※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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衝撃を超越した事実 ~修羅神、散る(物理)~

ゾアの戦いぶりはそれはそれは凄まじいものであった

 

戦闘開始直後に、先手必勝と言わんばかりに死霊兵を石化光線でコアごと石像に変え、その石像を念動力でまとめて粉々にして見せた後、口から対象を追尾するシャドウミストを吐き出して逃げ惑う変態達を次々と始末し、シャドウミストから逃れて海に飛び出した変態達を片っ端から巨大な爪と触手で叩き潰し、自身の実力を戦治郎達とエリカ達にまざまざと見せつけるのであった

 

「何故……?どうして貴方様が私達の敵になるのですか……?これでは生贄となった仲間達が浮かばれないではないですか……」

 

ゾアがその圧倒的な力を振るってアビス・コンダクターのメンバーを次々と屠って行く様を、茫然自失と言った様子で見ていたエリカがそう呟くと、未だに殺戮を繰り返すゾアがエリカに向かってこう言い放つ

 

「貴様らが儀式を完成させる前に、我と翔が出会った事が貴様の運の尽きだろう。尤も、我と翔が出会う前に儀式を実行していたとしても、我はこちらで発生していた問題のせいで、とてもではないが貴様の呼び掛けに応える事など出来なかっただろうがなっ!!!」

 

ゾアのこの言葉を聞いたエリカは、あまりのショックで海面に膝を突いて項垂れてしまう。しかしながら、ゾアはそんな彼女の心境などお構いなしと言った調子で、彼女に対して更なる追撃となりそうな事を言い放った

 

「そうだ、ついでだから教えておいてやろう。こちらで発生していた問題を翔達が解決した関係で、我を含むルルイエに住まう旧支配者達及び旧神のクタニドは、翔達に対して全面協力を約束、今後は翔以外の召喚には応えない方針でいく事になったのだ」

 

再びこの場に戻って来た防人を、巨大な爪で天高く打ち上げるゾアの言葉を聞いた途端、エリカはその表情を絶望で染め上げ、遂には両手をも海面に突いてブツブツと何かを呟き始めるのであった……

 

さて、このゾアの発言にショックを受けたのは何もエリカだけではなかった、そう、翔が所属する長門屋海賊団のリーダーである戦治郎もまた、凄まじいショックを受けたのである。自分が与り知らぬところで、旧支配者や旧神のリーダーと海賊団の団員である翔との間で、とんでもない約束が交わしていたのである、その事実を知った戦治郎がショックを受けるのも仕方が無い事であろう……

 

ゾアの言葉を聞いた戦治郎とエリカが揃って愕然としていると、唐突に誰かがヒステリックな声を上げる

 

「こうなってしまっては仕方がありませんっ!!某達は現時刻を以て飛行場姫との同盟を破棄っ!!!死にたくない者達は某と共に本拠地に戻りましょうぞっ!!!」

 

アビス・コンダクターの幹部の1人である駆がそう叫ぶと、アビス・コンダクターの面々はすぐさま逃走を開始、そして駆が指示を出した事が相当気に食わなかったのか、アルバートが苦々しい顔をしながら舌打ちし、絶望するエリカを抱えてこの海域から脱出を開始したのであった

 

(邪神の相手なんかやってらんねぇだろうからな~……、まあ賢明な判断だな……)

 

駆の叫びで我に返った戦治郎が、内心でこの様な事を呟いていると

 

「むっ!!逃げる気かっ!?」

 

『戦治郎さん、追撃しますか?』

 

逃走を開始したアビス・コンダクターの連中の姿を見たゾアが叫び、翔が追撃すべきかどうかを戦治郎に尋ねて来る

 

「あ?あ~……、いいや、追撃は無しで。それより翔に聞きたい事が山ほどあるんだが……?」

 

『ですよね~……、でも細かい事は後でいいですか?今ここで全部説明するってなっちゃうと、どうしても二度手間になっちゃうので……』

 

戦治郎と翔はこの様なやり取りを交わし、戦治郎が翔の頼みを了承すると、一行は空達が待つサンド島に向かおうとする。……のだが……

 

「何処を見ているっ!!!俺は此処にいるぞおおおぉぉぉーーーっ!!!!!

 

そう叫びながらゾアに襲い掛かる防人の姿を見て、一行はその足を止めて呆れた表情を浮かべながら溜息を吐く。そう言えばこの馬鹿がまだ残っていたな……、その場にいる全員が同じ事を考え、今一度大きな溜息を吐き出すのであった……

 

「いい加減鬱陶しいぞっ!!!」

 

余りにもしつこ過ぎる防人に対して遂にゾアがブチギレ、念動力で防人を空中に浮かせるなり石化光線を直撃させて防人を石像に変え、その身体を念動力で粉々に砕き……

 

「あーっ!ちょっちいいです!?ちょっちいいですかっ?!」

 

ゾアが防人の破片を自身の足元にばら撒こうとした時だ、戦治郎が慌てた様子でゾアに待ったをかけたのだ

 

「ぬ?戦治郎か?一体どうしたのだ?」

 

「そいつの破片でs「別に敬語でなくても構わんぞ?」……じゃあ、そいつの破片だけど、出来るだけ広い範囲にバラバラに散らしてくれないか?そいつ縦に真っ二つにぶった斬っても、切り口合わせて復活して来やがったんだよ。だから何かの拍子で石化が解けちまったら、同じ感じで復活して来そうで何か怖いんだわ……」

 

「成程なっ!承知したぞっ!!ではっ!!ぬぬぬぬぬ……、でぇいやあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

戦治郎の頼みを聞いたゾアがほんの少し唸り声をあげた後、最大出力で念動力を使用して防人の欠片を世界中にばら撒いてみせた

 

「これなら石化が解けても、容易には復活出来んだろうっ!」

 

「アザーッスッ!!!ゾアさんマジリスペクトッ!!!」

 

戦治郎とゾアはこの様な会話を交わし、ゾアがよいよいと言った様子で爪と触手をヒラヒラさせると、一行は改めてサンド島へと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ翔……」

 

「何ですか……?」

 

「俺さぁ、さっき聞きたい事山ほどあるって言ったよなぁ……?」

 

「そうですね……」

 

「……一番最初に聞くのに相応しい質問は決まったっ!!!」

 

「あっはい、どうぞ……」

 

戦治郎と翔がこの様なやり取りを交わし、戦治郎は翔の事を指差しながら翔に最初の質問をぶつける

 

「ゾアは何処いったぞ?」

 

「ゾアは今あっちに……」

 

サンド島に到着するなり姿を消してしまったゾアの所在について、戦治郎が不思議そうに翔に尋ねたところ、翔はある方向を指差しながらそう答えた。戦治郎が翔が指し示す方向へ顔を向けると、そこには……

 

「ぬお~!雷っ!!あまり我をナデナデするでないっ!!こそばゆくて仕方が無いぞっ!!!」

 

「いいじゃないっ!ゾアが頑張ったおかげでここにいる皆が無事だったのよ?ゾアは皆から撫でてもらってもおかしくない事をやったのよ?だから胸を張って撫でられるべきよっ!!!」

 

「戦うゾアちゃんは凄かったのですっ!電にもゾアちゃんの様な力があったらって、その力で泊地の皆だけでなく世界中の人達も助けられるかもって、つい思っちゃったのですっ!」

 

「ハラショー、流石は邪神だね。君が味方で本当に良かった、心からそう思えるよ……」

 

「わ、私だってもっと訓練したらあれくらい戦えるし……っ!」

 

「暁ちゃん……、流石にそれは難しいと思うよ……?」

 

「えぇ……?この子がさっきの大きな怪獣さんなの……?」

 

今この場にいる駆逐艦達にもみくちゃにされる、1匹のオムナイトの姿があった

 

「すまねぇ翔……、俺には雷に抱っこされてナデナデされてるオムナイトしか見えねぇわ……」

 

「えっと……、凄く言い辛いんですけど……、それがゾアなんです……。色々あってゾアはクタニドさんの手によって取りつけられたフィルターみたいなものの影響で、通常時はポケモンのオムナイトに、戦闘時はティガのラスボスのガタノゾーアになる様になっているんです……」

 

「なしてそんな姿になっちゃうん?それとフィルター付ける理由は何ぞ?」

 

「姿については僕の記憶からクタニドさんが適当にチョイスした結果で、フィルターについてはゾアの姿を直視した際、見た人が石化するのを防ぐ為ですね。もしフィルターが無かったら僕以外の皆が、今頃生きた石像になってたところです……」

 

翔の言葉を聞いた戦治郎は、この件については無理矢理納得する事にして、次の質問を翔にぶつけようとするのであった

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