空達が憲兵達に凄まじい制裁を加え終えて撤収する為に片付けを始めた頃、自室で艦娘ランドのアトラクションの再設計を行っていた輝は、作業が完了した事を祝して翔に頼み込んで譲ってもらった日本酒を独りかっ喰らっていた
「空のおかげで面白そうなモンがクソ程作れそうだわ~、いやマジであいつには感謝しねぇとだな~」
輝はそう独り言ちた後、手にした一升瓶をラッパ飲みし、ぶはぁっ!と酒臭い息を吐きながら先程まで自身が手掛けていたアトラクションの設計図に視線を向けるのであった
ここでこの設計図の内容について触れていこうと思う
先ず最初に触れておくべき事と言えば、艦娘ランドが空の提案で設置するアトラクションの内容に合わせて区画分けされた事だろう
艦娘ランドは母港、補給艦、潜水艦、海防艦、駆逐艦、巡洋艦、水母、空母、戦艦の9エリアに分けられ、アトラクションの内容が激しいものになるに連れて、重量級の艦種のエリアに割り当てられる事となったのである
具体的に言えば、ホラーハウスや公園のアスレチックなどの様なものは海防艦エリア、ジェットコースターなどの様なものは戦艦エリアと言った感じである
では、各エリアに設置されたアトラクションが、一体どの様なものになっているかについて話していこう
先ず母港エリア、此処は言ってしまえば艦娘ランドの出入口であり、もし艦娘ランドが一般公開される事になれば、此処で入場料を払ってパスを受け取る事になるだろう。また、母港エリアには案内所の他に、艦娘ランド内を巡行し入場者の移動を楽にする二式大艇をモチーフにしたロードトレインの駅や、泊地の本庁を増設改装して作った艦娘についての資料や艤装や兵装のレプリカが展示されている資料館と博物館、そして記念品を取り扱うかなりの規模を持つ土産屋が建てられる予定となっている
そこから北に進めば駆逐艦エリアとなり、そこには魚雷をモチーフにしたメリーゴーランド、ドラム缶をモチーフにしたコーヒーカップ、カミ車こと特二式内火艇をモチーフにしたカートとシゲとヴェルが作り上げたあのピロシキを選択して走れる3つのサーキット、そして広大な園内を見渡せる連装砲ちゃん等をゴンドラのモチーフにした観覧車が設置される予定となっている
この駆逐艦エリアから東に向かえば潜水艦エリアに入り、そこには水上ショーとイルカショーが楽しめる巨大な水族館が建設される予定となっている。因みにアトラクションで遊ぶつもりは無いけど水族館には行きたいと言う人用に、潜水艦エリアのみの料金プランが存在している為、潜水艦エリアは母港エリアから直接アクセス出来る様になっていたりする
少し戻って駆逐艦エリア、ここから北に向かえばアイスクリームやハンバーガー、ホットドッグなどと言った軽食を扱う屋台や、九州各地の美味しいものを取り扱うレストランなどが多く建ち並ぶ予定となっている補給艦エリアに入り、此処を中心にして色々な区画に相互アクセス出来る様になっている
そんな補給艦エリアと駆逐艦エリアから西に向かえば、高角砲と対空機銃と対空電探を用いて遊ぶシューティングゲーム用施設、渦潮に遭遇した艦艇をモチーフにしたミュージックエクスプレス、甲標的をモチーフにしたスイングアラウンド、水偵をモチーフにしたレッドバロン、水戦をモチーフにしたオクトパス、大発をモチーフにしたエンタープライズ、カ号観測機をモチーフにしたパラトルーパーと言った数多くのアトラクションが設置される予定となっている、軽巡、重巡、航巡、雷巡、練巡、この時の戦治郎達はまだ知らない軽航巡等かなりの派生が存在する巡洋艦エリアに辿り着ける様になっている
因みにこちらは母港エリアとの間に工廠を改装して作った工作艦エリアと言うアトラクションの整備スタッフのみ立ち入れる機材置き場と整備スタッフの待機所がある為、母港エリアからは直接アクセス出来ない様になっている。尚、工作艦エリアは先程も言った通り一般人の立ち入りが禁止されている為、9つのエリアにはカウントされていない
そして巡洋艦エリアの反対側、補給艦エリアの東であり潜水艦エリアの北には海防艦エリアがあり、そこには遊び疲れた入場者達が休憩するのに丁度良い広場や、保護者達の休憩に待ちくたびれてしまった体力が有り余るチビッ子達用に用意されたアスレチック、更に駆逐艦エリア側には入口で手渡された爆雷の玩具を、出口に設置された潜水棲姫のマネキンにぶつけると言う鏡の迷路や、夜戦をイメージしたホラーハウス等が設置される予定となっている
海防艦エリアから今度は北西、補給艦エリアから北に向かったところには、演劇及びミュージカル、コンサートやダンスショーやトークショー等を開催する為の巨大ステージが設置される予定となっている水母エリアが存在し、そこから東に向かえば戦艦エリア、西に向かえば空母エリアに行ける様になっている。因みに巡洋艦エリアと水母エリアは、相互アクセス可能となっている
水母エリア、補給艦エリア、巡洋艦エリアと相互アクセスしている空母エリアには、真珠湾攻撃時の艦攻の雷撃をイメージしたフリーフォール、急降下爆撃する艦爆をイメージしたスクリーミング・スイング、そして艦爆から放たれた爆弾の気分を体験出来るバンジージャンプ、激しいドッグファイトを展開する艦戦をイメージしたワイルドストーム、情報を持ち帰る為に敵の艦戦の攻撃を右に左に機体を振って回避しながら逃げる艦偵をイメージしたディスク・オー等が設置される予定となっている
さて、この空母エリアの反対側、補給艦エリアと海防艦エリア、水母エリアから向かえる戦艦エリアには、遊園地の目玉とも言えるジェットコースターの類が数多く設置される予定となっている。その内容は徹甲弾をイメージしたスピード重視のジェットコースターに、航空戦艦が扱う瑞雲をイメージした山や谷、カーブや各種ループにコークスクリューが多いジェットコースター、弾け飛んだ三式弾の子弾を水飛沫に見立てたウォーターライドに、戦場を駆ける戦艦をイメージしたセットが道中に置かれたダークライドと言った感じである
因みにこれらのイメージやモチーフは、全て空が考え出したものである。まあ、輝はこの手の事には疎い為、仕方ないと言えば仕方ない事なのだが……
「取り敢えずこんだけありゃあ、泊地の艦娘達も満足するだろうっ!」
設計図を見ていた輝がそう言って大笑いし始めたその時
「まだ誰か起きているか?」
通信機から長門の声は聞こえ始めるのであった
「長門か?一体どうしやがった?」
長門の声を聞いた輝がこんな時間に何の用だ?と言った様子で返事をし、輝が起きていた事に安堵の息を吐いた長門が、輝に戦治郎が敵に撃たれ倒れた事を伝えたところ、輝は酔いが一瞬で醒める感覚を覚えながら部屋を飛び出し、寝る為に通信機を外して布団の中に潜り込もうとしていた空の部屋に突撃し、空に通信機を付ける様促した後に戦治郎が倒れた事を伝える。恐らく輝は、この件は自分の頭じゃ処理出来ないと察して、空の所へ向かったのだろう……
その後、輝の代わりに空が事の詳細を長門から聞き、この件は早急に動くべきだと判断した空は、空同様今から寝ようとしていた悟と既に就寝していた大和を叩き起こして事情を簡単に説明して通信機を付けさせ、それを確認した長門は幾つかの質問に答えた後、3人に今すぐに横須賀に向かう様に指示を出すのであった
こうして長門の指示を受けた3人は、身支度を整えて横須賀に向かおうとするのだが、その時に輝は空に先程出来上がった艦娘ランドの設計図を渡し、自身が戻るまでの間彼に艦娘ランドの建設を任せる事にするのであった
それからしばらくして、準備が整った3人は桂島泊地を発ち、輝の提案で鹿児島県にある出水駅から新幹線に乗り、横須賀鎮守府へと向かうのであった