※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

37 / 655
艦娘達の二つ名は大体MHFのモンスター50匹討伐記念称号から来てます


葬儀と掃除と送迎

ここの代表だったフラタの首とあまつんの艤装を持って防衛チームがいる浜辺へ向かってみれば、あまつんは意識を取り戻して摩耶達と話をしていたようだ、俺達が近づいて来るのに気づいた摩耶達と一緒にこちらへ顔を向けるなり顔を引き攣らせる、多分フラタの首のせいだと思いたい

 

「ようやく戻って来たな、その手に持ってるのは……?」

 

「出迎えあんがとうな、これがこの拠点の代表だったフラタの首だ、皆に分かり易く伝えるんだったらこれあった方がいいだろ?」

 

「って事はここの拠点を手に入れたって事だなっ! ははっやったな旦那っ!」

 

手に持っている首について尋ねてくる木曾に答えてやれば、隣で聞いてた摩耶が歓喜の声を上げる、それを聞いて体中砂だらけになっている護達も集まってくる、おめぇら俺達が必死こいて戦ってる間砂浜で棒倒しして遊んでやがったな……、それっぽい跡がそこら中にあるからすっげぇ分かり易い

 

「おかえりなさいご主人様! 拠点制圧お疲れ様! こっちは救援部隊が来るかと思ってたけど全然来なくってちょっと拍子抜けだったよ……」

 

「ねんがんの きょてんをてにいれたぞ! いや~やっとしっかりした寝床とトイレが確保出来たッスね~……」

 

労いと報告サンキュー太郎丸、そして護の発言についてはホント苦労かけてごめんな……

 

拠点カッコカリのときは寝床は初日は砂浜で雑魚寝、2日目は小屋の中に鮨詰めととてもじゃないが気持ちよく眠れる環境じゃなかったし、トイレに至っては砂浜に穴掘ってそこに出すとか犬みてぇな事やってたからな~……、1度シゲが海の中でやったがそれはもう大惨事になってしまったかんな~……

 

「貴女があまつんちゃんかしら? これとこの子は貴女の物でいいかしら?」

 

俺達が拠点制圧成功の喜びを分かち合っている中、剛さんがあまつんに艤装と連装砲くんを渡していた、連装砲くんも持ち主との再会を喜んでいるのかあまつんを見るなりすぐに飛びついていた

 

「あまつんちゃんって……、私には天津風ってちゃんとした名前があるんだから! 全く……それはそうと連装砲くんと艤装の事はありがとう……えっと……「剛よん♪」剛さん、次からは普通に呼んでちょうだい、いいわね?」

 

少々高圧的な態度だが剛さんにお礼を言うあまつん、は~い♪といった具合にあまつんの態度を気にも留めずに返事する剛さん、これが大人の男の余裕って奴なんかねぇ……

 

「さって、感動を分かち合うのもいいがそろそろいつもの奴始めるとすっか、全員集まれ~、いつものやんぞ~」

 

拠点も手に入れたし、これから先の事を話し合って決めねぇとなぁ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第4回長門屋波打ち際会議~」

 

\うぇーい!/

 

「え? え? 何? 何が始まるの?」

 

今回は皆テンション高めだなおい、まあ念願の立派な拠点手に入ったから嬉しくもなるよな~、それはそうと戸惑うあまつんか~わゆ~い

 

さて、潜入チームとあまつんの自己紹介から始まる今回の会議だがまず最初に決めるべき事として拠点内部及び敷地内の掃除を分担してやるときの班決めである、俺達が盛大に暴れたもんだから拠点の中は死骸がゴロゴロ血肉でベチョベチョ壁も床も天井もボッコボコだからな、死骸とかそのまんまにして拠点使いたくないでござる、綺麗な拠点を使いたいでござる

 

それと一緒に輝が手に入れたという建物の内部構造を把握する能力、これが太郎丸と翔も使えないだろうかと思ったので試してもらう事にする

 

何でこの2人かと言えば、輝、翔、太郎丸はそれぞれ中間、パクチー、ほっぽと陸上型という共通点があるのでもしかしたらと思ったのだ

 

次に妖精さん達の送迎である、妖精さん達が住んでいた島は深海棲艦の攻撃でボロボロになってしまっている為早急に戻って復興させたいとの事、ただ戻っているとこをまた襲撃されたら元の木阿弥なので俺達が送っていく事になった

 

「よし、決めるべき事は粗方決まったな……、じゃあ行動開始する前にだ……」

 

俺はそう言って例の遺体の事を話し始める、防衛チームのメンバーにはしっかりと伝わっていたから主にあまつんに説明する意味でやってるんだが、あまつんがものっそいショック受けてるのが目に見えて分かるわぁ……、だからこの話は最後に持って来たわけなんだが、ホントこの表情は見てるこっちが堪えるわ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがその現場だが……大丈夫か?」

 

俺達は今、全員で件の遺体があるところにいる、この子達を弔う為に今から遺体を回収するのだがそれにあまつんが同行すると言って付いてきたのだ、本当は浜辺で待っていてもらおうと思っていたのだがどうしてもその子達の最後の姿を、どの様にして殺されたのかを見ておきたいと言ってくるのだ、あまつんにとってこの子達は家族同然なのだから気持ちは分かるんだが……

 

「うっぐぅっ……!」

 

やっぱり吐くよなぁ……、これホントショッキングな映像だからなぁ……、とりあえず摩耶と木曾に付き添ってもらっておいて俺達はこの子達を下ろしてやらないとだな……

 

「よっしじゃあ何人か遺体の下に回っt「ふんごおおおぉぉぉっ!!!」ちょっ!馬鹿!輝の馬鹿!誰がその樹引っこ抜けっつったよっ!あーあーあーもうっ!ゆっくり角度つけながら下ろしてそうそうそうそう、慎重に慎重に……よっし縄外してやってー!」

 

先走った馬鹿がとんでもない事やらかすトラブルはあったものの無事遺体は回収する事が出来た、尚、馬鹿曰くこの樹で墓標と遺体を焼くとき使う薪を作るとかなんとか……

 

改めて遺体を見るがこれは本当に惨い、傷や欠損の状態を見ると艤装の砲などを使わずサブマシンガンやショットガンといった人間用の武器を使っていたと思われる、正に『玩具にして遊んだ』といった具合だった

 

剛さんが持って来た武器の中にはこの子達の命を奪った物があるかもしれない……、だから捨てろなんて言う事は出来ないがな……、武器そのものに罪は無くそれを使っていた者にこそ罪があり罰せられるべきなのだからな……、まあ容疑者全員俺らが既にぶっ潰してるんだがな!

 

火葬は浜辺で行った、流石に遺体があったとこでやると植物に引火して大火事、延焼して拠点までこんがり焼けるとか大惨事になりかねないからね、シカタナイネ

 

物言わぬ友人達を包む炎を涙を浮かべながら見つめるあまつん、今はそっとしておいてやろう……

 

遺骨が残る様に火加減の調整に翻弄される俺と妖精さん達、そうしないと骨が回収出来なくなっちゃうからなっ! 俺は妖精さん達の知識と技術を手に入れたが故に手伝う事になったわけだが一緒に作業するとホント妖精さん達の凄さを思い知らされる……

 

浜辺に遺骨を埋葬して墓標を立てて無事にあの世に辿り着ける様に祈っていると、急に強い風が吹きあまつんの友人達の遺灰を高く巻き上げ飛ばしてしまった

 

「お願い神様……、この風に乗せてこの子達をどうか日本へ連れて行ってあげて……」

 

あまつんが呟いていた、距離的に行けるかとか方角的にどうかとか無粋な事は言うまい、だって俺も同じ様な事考えちゃったんだもん……

 

「……いい風ね、これならきっとあの子達も日本に帰れるはずだわ、皆、あの子達を弔ってくれて本当にありがとう」

 

そう言って俺達の方に向き直り頭を下げるあまつん、そんなあまつんに当たり前の事をしただけだから気にすんなと言っておいた、自分達の拠点の敷地内に遺体がぶら下げられてるとか最悪過ぎるからな、うん……

 

あまつんの友人達を弔った後は妖精さん達を送ろうとしたんだが、妖精さん達が掃除の手伝いをすると言ってきたので先に拠点とその周辺の掃除をする事になった、妖精さん曰く助けてくれたお礼がしたいからだとか何だとか

 

掃除を開始する前にさっき言っていた翔と太郎丸にも内部構造把握能力があるかどうか試してもらったんだが、案の定2人とも出来たようなので輝がガックリと肩を落としていた、まあ自分専用だと思っていたみたいだからな~

 

ただまあ頭の中に描かれる地図の精度に関しては輝がダントツで高かったようだ、流石元大工なだけはあるな……

 

そこに空が思った事を口に出す

 

「この内部構造把握能力、発展させて内部構造掌握能力に出来ないだろうか?」

 

把握ではなく掌握……、監視カメラや警報装置を誤魔化したり鍵や扉の開け閉め自由、拠点防衛用の兵器類をこちらの都合で好き勝手動かせるといったところか? うん、鼻血出そうなくらい超便利能力っ! そう言った理由でこの3人には今後その能力を練習しまくってもらう事になった、今後は拠点潜入するときはこの3人のうち誰かは確実に連れて行かなくてはいけなくなるな……

 

妖精さん達の力もあってか掃除はものっそいスピードで完了、さっきまでのホラーな拠点とはおさらば! 今では新品みたいにペッカペカですわぁ……、妖精さん達マジ感謝っ!!!

 

因みに拠点周辺の掃除担当の話を聞くと、深海棲艦の残党0、艦娘の生き残り0、遺体も0だったとの事、それ聞いてちょっち安心したわ……、残党いたらまた掃除しなきゃいけないしなっ!

 

拠点の掃除も終わりいよいよ妖精さん達を元いた島に送り届ける時が来た、俺、空、護、摩耶、木曾、あまつんの6人で妖精さん達を送り他のメンバーは残って拠点の防衛をやっててもらう、襲撃時は救援に来なかったがもしかしたらがあったら嫌なので念の為である

 

件の島の近くに着いたので鷲四郎と猫戦闘機達に偵察しに行ってもらったが、敵の影無し拠点無しって事だったのでそのまま乗り込む、こういう場合普通は簡単な拠点とか作るもんなんじゃね?などと考えたがおかげでこっちは楽に上陸出来るしまあいっか!

 

島に上陸したところで妖精さん達を降ろしてあげるが、1人だけ頑なに降りようとしない、必死になって俺の腕にしがみついて離れようとしないのだ、それは俺が初めて出会ったあの溺れていた妖精さんである

 

「シャチョー、その子どうしたんッスか? シャチョーから全く離れようとしてねぇッスけど……」

 

「それは俺が聞きてぇよ……、お~い一体どうした~? ……何? 恩返しがしたい? それはさっきの掃除手伝ってくれたので終わっただろ?」

 

この妖精さん、俺に恩返しがしたいと言っているのだがそれは掃除の件で既に終わったと思っていたのだがどうやらこの子にとってはそれは別件なんだとか……

 

「掃除は溺れていたのを助けてくれたお礼? あ~……、それがあったか~……」

 

そういやそれがあった、妖精さんと情報交換したのはバウムクーヘンのお礼であって溺れていた件についてはノータッチだったもんな、なんとまあ義理堅い妖精さんだこと……

 

更に妖精さんは続ける、無理なお願いをしたのに快く引き受けてくれた事、仲間達を無事に助けてくれた事、安全を考慮してここまで送ってくれた事、そして何より俺と情報交換した事で俺の事を深いところまで知ったが故にどんな事になろうとも力になりたい、心からそう思えるようになってしまったとの事……、よせやいくすぐってぇ!

 

「ここまで言われちゃあ無理に引き剝がせねぇな、なぁ旦那!」

 

「どうするんだ戦治郎さん? こいつは無理に引き剝がしてもきっと付いて来ちまうと思うぜ?」

 

「シャチョーも相変わらず罪作りッスね~、人間や動物だけでなく妖精さんにまでこんなに好かれちゃって~、この生物タラシ~」

 

ニヤニヤしながら摩耶と木曾と護が言う、あぁん退路断たれてるぅ!

 

「連れていってやったらどうだ? 妖精さんの力は今後の俺達の活動で大いに役に立つと思うのだが?」

 

空ータスお前もかぁっ!!!

 

「あぁあぁわぁったわぁった! 妖精さんや、俺らが行く道は恐らく滅茶苦茶辛い道になると思う、最悪死ぬかもしれねぇがそれでも本当に付いて来るか?」

 

俺が尋ねてみれば敬礼で答える妖精さん、やる気満々なのね君……

 

「OK分かった、覚悟は十分伝わった! って事でおめぇさんは今日から俺達の仲間だっ! これからよろしくなっ!!!」

 

それを聞いて飛び跳ねて喜ぶ妖精さん、こうして俺達の仲間に妖精さんが

 

「あのっ!」

 

ああ……、来ると思ってたよコンチキショウ!

 

「私も連れて行って下さい! 深海棲艦があんなにも酷い連中だったなんて知らなかった……、もしこのまま深海棲艦が日本を襲撃して施設にいる子達まで……あんな事になったら……、私……私は……」

 

ここから先はもう声になっちゃいなかった……

 

「それだったら日本に戻って軍に入って近くで守ってやったらどうなんだ? 俺はそっちの方が確実だと思うんだが……」

 

俺はあまつん……、いや天津風に問いかける、妖精さんにも言ったが俺らが進み道は茨どころか電流が流れる有刺鉄線の道と言えるだろう、そんな危険冒してまで付いて来るもんじゃねぇと思う、それに施設の子達の事を心配している言葉のその影に復讐の炎がチラチラと見え隠れしているのが気になるんだよな……

 

「戦治郎さん、恐らくこいつは俺と同じだ……、だから俺はこいつの気持ちが痛いほど分かるんだ、尤も俺なんかよりよっぽど根が深いみたいだがな……」

 

木曾が言う、そういやここにも復讐鬼がいたわ……、前例がいるってなるとホント断りにくくなっちまうなぁ……

 

「ん~、少なくともあたしは連れて行っていいと思うんだよな、天津風の事が心配なら心配しなくてもいいくらいに旦那が鍛えてやればいいし、旦那も天津風1人守れないほど余裕がないわけじゃないだろ?」

 

摩耶も天津風の援護に回って追撃してくる、こういう時信頼が痛ぇよ……

 

「それに軍に入ったからと言って絶対に戦える確証もねぇからな、天津風は駆逐艦だから後方支援に回されて前線に出れない可能性だってあるし、たまにニュースになってたブラック鎮守府だったか? そんなとこに所属させられたら目も当てらんねぇ事になるからな……」

 

更に更に木曾の追撃、うっわぁ……やっぱブラ鎮あんのかよぉ……、それ聞いたら下手に戻すのも抵抗出来るじゃんかよぉ……

 

「戦治郎……」

 

空が観念しろとばかりに視線を向けて言ってくる……、全く仕方ねぇなぁ……

 

「分かった! 分かったよもう! 天津風、付いて来たいならついて来い! 但し摩耶と木曾もそうだがおめぇの事も俺らの戦いで生き残れるようガッツリ鍛えていくから覚悟しとけ! 追いつけないようだったら容赦なく置いて行くからなっ!!!」

 

天津風に言い放つ、こんくらい言っときゃ俺らの扱きに食らいついて来てくれるだろうしなきっと多分恐らくメイビーそうだったらいいなぁ……、天津風は涙を拭いながら何度も頷いていた

 

「そんな事言いながらちゃんと待ってくれるッスよね、シャチョーは根が優しいッスから」

 

えぇいシャラップシャラップ黙らっしゃい!

 

妖精さんだけでなく天津風も加わり更に賑やかになった俺達、また今後の方針話し合って何するか決めないとだな……、まあ拠点も手に入った事だし前よりはゆっくり出来る事だろう、そんな事を考えながら俺達は手に入れたばかりの拠点へと帰るのだった

 

後にこの天津風は【不撓不屈の天津風】と呼ばれ連合艦隊での戦闘で猛威を振るうのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。