※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

302 / 655
修羅神を断つ

「いいぞ長門 戦治郎っ!!!先程よりも一撃が重くっ!!!動きも良くなっているではないかっ!!!戦いの中で成長するとはっ!!!流石は俺が認めた漢だっ!!!!!」

 

左目から赤い炎を噴き出す戦治郎の攻撃を捌きながら、防人は心底嬉しそうな表情を浮かべながら歓喜の叫びを上げる。一方、自身の左目がエライ事になっている事に気付いていない戦治郎はと言うと……

 

(身体が軽い……、ベストコンディション以上の調子で戦うなんて初めて……、もう何も恐く……、いかんいかん!こりゃ死亡フラグじゃねぇかっ!!危うくこんなところで御陀仏しちまうとこだったわ……、でも全身から力が溢れ漲って来てどうしてもハイになっちゃうっ!!悔しいっ!!!でも……っ!!!昂っちゃうっ!!!)

 

まるで羽根の様に軽くなった身体と、防人が言う様に自身が繰り出す一撃が重くなっている事に気付き、心の中で驚きながらも舞い上がっていたのであった

 

何故突然この様なパワーアップを果たしたのか、その理由については戦治郎自身全く分かっていない。今の彼がたった一つ分かっている事、それは……

 

(この力があれば、今度こそあいつを確実に潰せるっ!!!)

 

今の状態になった戦治郎は、数回防人と打ち合ったところで自身の今の力量を把握し、今の自分なら防人に絶対に勝てると確信したのである。その証拠に

 

「ぐぅっ!!!」

 

戦治郎の攻撃を薙刀で受けた防人が、思わず苦悶の声を上げる。戦治郎の攻撃は今までは割とアッサリと防人に捌かれていたのだが、今はどうだ?防人は戦治郎の一撃を受ける度にその表情をほんの一瞬歪め、先程の様に苦しそうな声を上げているのである。更に言えば、余程余裕がなくなって来たからなのだろうか、あの煩くて仕方が無かった防人の叫びも時間が経つに連れて聞こえる回数が減ってきているのである

 

その様子に戦治郎は勝機を見出し、戦治郎はこのチャンスをものにしようと、積極的に防人に攻撃を仕掛ける様になったのである

 

「ぬおおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

ここでジワジワと追い詰められ始めた防人が、戦治郎が次々と繰り出す攻撃の間に僅かに発生した隙を突いて、咆哮を上げながらその手に握った長大な薙刀を横薙ぎに振るい、戦治郎を後方に飛び退かせて間合いを取ろうとする。だが……

 

『これでも喰らいなさいっ!!Fire!!!』

 

ここで敵味方の区別が付くようになったアイオワらしき女性が、戦治郎を援護する様に防人に照準を合わせてレーザーライフルっぽい武器の引き金を引く。その様子を見た防人はその表情を不愉快そうに歪めながら、急いでレーザーライフルの様な物の射線から退避するのだが……

 

「こいつも喰らっとけっ!!!」

 

戦治郎がそう叫びながら防人が退避した先に向かって、ヨイチさんの砲弾をこれでもかと言わんばかりにばら撒く。すると

 

「小賢しいいいいぃぃぃーーーっ!!!」

 

その直後に防人が叫び、勢いよく薙刀を振るうと三日月状の大きな衝撃波が発生し、衝撃波は戦治郎が放った砲弾を次々と撃ち落としながら戦治郎に襲い掛かるのであった

 

戦治郎はその衝撃波を跳躍して何とか回避するのだが、そこを防人に狙われてしまう。落下して来る戦治郎目掛けて防人が薙刀で突きを放つのだが、それはどうやら不発に終わってしまった様である

 

防人が突きを放った直後、何処からともなく飛んで来た2発の砲弾が、防人が手にしていた薙刀を弾き飛ばしてしまったのである。防人が何事かと思いながら砲弾が飛んで来た方角に視線を向けるとそこには……

 

「ご主人大丈夫k……、ってうおおおぉぉぉーーーっ!?」

 

「ぎゃあああぁぁぁーーーっ!?ご主人様の顔が大火事だあああぁぁぁーーーっ?!」

 

全身を真っ赤に濡らし艤装の主砲から煙を立ち上らせる深海棲艦が2匹、戦治郎の顔を見るなり悲鳴を上げて大騒ぎしていた……

 

その片割れが消火器を持って来ると言って通路に飛び出し、残った方が動揺しアワアワしているところを見た防人が呆気に取られていると……

 

「往生しやがれっ!!!ヘモジイイイィィィーーーッ!!!」

 

防人は頭上から聞こえて来た声で我に返るなり、声の方へと向き直るとそこには今にも大妖丸を防人目掛けて振り下ろそうとする戦治郎の姿があったのである。防人は内心で舌打ちしながら、今にも振り下ろされ様としている大妖丸を白刃取りしようとするのだが……

 

「悪いねアンタ、生憎それをやらせる訳にはいかないんでね」

 

いつの間にか防人の傍に滞空していた鳥型艦攻がそう言った直後、口から生やした機銃で防人の両手を蜂の巣にして白刃取りを妨害し……

 

「ずぇあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

戦治郎の渾身の叫びと共に振り下ろされた大妖丸は、見事防人の脳天へ叩き込まれ防人の身体を縦に真っ二つにして見せるのであった

 

この時戦治郎は確かな手応えを感じるのだが、以前倒した後そのままにしていた結果この様に再戦する羽目になった事を思い出し、念には念をの精神で着地するなり防人の亡骸をそれぞれ左右に蹴り飛ばして、動いていない事を目視確認した後、ようやく安堵の息を吐き出すのであった

 

「これで大丈夫な筈……、だよ……、な……?」

 

一応対策はしたものの、不安を拭いきれない戦治郎がそう呟いたところで

 

「ご主人様あああぁぁぁーーーっ!!!」

 

顔を涙でクシャクシャにした太郎丸が、そう叫びながら戦治郎に飛びつき、縋りつきながら大泣きし始めるのであった。太郎丸の様子を見た戦治郎は怪訝そうな表情を浮かべると、太郎丸を落ち着かせながら泣いている理由を尋ねようとするのだが……

 

「爆裂的に鎮火せよってかぁっ!!?」

 

その直後、弥七がこの様な事を叫びながら、その手に持った消火器を戦治郎の顔面目掛けて噴射してくるのであった

 

それからしばらくすると、中身が無くなったのか消火器が沈黙、弥七は空になった消火器を投げ捨てると、恐る恐ると言った様子で戦治郎の顔を見るのだが……

 

「消えてねえええぇぇぇーーーっ!??何だよこの炎っ?!どうやったら消せるんだよっ!!?」

 

「あん?炎?弥七、そりゃどう言う事だ?」

 

未だに煌々と燃え盛る戦治郎の左目の炎を目にするなり、弥七は頭を抱えて絶叫し、弥七の言葉に気になる点があった戦治郎は、弥七に向かってそう尋ねるのであった

 

その後、弥七達から話を聞くより早く、アイオワらしき女性が差し出して来た手鏡を覗き込んで自身の顔を確認した戦治郎は……

 

「か、火事じゃあああぁぁぁーーーっ!?!俺の顔が大火事じゃあああぁぁぁーーーっ!??えっ!?これ一体何ぞっ?!どうなってるぞっ??!」

 

自身のペット達と同じ様な反応をした後、濡らしたタオルで自身の顔を何度も叩いたり、水を張った洗面台に顔を突っ込んで消火を試みるのだが、炎が消える気配は一切なかった為戦治郎はこの件を保留にし、アイオワっぽい女性にこちらの事情をもう少し細かく伝えた後、彼女を連れて研究所からの脱出を開始するのであった

 

因みに、戦治郎は空達と合流した直後、戦治郎の左目から噴き出す炎を見て混乱した光太郎から顔面に海水を大量に浴びせられ、空からは砂をこれでもかと言うくらい顔にかけられた後、首から上を砂浜に埋められるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦治郎達が空達と合流を果たした頃、戦治郎が防人と激戦を繰り広げた部屋では……

 

「「まだだ……、まだ俺は……、戦えるぞ……っ!長門……、戦治郎……っ!!!」」

 

2つの影が同時に蠢き、この様な呟きと何かが這いずる様な音が、変態達が放った火が延焼した結果燃え始めた部屋の中に響き渡るのであった……




鬼神紅帝 帝之型(きしんこうてい みかどのかた)

戦治郎の能力の1つ

効果は自身を含む艦隊のメンバーの全ステータス値を1.5倍にすると言うもの

発動中は戦治郎の左目から赤い炎が噴き出し、その炎の中に『帝』の文字が浮かび上がる

どうやら他にも型があるようだが……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。