※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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ホテル完成!

大和の許可を得てリゾートホテルを作り始めてしばらく経過したところで、一同は食堂に集まり食事休憩に入る

 

この時点でホテルの客室やレストランなど殆どの設備は完成しており、残すところは最上階に作ろうとしている執務室代わりに使用しようとしているオーナー室や事務所関係、そして屋上テラスと屋上ヘリポートだけとなっているのである

 

因みに客室数は全部で500室を超えており、桂島泊地の艦娘1人に1部屋与えたとしても全然余裕があったりするのである

 

そんな巨大なホテルが何故こんな短時間に建てられるのか、その理由の殆どは輝と藤吉の働きに依るものであったりする

 

基本的には2人が一緒に作業を行い、息の合ったコンビネーションを発揮してサクサクと作業を進めてき、時には輝が作業の手を止めずに艦娘達に的確に指示を出していき、作業効率を驚く程向上させてみせる

 

そしてその作業効率を更に高めたのは、他でもない長門屋のメンバーである。彼等が重機等の代わりに艤装を使用して作業を行った為、重量物の運搬などがかなり捗ったのである。特に空のライトニングⅡが飛行可能なおかげで、かなり高いところまで建材を運び込む事が出来た為、大量の建材をその腕で担いで跳躍して高所に向かわなければいけないと考えていた輝に非常に喜ばれるのであった

 

こうして作業は順調に進み、昼食前には消防法の条件をクリアし、耐震性もバッチリなホテルが殆ど完成したのである

 

因みに作業の途中で、司が注文されていた布団が全て仕上がった事を伝えに来たのだが、この時何を思ったのか輝が突然司に完成間近のホテルに全力で津波をぶつける様指示し、困惑する司は指示通り津波を発生させてその巨大な水塊を豪快にホテルに叩きつけるのだが、ホテルは津波を受けてもビクともせずにただその場所に悠然と聳え立ち、その光景を見ていた者達は只々驚愕し、その様子を見ていた輝は……

 

「想定通りっ!!!さっすが俺が設計したホテルだぜっ!!!」

 

そう叫ぶと、カッカッカと大笑いし始めるのであった

 

尚、輝はどうやらホテルの窓には、ガラスではなく無色透明なティルタニア樹脂を張るつもりでいるのだとか……

 

さて、このとんでもない耐久テストの直後、輝達は翔達に呼ばれて昼食を取り始めたのだが、輝が藤吉と午後の作業の打ち合わせをしながら食事しているところに、空がやって来て相席してもいいかと尋ねて来るのであった

 

特に断る理由が無かった為、輝は空の相席を了承して空いた席を空に勧め、了承を貰った空は勧められるがままに席に座り……

 

「何故この場所に遊園地を作ろうと思った?」

 

その直後に、輝に向かってこの様な質問をするのであった

 

「それは最初に話しただろ?」

 

「それだけが理由なら、此処とは違う場所に遊園地を作ればいいのではないか?」

 

不思議そうな顔をしながら返答する輝に対して、空は更に質問を投げかける

 

「ああ~、そこな~……」

 

「お前は艦娘達の嫌な思い出を叩き潰すと言ったが、艦娘達にとって嫌な思い出の発祥の地に遊園地を建てていては、艦娘達はその嫌な思い出に縛られてしまい、結果的に本末転倒になってしまうのではないか?」

 

「そうならない様にする為の遊園地だろ?」

 

「……すまん、詳細を頼む……」

 

「そ、それなら……、ぼ、ぼぼぼ僕のほほ、方から……、は~なします……」

 

輝と空がこの様なやり取りを交わしていると、不意に横から藤吉が介入してきて、空に輝の考えの詳細について話し始めるのであった

 

藤吉が言うにはどうやら輝は、艦娘達の嫌な思い出も人生の内の貴重な経験の1つとして、真摯に受け止めてもらいたい様なのである。ただそれだけでは艦娘達の心が壊れてしまいそうなので、遊園地での楽しい思い出をその緩衝材にしようと考えているのだとか……

 

「せせせ戦治郎さんがよ、よ~くいい言っている、じじじ『自分がされて嫌な事は人にするな』と言うこ、ここ言葉……、あ~あれってじじ自分がささ、されて嫌なここ事を知る為には、すすすす少なからずい嫌な事を、ささされないとわ~からないんじゃないかって……、ひひひ輝さんはい、いい言いたいんじゃないかと……、お~もうんです……」

 

「そうそう、藤吉が言う通り、あれは他人から1度は嫌な事されないと、自分が嫌だと感じる事が分からなぇと思うんだわ。んで、それが経験になって自分がされて嫌な事は他人にしない、そしてそれが他の奴が嫌がる事を他人にさせないに繋がって、困ってる奴に自然と手を差し伸べて助けられる様な思いやりの心が育つ、俺はそう考えてるんだが?」

 

「初心忘れべからず……、と言ったところか……?」

 

「そうそうそう、自分がされて嫌な事を忘れて他人にやるのは屑の中の屑だからな、その嫌な事を忘れない為にも、この場所に気軽に立ち入れる様に遊園地作る事にしたんだわ」

 

「そう言う事なら、俺からはこれ以上何も言う事はないな」

 

3人がこの様な会話を交わし、輝の考えを理解した空は納得した事を輝に伝える様に、目を伏せながら薄く微笑んで見せるのであった

 

「おっし、空が納得したとこで打ち合わせの続きだっ!」

 

「そう言えば、お前達は一体何の話をしていたんだ?」

 

空の様子を見て、空が自分の考えに納得した事を確認した輝が声を上げ、それを聞いた空は再び輝に質問をする

 

「ほほホテルが完成した後、ひ~かるさんは、あああアトラクションの設置にちゃちゃちゃ着手しようとしてるんです……」

 

「んで、何処にどれを設置しようかって話してたんだっ!!」

 

「ふむ……、そのアトラクションはどんな感じなんだ?」

 

「こんなんだけど、どうよ?結構な自信作なんだぜ?」

 

空の質問に藤吉と輝が答え、空がアトラクションについて尋ねたところ、輝がノートパソコンを操作してアトラクションの設計図をディスプレイに表示し、この様な事を言いながら空の方へとディスプレイを向ける

 

「……何と言うか……、何処にでもあるありふれたデザインだな……」

 

「お?俺が考えたアトラクションにケチつけおるんか?だったら何か良い案寄越しやがれっ!!」

 

設計図を目にした空がそう呟くと、輝はこの様に返答して空にアイディアを寄越すよう言うのであった

 

「そうだな……、ならば……、この遊園地のテーマを決めて、それに合わせたデザインにするのはどうだ?」

 

「テーマ?」

 

「例えば……、遊園地のテーマを『艦娘』にして、アトラクションのデザインを艦娘の艤装や兵装を模したものにするのはどうだ?」

 

「ああっ!それ面白そうだなっ!!よし採用っ!!!」

 

輝と空のこのやり取りにより、現在建設中の遊園地のテーマは『艦娘』に決まり、遊園地の名前も『艦娘ランド』に決定するのであった

 

その後食事を終えた輝達はすぐに作業に取り掛かり、夕方になる頃にはホテルを完成させるだけでは飽き足らず、現状入るテナントが酒保しか無いにも関わらず、ホテルの隣に巨大なショッピングモールを併設してしまうのであった

 

この時、完成したホテルとショッピングモールを眺めていた護が、ある事に気付いてこの様な事を口にする

 

「そういやシャチョーが上手くやった後、此処の艦娘達は横須賀預かりになって、ここを離れる事になるんッスかね?」

 

「……その可能性は十分考えられるな……」

 

護の言葉を聞いた空がそう呟き、輝の方へと視線を向けると……

 

「そんときゃそん時だっ!!!」

 

輝は大声でそう言うと声高らかに大笑いし始め、夕食が出来た事を伝えに来た翔とゾアがそんな輝の姿を、小首を傾げながら不思議そうに見つめていたのであった……

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