郎がのんびりとした口調でその様に返す
「じゃあ大五郎も武装解除したら、あのくらいの速度で動けるのか?」
殴りかかって来た大五郎ゾンビAの攻撃を回避しながら、光太郎が大五郎に尋ねると
「多分出来ると思うだぁよ~、でもご主人が折角作ってくれた装備を外すなんてオラしたくないだぁよ~」
大五郎は大五郎ゾンビBの攻撃をガントレットで弾き返した後、その腹部に盾の裏に取り付けられた連装杭打機を叩き込みながら答えるのであった
「太郎丸と言い、大五郎と言い、ホント長門ペット衆はご主人様が大好きだな……、ってぇっ!?」
大五郎の返答を聞いた光太郎がこの様な事を言ったところで、ある事に気付いて驚きの声を上げながら、慌ててレーザー砲を構えてすぐさま発射する。そう、先程の大五郎の杭打機での攻撃で、大五郎ゾンビBのコアがその身体から勢いよく飛び出したのである
光太郎のレーザーを浴びた大五郎ゾンビBのコアは、あっという間に光の粒子へと姿を変えて消滅し、それと同時に大五郎ゾンビBは崩れ落ちて海と一体化して消えてしまうのであった
「……長時間レーザーを当てるより、こっちの方が早そうだぁね……」
「だな……、そういう訳で、手伝ってもらえるか?」
大五郎と光太郎はこの様な会話を交わした後、作戦と言うにはあまりのも単純過ぎる作戦を立てて、すぐさま実行に移すのであった
その内容は実にシンプルで、大五郎が大五郎ゾンビAを拘束して、身動きが取れなくなった大五郎ゾンビAの腹に、光太郎が双腕重機アームを突っ込んでからコアを抜き出し、そうして摘出したコアに光太郎が直接レーザーを撃ち込んで、大五郎ゾンビAを葬り去ると言う寸法である
こうして光太郎達は大五郎ゾンビAとちょっとした鬼ごっこを展開した後、光太郎が手筈通りに双腕重機アームを拘束した大五郎ゾンビAの腹に2本共突っ込み、コアを手探りで探し、コアを発見して掴んだ途端強引に重機アームを引き抜く。その際大五郎ゾンビAがビクビクと痙攣していたが、光太郎はそれを無視して予めスタンバイさせておいたレーザー砲の砲口の傍にコアを近付けると、すぐさまレーザーを発射してコアを破壊するのであった
その後、光太郎達は九尺と合流して残った死霊兵を一掃すると、戦治郎達と合流するべくすぐに移動を開始する
その途中で、空から外の状況の確認の通信が来た為、光太郎達は外の死霊兵は全て片付いた事を空に伝える。すると空は安堵の息を吐いた後、この様な事を言うのであった
『先程サラトガそっくりなここの所長と、その部下達を俺達の方で保護したのでな。それで彼女達を安全そうなところに避難させようと思ったのだが、安全そうな場所が現状外しかなさそうだったから、こうやって光太郎に確認を取ったんだ。そういう訳で俺達は彼女達を連れて今から外に出るから、光太郎達とはそこで落ち合おう』
空の言葉を聞いた光太郎はすぐさま空の提案を了承し、空達と急いで合流する為にその足を速めるのであった