※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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2018/11/12  11:11 加筆しました


敵に回ると本当に厄介

「……何だお前達は?」

 

空の連絡を受けた通達が件の艦隊に接近すると、その艦隊の旗艦と思われるノーマルル級が艦隊を停止させた後、通達にこの様に尋ねて来た

 

「問答無用で私達を攻撃してこない辺り、強硬派の深海棲艦ではなさそうですね……」

 

「だからと言って、穏健派の深海棲艦って感じでもなさそうッスね~……。ってな訳でそのセリフ、そっくりそのままお返しするッスよ~」

 

その様子を見ていた通がこの様に呟いた後、続く様にして護がル級に対してこの様な言葉をぶつけると……

 

「お前達には関係の無い事だ、それが分かったらさっさとそこを退いてもらいたい」

 

ル級は無愛想に返答し、西の資源保管庫の方へと進もうとするのだった

 

「おっと、ここから先は通行止めだ」

 

「この先には泊地の娘達が、必死になって集めた大切な資源があるんですっ!そこに貴女の様な得体の知れない深海棲艦を向かわせる訳にはいきませんっ!!」

 

そんなル級の前に、木曾と阿武隈がこの様に言いながら立ち塞がる。するとル級は1度舌打ちすると……

 

「俺達の取引の邪魔をすると言うならば……、容赦はせんぞっ!!!」

 

ル級がそう叫びながら木曾達に主砲を向けると、随伴艦であるノーマルリ級とノーマルイ級とノーマルハ級も戦闘態勢に入り、謎の荷物を積んだ2隻のワ級が後方に下がる。そしてその様子を見ていた通達が身構えたところでル級が主砲を発射し、通達はそれを合図に戦闘を開始するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だこいつら……、普通の深海棲艦じゃないぞ……っ!?」

 

「この戦い方……、まるで穏健派の転生個体の様だ……っ!?」

 

この4隻としばらく交戦している最中、ハ級の魚雷を何とか回避した江風が思わず驚きの声を上げ、それに続く様にして時雨がこの様な言葉を口にするのであった

 

そう、先程時雨が言った様に、この深海棲艦達は穏健派連合の転生個体の様に、他の艦と上手い具合に連携を取り、強硬派の深海棲艦には無い戦い方をして来たのである

 

イ級とハ級は小回りが利く事を活かして、兎に角そこら中を動き回ってこちらを攪乱し、隙あらば連射力が高い主砲と魚雷を発射してこちらの動きを制限してくる

 

そうして動きが鈍ったところをル級が狙い撃ちしてくるのだが、その砲弾を迎撃しようとしようものなら、そこにすかさずリ級の砲弾が飛んで来るのである。そう、迎撃しようと放った砲弾を、このリ級が撃ち落としてくるのである

 

更に驚く事に、木曾の砲撃が上手い具合にリ級の迎撃を躱してル級に直撃するのだが、木曾の攻撃を受けたル級は全くの無傷だったのである

 

確かに雷巡である木曾の主砲の火力は戦艦である扶桑の砲撃には劣るのだが、戦治郎達による改造のおかげで木曾の主砲は重巡並の火力があり、戦艦相手でもある程度太刀打ち出来る様になっているのである。その主砲を以てしても、このル級にはダメージを与えられなかったのである

 

これには流石の海賊団のメンバーも動揺し、動きを鈍らせてしまうのだが……

 

「ヘイヘーイ!それじゃあいつらの思うつぼになっちゃったりしちゃったりしちゃうよ~!!」

 

海水で作った壁を使ってル級の砲撃を防ぐ司が、皆に喝を入れる様に叫ぶのであった

 

その後、気を持ち直したメンバーが、接近戦を試みる為に何とか相手の隙を作り、通と夕立をル級の下に嗾けるのだが、ル級は何と夕立の飛び後ろ回し蹴りを蹴り上げで迎撃した後、今にも自身を斬りかかりそうになっていた通に、先程振り上げた足を振り下ろして踵落としをお見舞いし、通はその衝撃で朝日影と月影を取り落としてしまうのであった

 

「まさかこいつら……、マジで全員転生個体ッスかっ!?」

 

イ級とハ級に翻弄されて、思う様に攻撃が出来なくなっている護が、その様子を見るなりこの様に叫ぶと……

 

「今更気付いたか……」

 

ル級はそう言いながら、先程通が取り落としてしまった朝日影と月影を蹴り飛ばしてこの場から遠ざけ、再び砲撃の態勢に入るのであった

 

「如何やら俺達は、ル級に苦戦させられる運命にあるみてぇだな……」

 

木曾がフェロー諸島で対峙したラリ子の事を思い出し、皮肉っぽく言いながらリ級がひっそりと放った魚雷を回避していると……

 

「ンニャアアアァァァーーーッ!!!」

 

何処かで聞いた事がある声が、遠くから微かに聞こえて来るのであった。すると次の瞬間……っ!

 

「ンナクソオオオォォォーーーッ!!!」

 

音速を超えてトムがこの場に駆け付け、可変翼型ブレードでリ級の首を刎ね、残った身体にしこたまミサイルと機銃の弾を叩き込む。それから間もなくワイルド達も到着し、猫艦載機達はル級達に一斉に襲い掛かるのであった

 

その後戻って来たトムを時雨がキュクロープスに格納し、トムから蟻の巣の破壊が完了した空がこちらに向かって来ている事を教えられるのであった

 

この報を受けたところで通達の士気は高まり、トム達に負けていられないと攻勢に出た通達は、ル級の事はワイルド達に任せて、空が合流するよりも早く目障りな駆逐艦達を数の暴力で駆除し、逃げ回るワ級を追い回した挙句2隻共しっかりと拘束して見せるのであった

 

「……こうなっては仕方ないか……っ!!」

 

この状況を見たル級は、そう呟くとワイルド達の攻撃を掻い潜って、この場から逃亡しようとするのだが……

 

「何処へ行こうと言うのだ……?」

 

その先にはようやく通達と合流した空が立っており、生前はプロの格闘家であったル級は、空が放つ膨大な闘気に圧倒されてしまい、思わず棒立ちになってしまうのであった……

 

「仲間が随分と世話になった様だな……、ならばここはサブリーダーとして、しっかりと礼をしなくてはな……っ!!!」

 

空はル級に向かってそう言い放つと一気にル級との距離を詰め、曼荼羅を描く様にル級に正拳突きを9発叩き込んで吹き飛ばしたその直後に、凄まじい速度で九字を切る、するとル級の身体に変化が起こり始めるのであった。空に殴られた部分が突然時計回りに輝き始め、その輝きはやがてル級の背後に集まっていき、不動明王の姿へと変わっていく……

 

「喰らえ、【明王九印】……っ!」

 

空がそう叫ぶと同時に、ル級の背後の輝く不動明王は羂索でル級を縛り上げると、右手に持つ倶利伽羅剣(くりからけん)をゆっくりと振り上げた後、勢いよくル級に振り下ろすのであった……

 

 

 

「本来なら真っ二つに叩き斬るところなのだが……、こいつには聞かねばならん事があるからな……」

 

ル級に新たに覚えた技である【明王九印】を叩き込んだ空は、そう呟きながら足元で気絶するル級に視線を落とす。如何やら空はル級が持つ情報を得る為に、ル級を殺さない様に手加減した様である

 

それから空はこのル級を拘束すると、拘束したワ級の荷物を調べていた通達の下へ向かい、無事に合流するのであった

 

その直後、空は通の口から驚くべき事実を告げられ、しばらくしてから目を覚ましたル級の口を割らせた結果、驚愕の色を今以上に濃いものに変化させるのであった

 

そう、ワ級が運んでいた荷物の中身は、提督に売る予定だった大量のアリーズウェポンだったのである……。この転生個体達は提督にアリーズウェポンを卸した後、材料である資源を受け取って帰投する予定だったのだそうな

 

この件と彼等の正体について空達がル級に追及したところ、ル級は諦めた様子でこの様に答えた

 

「俺達は『エデン』のフロント企業である『シャングリラ』に勤める者だ……。ここに来たのは、『エデン』の活動資金と資源を得る為の取引の為だ……」

 

これには空達も驚愕し、更に情報を得る為にル級に問い詰めようとしたところで、突然ル級が苦しみだし、そのまま息絶えてしまうのであった……

 

その後、長門達と共に泊地に戻って来た悟の調べで分かったものだが、如何やら彼の身体には遠隔操作で破裂させる事で、体内に劇物を流し込む装置が仕掛けられており、彼は何者かによって情報漏洩を防ぐ為に始末された様である……

 

こうして空達は貴重な情報を持ち帰り、その情報は海賊団と日本海軍、そして穏健派連合を大いに震撼させるのであった……

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