※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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横須賀鎮守府での話し合いと・・・・・・

泊地の艦娘達によるホテル立て籠もり事件の後、揚陸艦で横須賀鎮守府に向かった空達は、長門達の案内で元帥の執務室に通され、空達よりも先に執務室に来ていた戦治郎や剛と作戦完遂の喜びを分かち合う様にグータッチした後、戦治郎達と同じく執務室に来ていた剣持と互いに自己紹介を行い、それが終わるとそれぞれの場所で起こった出来事について話し合うのであった

 

この時先ず最初に話し合われたのは、桂島提督の処遇についてである

 

戦治郎から手渡された証拠となる資料に目を通した元帥は、激怒している事が容易に見て取れる程顔を真っ赤にし……

 

「軍法会議など必要ないっ!!!今すぐ奴を銃殺刑に処せっ!!!」

 

机を拳で殴りつけながらそう叫ぶのだが……

 

「果たして、それで国民が納得すると思うか?仮にも奴はこの国の英雄と呼ばれている存在だ、そんな英雄が詳しい理由を伝えられないまま銃殺刑に処されれば、国民は海軍をどう思う様になるか考えているか?」

 

直後に今回の件で陸軍の上層部が軒並み逮捕され、結果として陸軍のトップになる事になった剣持がこう言って、怒り狂う元帥を窘めるのであった

 

因みに、戦治郎が元帥に渡した証拠となる資料の中に提督の日記は含まれておらず、件の日記は現在燎がしっかりと隠し持っている。今回の件で上手く事が進んで提督が処刑され、元帥を失脚させる事態になった時、この日記は使えると判断された為である

 

その後提督の処遇は陸軍と海軍が合同で行う軍法会議で決定する事になるのだが、先程の元帥の様子と戦治郎が持って来た証拠を見た剣持は、提督は幾ら話し合ったとしても、ほぼ確実に銃殺刑になるだろうと予想するのであった

 

さて、この次に話し合われた事と言えば、空達が遭遇したシャングリラの件であった

 

今回の提督の件だけでなく、ミッドウェーでの戦いにも関与していたエデン……、そんなエデンのフロント企業とは一体何なのだろうか?誰もが疑問に思う中、タブレットを手にした護が前に進み出て、プロジェクターの準備をして映像を流し始めると、シャングリラについて映像を交えて説明し始めるのであった

 

このシャングリラはカナダに本社を置く企業で、自動車、バイク、船舶、飛行機、鉄道車両、自転車などの乗り物の製造販売と、医薬品と医療機器の製造、開発、販売などを海外を中心に行い、かなりの数の支社を世界中に置いているそうだ

 

そしてそれらで得た利益の多くは、発展途上国に寄付されたり、学校や病院、孤児院などの建設に使われていると言われているのだそうな

 

「まあこれだけ聞くと善良な企業みたいッスけど、これは飽くまで表の顔って奴なんッスよね~……」

 

そう言って護がタブレットを操作して画像を切り替えると、スクリーンにはアサルトライフルで武装したアフリカ系の少年の姿が映し出されるのだった

 

「この寄付やら学校建設やらも、如何やらエデンの活動の一環みたいなんッスよね~」

 

護の言葉を聞いた瞬間、スクリーンを見ていた者達の視線が護に集中し、この場にいる者達から注目される護は、その詳細について話し始める……

 

護の調べによると、シャングリラは裏では乗り物を製造する製造部門が兵器の開発や製造を担当し、医療部門が麻薬と覚醒剤の製造販売や臓器密売などを請け負っているのだとか……

 

因みにこれは護がシャングリラを調べている最中に得た情報だが、最近になって海外のある麻薬カルテルが壊滅したらしいのだが、それには裏のシャングリラが関わっていて、件のカルテルは裏のシャングリラに取り込まれたのではないかと囁かれているんだそうな……

 

そして先程言っていた寄付は、政府と武装勢力による金の奪い合いの切っ掛けを作る為、学校や孤児院の建設は優秀な兵を育て上げる為、そして病院はカルテを作る事を口実に個人情報を抜き取る為に建てられている事が分かったのである

 

「さっき言ってた利益って奴は、表で稼いだ分だけみたいッスね。そんで裏で稼いだ分はそっくりそのままエデンの懐に入ると……」

 

「恐らくプロフェッサーの差し金でしょうね~……」

 

護がシャングリラに関する情報を話し終えたところで、剛が顔を顰めながらそう呟くのであった

 

その後、元帥がシャングリラにこの件を問い詰めようと提案するのだが、それを悟が首を振りながら制する

 

「そんな事しちまうとよぉ、最悪表の社員も裏の社員も、一切合切口封じの為に始末されるかもしれねぇぜぇ?」

 

悟はそう言うと、空達が持ち帰ったル級やワ級の遺体の中に、遠隔操作で破裂させる事で、体内に劇物を流し込む装置が仕掛けられていた事を話し、これがシャングリラの関係者全員に埋め込まれている可能性がある事を示唆するのであった

 

その後、話し合いは時々エキサイトしながらも進んでいき、ある程度話が纏まったところで、解散する事となるのであった

 

そして戦治郎達が話し合いを終えて横須賀鎮守府の本庁から出ると、表で各自思い思いに行動していた海賊団の艦娘達が、戦治郎の存在に気付くなり駆け寄って来て安堵の息を吐いた後、次々と話し掛けて来るのであった

 

戦治郎はそんな艦娘達を落ち着かせた後、先程の話し合いの内容を彼女達に伝え、それを聞いて騒めき出した艦娘達を再び落ち着かせると、真剣な表情を浮かべながらこの様な言葉を口にし始める

 

「欧州からここまで、本当に長い道のりだったけど、何とか辿り着く事が出来ましたっ!それもこれも皆がいてくれたおかげ、皆でお互いに助け合い、支え合い、協力し合った結果だと思いますっ!!本当にありがとうございますっ!!!」

 

「話なげぇぞー!」

 

「要点だけ言え!要点だけっ!!」

 

「口調が似合ってないぞー!」

 

その直後、長門屋の面々から野次が飛ぶが、戦治郎はそれを無視して言葉を続ける

 

「え~、それで~……、知らない奴もいるかもしれないから改めて言うけど、俺は欧州出る時に、提督になりたいと言ってたんだが~……」

 

ここで戦治郎は言葉を止め、1度深呼吸をする。その様子を見ていた艦娘達は、まさか……!?と言った様子で驚きの表情を浮かべながら、内心で期待を膨らませ戦治郎の言葉を待つ。そして……

 

「俺……、提督に……、なれませんでしたっ!!!」

 

その瞬間、話を聞いていた艦娘達がズッコケ、一部始終を知っていた長門屋のメンバーは腹を抱えて一斉に大爆笑し始める

 

「一応元帥から海軍に来てくれって、スカウトされたんよね……。それで俺OK出したんよね……、そしたら今度の軍学の入試頑張れって……」

 

「何だそりゃ……、スカウトしたんなら元帥権限とかで提督にしてやりゃいいじゃねぇか……」

 

しょぼくれた戦治郎の言葉を聞いた木曾が、この様な言葉を口にしたところ

 

「それだと依怙贔屓になるから駄目だとよ……、他にももしそれをやっちまったら、元帥以外のお偉いさん達が、自分達の権限使って身内を提督にしちまう可能性があるんだとよ……。仮にコネで提督になった奴が無能オブ無能だった場合、海軍が被る損害がエライ事になるとか……。そんな馬鹿垂れを弾く為の軍学校が、権限のせいで機能しなくなるのは良くないって事で、スカウトはしたけど俺にも軍学の入試受けて、軍学入って提督としてやってく為に必要な勉強して、卒業して来いってさ……」

 

\あ~……/

 

戦治郎の口から理由を聞いた艦娘達は、納得したのか気の抜けた声を上げるのであった……

 

「その関係で、俺達はしばらくの間横須賀鎮守府に滞在し、戦治郎は入試の為の勉強を、時間に余裕がある俺達は生前持っていた資格を取り戻す為の資格取得試験の勉強を行う事になるのだが……」

 

「ここで重要なお知らせがありますっ!!!」

 

空が今後の予定を皆に向かって話したところで、戦治郎が空の言葉に続く様にして、海賊団のメンバーに重要なお知らせを通達する

 

「本日を以って、長門屋海賊団は解散しますっ!!!」

 

\……は?/

 

戦治郎による海賊団解散宣言を聞いた海賊団の艦娘達は、戦治郎の言葉を飲み込む為にしばらくの間沈黙した後、思わず間の抜けた声を上げるのであった……

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