空、輝、剛、シゲ、通、司の6人が、二手に分かれて暴走する戦治郎をそれぞれ迂回して桂島泊地を目指したところ、案の定道中でクローン大和達が空達に向かって攻撃を仕掛けて来るのだが、それは空達にとっては大した障害にはならなかった
言うのも、空達に攻撃を仕掛けて来るクローン大和は1つの群れの内の1/5程度、群れの外側のクローン大和達だけが空達に対して攻撃を仕掛けて来る程度だったのである
残りのクローン大和達は、恐らく提督が指示したであろう鳳翔の始末を優先し、空達を無視して鳳翔達の方へと向かおうとしているのだ
そう、向かおうとしているのだ……
「……っ!?来るぞっ!!!」
クローン大和達の攻撃を掻い潜る空が何かを感じ取るなりそう叫ぶと、空と剛と輝がさっきから後ろに展開されっぱなしの輝の艤装の後ろに隠れ、司は巨大な水の壁を後方に展開しシゲと通と共にその後ろへと退避する。と、その直後である
「―――――――――――――――!!!!!」
後方から戦治郎の咆哮と共に衝撃波が飛んで来て、輝の艤装と司の水の壁に物凄い勢いで激突する
「ぐうううぅぅぅっ!!?」
「大丈夫か輝っ!?」
「何のこれしきぃっ!!!」
衝撃波が輝の艤装に直撃した瞬間思わず輝が呻き声を上げ、輝の身を案じた空が輝に対して声をかけたところ、衝撃波に耐えきった輝は不敵に笑いながらこの様に返答するのであった
因みに、この衝撃波の直撃を受けたクローン大和達は、衝撃波のダメージのせいで気絶してしまった挙句、艤装を瞬く間の内にスクラップに変えられてしまい、暗い夜の海の中へと静かに沈んで逝くのであった……
そんな輝の様子を見て、空が安堵の息を吐いたその刹那……
「あちょっ!!!ヤバイヤバイヤバイッ!!!」
「頑張れ頑張れ頑張れ出来る出来る出来るお前なら行けるって頑張れってっ!!!諦めんなよっ!!!もっと熱くなれよ司ぁっ!!!ネヴァーギブアーーーップッ!!!」
「司っ!!何とか凌ぎ切って下さいっ!!!」
司達がいる方角から、3人の切羽詰まったやり取りが聞こえて来る。いや……、よく耳を澄ませると、その声に混ざって途轍もない数の爆発音が聞こえて来る……
どうやら司達の方には、戦治郎が放ったであろうヨイチさんの流れ弾が、嵐の様に叩きつけられているのであろう……
そう、今の空達にとっての最大の障害は、クローン大和達ではなくクローン大和達と戦う戦治郎の攻撃による余波や流れ弾の方なのである
特に恐ろしいのはヨイチさんの流れ弾で、どうやらヨイチさんも戦治郎の強化の影響を受け、火力だけでなく弾速と連射性、射程までもが強化されている様なのである。実際、この強化されたヨイチさんの砲撃を1発モロに受けたクローン大和が、跡形もなく吹き飛んでいたりするのである……
「こうなったらっ!!!」
不意に空達の反対側にいるシゲがそう叫んだ瞬間、シゲ達がいるであろう場所から突如大きな火柱が上がり、その炎の位置から連続した爆発音が聞こえて来る
「そう言う事出来るならさっさとやれよクソ馬鹿シゲッ!!!」
「うるせーっ!!!今さっき思いついたとこなんだよクソッタレッ!!!」
「2人共落ち着いて下さいっ!!こんなところで喧嘩しないで下さいっ!!!」
そんな中炎の位置から少し離れた場所から、司とシゲの言い争いと2人を仲裁する通の声が聞こえて来る。どうやらシゲが司の水の壁の前に火柱を発生させ、火柱の熱を利用してヨイチさんの砲弾を誘爆させる事で、砲弾の嵐を耐え凌いで見せた様である
「喧嘩している暇があったら、一刻も早く泊地に向かうべきだろうっ!!!!!」
「「ウィッスッ!!!」」
「すみません空さんっ!!!ありがとうございますっ!!!」
そんな3人のやり取りを聞いていた空が苛立たし気にそう叫んだところ、喧嘩していた2人はすぐさま返事を返して言い争いを止め、2人の仲裁をしていた通は2人の言い争いを止めた空に向かって感謝の言葉を叫ぶのであった
こうして空達は主に戦治郎の攻撃を掻い潜って何とか泊地付近まで近付くのだが、ここに来てクローン大和達から予想外の攻撃を受けるのであった
「頭上から何か来てるわっ!!これは……、艦載機……じゃないわね……っ!?」
剛の言葉を耳にした全員が即座に上空に視線を向けると、そこには夥しい数のミサイルが飛んでおり、それらは空達目掛けて一直線に飛んで来るのであった
「うっそだろお前っ!!!護がいる訳でもあんめぇし、何でミサイルが飛んでくんだよっ!??」
ミサイルの群れを目の当たりにした輝が思わず叫び、剛が急いでミサイルの発射地点を特定しそちらに視線を向けたところ、そこには試製51cm砲の代わりに車載用と思われる大きさのミサイルランチャーを艤装に2基搭載したクローン大和達の姿があった
「こんなものをあれだけ用意してるなんて……、泊地の提督は一体どれだけプロフェッサーに貢いだのかしらね……?」
「そんな事を言ってる場合ではないでしょうっ!!」
その様子を見た剛が思わずそう呟いたところ、通がこの様に返答した直後に竜巻ファイターを使用し、ミサイルの群れを次々と竜巻の中に閉じ込め、ミサイル達は竜巻の中でお互いにぶつかり合い爆発、誘爆を繰り返しその姿を消してしまうのであった
その後空達はミサイルランチャーを装備したクローン大和達に接近戦を仕掛け、あっという間にクローン大和達を始末すると、すぐさま泊地の埠頭に上陸しクローン大和達が発生している場所を見つける為に辺りを見回し、工廠の入口前の穴からクローン大和達が出て来ている事を確認すると、すぐさまそちらに向かって駆け出していくのであった
因みに、クローン大和達を始末する際、剛がクローン大和の内の1人から艤装に取り付けられていた24連装マルチプルミサイルランチャー『
そんな空達の存在に気付いたクローン大和達が、一斉に空達の方へとテュポーンを向けるのだが……
「わっほーいっ!!!」
底抜けに陽気な掛け声と共に、司が海から持って来た巨大な水塊をクローン大和達に真上から叩きつけ、表に出ているクローン大和達を全て押し潰す。そしてその様子を見ていた穴の中のクローン大和達が、スロープ状になっている穴の中で立ち止まって空達を迎え撃とうとしたところで……
「駄目でしょ~?通路で立ち止まっちゃ~♪」
この様な事を言いながら、剛が先程入手したばかりのテュポーンを使用して穴の中のクローン大和達を一掃してしまう
「空っ!!目当てのブツがある場所が分かったぞっ!!!」
その直後に建物内部を把握した輝が叫び、空達にクローン製造機の在り処までの道を伝え、それを聞いた空、シゲ、通の3人は……
「「「そこをどけえええぇぇぇーーーっ!!!」」」
その叫びと共に、空とシゲは【真・アルフェニックス】を、通は科学忍法火の鳥を使用しながら中へ突撃を仕掛け、3人は3羽の炎の鳥となって通路上にいるクローン大和達を悉く焼き払いながら、目的地を目指して通路内を飛翔するのであった
その後、3人は同時に目的地の扉を突き破って中に侵入し、中の様子を見て思わず驚愕する……
その部屋は途轍もなく広大で、中にはSFものでよく見るカプセルの様なものが大量に並び、そのカプセルの中には先程空達が山ほど倒して来たクローン大和や、胎児の様なものが入っていた……
「これは本当に悪趣味ね……」
「こんなんテレビや漫画の中だけにしてくれよ……、冗談抜きで気持ち悪ぃっての……」
遅れてやって来た剛達が、部屋の中の様子を見るなり顔を顰めながらそう呟き
「これって胎児だったりしちゃったりしません?もしかしてこれが成長したら大和さんになっちゃったりしちゃったりしちゃうんです?」
カプセルの中の胎児を見ていた司がそう言った直後、突然カプセルの中に緑色の薬液が注入され、カプセルの中の胎児はみるみる内に成長していき、胎児はやがて大和の姿となるのであった……
「おう司、大当たりじゃねぇか」
「嬉しくねぇ……」
「この薬液は一体何なのでしょう……?」
その様子を見ていたシゲと司がこの様な会話を交わし、その傍らで通が薬液について疑問を抱いたところで……
「薬液の正体は、こいつの様だ……」
空がこの様な事を口にしながら、その手に持った空になったバケツを通達に向かって掲げて見せる。そんな空の足元には同じ様に空になったバケツが転がり、空の傍には高速修復材で中身を満たされた大きなタンクの様なものが存在し、それから伸びるパイプは全てカプセルに繋がっていたのであった……
「OK、悟さんが頑なにバケツ使わせてくれない理由が今よ~く分かったわ……、こんなん絶対身体に悪いだろ……」
「悟は老化が進むとか言ってやがったが……、こりゃそんなレベルの話じゃねぇぞ……」
こうして空達はバケツの危険性を再確認した後、片っ端からこの部屋に存在する機械類を破壊して回り、それが終わったところで今度はこの場所に関わる書類などを、提督を法廷の場に突き出した時に使用する証拠にする為にかき集め始めるのであった