※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

382 / 655
光太郎の本音と軍神剣持

川内駐屯地を制圧し国分駐屯地に向かった剛達は、川内駐屯地制圧時と同じ方法で瞬く間の内に国分駐屯地を制圧し、勢いが乗っている今の状況を利用して、一気に鹿児島、宮崎、大分にある提督傘下の駐屯地を制圧してしまうのであった

 

その途中、アリーズウェポンの売買リストに名前が無かった駐屯地が道中にある事を思い出した神通が、その事を剛に伝えたところ……

 

「提督に協力しなかった駐屯地ってところねぇ……、道中にあるって事ならちょっと見てみましょうか」

 

剛はこの様な事を提案し、それを聞いた全員が剛の提案に賛成し、剛達は提督に非協力的だった駐屯地がある場所へ向かい、それはそれは凄惨な現場を目の当たりにして、思わず絶句してしまうのであった……

 

かつてその場所には、自分達の国を護ろうと立ち上がった勇敢な陸軍兵達の駐屯地があったのだが、現在は焼け焦げたコンクリート片などの瓦礫が、うず高く積み上げられているだけの場所となっていたのであった……

 

「これは酷い……」

 

「自分の傘下に入らない者には制裁を……、と言ったところでしょうか……?」

 

この惨状を目にした瑞穂は口元を両手で覆いながらそう呟き、それを耳にした不知火がこの様な事を口にする

 

「恐らくそんなところでしょうねぇ……、この状況を見る限り……、提督は自身の傘下に入らなかった、或いは裏切った者達のところに、桂島を襲撃した際私達にぶつけて来たクローン大和……、それもテュポーンを装備した娘達を嗾けて、駐屯地にいる陸軍兵達を皆殺しにした上に、駐屯地そのものも破壊し尽くしたんじゃないかと思うわぁ……」

 

剛が不知火の言葉に対してそう答えた直後、運転席の方からギチギチと言うハンドルを力強く握り締める様な音と、ギリリッと言う歯軋りの様な音が聞こえて来るのであった。それらの音を耳にした剛が、バックミラー越しに光太郎の方を見ると、そこには今にも暴れ出しそうな自身の怒りを、鬼の様な形相をしながら抑え込もうとする光太郎の姿が見えるのであった。恐らく光太郎は、クローン大和と言う単語に反応して、この様な状態になっているのだろう……

 

さて、ここである1つの疑問が浮かぶ事だろう……

 

以前光太郎は、クローン大和達を手にかけた件で慟哭する戦治郎に向かって、クローン大和達を人間扱いするなと言っていたはずだ。そんな光太郎が、何故クローン大和と聞いてこの様な反応をしているのだろうか?と……

 

答えは簡単だ、光太郎は戦治郎を立ち直らせる為に嘘を付いたのだ。戦治郎に対してだけではなく、クローン大和達を助けたいと思っていた自分自身の本心にも、である……

 

クローン大和達をクローンと言う枷から解放し、1人の人間として生きていけるようにしてあげたかった……、あの時の光太郎は本当は心の奥底からそう思っていたのである……

 

しかし、その思いは結局最後まで叶わなかった……

 

もしあの状況でクローン大和達を殺さない様にする為に放置すれば、クローン大和達は泊地から脱出した艦娘達に襲い掛かり、多くの死傷者を出していただろう……

 

もし戦治郎が暴走したあの時、自分がクローン大和達を助けようと動いた場合、戦治郎は自分をクローン大和達諸共躊躇い無く殺害し、クローン大和達を殺害した時以上の深い悲しみを背負う事になっていただろう……。そうなってしまえば、最悪海賊団が瓦解する恐れがあっただろう……

 

だから光太郎はクローン大和達の事を諦める事にしたのだ、だから光太郎はあの時シャイニング・セイヴァーに変身して己の表情を隠し、戦治郎に向かって、自身の本心に向かって嘘を付いたのだ……

 

そうしなければ、クローン大和達だけでなく、多くの人達の命が提督によって弄ばれてしまう様になってしまうから……

 

これにより光太郎は少しの間、自己嫌悪に陥っていた……。そしてそんな光太郎に対して、余りにも残酷過ぎる現実が突きつけられる……。そう、クローン大和達の寿命と運用方法の話である……、それらを聞かされた光太郎は激しい怒りを覚えた、自分の思いと戦治郎やクローン大和の基となった大和の思い、そしてクローン大和達の命を弄んだ提督とアリーに対して、燃え盛る炎の様な怒りを覚えるのであった……

 

故に光太郎は、先程クローン大和と言う単語を聞いた瞬間、怒り始めたのである……

 

「俺はあいつらを……、絶対に許さない……っ!!!」

 

光太郎はそう呟いた後、剛達の了承を取ってこの場を後にするのであった

 

その後、剛達は熊本に入ると人気のない山の中で、一夜を過ごすのであった。何故なら、山の中以外にこのやたらデカくてえらく武装したアルゴス号を停められる様な場所が無かったからである……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく経った後、日も昇らない内に剛達は起床し、シゲが取り付けてくれた業務用冷蔵庫に保存してあった食糧で朝食を済ませてからすぐさま駐屯地襲撃を再開し、熊本にある提督傘下の駐屯地を制圧し尽くすなり北上し、福岡入りするのであった

 

こうして福岡入りした剛達だったが、その直後から並々ならぬ気配を感じ取り、剛達は思わず辺りを見回してしまうのであった……

 

この気配は一体何なのだろうか……?そう思いながら剛達はいつも通りに襲撃を開始するのだが、ここで思わぬハプニングに遭遇してしまうのであった

 

そう、ここ福岡の陸軍兵達が、他の駐屯地の兵達より明らかに練度が高いのである……。その為剛達は、福岡入りして最初に襲撃した前川原駐屯地と、その応援に駆け付けた前川原駐屯地の近くにある久留米駐屯地の兵達相手に、思わぬ苦戦を強いられてしまうのであった……

 

この様な事がありながらも、何とか2つの駐屯地を制圧した剛達が次に向かったのは、九州地方最大の規模を誇る駐屯地、福岡駐屯地であった……

 

ここに来て剛達は、自分達が福岡に入ってから感じた気配の正体を知る事となるのであった……

 

「……あれ?」

 

「どうしたの?」

 

光学迷彩を展開しているアルゴス号を運転する光太郎が、ある事に気付いて不思議そうにそう呟き、その呟きを聞いた川内が光太郎にこの様に尋ねたところ……

 

「いや……、駐屯地の門が開いてるんだ……。しかも門番もいない……」

 

「これは……、私達を誘っているのでしょうか……?」

 

「これが何かの罠だったとしても、私達は行くしかないのよね~……。っと言う事で光ちゃん、そのまま中に入っちゃって」

 

光太郎はこの様に返し、それを聞いた神通が訝しみながらそう呟くと、剛がこう言って光太郎に敷地内に入る様促すのであった

 

こうして福岡駐屯地に侵入した剛達は、突然鋭い視線を感じ取り、思わずそちらへと視線を向ける。するとそちらには兵達が訓練に使うグラウンドと思わしき場所があり、その中央には日本刀……いや……、太刀を佩いた男が1人立っていたのだった

 

それを視認するなり光太郎はアルゴス号でグラウンドに乗り入れ、男から少し離れた位置で停止して乗降口を開く。そして剛達はアルゴス号から降りて、警戒しながらこの男を見据える……。すると……

 

「また桂島の報復かと思っていたら……、まさか深海棲艦が車で乗りこんで来るとはな……」

 

男は先ずは剛の方に、次に光太郎の方に視線を巡らせた後、無表情でそう呟くのであった……

 

「ここにいるのは貴方だけ?他の兵達はどうしたのかしら?」

 

「その質問に答えてやる義理は無い……、深海棲艦なら尚の事……」

 

男に向かって剛がこの様に尋ねたところ、男はこの様に返すとゆっくりと太刀を構え始める……。その瞬間、男から凄まじい威圧感が放たれ始め、それを肌で感じた光太郎と艦娘達は、全身に鳥肌を立てながら圧倒されてしまうのであった……。そう、剛達が福岡入りしてから感じ続けていた気配の正体は、この男が放つ威圧感だったのである……

 

「皆下がってなさい、相手が1人で来るつもりなら、こちらも1人で迎え撃つのが筋だと思うのよね」

 

直後に剛がこの様な事を口にし、それを聞いて我に返った光太郎達は、素直に剛の言葉に従い、後方に下がるのであった

 

こうしてかつてアメリカ陸軍の特殊部隊で『猟犬』と恐れられた稲田 剛元准将と、大日本帝国陸軍にて『軍神』と呼ばれ畏怖される剣持 刃衛陸軍大将の闘いが、福岡の地で始まるのであった……




まさかの逆RTA……

取り敢えず9日にE4戦力ゲージ割って、E5終わらせなきゃ……

勿論丁でねっ!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。