※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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ちょっと予定を変更して、過去編5章の始まりです

2018/10/19 本文に加筆しました


桂島解放戦と横須賀の乱編
桂島泊地解放の為に ~横須賀編~


「……大和が大破、矢矧と初霜が中破、大鳳が小破しながらも、目的であるミッドウェー島の飛行場姫の拠点を陥落させる事に成功した、か……」

 

「その通りだ、それで大和達は飛行場姫に長らく悩まされ続けていたアメリカ軍の厚意の下、現在ホノルルにあるアメリカ軍の拠点で艤装の修理と身体の治療を施してもらっている」

 

「確かあちらさんのとこにも妖精さんはいるんだったか……、なら問題なく艤装の修理は出来そうだな」

 

戦治郎達と別れ横須賀鎮守府に帰還した長門達は、艤装を工廠に保管した後その場で1度解散、長門と日向は今回の作戦の報告の為に元帥の執務室に向かい、飛龍達は疲れを癒す為に入渠施設へと向かったのであった

 

そうして元帥の下へ向かった長門達が元帥に今回の作戦の報告を行ったところ、報告を聞いた元帥が長門達の言葉を反芻する様に呟き、それを聞いた長門が補足する様にそう言うと、今度は元帥の隣に立っていた燎が、思った事を口にするのであった

 

さて、元ショートランド泊地の提督であった燎が、何故この場にいるのかについてだが、燎はヌ級の件が終わった後報告の為大本営に向かったところ、ヌ級を倒し南方海域を解放した事を評価されて中将に昇進、そしてそのまま元帥の補佐に抜擢されたのである。尚、元帥が燎を自身の補佐官にした理由は、破天荒な事ばかりする戦治郎達が原因で発生する精神的負担を、戦治郎達の事を知る燎にも一部背負ってもらおうと言うものだったりする

 

「以上で報告は終わりだが……、他に何か聞きたい事はあるか?」

 

「いや、特に無いな……」

 

「うっし、んじゃ長門と日向は今から入渠して、疲れを取ってこい」

 

その後報告を終えた長門が2人に向かって質問が無いか尋ねたところ、元帥はこの様に答え、それを聞いた燎が長門達にそう指示し、長門達は元帥達に敬礼した後執務室を後にするのであった

 

「……」

 

「……」

 

こうして長門達が執務室去った後、元帥達は揃ってしばらくの間沈黙する……

 

「すみません、煙草吸ってきます」

 

それからある程度時間が経ったところで、不意に燎がこの様な事を言い、それを聞いた元帥は無言で首を縦に振って燎に了承の意を伝える。そうしてそれを確認して執務室を後にした燎は、喫煙所で煙草を1本吸った後、ある場所に足を向けるのであった……

 

その途中、燎は入渠施設を出た長門達と合流し、目的地である工廠の中へと入り、工廠の中で忙しなく作業をしていた明石の内の1人に声を掛け、その明石と共に工廠の隅に作られた彼女の私室に入る

 

こうして通された明石の部屋には既に何人かの艦娘が来ており、彼女達は燎の姿を確認すると、すぐさま燎に向けて敬礼するのだが……

 

「OK、楽にしていいぞ」

 

そんな彼女達の姿を見るなり、燎はすぐにそう言って敬礼を止めさせ、部屋の中に敷かれた畳の上にドカリと座り込むと、この場に集まっている艦娘達の顔を確認する様に、視線を巡らせるのであった

 

この明石の部屋に集まっている艦娘の数は、長門、飛龍、蒼龍、利根、妙高、綾波、吹雪、白雪、深雪、初雪、磯波、神風、伊勢、明石、日向、翔鶴の計16名、そう、彼女達は全員戦治郎達と関りがある艦娘なのである。彼女達は入渠を終えた飛龍達に声を掛けられ、この場に集まったのだ

 

因みにこの場に雲龍、天城、羽黒、由良、球磨、菊月、三日月計7名がいない理由についてだが、雲龍、天城、羽黒、由良の4名はミッドウェー攻略作戦の時、アビス・コンダクターによってゾアの召喚に使う生贄にされてしまった舞鶴鎮守府の主力部隊の代わりとして舞鶴鎮守府に着任し、残りの球磨達3名は現在遠征の為に鎮守府を離れているからである

 

「無茶を言って済まないな明石、どうしてもいい場所が此処しか無くてな……」

 

燎が関係者が全員いる事を確認したところで、不意に長門が明石に向かって申し訳無さそうに詫びを入れ

 

「いえいえ、寧ろ私の方こそ済みません、こんな狭い部屋にしちゃって……」

 

それを聞いた明石が、即座に苦笑しながらそう返すのであった。明石が言う通りこの部屋は狭く、集まった艦娘の半分くらいは人が多過ぎる為座る事が出来ず、立ったままとなっていたりするのである。因みにこの部屋に住んでいるのは、元アムステルダム泊地の明石で、それ以外の明石の艦娘は補助艦艇艦娘用の艦娘寮で寝泊りしていたりする

 

何故彼女がこの様なところで寝泊りしているかについては、翔鶴から空が工廠に部屋を作って寝泊りしていた話を聞いた彼女が、空にあやかろうと思って元帥達から許可を取って真似たからである。その際部屋の間取りも翔鶴から聞いた空の部屋と同じ物にしてしまった為、彼女の部屋は寮の部屋よりやや狭くなっていたりする

 

それはそうと、何故この明石の部屋に皆が集まっているのか?それは明石が話をしている最中に、長門と日向が懐から取り出したリモコンの様な装置が関係しているからである

 

「まさか鎮守府の敷地に入った途端、護が作った盗聴器発見機が反応するとは……」

 

「こちらの盗撮用カメラ探知機も、同じくらいのタイミングで反応したぞ……」

 

「まさか元帥の執務室に、盗聴器やらカメラやら仕掛ける馬鹿がいるとはなぁ……。つか、護の奴すんげぇモン作ってんな……」

 

そう、彼女達は横須賀に戻る前に、護からこれらの装置を渡されていたのである

 

「もしかしたら、その通信士が盗聴器やら盗撮用カメラとか仕掛けて、それによって集まった情報を桂島の提督に流してる可能性があるかもッスからね、用心の為に持ってって欲しいッス。ああ、もし反応があったら振動で知らせる様になってるッスから、装置は肌身離さず持ってて欲しいところッス」

 

護のこの言葉の後、長門が盗聴器発見機を、日向がカメラ探知機を受け取り、起動したまま横須賀に帰還したところ、先程長門が言った通り横須賀鎮守府の敷地に入るなりこれらの装置が反応し、その反応が執務室に近付けば近付くほど大きくなる事から、長門達は執務室に各種装置が取り付けられている事を確信したのである

 

その後、執務室に入る前に日向がカメラ探知機に付けられたもう1つの機能、盗撮カメラが撮影した映像を砂嵐映像に置き換える機能を起動させてカメラを潰し、その間に長門が手書きでメモを書いて、元帥達に会話が盗聴されている事を伝えるのであった。因みに、盗聴器の欺瞞については護が元帥の声を知らない為、元帥そっくりの偽の音声を作れなかったと言う点と、盗聴器とカメラが同時にノイズを吐き出す様になるのは、流石に不自然過ぎて通信士に盗聴と盗撮がバレているのでは?と思わせてしまう可能性があった為、敢えて護がその機能を付けなかったのだ

 

こうして長門達は元帥達にメモで予め嘘を言う事を伝えてから、執務室では嘘の報告を行い、本当の報告は入渠前に長門が明石に頼んで貸してもらったこの部屋で行う事となったのである。そして長門が明石の部屋を借りたところで、日向が燎に長門屋製通信機で連絡を入れ、本当の報告を行う場所を燎に伝えたのであった。因みに元帥には後から燎が本当の報告を伝える手筈になっている

 

「よっし、んじゃ長門、報告頼む。ここなら多分盗聴や盗撮の心配はないだろうからな」

 

「当たり前ですっ!工廠は基本関係者以外立ち入り禁止になっていますし、何よりそう言った類の品がこの部屋に仕掛けられてたら、毎日チェックしてる私がすぐに気付きますからねっ!」

 

その後、燎が長門に本当の報告を行う様に促し、長門が発言する前に燎の言葉に反応した明石がこの様な事を言い、長門は明石の発言の後に、燎に本当の報告を始めるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長門達がこうして工廠に集まって、話し合いをしている頃……

 

「……ふぅん……、そんな事になってたんだ……」

 

艦娘寮の自室でスマホを耳に当てた艦娘が、思わずそう呟く……

 

「これは……、彼に声を掛けた方がいいかしら……?」

 

彼女はそう呟くとスマホの通話を切って、何処かに電話をかけ始める……

 

「ちょっといいかしら?貴方にお願いがあるんだけど……」

 

彼女はそう言うと、電話の先の相手にあるお願いをするのであった……

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