ただちょっと、特定の場面で射線みたいなのが入るのが気になりますが……
「……っとまあ、後は皆さんがご存じの通りですね……」
海賊団の面々+二航戦+皐月から胴上げされる翔が、そう言って自分の身に何が起こったのかの説明を締め括ると
「は~い、胴上げに参加して頂き誠にありがとうございました~!皆さんお疲れ様でした~!」
戦治郎がこの様な事を言い、今まで胴上げしていた翔をゆっくりと足から降ろし、胴上げに参加していた者達を解散させるのであった
何故この様な事になっていたか……、それは翔の話を聞いた戦治郎が思わずそうしたくなったからである
まあ戦治郎が翔を胴上げしたくなるのは仕方が無い事である、翔は戦治郎達が与り知らないところで世界の滅亡を未然に防ぎ、アビス・コンダクターの切り札をそっくりそのままこちらの味方に引き入れた挙句、桂島の艦娘達の救出の段取を整え、転生個体に関する真実と真の黒幕の情報を持ち帰って来たのである。戦治郎はそんな英雄染みた事をやってのけた翔を、労わずにはいられなかったのである。因みに、二航戦と皐月が胴上げに参加していたのは、ただ単純に面白そうだったからと言うのが理由である
特にこの件で戦治郎が一番喜んだのは、何と言っても桂島の艦娘達に関する点である。戦治郎は春雨から人質と言う単語を聞いた時、自分達が桂島を襲撃した際艦娘達を人質に取られ、こちらが思う様に動けなくなるのではないかと懸念したのである。戦治郎はこの点に関して非常に頭を悩ませていたのだが、それを翔が戦治郎の想像の遥か斜め上を光速で突き抜けていく様な方法で、解決しようとしているのである。故に戦治郎は翔から話を聞いた直後、感極まってこの様な行動に走るのであった
因みに、翔の話を聞いた桂島の艦娘達は、信じられないとばかりに目を丸くする者や、あの地獄から解放されるかもしれないと思い、思わず涙を流す者が続出するのだった
「取り敢えずだ、翔のおかげで今回の件の一番の問題点がどうにかなりそうだが……」
「問題点はそこだけではないからな……」
翔の胴上げを終え席に戻った戦治郎がそう言ったところで、戦治郎の言葉に続く様にして長門が話を始める
長門が言う問題点とは、先ずは大本営にいると言う通信士の事、そして鳳翔が佐世保駅近くまでどうやって行くかについてである
通信士については、もし野放しにしようものならば桂島の提督を通報した際、その内容を改竄したり通報そのものを握り潰されてしまう可能性があるだけでなく、桂島が襲撃された事を察知するなり通信士の権限を使い、事情を知らない日本中の艦娘達を桂島に嗾ける可能性まであるのである
次に鳳翔が佐世保駅近くまでどうやって向かうかについてだが……
「これってワープの魔法とやらで何とかならないの?」
話を聞いた陽炎が、挙手しながらこの様な発言をしたところ……
「ワープの魔法は神話生物でも、連続使用が出来ないくらい消耗が激しい魔法なんだ……。多分クタニドさんは桂島へのワープの為に、魔力を温存しておきたいと思うんだよね……」
「ワープは時間と空間、それと物理法則を一切無視する魔法だからな……。こんな魔法をホイホイ使えるのは、我々以上に桁外れな力を持つ外なる神連中くらいなのだ……」
陽炎の発言を聞いた翔が顔を顰めながら答え、それに続く様にしてゾアがガックリと肩を落としながら発言する。どうやらゾアは、自身の発言で外なる神であるニャルラトホテプの事と、その力の差に気付かず挑みかかって瞬殺された事を思い出して、気落ちしてしまったのである
「って事は……、鳳翔さン達は病院を抜け出した後、歩くなり走るなりして佐世保駅付近まで行かなくちゃなンないのか?」
「それは危険だね……、もしかしたら桂島の提督が、鳳翔さんを取り戻す為に刺客を送りこんで来る可能性がある……」
「でも刺客に関しては、クタニドさんって言う物凄く強い人が付いてくれてるから、どうにかなりそうっぽい?」
翔達の話を聞いた白露型の3人が、思い思いの言葉を口にする。すると彼女達の言葉を聞いた翔は、苦笑しながらこう答えるのであった
「確かにクタニドさんなら大丈夫そうなんだけど……、問題はクティーラちゃんかな……?」
「クティーラは所謂ドジっ子と言う奴だからな……、もしかしたら加減を間違えて刺客を殺害しかねんのだ……」
「出来れば殺しは勘弁願いたいな……、俺達が関わってる事でこの世界の人間を殺す様な真似はしたくないところなんだわ……。もしこの世界の人間を俺達が殺しちまったら、俺達はそこらの転生個体と何ら変わらん存在になりかねねぇからな……。あっこれは桂島の提督にも適用すっから、おめぇらも覚えとけよ?お仕置き中にウッカリ殺っちゃった☆とか無しにしてくれよ?」
\応っ!!!/
翔の言葉にゾアがこの様に続いたところで、戦治郎が渋い顔をしながらこの様な事を言い、それを聞いたこの場にいる面々は力強く了承の返事をするのであった
その後戦治郎達がこの2点をどうするかについて話し合ったところ、通信士については大本営直属である横須賀鎮守府所属の長門達が、戦治郎達より先に帰還し探りを入れる方向で話が決まる。そして鳳翔の件については……
「それなら私に任せてもらえないかしら?」
輝の隣で無表情だが嬉しそうなオーラを出しながらサイドテールをピコピコさせていた加賀が、不意にこの様に発言して来るのであった
「何か良い手があんのか?」
「策と言う様なものではないわ、鳳翔さんの移動に私の車を使えばいい、そうしたら普通に走るより早く目的地に到着出来るし、追手を振り切れるかもしれない、そう思っただけよ」
加賀の発言を聞いた戦治郎が加賀に向かってそう尋ねたところ、加賀は無表情のままそう返答するのであった
「そう言えば加賀さん、佐世保に着任してからすぐカッコイイ車買ってたねっ!!!」
「確かにあの車なら、そこらの車には簡単に追いつかれる事はないだろうな……」
その直後、加賀の発言を聞いた皐月が声を上げ、それに長月が皐月に続く様にして発言し……
「その車について、詳しく聞かせてもらえるかな?」「加賀さんの車……、何て奴なんです……?」「加賀さんはどの様な御車に乗っていらっしゃるのですか……?」
皐月と長月の発言を聞いた車好きの光太郎と原動機の専門家であるシゲ、それと何故か扶桑が反応し、同時に加賀に車について尋ねるのであった。それに対して加賀は
「スバルの青いWRX STIよ」
自身の愛車の名前を告げ、車の事を尋ねて来た3人どころか戦治郎と空まで納得させてしまうのであった。これにより、鳳翔の件は加賀に任せる事が決定するのであった
こうして問題点の解決法が決まり、戦治郎達は各自早速行動を開始する。長門達大本営組はどの通信士が問題の通信士であるかを探る為に、戦治郎達より先に大本営へ帰還し、加賀達佐世保組は鳳翔を病院から連れ出す為の準備の為に長門達と共に帰還、大和達桂島組はこのまま帰っては提督から何をされるか分からない為、戦治郎達に同行する事となり、戦治郎達はサラ達の研究所の復旧を手伝った後、打倒桂島提督の為に桂島へ向かうのであった
戦治郎達がこうして行動を開始した頃、戦治郎達が知らないところで動く者達の影があった……。ある者は執念に突き動かされ、ある者は戦治郎達の行動を遠巻きに見て嘲笑い、ある者は己の欲望の為に行動を開始する……
そうとも知らず、戦治郎達は研究所を復旧させる為に、ミッドウェー島を出てホノルルへと向かうのであった
桂島提督に対してのお仕置きに関するアンケートは、これにて〆とさせて頂きます
沢山の意見、ありがとうございました