「第5回長門屋波打ち際会議~」
「ここは波打ち際じゃないぞ?」「適当な事言うなぁ~」「責任者出てこーい!」
ええい黙らっしゃい!いちいち揚げ足とるでない! いいじゃんかよぉここまで波打ち際で通してきたんだしさぁ……
妖精さん達を送った後俺達は拠点へ戻ってから話し合いを始めたわけだが、今までは浜辺に直接腰を下ろしてやっていたが今回から拠点の中にあった会議室を使っていく事になったのだ、これで尻が汚れなくなったよっ! やったねっ!
「とりあえず話始めっから静かにしやがれ~、んで今回の話し合いは~……輝、さっき言ってた奴出来たか?」
「おう、バッチリ仕上げておいたぜ!」
輝が俺の元にこの拠点の間取りが描かれた透明なシートを持ってくる、妖精さん達を送る前に俺が輝に描いてもらうように頼んでおいたのだ、おっほ思った以上に綺麗に描いてくれてるじゃん!
輝に礼を言って会議前に予め設置しておいたオーバーヘッドプロジェクターにそれを乗せて起動させると拠点の間取り図がスクリーンに大きく表示された、因みにこのプロジェクターはこの会議室に最初からあった物だ、深海棲艦もこういう道具使うのな~……
窓のカーテンを閉め照明を落とすとスクリーンの画像は先程よりも鮮明に映りちょっち離れた位置からでも見やすくなっていた
「これ、この拠点の間取りなんだが……、こいつを見てくれ……どう思う……?」
皆が間取り図を注視しているところにイイ男風に言ってみる
「風呂が……無いです……、ってこれマジッスか?」
「風呂どころかシャワールームすら無くねぇかこれっ?! 深海棲艦って風呂入る習慣無ぇのかよっ!?」
そう、護と摩耶が指摘する通りこの拠点には風呂もシャワールームもなかったのだ……深海棲艦マジきちゃない……、ほら見ろ! 女性陣の表情引き攣ってるじゃねぇか!特に天津風とか絶望感半端ねぇぞこれぇ!
この件は掃除中に陸上組から指摘された事なんだよな~、実際に掃除中に敷地内全部回って調べてみたけどホントになかった、トイレは流石にあったが風呂が無いのは艦娘がいる俺達にとっては重大な問題である……
「今回は風呂場を作るのと装備を作るのに分かれて作業しようと思っている」
「装備作りは戦ちゃんが担当になるのかしら?」
俺が今日の活動について話したところで剛さんが尋ねてくる、まあそうなんだよなぁ……俺と妖精さんが主体になって武器開発やるつもりで、風呂場については輝、藤きっちゃん、空の3人を軸にして動いてもらおうと思っていたのだ、割り振る人数も風呂場の方を多めにして早く建てて風呂に入りたいからな、俺以外の深海組は皆まだ1度も風呂入ってねぇから尚更だ、俺? 俺はアクセルのとこでシャワー頂いちゃいました♪
「そうなりますね、俺と妖精さんが中心になって装備開発する事になると思いますよ」
「だったらこの子達をちょ~っといじっておいてもらえないかしら?」
そう言って剛さんは持ってた銃器類をメモ帳と一緒に渡してきた、このメモ何ぞ?
「そのメモは各銃器の改良して欲しい点をまとめておいたものよん♪」
うっわこれめっちゃびっしりと書かれてますやん……、しかも護用とか摩耶用とかも書いてあるしぃ……、こりゃまた大変そうだ……
そして班分けだが、俺、通、護、木曾、天津風が装備開発を担当しそれ以外は風呂場に回ってもらった、ペット衆はこっちに来たがってたが大五郎の存在があちらの作業効率向上に大きく関わっていた事から我慢してもらった、すまぬ……すまぬ……
さて、この5人で敷地内にある工廠の中に入ったわけだが、装備開発より先に天津風の艤装のリミッターを外す事にした、軍学校と同レベルの教育や訓練と言っても使う艤装はリミッター付きだと事前に天津風から教えてもらったからだ
俺が艤装のリミッター解除が出来る事について、天津風は半信半疑だったようだが木曾がそれが事実である事を伝えると取り敢えず艤装を渡してくれた
作業を開始すると目ぇまん丸にして驚く天津風、興味があるのか作業を覗き込みに来る木曾、手順などをしっかり覚えようとメモを取り始める護、通には倉庫の資源を持って来てもらっているので今は此処にはいない
「貴方、本当に艤装いじれたんだ……」「へぇ……俺と摩耶の艤装もこうやって直していたのか……」「シャチョー、ここの部分ってどうなってるんスか?」「先輩、材料をお持ちしましたよ」
えぇい!一斉に話しかけてくんなし!!!
連装砲くんをいじる段階でちょっちて手こずったが天津風の艤装のリミッター解除が完了した、そのタイミングで妖精さんが話しかけてくる
「ん?どったよ? 護がメモ取ってたのが気になった? あぁ、あいつも現場で作業してる奴ってのは情報交換したので知ってるはずだろ? あれはあいつなりに艤装のいじり方勉強してるって事よ、……え?いいの?」
俺と妖精さんのやり取りを見て不思議がっている他の面々、話がついたところで俺は妖精さんを掌の上に乗せて護の方へ向かう
「え?シャチョー?何するんスk「ちょっち大人しくしとけよ~……、妖精さん、GO!」は?ふぐうううぅぅぅっ!!!」
妖精さんが護のおでこに自分のおでこをゴッツンコ、その瞬間護が手で顔を覆って悶えだす、木曾達が慌てて警戒するが俺がこの現象を説明する事で警戒を解かせる
「妖精さんとの情報交換ねぇ……、戦治郎さんのときもこんな感じだったのか?」
「まあな、あれはやってみると分かるんだがマジで頭の中パンクしそうになるぞ、それだけ妖精さん達の知識と技術の情報量が半端じゃねぇってこった、これを空とシゲにもやらんといかんのか~……、まああいつらなら耐えられるか」
「シャチョー……、これはちょっと酷いんじゃないッスか~……?」
まだちょっちフラフラしている護にごめんなさいして、ここからは護にも手伝ってもらう事にした、主に剛さんの銃器類の改造をやってもらうのだ、自分も新規の装備開発がやりたかったとブーブー言いながら作業を始める護、作業開始してから間もなく
「うっひょおおおぉぉぉっ!!!何ッスかこれ!?何なんッスかこれぇ!!?銃火器とかいじった事ないはずなのに構造が手に取るように分かるッス!!!分かっちゃうッスよぉぉぉっ!!!」
めっちゃ興奮しておられる……、分かるわその気持ち、俺も摩耶達の艤装いじったときそうだったもん☆ 気持ち悪さはあるけどめっちゃテンション上がるんだよな~、天津風が若干引いておられる
「さって、こっちも作業始めますかね~っと、何するのかって?それは……」
妖精さんに俺がやろうとしている事を説明する
俺は日本刀を作るのに使う炉を作ろうとしていたのだ、日本刀の作り方については長期連休なんかを使って職人さんのとこで住み込みで教えてもらってたんだよな、そこでまだ子供だった大五郎と出会ったりしたんだがそれは今はいいか……
この工廠には刀を作るのに使えそうな炉がなかったのでそこから作ろうとしていたのだ、時間はかかっちまうが今はそこまで急いでるわけでもないので気長にやるか~って感じで作業に取り掛かろうとしたが……
「ん?任せろって?ちょっち何やってんの?おぉい!?何ぞ何ぞ!?何ぞこれぇっ!!!」
妖精さんが俺の肩から飛び降りて、手を合わせてゴニョゴニョしたら魔法陣みたいなの浮き上がってそこから何かせり出てきたじゃねぇかっ! ホント何が起こってんだ?!騒ぎを聞きつけて来た木曾、天津風、通もびっくりしてる、この反応はシカタナイネ、俺も今超極絶驚いてる真っ最中だからなっ!!!
妖精さんがこちらに向き直り笑顔を浮かべる、そこには俺が作ろうとしていた炉がその存在を主張していた、おいィ……、予定がめっちゃ早まったぞ……、こういう事も出来るんだな……妖精さんパネェ……
気を取り直して炉の作成から予定を変更して、刀を作る作業に取り掛かろうとするが
「今度はどした~? って何だこの金属? 使えって?」
妖精さんが今度は謎の金属を渡して来た、いやホント何だこの金属?
軽い、日本刀の材料である玉鋼よりかなり軽いのだ、それが凄まじい違和感を覚えさせる、この金属は軽いのだが触った途端言葉では言い表せないようなとてつもない力を感じたのだ、本来は鋼材から作ろうと思っていたのだが、妖精さんの勧めもあって俺はその金属で刀を打つ事にした
やっだ何これ何か思った通りに金属が変化していくんですけどぉ!金属にまで俺の心読まれてるような感じがしてめっちゃ怖い!でも楽しい!不思議っ!
焼き入れ作業に入ろうとしたところで護の作業が終わったので、工廠内の採光窓や入口を全部閉めて暗室を作って焼き入れを開始するが、この金属うっすら輝いてません?焼き入れが終わったらその輝きも消えちまった、ホント何だコレ……
「出来たあああぁぁぁっ!!!」
今ここに俺特製俺専用の刀が出来上がった、全長210cm、柄の長さは80cm、鞘は特殊な形状をしており切っ先から10cmまではしっかりと刀身を包んでいるがそれから先は峰の方が開いており、背負っている状態でも右腕だけで引き抜けるようにしてあるのだ、装飾については必要最低限で留めておいた、個人的に色々飾り付けるの好きじゃないからな~……、取り敢えずこれで鉄パイプともおさらばだっ!!!
木曾と天津風もこれには驚いてるみたいだ、まあこの2人どころか俺よりも長い大太刀だからこんな反応になるわな
「それはあれッスか? 某狩りゲーの太刀ッスか?」
護が言う、鞘に関しては結構参考にしたから否定出来ねぇ……
「お疲れ様です先輩、それでその大太刀の名前は決まっているのですか?」
「それな、作ってる最中にティンと来たんだわ、こいつの名前は『大妖丸(たいようまる)』だ!妖精さんの大きな刀、若しくは大妖精の刀ってなっ!まあ太陽ともちょっちかけてたりするんだけどな」
こいつが完成したのは殆ど妖精さんのおかげだからな、そんな妖精さんに敬意を払う意味もあるんだが、それとは別に作業中ずっと感じていた強大な力が生まれる前から妖刀のソレを感じさせてたってのもあったりはするんだよな~……、まあここらは公表しないけどな
「なるほど、いい名前ですね……、それはそうと先輩に折り入ってお願いがあるのですが……」
「自分のもお願いしますってか? いいぜ、最初からそのつもりだったしな!」
そう言って俺は今度は通の刀を作り始めた、あの金属はまだあるからな、急いではいないが全員分の武器作らないといけないからちゃっちゃとやっちまおうかねぇ!
そんな事を考えながら俺はハンマーを振るうのだった