※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

381 / 655
駐屯地襲撃開始

何故剣持陸軍大将が剛達と行動を共にしているか……、それについては時間を遡って話をしようと思う

 

 

 

桂島を発って蕨島に辿り着いた剛達は、ここまでアルゴス号を運んでくれた輝の背中を見送った後、すぐさまアルゴス号に乗り込み行動を開始した

 

剛が最初に目を付けたのは、ここから南に進んだ先、鹿児島県の川内川下流近くに存在する川内駐屯地だった

 

どうやら剛は手始めにここを襲撃して拠点制圧戦の感覚を取り戻し、それから勢いに乗って鹿児島中の桂島提督傘下の駐屯地を制圧した後、宮崎、大分、熊本、福岡、佐賀、そして長崎の順で歩みを進めて九州中の桂島提督傘下の陸軍を潰し、アリーズウェポンを回収しようと考えている様である。尚、沖縄は位置的に手出し出来ない為、放置する方向なのだとか……

 

この事を剛の口から聞いた時、川内が複雑そうな表情を浮かべながら

 

「自分と同じ名前が付いているところを襲撃するのか~……、う~ん……、何とも言えない気分になるね……」

 

この様な事を言い、それを聞いた剛は

 

「恨むのなら、提督の悪事に加担したその駐屯地の連中を恨む事ね~」

 

川内に向かってこう言い放つのであった

 

 

 

剛達がアルゴス号の中でこの様なやり取りを交わしている間にも、光太郎が運転するアルゴス号は市街地を光学迷彩機能も含有する迷彩シールドGを展開して走り抜け、碌に整備されず木々が生い茂る山の中を、フロントバンパーに取り付けられたメタルブレードで障害物を蹴散らしながら突き進み、ようやく目的地である川内駐屯地近くに辿り着くのであった

 

そこでアルゴス号は駐屯地の周りを覆う木々の中で停車し、アルゴス号に乗っていた剛達をその場で降ろす。そして光太郎が剛達がアルゴス号から全員降りた事を確認すると、アルゴス号の乗降口を閉じるなり、アクセルをべったりと踏み込んで駐屯地に突撃していく。それからほんの僅かな時間が経過したところで、駐屯地の方から何かが鋼鉄の門を弾き飛ばす様な轟音が鳴り響き、直後にけたたましいサイレンの音が聞こえ始める……

 

そう、光太郎が駐屯地の門を突き破り、敷地内に侵入して暴れ始めたのだ

 

「それじゃあ、アタシ達も始めちゃいましょうか☆」

 

光太郎が戦闘を開始した事を確認した剛が、残ったメンバーにウインクしながらそう言うと、全員が剛に対して頷き返して早速行動を開始するのであった

 

光太郎が陽動要員としてアルゴス号で派手に暴れている間に、剛達が駐屯地内に侵入して施設内に残った兵全員を不意打ち、狙撃、催涙ガスなどで無力化&拘束、その後この駐屯地にあるアリーズウェポンを回収し終えたところで、光太郎と合流して次の駐屯地を目指す……。これが剛が考えた陸軍潰し&アリーズウェポン回収作戦の、基本となる作戦内容である

 

これにより剛達は思った以上に楽に駐屯地の施設内への侵入し、次々と陸軍の兵達を拘束していき、あっという間に駐屯地の全施設を制圧して見せるのであった

 

その頃、外で大暴れする光太郎はと言うと……

 

「轢き潰されたくなかったら、歩兵はすっこんでろおおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

アルゴス号の運転席でそう叫びながら、駐屯地内を縦横無尽に走り回っていた

 

光太郎が駐屯地に突撃した直後、先ず彼を出迎えたのはアリーズウェポンであるキマイラで武装した歩兵部隊であった。彼等はその手に持ったキマイラでアルゴス号を攻撃するのだが、彼等の想像よりも圧倒的に速く動き回るアルゴス号には、キマイラの弾を掠らせる事すら非常に困難で、偶々当たったとしてもアルゴス号の車体には傷一つ付ける事が出来なかった……

 

「お返しだっ!」

 

光太郎はそう叫ぶと運転席に取り付けられたパネルを操作して、シゲが剛が注文した特殊砲弾と共に作り、運転席上部に取り付けた『☆3ノラバルカン』なる機銃を起動し、歩兵部隊へ向けて掃射する。因みにノラバルカンが使っている弾は、相手を殺さない様にする為に暴徒鎮圧用のゴム弾に変えてある。変えてあるのだが……

 

ノラバルカンが発射した弾が直撃した歩兵達は、次々と後方に豪快にすっ飛んでいき、その痛みによって即座に気絶していく……。それもその筈、このノラバルカン、シゲは対人用として取り付けたのだが、ノラバルカン自体は対戦車用の機銃なのである……。陸軍の歩兵達からしたら、アンチマテリアルライフルの弾が豪雨の様に襲い掛かって来ている様なものなのである……。もしこれが実弾だった場合、直撃した歩兵達の肉体は文字通り挽肉になっていた事だろう……

 

そんな光景を目の当たりにして恐怖に駆られ、光太郎に背を向けて逃亡しようとする歩兵達が続々と出現するのだが、光太郎はそんな歩兵達の背中に無慈悲にノラバルカンの弾を浴びせていく……。もしここで彼等の逃亡を許せば、剛達がピンチに陥る可能性があるからである

 

それからしばらくすると、今度はスピンクスや光太郎が今まで見た事も無い重火器で武装した歩兵達が姿を現し、一斉にアルゴス号に向かって攻撃を開始する。重火器系のアリーズウェポンの攻撃に当たってしまえば、シゲが装甲を強化したアルゴス号と言えど、多少の損傷は免れないだろう……。だが……

 

「それには当たってやれないねっ!!!」

 

その全ては、車体制御用Cユニットとロケットブースター使用時にカーブを曲がる為に使用するバーニアスラスターを、余す事なくフル活用した光太郎のドライビングテクニックによってものの見事に回避されてしまうのであった

 

砲塔が付いた大型バスが驚くべき速度を出しながら機敏に動く……、そんな信じ難い光景を目にした歩兵達は皆揃って唖然とし棒立ちになり、そこを光太郎に狙われてしまい、皆仲良くノラバルカンに吹き飛ばされて、仲良く大の字になって気絶する……

 

こうして光太郎が歩兵達を追いかけ回し、機銃を浴びせ続けていると、歩兵だけでは敵わないと判断したのか、遂にこの場に戦車部隊が登場するのであった

 

「ようやくお出まし……、ってやっぱりそうなるよな~……」

 

今しがた姿を現した戦車部隊を見て、思わず光太郎はそう呟く。何故光太郎はこの様な事を呟いたのか……、それは戦車部隊が使用する戦車の全てに、剛が自身の艤装に無理矢理取り付けたあのミサイルランチャー『テュポーン』が取り付けてあったからだ

 

このテュポーンの性能は恐ろしいもので、あのミサイル厨の護が思わずうっとりしてしまう様な逸品なのである

 

具体的に言えば、戦艦タイプの姫級すら易々と爆砕する驚異的な威力に、恐ろしい程の弾速と非常に高い追尾性、そして100km以上の射程距離を持ち、車載用のクセに地対地、地対空、空対地、空対空、対潜、海中対地、海中対空とあらゆる状況に対応出来ると言うトンデモ万能武器なのである

 

これは護が使っているマルチプルミサイルランチャーの完全上位互換と言える性能だったらしく、その事実を知るや否や、護は即自身の艤装に2門のテュポーンを外付けで取り付けたそうだ……

 

そんな怪物の様な兵器を車体の後部に1門装備した戦車が、光太郎の目の前に10輌ほど存在しているのだが……

 

「空達が切り抜けた状況をっ!俺が切り抜けられない訳がないだろうっ!!」

 

光太郎はそう叫ぶなり、パネルを操作して迎撃システムを起動すると、戦車部隊との戦闘を開始するのであった

 

それからしばらくの間は、閃光迎撃神話1門とスモールパッケージを1門外した代わりに取り付けられたテュポーン1門が、こちらに飛来するミサイルを次々と撃ち落とし、それによって出来た隙を突いてアルゴス号の名前の由来となった砲塔アルゴスに取り付けられた140mm滑腔砲が、相手の戦車の起動輪目掛けてシゲが用意してくれた特殊砲弾『セメント弾』を撃ち出して、次々と走行不能に陥れるのだが……

 

「走れなくなっても攻撃は出来る、と……」

 

走行不能になった戦車は固定砲台の様にその場に留まって、変わらずにミサイルと主砲を発射し続けるのであった……

 

「このままだとミサイルの弾幕に押し潰されかねないな……、こうなったら一か八かだけど……、閃転っ!!!」

 

現状を見て不味いと思った光太郎は、この様に呟くなりシャイニング・セイヴァーに変身する。するとどうだ、アルゴス号はメカニカルなデザインに姿を変え、アルゴスとテュポーン、そして元々光学兵器だった閃光迎撃神話以外の武器が、光学兵器へと変化したではないか

 

「正直賭けだったけど……、成功して良かった……、これなら……、いけるっ!!!」

 

アルゴス号の変身を成功させた光太郎は、ホッと胸を撫で下ろすのもそこそこに、この状況をひっくり返す為に、先程変化させた武器を使って打って出る事にするのであった

 

それからは、アルゴス号の光学兵器による蹂躙が始まるのだった……

 

ノラバルカンから変化した小型レーザー砲は、次々と相手のテュポーンを狙い撃ちして破壊していき、スモールパッケージから変化した4連装追尾レーザー砲から発射されたレーザーは、空中を縦横無尽に飛び回って片っ端からミサイルを撃ち落としていく。そしてトドメとばかりに、アルゴスが相手戦車の主砲の砲口に正確にセメント弾を撃ち込み、主砲を使い物にならなくしていく……

 

こうして光太郎の前に立ちはだかった戦車達は、全て光太郎の手によって沈黙し、戦車に乗っていた兵達は戦車を捨てて逃亡しようとするのだが、そこに施設の制圧を終えた剛達が姿を現し、戦車部隊の兵達を瞬く間の内に無力化&拘束してしまうのであった

 

その後剛達は、光太郎が変身解除すると同時に姿が戻ったアルゴス号に乗り込み、この川内駐屯地で回収したアリーズウェポンを、アルゴス号に取り付けられた妖精さん特製の収納ボックスに全て収納すると、次の駐屯地、国分駐屯地目指して移動を開始するのであった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。