※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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翠緑の恐怖

時は剛が戦治郎達に救援要請を出す前まで遡る……

 

剛達は通達の作戦失敗の報を聞いた後、自分達の作戦内容を陽動から侵攻に切り替えて引き続きミッドウェーの拠点に対して攻撃を加え続けていた

 

それからしばらく時間が経ったところで、悟の治療を受けて戦線復帰した通達と合流すると同時に、蒼龍と加賀の艦載機が飛行場姫が拠点から出て来るところを目撃したとの報告を受けるのであった

 

飛行場姫出現の報告を聞いたところで、通、シゲ、護の3人が剛に飛行場姫をすぐに倒すべきだと進言する。理由はもしアビス・コンダクターが儀式を完了させ、得体の知れない何かを呼び出す事に成功した場合、それと飛行場姫を同時に攻略するのは流石に無理があると思ったから、アビス・コンダクターの連中が神と崇める存在よりも、強硬派深海棲艦である飛行場姫の方が明らかに倒し易そうだから、先に飛行場姫を倒し後顧の憂いを断っておいてから、得体の知れない相手に集中すべきだと言う事だった

 

それを聞いた剛は通達の意見を汲み取り、長門達に雑魚の相手を任せるとこの場にいる長門屋のメンバーを集め、飛行場姫の目撃情報があった場所へと急行するのであった

 

そして剛達が言われた場所へ向かうと、そこには確かに飛行場姫が配下の深海棲艦達を引き連れて、まるで自分達の到着を待っているかの様に佇んでおり、飛行場姫は剛達の姿に気付くなり

 

「来たわね……、それも転生個体ばかり数を揃えて……」

 

剛達に向かって、余裕たっぷりに言い放つのであった。この時剛は、飛行場姫の態度を不審に思い警戒するのだが……

 

「任務に失敗して気が立っているところにその態度……、気に入りません……っ!皆さんっ!申し訳ないですが一番槍は頂きますっ!!!」

 

剛が制止する間もなく通がそう言って、飛行場姫達に向かって突撃し……

 

「科学忍法っ!竜巻ファイタアアアァァァーーーッ!!!」

 

飛行場姫に対して竜巻ファイターを仕掛け、飛行場姫の配下を巻き込みながら、両腕から発生させた竜巻で飛行場姫達を天高く打ち上げるのだった

 

「通ちゃんったら……、柄にもなく先走っちゃって……っ!」

 

そんな通の独断専行に剛が内心で舌打ちしていると、不意に護が剛に向かって声を張り上げながら話し掛けて来る

 

「剛さんっ!自分達もこのまま追撃するッスよっ!!!」

 

護はそう言うと通が発生させた竜巻へ突入し、自身の身体を竜巻の力で浮上させながらゲーリュオーンとミサイルを乱射して、飛行場姫とその配下達に追撃を仕掛けるのであった

 

「ああもうっ!皆好き勝手しちゃってぇっ!!!」

 

かなり無茶な方法で相手に追撃を仕掛ける護の姿を見た剛は、そう叫ぶとヤケクソになって護と同じ方法で自身の身体を浮上させ、キマイラとオルトロスで追撃の追撃を行う。その後、ある程度相手に攻撃を加えたところで護と剛は竜巻から飛び出し、通は竜巻での攻撃を止めて落下し始めたところで……

 

「ここでイケメン指数が天元突破した俺様が、華麗に追撃しちゃったりしちゃいますよ~っ!!!」

 

司が能力で生み出した水柱で落下する3人を捕まえて、ゆっくりと海面に降り立たせる。その際、剛達は司が攻撃用に生み出した水の槍とすれ違い、その水の槍が飛行場姫達の腹に何本も突き刺さる光景を目の当たりにするのであった

 

この時点で、飛行場姫の配下の深海棲艦達全員が既に絶命しているのだが、追撃はこれだけでは留まらなかった

 

「これで終わりだとか……、思ってんじゃねぇぞゴルアアアァァァーーーッ!!!」

 

ここで更にシゲが追い撃ちとして『爆符「ギガフレア」』を発射、シゲの腕から放たれたその巨大な熱線は飛行場姫達を飲み込み、瞬く間の内に全員を昇華させた……。その光景を見ていた誰もがそう思っていた……、しかし……

 

「んなっ!?飛行場姫のだけ炭化で留まっただとっ?!」

 

熱線が消えた後に残った、位置からして飛行場姫だったものだと思われる炭人形の存在を確認したシゲが、驚きを露わにしながら思わず硬直してしまう

 

「だったらぶん殴って粉々にするまでだろうがよおおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

ここでシゲの驚愕の声を聞いた輝が、己のハンマーのヘッド部分を艤装に咥えさせるなり、天高く跳躍して思いっきり飛行場姫だった炭人形を殴りつける。輝の化物染みた腕力で殴られた炭人形は、凄まじい勢いで海面に叩きつけられるのだが……

 

「……うそでしょ?何でまだ原型を留めているのよこれ……っ?!」

 

輝に殴らてた段階で、粉々になっていてもおかしくないはずの炭人形は、驚異的な勢いで海面に叩きつけられたにも関わらず、剛が言う様に原型を留めていたのである……

 

誰もがこの炭人形を見て警戒する中、なんと炭人形が突然ひとりでに立ち上がって見せたのである。それを見た剛達がより一層警戒心を高める中……

 

「やぁだぁ♪痛いじゃな~い♪壊れちゃう~♪…な~んてね♪ウフフ♪」

 

炭人形がそう言うと、炭人形の体表を覆っていた炭が見る見るうちに剥がれ落ちていく。やがて炭がその身体から全て剥がれ落ちると、そこには今まで剛達の猛攻を受けていたのがまるで嘘だったかの様な、無傷の飛行場姫が姿を見せるのであった……

 

あれだけの攻撃を加えたにも関わらず、無傷な飛行場姫を見て一同が驚愕している中、飛行場姫は妖艶な笑みを浮かべながら、余裕たっぷりに剛達に話し掛けて来る

 

「私が無事である事に大層驚いているようね……、まあ無理もないわよね……、あれだけ死力を尽くして放ったものが、ぜ~んぶ無駄に終わったんだからねぇ……」

 

「一体どうなってやがんだよ……っ!?」

 

飛行場姫の言葉を聞いたシゲが思わずそう呟くと、飛行場姫は浮かべた笑みを一切崩さず話を続ける

 

この時、剛は隙を見て通信機を操作し、戦治郎達に救援要請を出したのである

 

「ちょっとだけネタ晴らししてあげようかしら……?実は私、プロフェッサーとの取引でアリーとか言う奴が開発した兵器を、この身体の何処かに埋め込んでいるのよ」

 

飛行場姫が放った言葉を聞いた剛達は、驚愕の表情をより一層濃くしながらただただ硬直してしまう。そんな剛達の様子などお構いなしと言った様子で、飛行場姫は更に余裕を見せながら更に言葉を続ける

 

「何処に埋め込んでいるかまでは、流石に教えてあげられないけど……、効果くらいならいいわよね?どうせ貴方達は、ここで私の部下達に徹底的に体力と気力を削られて、最後は成すすべなく沈められる運命なのだからね……っ!!!」

 

彼女がそう言うと突如海面が盛り上がり、次々と彼女の部下であろう深海棲艦達が姿を現すのであった。飛行場姫が呼び出した増援を目にした剛達は、思わず苦々しい表情を浮かべながら飛行場姫を睨みつけるのであった

 

「さて、その兵器の効果なんだけど……、確か『翠緑』がどうこう言ってたわね……、それは触れたものの怪我を瞬く間に治しちゃう兵器らしいんだけど、私はそれを自分の身体に埋め込む事で、常時その効果を受けている状態になっているのよ。つ・ま・り♪私は貴方達からどれだけ攻撃されようと、その兵器のおかげですぐに負傷したところが治っちゃう、疑似的な不死身の身体を手に入れたって訳♪」

 

飛行場姫のこの言葉を聞いた剛達は、最早愕然とする事しか出来なくなっていた。『翠緑』と言えば悟の能力、触れたものを瞬時に治療してしまうあの能力の事しか考えられないのである

 

そしてここで、剛はある事を思い出す。剛達がトラック泊地防衛戦を展開している時に、突如として姿を現したアリーの言葉である。あの時アリーは、『ハデス』を作る際光太郎のデータも使ったと言っていたはず……。光太郎のシャイニングセイヴァー時の攻撃は、基本的に能力に依るものである……、それはつまり……

 

「アリーは……、光太郎達の武装だけでなく、悟の能力をもコピーした兵器を作り出したと言う事なのか……っ!?」

 

「あら?貴方達はこの兵器の効果に心当たりがあるのかしら?まあどうでもいい事よね、どうせ……」

 

剛の呟きを聞いた飛行場姫が、そう言いながら配下の深海棲艦達に攻撃開始の合図を送ろうと、立てた人差し指を天に向けながら右腕を掲げたその時だった、突然一筋の閃光が飛行場姫の右腕を飲み込むなり、消失させてしまったのである

 

「え……?……ぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

突然消滅してしまった右腕を呆然と眺めた後、飛行場姫は襲い来る激痛に耐え切れず思わず絶叫し始める。一体何が起こったのか分からず、彼女の配下の深海棲艦達と共に剛達が動揺していると……

 

「あれま、威嚇射撃のつもりが腕に当たっちまった……」

 

「うっわ……、直撃したら消滅するのかよ……」

 

「そいつがより一層危険な代物である事が、今ので決定付けられてしまったな……。後でサラ達に報告しなければな……」

 

剛達の後方から、突如この様なやり取りが聞こえて来る。聞き覚えのある声達に思わず剛達が勢いよく振り返ると、そこには変な形をしたライフルの様な物を構えた戦治郎と、顔を真っ青にしながら表情を引き攣らせる光太郎、そして顎に握り拳を添えながらやたら渋い表情を浮かべる空の姿があった

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