「よしっ!ダゴン達のおかげですんなり侵入出来たなっ!」
泊地の本庁の中に入ったところで、クタニドがこの様な言葉を口にする
「ダゴンさん達を囮にした上で、徹底的に隠密性を上げた状態で侵入に失敗しましたとかなったら、笑い話にするか高雄さん達の感知能力に驚愕するしかないと思うんですけど……?」
クタニドのその言葉を聞いたヴォルヴァドスが、苦笑しながらそう言ったところ、クタニドは顔を顰めながら無言でヴォルヴァドスの頭を叩く
さて、クタニド達がどうやって本庁に侵入したのかについてだが、先ずクタニドがワープした際泊地が面している海の上空に自分達が出現する様に設定し、自分達が乗っているダゴン達が海面に着水するまでの間に、本庁に侵入するメンバー全員に消音と気配消しと姿を消す魔法をかけ、ダゴン達が着水した際に発生した音を聞いて集まって来た艦娘達を引き付けている間に、どさくさに紛れて本庁に侵入したのである
因みにこの姿を消す魔法だが、この魔法の恩恵を受けている者同士には、お互いの姿がハッキリと見える様になっている。これについて長月が都合が良過ぎると言ったところ……
「私達や翔が使うのは、魔術ではなく魔法だからな。魔の
クタニドは魔法について、この様に説明するのであった
「よく分からん……」
「つまり魔法とは、自分にとって都合がいい道理や法則を自由に生み出せるものなのね……。貴方達が神と呼ばれている理由が分かった気がするわ……」
クタニドの言葉を聞いた無免許の長月がそう呟いた直後、車の免許を持つ加賀が冷や汗を一筋垂らしながら、この様な言葉を口にするのであった
「あの……、クタニドさん……?取り敢えず本庁に入ったのですが……、これからどうするのですか?」
クタニド達がやり取りを終えたところで、おずおずとした様子で鳳翔がクタニドにこれから先の事を尋ねたところ
「それなんだが、ちょっと私に考えがあってな……。鳳翔、ここの提督が今いそうな場所について、心当たりはないか?」
クタニドはニシシと笑いながら、鳳翔に向かってこの様な事を尋ねるのであった。その言葉を聞いた鳳翔は、怪訝そうな顔をしながらクタニド達を執務室へと案内するのであった
「提督は泊地の外に家を建てているので、勤務時間内なら執務室にいるのではないかと思います」
「食事などの為に移動する可能性は?」
「それは無いですね、私達に食事を執務室に持って来る様に命令する様な方なので……」
「……トイレは?」
「執務室からでも行ける専用のトイレを設置してますね……」
「引き籠りですかね……?」
「特定の人物以外とは関わり合いになりたくないのだと思います……」
執務室に向かう道中、案内する鳳翔に向かってクタニド達が思い思いに疑問を口にし、鳳翔がそれらに対して回答したところ、回答を聞いたクタニド達はただただその表情を引き攣らせる。そしてクタニド達がこの様な事をしている間に、一行は執務室の扉の前に辿り着くのであった
「ここに何しに来たんだ?」
「何、ちょっとな……」
長月が怪訝な表情を浮かべながらクタニドに尋ねたところ、クタニドは短くそう言った後にすぐに詠唱を開始、その直後に執務室の扉に光の線で描かれた魔法陣が浮かび上がるのだが、それは間もなくして消えてしまうのであった……
「これでよし……」
「クタニドさん、一体何やったの?」
詠唱を終えたクタニドに対して、皐月が不思議そうな顔をしながら尋ねたところ
「いや何、私の魔法を使って提督をこの部屋に閉じ込めただけだ。これで提督は外から誰かに扉や窓を開けてもらわない限り、この部屋から出る事が出来なくなったぞ。ついでに、外からの音を完全シャットアウトする魔法もかけておいてやったわ」
クタニドはニヤニヤしながら、この様に返答するのであった
その後、クタニド達はこの場を後にして、次の目的地に向かって足を運ぶ。その目的地と言うのが、提督に逆らったり提督の怒りを買う様な真似をした艦娘を閉じ込める為に、提督の独断で泊地の地下に作られた牢獄である
彼女達がこの場所に向かう理由だが、そこに閉じ込められているであろう龍田を助け出す為である。鳳翔が言うところによると天龍達が死地に向かわされた後、天龍と親しかった龍田が怒りの余り艤装の一部である薙刀で、提督に斬りかかったのだとか……
「その時提督は、秘書艦の大和ちゃんに龍田さんを止める様に命じ、私のせいで提督に逆らえない大和ちゃんはその言葉に従って龍田さんを拘束、直後に執務室にやって来た憲兵さん達が龍田さんを連行して行ったそうなんです……」
「そうして龍田さんが連れて行かれたのが、ここの地下牢と……。でも何で鳳翔さんはその場所をご存じなんです?」
鳳翔の言葉を聞いたヴォルヴァドスが疑問を口にしたところ、鳳翔は暗い表情を浮かべながら俯いてしまう……。その刹那、事情を察したクタニドが、ヴォルヴァドスの後頭部に見事なエルボーバットを叩き込んで、ヴォルヴァドスを沈黙させるのであった
そうこうしている間に一行は地下牢への入口に辿り着き、扉を開いてコンクリート製の階段を下り、その先にあった重厚な鉄の扉を更に開いて中の様子を窺ったところ……
「人の気配が1つ……、恐らく先程言っていた龍田とやらだろうな……」
人の気配を感じ取ったクタニドが、静かにそう呟くのであった
その後一行はクタニドの感覚を頼りに、龍田が捕まっているであろう牢屋を探し……
「おぉぅ……」
「これは……、酷いですね……」
ようやく目当ての牢屋を発見したクタニドとヴォルヴァドスが、中の様子を目の当たりにするなり顔を歪め、この様な言葉を呟く……
「加賀さん、何で急に僕達の頭を抱き込むの?これじゃあ中の様子が見れないじゃないか~!」
「察しろ皐月……」
「そうね、長月が言う通りここは察して欲しいところね……」
クタニド達の下へ遅れてやって来た加賀が、中の様子を確認した直後に即座に長月と皐月の顔を自身の方へ向けさせてから抱き寄せ、皐月達に中の様子を見させない様にする
「え~……、私もダメなの~……?」
「ごめんなさいねクティーラちゃん……、こればかりはクティーラちゃんに見せる訳にはいかないんです……」
この様な不平を漏らすクティーラも、鳳翔の手によって中の様子を見る事が出来ない様にする為に、目隠しをされるのであった
この様なやり取りを交わす一行が見たもの、それは一糸纏わぬ姿で天井から吊るされた手枷で拘束され、全身を白濁の液体で濡らした上に、股間と肛門から同じ様な液体を滴らせる虚ろな目をした龍田の姿であった……
そんな彼女の足元には大量の注射器とアンプル剤の空き瓶が転がっており、それらと龍田の腕に残った幾つもの注射痕を目の当たりにしたクタニド達は、これらが全て彼女に対して使われた物だと推測するのであった……
「……外道共が……っ!」
何処かから取り出した手袋を装着し、拾った空き瓶を観察していたクタニドが、顔を顰めながら思わずそう呟く。何事かと思ったヴォルヴァドスが、クタニドの背後から覗き込む様にして空き瓶のラベルを確認すると……
「これって……、確か人間の間では覚醒剤として扱われている奴じゃ……っ!?」
驚きの余りに目を見開きながら、思わずそう口走ってしまう。ヴォルヴァドスのこの言葉を聞いた皐月は、1度ビクリと身体を震わせたところで、ようやく加賀が自分達に目隠しを施した理由に気付くのであった
その後、加賀が龍田の拘束を外しにかかり、鳳翔が徹底的に穢されてしまった彼女の身体を拭い始め、クタニドは丸裸にされてしまっている龍田に着せる服を作り始める。と、その時だ
「あんなクッソでっけぇの、俺達じゃどうしようもねぇっての……」
「ここは天下の艦娘様達にお任せして、俺達は事が終わるまで楽しんでますか~」
「んじゃ早速ヤる順番決めるか~、じゃんけんでいいよな?」
「くじならここにあるぜ?」
「それ、絶対細工してんだろ……」
階段の方から5人の男達の声が聞こえて来る……、奴等はどうやらここの憲兵達の様で、ダゴン達の事を無視して龍田を弄びに来た様である……
奴等の声を聞いた直後、ヴォルヴァドス、長月、皐月、クティーラの2人と2柱が、龍田がいる牢を背にして戦闘態勢に入るのであった……