自身がついさっき手にした力が、早速強化された事を知った戦治郎は……
「実験の時間だおらあああぁぁぁーーーっ!!!」
この叫びと共にすぐに新しく追加されたモヤを破壊し、横須賀鎮守府に次々と天変地異を発生させるのであった
この時戦治郎が破壊したモヤに書かれていた文字は『火山噴火』、周囲に火山が無いこの地域ではどの様な事が発生するのか……、周囲にどれ程の被害を及ぼすのか……、一体どれくらい自分がこの災害をコントロール出来るのか……、それらを知りたいと言う知的好奇心に敗北した戦治郎は、躊躇い無くこのモヤをチョイスし破壊したのである
その結果、横須賀鎮守府の目の前にある海が突如盛り上がり、そこから今にも噴火してしまいそうな活火山が姿を現し、その光景を目にして呆然とする燎達の目の前でこの火山は豪快にマグマ噴火し、噴火した際に発生した火山ガスが横須賀鎮守府を覆い尽くし、その上で火山の火口から勢いよく飛び出した噴石達と火山ガスが、情け容赦無く横須賀鎮守府内の建物と陸軍兵達に襲い掛かる……
雹の時同様、歩兵達は噴石の直撃を受けたり、火口から噴き出し鎮守府の敷地内だけに留まり続ける火山ガスを吸引したせいで倒れ込み、倒れ込んだ直後に更に追い撃ちとばかりに腹や頭や背中に噴石を受けて激痛の中意識を手放し、戦車部隊も降り注ぐ大小様々な噴石達に戦車の装甲や車体フレームをベッコベコにされた挙句、戦車の燃料が火山弾の熱によって引火し、扇射が盛大に爆発するなどと言う事態まで発生したのである
「ちょっと待て戦治郎っ!!このまま火山ガスをここに留めておくと、陸軍兵達が窒息してしまうのではないかっ!?」
「おぉっとぉっ!?それは不味いなっ!!なら……、こいつの衝撃でガスを吹き飛ばすっ!!!」
この地獄絵図を愕然としながら見ていた利根が、我に返るなり慌てた様子で戦治郎に向かってこう言うと、この力の凄さにややテンションが上がっている戦治郎はこの様に返し、『隕石落下』のモヤを砕く
その直後、横須賀鎮守府内に立ち込めていた火山ガスが、何事も無かったかの様にあっという間に消失してしまい……
「ありゃ、新しい奴発動させたらガスとか消えるのな……。こりゃ~やっちまったかな~……?」
「やっちまったって……、一体何をしたのっ!?!」
その光景を目にした戦治郎は、後頭部をポリポリと掻きながらこの様な事を呟き、それを耳にした神風が思わず声を荒げながら戦治郎に尋ねる。と、その直後、空から急に複数の何かが落ちて来る様な音が聞こえ始め、それに気付いた者達が一斉に空を見上げる。するとそこには赤々と燃える3つほどの隕石の姿が……っ!!!
「隕石……だと……っ!?」
「ちょっとこれ洒落になってないぞっ!!?」
「もう駄目だ……、お仕舞いだ……」
「ちょっ!?初雪ちゃんっ?!しっかりしてっ!!!」
3つの隕石を目撃した日向が目を見開いて驚愕し、深雪が戦治郎に向かって絶叫し、初雪は絶望しながら気絶、そんな初雪を見た白雪が慌てて初雪に声を掛け……
「おい戦治郎っ!!これは本当に大丈夫なのかっ!?」
「大丈夫大丈夫っ!!俺達のとこには落ちない様にしてっからっ!!!」
長門が必死の形相で戦治郎に詰め寄ると、戦治郎はこの様に返事をするのであった。その直後、隕石は3つ共横須賀鎮守府本庁に直撃し、本庁はその衝撃によって跡形も無く粉々に粉砕されてしまうのであった……
また、その衝撃波の影響は陸軍兵達にまで及び、陸軍兵達は兵科を問わず衝撃波によって派手に吹き飛ばされて行くのであった
「うっひょおおおぉぉぉーーーっ!!!これたっんのしいいいぃぃぃーーーっ!!!!!」
その光景を目の当たりにした戦治郎は、超極絶ハイテンションになりながらそう叫び、何かを払う様に腕を振ってモヤを砕く
「ちょっと戦治郎っ!?陸軍兵を殺すなって言ってたのは貴方でしょうっ?!これ本当に大丈夫なのっ!?!」
「ちょっ!?おめぇ戦治郎っ!!!ちったぁ加減しろ馬鹿っ!!!」
「おい戦治郎っ!!今何をしたっ?!!」
そんな戦治郎に向かって、足柄、燎、武蔵が声を荒げながら話し掛けると……
「悪ぃ悪ぃっ!!でもこれマジで面白いんだもんっ!!!」
戦治郎がこの様に返答した直後、戦治郎の目の前に突然大きな竜巻が姿を現す。そう、先程戦治郎が割ったのは、神之型の時でも使用出来た『竜巻』のモヤである。そしてこうして発生した竜巻は鎮守府内に転がる瓦礫を巻き上げ、陸戦兵達が飛んで行った方角へ移動を開始する……
「そ、それ以上は流石に可哀想ですよぉっ!!」
「オーバーキルにも程があるクマッ!もうこの辺で止めてあげるクマッ!!」
その光景を見た吹雪と球磨が、戦治郎に向かって懇願すると……
「あ~……、確かにそうだわな……、ちょっち調子に乗り過ぎたな……」
戦治郎はそう言って先程発生させた竜巻を消すと、神帝之型の使用を止めるのであった。その様子を見て一同が安心したその直後……
本当に微かにパスッ!と言う音がこの場にいる全員に聞こえた瞬間、戦治郎の胸に穴が開き、そこから夥しい量の血液が噴き出し始める……
「……あ"?」
この言葉を口にした直後、戦治郎は口から血を吐いて崩れ落ちる様にして倒れてしまうのであった……
「どうした戦治郎っ!?」
「これは狙撃か……っ!?一体何処から……っ?!」
その様子を見た長門が急いで戦治郎に駆け寄り、彼に向かって声を掛けながら止血を開始する。その傍らでは武蔵が電探を併用しつつ、警戒する様に戦治郎のせいで見晴らしがよくなった周囲を見回し、鎮守府の敷地外から戦治郎を撃った狙撃手を発見するのであった。そしてその直後、アンチマテリアルライフルであるネメアーズレオンを手にした狙撃手の後方から、新たな陸軍兵達が姿を現す……
「まさか……、また増援……?!」
「ここではあんな事が起こっていたのに……、どうして彼等はそこまでして横須賀鎮守府を落とそうとするのでしょうか……?」
ここに来て更に増援が来た事に筑摩が驚き、妙高がこの様な疑問を口にしたところで、陸軍兵達は燎達に対して一斉に攻撃を開始するのであった……
「くっそ……っ!何としてでも戦治郎と元帥を守るぞっ!!!全艦、攻撃開始っ!!!」
\了解っ!!!/
それに対して燎は艦娘達にこの様な指示を飛ばし、それに返答した艦娘達は大五郎が作った結晶を盾に応戦を開始するのであった……
「そんな……また……っ!?」
「凄まじい執念……、と言ったところか……」
それからしばらく経ったところで、三日月と菊月が新たな戦車隊を発見し、思わずこの様な言葉を口にする。そしてそれに反応して多くの艦娘達が、新しく現れた戦車隊に視線を向けるのだが……
「……何か様子がおかしくない?」
その戦車隊に違和感を感じた足柄が、ふとこの様な疑問を口にする。するとその直後、何と新しく来た戦車隊は、有ろう事か自分達の前方にいる戦車隊に向かって攻撃を開始したではないか……っ!!!
「仲間割れ……でしょうか……?」
その様子を見た綾波がこう言った直後、武蔵と足柄以外が装着している通信機に通信が入る
『横須賀の皆~、さっきここで天変地異が起きてたみたいだけど~、無事だったかしら~?』
その声を聞いた瞬間……
\剛さんっ!?/
通信機を付けた全員が、驚愕しながら思わずその声の持ち主の名を叫ぶ。そう、今陸軍兵達に攻撃を仕掛けている戦車隊は、全員剛が連れて来た剣持大将傘下の陸軍兵達で構成された戦車隊なのである
「剛さん、そっちに悟はいますか?いたら大至急連れて来てもらえませんか?」
『悟ちゃんって事は……、負傷者が出たのかしら?でもごめんなさい、生憎悟ちゃんは此処にはいないわね~……』
『一応応急処置程度なら俺が出来るけど……、何があったんだ?』
剛の声を聞いて驚いていた燎が、我に返るなり剛に向かってこの様に尋ねたところ、剛からは残念な返答があり、通信を聞いていた光太郎が燎にこの様な質問をし、燎が戦治郎が胸を撃たれて倒れた事を伝えると、光太郎はアルゴス号のアクセルを全開にして大急ぎで燎達の下へ駆け付け、アルゴス号に負傷した戦治郎を収容して診療台に寝かせると、アルゴス号に取り付けられた医療キットEXを使用して、自分に出来る最大の治療を戦治郎に対して施すのであった……