「しっかしまぁ……、凄い姿になったね~……」
ガタノトーアと会話を交わした翔が、今のガタノトーアの姿を見て思わずそう呟く。今のガタノトーアの姿は、ウルトラマンティガに登場したガタノゾーアそのものとなっており、オムナイトだった頃の面影は強いて言えば背中の巻き貝くらいしか残っていなかったりするのである
「驚くべきところは見た目だけではないぞっ!恐らく真・魔道書の魔力と翔との絆のおかげなのか、本来の姿の時よりも力を感じるのだっ!!これなら並大抵の神話生物では、我を倒す事など出来ぬだろうっ!!!」
「それは本当に心強い……っ!じゃあ早速、その力を借りるよっ!!」
「うむっ!!!」
翔とガタノトーアがこの様なやり取りを交わし、戦場に飛び出そうとしたその時だ
「翔よぉ……、ちょ~っといいかぁ?」
不意に悟がそう言って、翔達の方へとゆっくりと歩み寄って来る
「悟さん?どうしたんですか?」
「いいかぁ?今から俺がいくつか質問するからよぉ、それに嘘偽りなく正直に答えてくれよぉ?」
そんな悟の様子を見た翔が、不思議そうにしながら悟に話し掛けると、悟はそう言って翔に精神分析を開始しようとするのであった
「悟さん……、僕は正気なんですけど……?」
「いいから精神分析させやがれってんだぁ……、でなけりゃ俺が正気でいられなくなっちまうからよぉ……」
「確か悟だったか……?その精神分析とやらは翔にではなく、そっちにいる者達に施してやるものではないのか……?」
突然の悟の奇行に驚いた翔がそう言うと、悟はこの様に答え精神分析を続けようとする。そんな悟の姿を見たガタノトーアが思わずそう言って悟の後方を触手で指し、翔と悟が方角に視線を向けてみると、そこにはガタノトーアの姿を見て気絶した春雨と電、鬼の様な形相でガタノトーアに向かって弓を引く龍鳳、凄まじい早口で何かブツブツと言い続ける龍驤、頭を両手で押さえながら金切り声を上げ続ける扶桑、恐怖に飲み込まれてその場で立ったまま震えるヴェールヌイ、その後ろにその場に座り込んで大泣きする暁、そしてヴェールヌイの隣には現実逃避でもするかのように妄想に耽ってニヤニヤする雷の姿が映るのであった……
その後悟が艦娘達に精神分析を実施し、全員が正気に戻ったところで翔が皆にガタノトーアが翔の友達であり仲間である事を説明する事で、何とかこの場を収めるのだった
「まさか夢の中で、こんな奴を仲間に引き込むとはなぁ……」
翔の話を聞いた悟がそう呟き、それに対して翔が何かを言おうとしたその時、突然翔の頭の中にクタニドの声が響いて来る
『あ~あ~、念話のテスト~、翔~、聞こえているか~?』
『あっはい、聞こえてます。え~っと、先ずはガタノトーアの姿の件、本当にありがとうございます。おかげで本当に皆石化せずに済みましたよ』
どうやらクタニドは鳳翔の件で使う予定となっている念話のテストをやっていた様で、翔がクタニドの念話に返事をするついでに、ガタノトーアの件の礼を述べたところ
『そのくらいならお安い御用さ、っとそうそう、姿だけでなく使える技の方も身体の方に準じたものにしてあるから、攻撃の際はお前が指示を出してやれ。ああそれと、先程クトゥルフの奴がな、ルルイエの神話生物は今後翔以外の呼び掛けには応えない様にと命令を出していたぞ。恐らく翔と対立する事を避ける為のものだろうな……、ああ因みに私もそのつもりだから安心しておけよ?』
翔から礼を言われたクタニドは一頻り笑った後、翔に対してこの様な話をするのであった。それを聞いた翔は重ね重ねクタニドに礼を言い、クトゥルフにも感謝している事を伝えて欲しいとお願いした後念話を切り、クタニドと念話をしていた翔の姿を不思議そうに眺めていたお留守番組と、ガタノトーアにこの事を伝えるのであった
「話聞いてる限りだとよぉ、他にも翔の仲間になった奴はいるみてぇだなおいぃ……、一体どんだけ仲間に引き込んだってんだよぉ……?」
「神格クラスだけで言えば我を含めて10柱、奉仕種族を含めれば数十万から数百万くらいになるであろう。まあそれだけの事を翔はやってのけたと言う事だっ!」
翔の言葉を聞いて疑問を口にした悟に対して、ガタノトーアが何処か自慢げにそう伝えたところ、悟は自分の顔を片手で覆って大きな溜息を吐き、以降この件について深く考えない様にするのであった
その後、翔が戦場に出る為にガタノトーアの念動力を使って宙に浮き、ガタノトーアの頭部にゆっくりと着地したところで……
「どうせだから、皆で一緒に行きませんか?」
翔はお留守番組全員に向かって、この様な提案をするのであった。それを聞いたお留守番組が困惑していると、先ず扶桑が口を開いて質問をする
「あのぉ……、拠点の防衛はしなくていいのでしょうか……?」
「それについては大丈夫だと思うぞ?恐らくだがお主達と敵対している者共は、我の存在に釘付けとなり、拠点の事などスッカリ忘れてしまうだろうからなっ!!!」
「まあ一理あるわなぁ……、こんなデカブツが襲って来たらよぉ、俺達の拠点を襲うどころじゃねぇわなぁ……。目の前の脅威を取り除かねぇと、陥落するのは自分達の拠点だろうからなぁ……」
扶桑の質問を聞いたガタノトーアがこの様に答え、それを聞いた悟がその意見に同意する発言をする。その直後、今度はヴェールヌイが質問を口にする
「そう言えば、ここに来る前に翔さんはアビス・コンダクターの連中が何をしようとしてるか分かったと言ってたはずだが、それについて今教えてもらってもいいかい?もしかしたら奴らが召喚しようとしていた存在と、ガタノトーアがぶつかる可能性が考えられるからね」
「それなら安心していいよ、何たってアビス・コンダクターって人達が召喚しようとしていたのは、このガタノトーアの事だからね」
ヴェールヌイの質問に翔がそう答えると、お留守番組全員が一斉に目を丸くして驚き、言葉を失ってしまう……
「12人の艦娘と12人のアビス・コンダクターの構成員が生贄になってたらしいけど、それってガタノトーアを崇拝する教団がやってた生贄の儀式で、生贄として捧げる12人の若い戦士と12人の娘の数と一致するんだよね。で、その儀式はヤディス=ゴー山の麓に近い大理石造りの神殿にある燃え上がる祭壇で行われていたらしいんだけど、アビス・コンダクターの人達はホノルルの兵器開発研究所を燃やす事で、燃え上がる祭壇の代わりにして儀式を行ったんだと思うんだ」
「まあそれが正式な召喚法ではなかった為、我の前に出現した召喚用魔法陣は歪な物となり、それを見たクタニド殿に警戒されてこの様な結果になったのだがなっ!!」
それから翔が己の推論を述べ、それに続く様にしてガタノトーアがこの様な事を言ったところで、お留守番組は召喚に関してこれ以上警戒する必要が無いと知ると、皆揃って安堵の息を吐くのであった
その後、お留守番組がガタノトーアに乗って戦場に出る覚悟を決め、皆がガタノトーアに乗り込んだところで、艦娘達によるガタノトーアへの質問攻めが始まる。そして……
「ガタノチョ……、ガチャノ……、ガタノトーアにもっとレディーらしい素敵な名前を付けるべきだわっ!!!」
質問中ガタノトーアの名前を口にする際何度も噛んだ暁が、不意にそんな提案をしてくるのであった
「我はレディーではないのだが……?」
「その辺はいいのっ!!ガチャニョ……、ガタノトーアって名前が長くて言いにくいのよっ!!!」
「長い点は同意ね……、だからもっと短くて覚えやすい愛称を付けてあげましょうっ!!」
ガタノトーアが軽くツッコミを入れたところで暁がこの様な事を言い、それに雷が賛同した事でガタノトーアに愛称を付ける事となり、皆で話し合った結果……
「それじゃあガタノトーアの愛称は、今の姿であるガタノゾーアからとった『ゾア』って事でいい?」
\は~い!/
ガタノトーアの愛称は、翔が出した案である『ゾア』に決定するのであった
「『ゾア』か……、確かに短くて覚えやすいなっ!!それに他ならぬ翔が考えてくれた愛称だ、後生大事にさせてもらうぞっ!!!そういう訳で我は今日からゾアだっ!!!改めて皆の者、よろしく頼むぞっ!!!」
こうしてガタノトーアの愛称が決まったところで、突如とても人の者とは思えぬほどの大きな叫び声が翔達の耳を打つ
「ああっ!!ガタノトーア様っ!!!遂に我々の声に応え、この地に来て下さったのですねっ!!!さぁ、どうか我々に力をお貸し下さいっ!!!その力を以て、この穢れ切った世界を浄化して下さいませっ!!!」
その叫びを聞いた面々が、驚きながらガタノトーアの方へ視線を向けると……
「どうやら我を召喚しようとした者の声の様だな……」
叫びを聞いたガタノトーア改めゾアは、顔を顰め忌々し気にそう呟く
「その人はああ言ってるけど、ゾアはどうするつもり?」
そんなゾアの様子を見た翔が、ゾアの答えを知っているにも関わらず、この様に尋ねてみたところ
「決まっておる……、っと少々大声を出すので、耳を塞いでおいてもらえるか?」
ゾアは翔に向かってこの様に返答し、自身に乗る者達が全員耳を塞いだ事を確認すると、大きく息を吸いこみ……
「ぅお断りだあああぁぁぁーーーっ!!!!!」
大気を震わせんばかりの咆哮で、先程の叫びに返答するのであった……
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