※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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Eyes of ・・・・・・

ニャルラトホテプの登場により、謁見の間の中の様子は混沌と化してしまう……

 

この場にいる戦える眷属達が軒並み行動不能に陥ったところで、イダー=ヤアー達がクティーラを連れてこの場を離脱しようとするのだが……

 

「逃・が・さ・な・い~☆」

 

それに勘付いたニャルラトホテプは、そう言うなり自身が発した言葉を爆弾に変え、イダー=ヤアー達目掛けて投げつけたのである

 

「く……っ!!」「させるかぁっ!!」

 

ニャルラトホテプが自分達に攻撃を仕掛けて来た事に気付いたイダー=ヤアーは、実の娘であるクティーラを庇う様に強く抱き締め、カソグサがニャルラトホテプの思惑通りになってたまるかとばかりに、ニャルラトホテプが投擲した爆弾の射線上に飛び出し、2柱を庇う様に仁王立ちをする。そして爆弾が徐々に近づいて来る事を確認したカソグサが、目を閉じて爆発の衝撃に耐えようとしたその刹那、突然爆弾はカソグサの手前で爆発するのであった

 

突然の出来事に驚いたカソグサが、すぐさま目を開いて自身の目の前を見てみると、そこには全身からブスブスと黒煙を上げる1匹のディープ・ワンの姿があった。どうやらこのディープ・ワンが、己の身を盾にしてカソグサ達を守った様だ

 

そしてその直後、この場にいる奉仕種族達が一斉に行動を開始、ニャルラトホテプに襲い掛かり始めたのである。だが……

 

「眷属達が勝てなかった僕に、奉仕種族のお前達が勝てる道理なんかこれっぽっちもないんだよぉっ!!!」

 

ニャルラトホテプはそう叫びながら自身に大挙をなして襲い掛かる奉仕種族達を、鎧袖一触とばかりに一撃で蹴散らしてしまう……。だが、奉仕種族達は何度ニャルラトホテプに弾き飛ばされ様とも、その度に立ち上がり再びニャルラトホテプに、例え自分達に勝ち目がないと分かっていても、何度も襲い掛かるのであった

 

その光景をニャルラトホテプの足の下から見ていたガタノトーアは、ニャルラトホテプが腕を振るう度に苦悶の呻き声を上げる。その呻き声の原因は、全身に走る痛みだけではなく、奉仕種族が傷付く姿を見て感じた心の痛みからも来てるのである

 

もし自分があの時ニャルラトホテプに襲い掛かっていなければ、もしかしたらこんな事にはなっていなかったのではないか……?いや、もっと前、自分が翔達と出会い、翔達に感化されて料理など始めなければ、こんな事にならなかったのでは……?

 

ガタノトーアがこんな事を考えていると、何かを思い出した様にハッとするなり、残った力を振り絞ってとある方向へ視線を向ける。そう、この場には翔がいるのである。翔は無事なのか?ニャルラトホテプの攻撃に巻き込まれていないか?ガタノトーアは翔の事を心配しながら、懸命に目だけを動かして翔の姿を探す

 

そして遂にガタノトーアは翔の姿を発見するのだが、ガタノトーアは翔の予想外過ぎる行動を目の当たりにして、思わず驚愕してしまうのであった……

 

翔は何を思ったのか、ガタノトーアが作った味噌汁が染みつき、ニャルラトホテプの鼻くそが投下された絨毯に指を這わせると、その指先をペロリと舐めるなりガタノトーアに笑顔を向けながら、優しい声色で話し掛けて来たのである

 

「出汁はしっかり取れてたみたいだね、ただお味噌を使い過ぎちゃったのかちょっと塩味が強いかな?でもまあ、これが初めての料理だって考えたら上出来だね」

 

「翔っ!?一体何をやっているのだっ?!早くここかr「そぉい♪」……あぐぅっ!!!」

 

そんな翔に対してガタノトーアが早く避難する様叫ぼうとしたところで、ニャルラトホテプがガタノトーアを踏む足を1度持ち上げた後、再び勢いよくガタノトーアを踏みつけてガタノトーアを黙らせる。そして……

 

「ちょっと君ぃ、黙ってくれなぁい?僕は今ねぇ、圧倒的な絶望に直面して壊れた紛い物を観察してるんだよ~。ほら君もよく見てみなよ~、狂気が振り切れて自分がやっている事が、正常であるかも分からなくなっている奴の無様な行動って奴をさ~」

 

奉仕種族を叩きのめしながらも、首だけは翔の方へ向けているニャルラトホテプが、ニヤニヤしながら自身が今尚踏みにじっているガタノトーアに対して、その様な言葉を掛ける

 

それを聞いたガタノトーアは苦悶の表情を浮かべながら、奇行に走る翔から目を背けようと目を伏せるのだが、ここでニャルラトホテプの言葉に引っかかりを覚え、何かを忘れている様な気がして、それを思い出そうと必死になって頭を回転させ始める……

 

「いや~、ホント今日は此処に来て正解だったよ~☆僕にいじめられてボロボロになった君達にぃ?発狂して奇行に走る紛い物まで見れたんだ、最高過ぎるよホント~♪いいぞ^~これ^~、あぁ^~……、ふぅ……」

 

ガタノトーアが忘れている何かを思い出そうと一生懸命頭を捻っていると、ニャルラトホテプはそう言って、自身の発言の一部を実体化させ……

 

「よっし、僕今すっごく機嫌が良いから、あの紛い物にプレゼントをあげちゃおう♪」

 

上機嫌になりながらそう言うと、ニャルラトホテプは今しがた実体化させた文字列を、翔に向かって投げつけたのである。それを目の当たりにしたガタノトーアは……

 

「翔っ!!!逃げろっ!!!」

 

全身全霊の力を込めて、翔に向かってそう叫ぶのであった。それを聞いた翔は、ゆっくりと立ち上がると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか手にしていたフォークを、自分に向かって飛んで来る文字列に投げつけ、文字列を爆砕してしまうのであった

 

「お?」

 

その光景を目にしたニャルラトホテプが、翔の思いもよらない行動に対して驚きの声を発した直後、翔は直掩機となる艦載機を発艦させた後、ニャルラトホテプの方へゆっくりと歩み寄りながら、手にしたフォークを、ナイフを、箸を、そして包丁をニャルラトホテプ目掛けて投げつけ始めるのだった

 

「おっほぉっ!?あぶなっ!!ちょっとちょっと~?食器投げるとか何考えてるの~?つか包丁とかマジあぶなっ!!!君~、包丁は料理人の魂なんj……ひょおぉっ?!」

 

ニャルラトホテプが翔が投擲する食器や包丁を、奉仕種族達から回収した文字列を使って迎え撃ったり回避したりしながら、この様な事を言うのだが、翔は構わずに投擲を続行する

 

恐らく翔の事を古くから知る人物が此処にいたら、今の翔の行動を見たら思わず戦慄してしまう事だろう……。いつもの翔だったら、冷静な状態の翔だったら、絶対にこの様な行動はしないはずなのだから……、特に包丁についてはニャルラトホテプが言う様に、翔自身普段から包丁は料理人の魂だから武器にしたくないと言っていたにも関わらず、今回は情け容赦も遠慮も一切なく、思いっきりニャルラトホテプに投げつけているのだ……。これらの事から導き出される答え……、それは……

 

「ニャルラトホテプ……、お前だけは絶対に……、許さない……っ!!!」

 

そう、今の翔は冷静さを完全に失う程に、怒り狂っているのである……。その目は結膜も虹彩も血の様に真っ赤に染まり、瞳孔も完全に開き切り、目の周りの神経や血管が一目で分かる程、クッキリハッキリと浮かび上がっているのである……

 

「ひぃっ!?」「んなっ?!」

 

翔のその目を見たガタノトーアとニャルラトホテプは、思わず短い悲鳴を上げてその身を竦ませるなり視線を翔から外してしまう……。そしてそれと同時に、ニャルラトホテプはたった今自身が怯んでしまった事に、果てしなく驚愕するのであった……

 

(僕が怯む……?何で……?あんな雑魚に……、僕は僅かとは言え圧倒されたと言うのか……?)

 

内心でそんな事を考えたニャルラトホテプが、再び翔と視線を合わせると、彼は自分の意識が翔の瞳孔に吸い込まれて消えていく様な錯覚に陥り、その恐怖が全身に絡みつく様に纏わりつくなり指先1つ、ピクリとも動かせなくなってしまうのであった……

 

こうしてニャルラトホテプが動けなくなったところで、翔は腰に差した鼓翼を鞘から引き抜くと、ニャルラトホテプ目掛けて勢いよく駆け出し、その勢いを殺さずに彼に斬りかかるのであった……




Eyes of

翔の眼光が、能力となって帰って来た!!!

発動中は結膜と虹彩が血の様に真っ赤に染まり、瞳孔がガン開きになり、目の周りの神経や血管がボッコリと浮かび上がる

効果は現状発動中に目が合った相手を恐怖によって拘束する事が出来るくらいだが、神話生物、それも外なる神さえも拘束出来るので、威力は凄まじいのかもしれない……

能力が成長すれば、相手を石化させたり誘惑したり、暗視や千里眼みたいな事が出来る様になる……、かも……?
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