ジェットコースターのテスト走行中に発生した落下事故で、摩耶を庇って地面に叩きつけられたシゲとシゲに庇われて共に落下した摩耶は、すぐさま空によって先程出来上がったばかりの病院船エリアにある診療所に搬送され、2人はハンマー妖精さんとバーナー妖精さんが空達の作業と並行して作り上げた医療機器による精密検査を受ける事となるのであった
その最中、空はレールの欠落の原因を探る為、事故が発生した垂直ループのレールを繋げる作業に参加した者達を集めて、事情聴取を開始するのであった
これによってレールの接続作業を行っていた泊地の艦娘が、作業場所の余りの高さに怖気づき、作業を早く終わらせて地上に戻ろうとして、雑な仕事を行っていた事が判明するのであった
尚、この事故の切っ掛けを作った作業者は、事故が発生してから事の重大さにようやく気付き、今は待合室で震えながらシゲ達への謝罪の言葉をブツブツと呟き続けていた……
そんな作業者に対して、泣き面に蜂な感じは否めないが、事が事である為空はしっかりと厳重注意を行った後、2人の検査結果が出たと言う連絡を受けた為、この場を後にして診察室の中へと入って行くのであった
「望、2人の検査結果はどうだったんだ?」
空が悟が不在と言う理由で2人の精密検査を行った望に、無表情ではあるが心底2人の事を心配しているのか、不安そうな声色で検査結果を尋ねたところ……
「2人共特に異常は見受けられませんでした……」
望が2人のレントゲン写真などを空に見せながらそう言うと、望の言葉を聞いた空は1度安堵の息を吐くのだが、望の声色に違和感を感じて冷静になり、思考を巡らせてある疑問点が浮上すると、すかざす望に質問する
「……摩耶を庇って地面に叩きつけられたにも関わらず、シゲに異常が無かったのか……?」
「はい……、驚くべき事に……。シゲさんは地面に直接叩きつけられ、上から摩耶さんの体重がかかったにも関わらず、全くの無傷……、打撲すら無かったんです……。正直に言うと、シゲさんに異常が無い事の方がよっぽど異常なんです……。例え転生個体が人間や通常の深海棲艦より頑丈だったとしても、シゲさんと同じ様な目に遭えば、落下の衝撃で内臓が破裂したり、脊椎と脊髄がグチャグチャになっていても何ら可笑しくないんです……」
「これはどういう事だ……?シゲに一体何があったと言うんだ……?」
望の返答を聞いた空は思わず驚愕し、この様な事を呟いてしまうのであった……
空が望から2人の検査結果を聞いている頃、診療所の病室のベッドには墜落後気絶してしまったシゲが横たわっており、その傍らには彼の事を心配そうに見つめている摩耶の姿があった
「……」
静寂が2人だけしかいない病室を包む中、音も無くシゲが目を開き上半身を起こして見せると
「シゲッ!?目が覚めたのかっ?!」
摩耶が慌てた様子で、前のめりになりながらシゲに話し掛けると……
「摩耶……、あ~……、如何やら無事だったみてぇだな……」
ぼんやりした顔のまま摩耶の方へと顔を向け、シゲはこの様な言葉を口にするのだった
「それはこっちのセリフだっ!!!幾ら声を掛けても目を覚まさないから、皆本当に心配したんだぞっ!?」
「あ~……、そりゃ悪かった……。でもホント、お前が無事で良かったわ……」
「……ああそうだな……、お互いホント……、無事で良かったな……」
シゲと摩耶がこの様なやり取りを交わしていると、突然摩耶が涙ぐみ始めるのであった。如何やら摩耶はシゲが目を覚ますまでの間、もしかしたら自分のせいでシゲが死んでしまったのではないか?と言う不安に囚われてしまっていたのである……。そんな不安から解放された為、摩耶は無意識の内に喜びの余り涙ぐんでしまったのである
その後シゲは涙を流し始めた摩耶を何とか落ち着かせ、事故の状況と作業はどうなったかを摩耶に尋ねるのであった
「取り敢えずあたしとシゲは、念の為経過を見るって事で今日はこれで終わり、後の事は空さん達に任せてここで安静にしてろってよ」
「まああんな大事故あったら、そうなるわな……」
このやり取りの後、2人はしばらくの間談笑し、いい時間になったところで摩耶はシゲの病室を後にして、自分の病室へと戻って行くのであった
そうして病室に戻った摩耶は、靴も脱がずに病室のベッドにダイブし、枕に顔を埋めながら足をバタバタさせ始めるのだった……
「やべぇ……、シゲの顔が直視出来ねぇ……。心臓の方もまだバクバク言ってやがる……」
一頻り足をバタバタさせた後、摩耶はうつ伏せの状態のまま、顔を耳まで真っ赤にしながらそう呟く。如何やら今回の件で摩耶の中でのシゲの存在が、気になる人物から意中の相手にクラスチェンジした様である
落下中、摩耶は真剣な表情を浮かべながら自身の腕を掴んで強引に身体を引き寄せ、自分を墜落時の衝撃から守る為に力強く抱き締めて庇ってくれたシゲの姿に、完全に心を奪われてしまったのである
「これは吊り橋効果……、吊り橋効果なんだ……っ!!」
1度落ち着いた摩耶は、自分に言い聞かせる様にそう呟くのだが、シゲの事を思い浮かべた瞬間全身が熱くなる感覚に陥り、再び枕に顔を埋めてバタ足を再開するのであった……
摩耶が絶賛恋する乙女になっている一方、シゲはベッドの上に只々静かに佇み、物思いに耽っていた……
「……」
それからしばらくすると、シゲは徐に手に付けていた手袋を外し、目を閉じて精神を集中させ、全身に力を込め始める……。するとどうだ、突然シゲの両手の甲から燃え盛る炎の様に真っ赤な正八面体の宝石の様な物が出現したではないか……っ!
「……」
更にシゲは無言で上着をめくり上げて自身の腰を露出させるのだが、そこには先程の正八面体と同じ色をした赤い球体の様な物が、シゲの腰に埋め込まれている状態で出現していた……
「マジかよ……、マジで出ちゃうのかよ……」
自身の変化を確認したシゲは、頭を抱えながら思わずそう呟いてしまうのであった……
「これが出るって事は……、俺はクタニドさんが言った通り、1度マジで死んじまった様だな……。皆マジごめんな……。この埋め合わせは……、埋め合わせ……、出来るのか……?」
シゲが現状に苦悩する中、シゲの身体から突如出現した宝石……、シゲが墜落死した後辿り着いた先で出会った旧支配者であるクトゥグアから与えられた、彼の身体を構成する世界の全てを焼き尽くす炎から作られた結晶は、シゲの事などお構いなしと言った様子で、只静かに揺らめく炎の様な輝きを発するのであった……
一体シゲの身に何があったのか?何故シゲはクトゥグアからこの様な代物を貰う事が出来たのか?それを知る為には少し時間を遡る必要があるが、それはほんの僅かの間だけ待ってもらおう
さて、シゲが目を覚ましてからの現場の状況だが、欠落したジェットコースターのレールは空が改めて接合し、残るウォーターライドとダークライドと共にしっかりとテストも行って、どれも問題が無い事をキチンと確認したところで、空の口から戦艦エリアの完成が宣言され、それとほぼ同じタイミングで、艦娘ランド内で最もアトラクションが多い巡洋艦エリアも完成するのであった
その後、別れて作業を行っていた空チームと九尺チームは合流し、数の暴力で水母エリアを完成させると、残った時間をミーティングの時間に使う事にするのであった
因みに、ミーティングの内容は当然の事ながら、今日発生した事故の事が中心となっており、他にも作業参加者の危険に対しての意識作りをする為の、危険予知訓練なども実施された様である
2018/11/7に現在この【鬼の鎮守府】とコラボしている鳴神 ソラさんが描く【憑依天龍が行く!】の最新話が投稿されました!
こちらの剛さんとあちらのアレディが模擬戦を行う事になりましたが……、果たして勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうかね?続きがとても気になります!
コラボ先では、本編にはまだ出ていないものが先行して登場したりする事がありますので、コラボ話を見る時は、劇場版仮面ライダーを見る様な感覚でお願いします~