※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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ミッドウェー陥落

「戦ちゃん達っ!?さっき呼んだばかりなのにもう来たのっ?!って言うか戦ちゃんのその顔はどうしたのっ!??」

 

余りにも早すぎる戦治郎達の到着と、戦治郎の顔に付いた大きな火傷痕に大いに驚きながら、剛は捲し立てる様にして戦治郎達に尋ねる

 

「顔の件はまあ大体これのせいだとして、移動についてはガタノトーアエクスプレスでシュシュっと参上っ!ってなっ!!」

 

そんな剛に対して、戦治郎はその手に持ったビームライフルを剛達に掲げて見せながら、冗談めかしてそう答えるのであった

 

「何ッスか……?そのクッソ物騒な名前の交通機関は……?」

 

「何だおめぇら、通信聞いてなかったのか?まあいいや……、取り敢えずあっち見てみ?」

 

「あっちって……ドゥエッ?!」

 

戦治郎の言葉を聞いた剛達が、言われた通りに揃って戦治郎が指し示す方角へ視線を向けると、そこには眷属であるロイガー族と共に元気一杯に暴れ回る巨大な邪神、ゾアの姿があった。それを視認したシゲが、驚きのあまり思わず奇声を上げてしまうのだった

 

「何だあのデカブツはあああぁぁぁーーーっ!?!」

 

「あれがアビス・コンダクターの連中が呼び出そうとしていた存在の正体だ、まあ奴らがあいつを召喚する前に翔がこちらに引き込んでくれたそうだがな」

 

「本名は邪神ガタノトーアで愛称はゾア、愛称の命名者は翔な。んで今日からあいつも海賊団の一員だから、皆仲良くしてやってくれよ~?今の見た目はウルトラ怪獣のガタノゾーアだが、普段はポケモンのオムナイトの姿してるし、ノリもいいし話せば分かってくれるいい奴だから、無駄に怖がるんじゃねぇぞ~?」

 

「先輩……、ちょっと何言ってるか分からないです……」

 

シゲに続いて輝が大声で疑問を口にし、その疑問に空が答えた後戦治郎が言葉を続けると、通が額に手を当てて困惑しながらこの様に返答するのであった……

 

こんな調子で、戦治郎達が和やかに話をしていると……

 

「痛いっ!!痛いいいいぃぃぃっ!!!何でっ!?どうして奴らの攻撃が通ってるのよっ!!?さっきのは一体何だと言うのよおおおぉぉぉーーーっ!??」

 

その空気を打ち砕かんとばかりに、飛行場姫が消失した腕を反対の腕で押さえながら絶叫する。そんな彼女の悲鳴を耳にした戦治郎は、彼女の方をしっかりと見据えながら

 

「っと、そういやこっちの状況聞いてなかったな……。剛さん、状況を説明してもらえます?」

 

「分かったわ、先ずはこちらの事情を戦ちゃん達に教えるから、後でそのライフルみたいなものの事を教えてもらえる?恐らくそれが、この戦いの勝利の鍵になりそうだからね」

 

戦治郎と剛はこの様なやり取りを交わし、情報交換を開始するのであった

 

「あいつにダメージが通らなかったってのは、そのアリーさんが開発した兵器のせいだったって訳か……。内容が悟の翠緑を常に受けている状態になるって事なら、マジでこいつが活躍してくれそうだな……」

 

「そうみたいね……、まさか相手に大ダメージを与えながらも、悟ちゃんの翠緑の効果を受け付けなくする効果がある兵器が開発されてたなんて……」

 

「この戦いが終わったら、こいつは開発者と妖精さん達の手によって厳重に封印するそうですよ。俺の顔の件でそいつの危険性が実証されましたし、何より飛行場姫の腕を吹っ飛ばしたのが決定打になりそうです」

 

「でしょうね……、戦ちゃんの話を聞いている限りだと、その子は荷電粒子砲に分類されると思うのよ……。そんな危険極まりない代物は、封印されても仕方ないと思うわ……」

 

「荷電粒子砲……、やべぇ……、ちょっと勿体n「戦ちゃん……?」サーセン!っとぉ、取り敢えずこいつは剛さんに預けておきますね。あいつアリーさんが関わった兵器を持ってるみたいですし……、回収するんですよね?その兵器を」

 

「ええそうね……、本当はその場で破壊するのが筋なんでしょうけど……」

 

「剛さんがやりたい様にやっていいんですよ、きっと誰も文句言わないと思いますし、言おうとしてたら俺が黙らせます。だから気にせんといて下さいな」

 

戦治郎と剛が情報交換を終えると、戦治郎は最後にそう言いながら剛にビーム砲改め、デュラハライト砲を手渡すと……

 

「さっておめぇら!さっきの話聞いてたなっ?!飛行場姫の相手は剛さんがやるって事だから、俺達は邪魔な雑魚の掃除と洒落込むぞっ!!!」

 

\応っ!!!/

 

剛以外のメンバーに雑魚の掃討を指示し、返事を聞き次第すぐさま行動に移る。そうしてしばらくすると、飛行場姫を取り囲んでいた深海棲艦達は戦治郎達に即座に始末され、あっという間に姿を消してしまう。そしてその場には隻腕となった飛行場姫が、たった一人残され、目に涙を浮かべガタガタと震えながらへたり込んでいたのであった。そんな彼女の視線は、剛の手に握られているデュラハライト砲にのみ注がれていた……

 

「あれだけ余裕を見せていたのに、自分に有効打を与える武器が登場しただけでこんな姿になるなんて……、ホント無様よねぇ……」

 

剛はそう呟きながら、ごく自然な動作でデュラハライト砲を片手で構えると、即座に彼女の左脚を撃ち抜く

 

「ぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

「悲鳴を上げてる暇があったら、何処にアリーの兵器を埋め込んだのかすぐに白状しなさい。こういう時は、すぐに吐いた方が楽になるわよ?」

 

激痛のあまり絶叫する飛行場姫に対して、剛は無表情でそう言い放ちながらすぐにデュラハライト砲の照準を彼女の右脚に合わせる。と、その時剛は恐怖のあまりガチガチと歯を打ち鳴らす彼女の口の中から、微かな異音を聞き取るのであった

 

それに気付いてからの剛の行動は早かった、剛は彼女の口を強引に開かせる為に飛行場姫の右脚にデュラハライト砲を撃ち込み……

 

「あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ーーーっ!!!」

 

彼女が再び絶叫するなり、その下顎を右手で掴んで口の開閉が出来ない様にする。それから剛は彼女の口の中を観察し、彼女の左下の奥歯のところに奇妙な機械が埋め込まれている事に気付くのだった

 

「これね……っ!」

 

剛はそう呟くなり、飛行場姫の口に中に左手を突っ込み、件の機械を人差し指と親指でつまむと……

 

「ふんっ!!!」

 

掛け声と共に件の機械を飛行場姫の歯茎から、勢いよく引き抜いてしまうのであった。そして剛は件の機械を懐に仕舞うと、機械を引く抜く際一旦腰に下げたデュラハライト砲を再び手にして……

 

「長門ちゃん達の為にも、貴女がプロフェッサーから購入した艦娘ちゃん達の為にも……、貴女はここで散りなさいっ!!!」

 

そう叫びながらデュラハライト砲の引き金を引き、飛行場姫の頭部を吹き飛ばしてしまうのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「飛行場姫様の反応が消えました……」

 

ミッドウェー島にある飛行場姫の拠点の中にある司令室にて、オペレーターの深海棲艦の口から、拠点で指揮を執っていた中間棲姫に向けてこの様な報告がなされる。彼女は飛行場姫が出撃する際、飛行場姫からこの場を任されたのである。その時中間棲姫は何度も飛行場姫に出撃しない様頼み込んだのだが、彼女の願いは飛行場姫の「プロフェッサーから仕入れた兵器があるから大丈夫」の一言により一蹴され、飛行場姫は戦場へと飛び出して行ってしまったのである……

 

「あの怪しい機械の力を過信した結果ね……、だから私はあの時止めておけと言ったのに……」

 

報告を聞いた中間棲姫は、その時の事を思い出しながら瞳を閉じて深い溜息を吐く……

 

「中間棲姫様、このまま戦いを続けますか……?」

 

不意にオペレーターが、か細い声で中間棲姫に尋ねて来る。その声色と表情から、これ以上戦っていても無意味なのではないだろうか……?と言う彼女の気持ちが容易に読み取れた

 

これについては中間棲姫も完全に同意している、兵を出せば出す程犠牲だけが増え、一切状況が動く事が無いのである。それもこれも突然姿を現したあの巨大な化物のせいである……

 

化物が発艦した艦載機と言うには余りにも大きすぎる何かは、兵達を見つけ次第次々と喰い殺していき、それを逃れた兵達は化物が吐き出した黒い霧に包まれるなり絶命したり、口から発射された光線を浴びて石に変えられたかと思ったら即座に不思議な力で砕かれたり、巨大な爪や触手で豪快に叩き潰されたりと、兵達はただただ一方的に、あの巨大な化物に蹂躙されているのである……

 

司令室のディスプレイに現れたかと思えば即消えていく判別信号、艦載機から送られてくるのは兵達が凄惨な最期を遂げる瞬間の映像、司令室に絶え間なく響き渡る兵達の断末魔の叫び……。長時間こんな環境にいた中間棲姫達の心は、とっくの昔にポッキリと折れていたのである……

 

「……全軍に通達、我々はこの拠点を放棄し、撤退を開始する」

 

中間棲姫がオペレーターに向かってそう言うと、オペレーターはすぐに全軍に中間棲姫が撤退指示を出した事を伝え、中間棲姫は司令室にいる者達と共にすぐさま拠点から脱出するのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む……っ!深海棲艦達が撤退を開始したぞっ!」

 

ズーイストライカーで空中戦を行っていた日向が、深海棲艦達の挙動を見るなり声を上げる

 

「拠点から出て来た奴らも、向こうに行っちゃってるね……」

 

「恐らくゾアには敵わないと判断したのだろうな……」

 

自分達から離れていく深海棲艦達の背中を見送りながら、皐月と長月が思い思いの言葉を口にする

 

「一応、これは私達の勝ちと言う事になるのかしら……?」

 

「何か納得いかないけど……、そうなるんでしょうね~……」

 

「あーもうっ!美味しいところ全部あのゾアってのに持ってかれちゃたー!」

 

皐月達の後方では、本来主力として活躍するはずであった加賀、蒼龍、飛龍がこの様なやり取りを交わし……

 

「凄い子が仲間になったみたいだね……」

 

「翔さンは一体どうやってあンなの仲間に引き込ンだって言うンだよ……?」

 

「ゾアは凄いっぽい!夕立も負けてられないっぽい!作戦が終わったら、早速空さんにお願いしてゾアみたいに強くなれる様に修行をつけてもらうっぽい!」

 

皐月達の隣では、時雨、江風、夕立の3人が勝利の咆哮を上げるゾアを眺めながら、この様な会話をするのであった

 

その後、剛が飛行場姫を討伐した事を通信で皆に伝え、それを聞いた長門がミッドウェー攻略作戦は成功したと宣言、これを以てミッドウェー攻略作戦は幕を閉じるのであった

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