※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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今回は天津風のキャラ崩壊が凄いです……、ご了承下さい……


返り咲く華と天を吹き荒れる風

私はその昔、大本営直属の水雷戦隊の旗艦を務め幾多の戦場に身を投じ数多くの戦いで勝利を収めてきました

 

しかしある日ある戦場にて私は敵の砲撃が直撃してしまい脚に後遺症が残る大怪我を負ってしまい、艦娘として戦場に立つ事が出来なくなってしまいました……

 

戦場に立つ事は出来なくなったものの、後進の育成は出来るだろうと思い教導艦になると申し出たところとある戦災孤児や捨て子を引き取っている施設から教導艦を派遣して欲しいという話があるらしく、私はその施設に教導艦として派遣される事になりました

 

恐らくこれは施設が子供達を間引きする為に行っているのでしょう……

 

深海棲艦との戦争が始まってから戦災孤児や捨て子の数は年々増加しているそうで、このままいくと多くのそういった施設が収容人数の限界を迎えてしまい日本は浮浪児で溢れかえってしまう、そうならないように施設の人間は子供達を聞こえの良い言葉で騙し戦場に送り出す、そこで子供達が活躍したら手柄は自分達のもの、死んでしまえば本来の目的は達成出来る……、何とも大人らしい汚いやり方だと思いました……

 

子供達を自分達の都合の良い道具として使おうとしている施設のやり方に憤りを感じた私は、何時の日か施設の実態を公表し施設の子供達が挙げた戦果の上に胡座をかき悦に入る施設の者達の鼻を明かしてやろう、そんな決意を胸に担当する事になった子供達を何があろうと生き残り多くの戦果を挙げられる様にと徹底的に鍛え上げました

 

そしてある日その成果が実を結んだのかドイツで行われる日本とドイツの親睦を深める為の交流戦と称した合同演習に私が担当している子供達が参加する事になりました

 

私達が現地にてその日の為に訓練を行っていた時の事でした

 

私達は不運にも深海棲艦に襲撃されてしまったのです

 

何人もの子供達が私の目の前で沈められ、攫われてしまいました……

 

私は攫われた子供達を助けようと交戦するものの、脚の後遺症と数の暴力に翻弄され故郷から遥か遠くの異国の海に沈んでしまいました……

 

私は暗く冷たい海に飲み込まれながらも子供達を助けたい、そう願い続けるのでした……

 

 

 

 

 

気が付けば私は海上に佇んでいました、先程まで海の底へと沈んでいっていたはずなのに……、一体何が起こったのかは全く分かりませんでしたが、今の私が思う事はたった1つ

 

「……あの子達を……助け……ないと……」

 

私はそう呟き移動を開始したのですが、それから先の出来事はよく覚えていません……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここは?」

 

気が付けば見知らぬ天井、私の身体はベッドの中にありました

 

「神通先生!? 気が付いたんですか?!」

 

私の声を聞いて驚いた様子で声を掛けてきたのは……

 

「天津風……さん……?」

 

私が助けようとした、深海棲艦に攫われた子供達の内の1人である天津風さんでした

 

「私の事、分かるんですね……、良かった……、本当に良かった……」

 

天津風さんはそう言うと私に抱きつき泣き出してしまいました、この子は私が沈んでいく姿を見ていたはずなので泣いてしまうのは仕方がない事だと思い私は天津風さんの頭を優しく撫でるのでした

 

「天津風さんが無事でいてくれて何よりです……、しかしここは一体何処なのでしょう……?」

 

天津風さんの無事を確認出来た事で安堵した私は改めて周囲を見回しました、何処かの救護室のようですが……、そう思っていたところに何者かの気配を感じ警戒します、その人はノックも無しにこの部屋へ入ってきてこちらへ向かって来ながら話しかけてきました

 

「天津風さん、そろそろ交代しましょう……、天津風さん?どうしm……あっ……」

 

先程部屋に入って来た人物と目が合ったところで私の中で警鐘が鳴り響きます

 

その人物は深海棲艦の軽巡棲姫、深海棲艦の上位個体である姫クラスの存在だったのです、私は今どうするべきかで思考を巡らせる、私が囮になって天津風さんを逃がす事が出来るだろうか、相手をどのくらい引きつける事が出来るだろうか、そんな事を考えていると

 

「大変失礼致しました、どうぞ引き続き感動の再会をお楽しみくださいませ、私は入口の方に控えていますから何かあればお申し付け下さい、それでは……」

 

そう言って引き返していく軽巡棲姫、どういう……事でしょう……?

 

「待って下さい、これはどういう事ですか?」

 

「これ……とはどの事でしょうか?」

 

私が声を掛けると軽巡棲姫は立ち止まり、このように返してきました

 

「ここは何処なのですか?私h「え?あっ通さん! 気付くのが遅れてごめんなさい!」……天津風さん? 通さんというのは……?」

 

私が軽巡棲姫に問い掛けようとしたところで天津風さんが軽巡棲姫の存在に気付き謝罪していました、通というのはもしかしてこの軽巡棲姫の事なのでしょうか?

 

「いえ、私の方こそ感動の再会に水を差すような真似をして申し訳ないです、っとそう言えばまだ名乗っていませんでしたね、私は神代 通と申します」

 

神代 通と名乗った軽巡棲姫は自分の方こそ無粋な事をしたと天津風さんに謝罪していました、本当に訳が分かりません……、私、混乱しちゃいそうです……

 

 

 

 

私が落ち着いたところで2人は私に事情を説明してくれました

 

通さんやその仲間達の事、この拠点の事、攫われた子供達の事、そして……

 

「神通さんは攫われた子供達を助けたいと必死になって思い続けた結果、軽巡棲姫になりかけながらも子供達を助けようとたった1人でこの島に来たようです」

 

「私が……、軽巡棲姫に……」

 

ただただ驚愕する事しか出来ませんでした……、まさか私自身が子供達の仇である深海棲艦になりかけていたなんて……

 

「そんな神通先生を助けてくれたのが通さんなんです! 通さん、神通先生を助けてくれて本当にありがとうございます!」

 

天津風さんは通さんの方へ向き直りそう言って頭を下げていました、この人が……私を……?

 

「あの時の通さん、本当にかっこよかったです!軽巡棲姫の仮面をこう……スパッ!って斬ったら先生が元の姿に戻って……それから……」

 

天津風さんが興奮したのか息を荒げながら身振り手振りで説明しているのですが、最後のあたりになると顔を真っ赤にしてゴニョゴニョと呟くように話していてよく聞こえませんでした……

 

「あの……天津風さん……?」

 

「それから……、その……倒れそうになった先生を優しく抱き留めて……、それからお姫様抱っこしてゆっくりと私の方に……ってキャー♪」

 

天津風さんは顔を更に真っ赤にして頬に手を当てながらイヤンイヤンとばかりに首を振っています……、ってちょっと待ってください、お姫様抱っこ……?私を……?……誰が……?

 

「あの……、お姫様抱っこって……、誰が誰を……?」

 

「通さんが! 先生を! です! もうあのときの2人は本当に絵になっていました!2人共かなり和風な感じですけど正に王子様とお姫様って感じで! 先生の無事が確認出来て安堵した様に微笑みかけてる通さんとかもう……」

 

今度は私が真っ赤になる番でした……、通さんは今は軽巡棲姫の姿をしていますが元々は男の人……、私をお姫様抱っこして微笑みかけている姿を想像してしまい……、どういうことでしょう……身体が、火照ってきてしまいました……

 

「天津風さん、落ち着いて下さい……、その……神通さん、もしそれらの行為が気に障ったと言うのであればこの場で謝罪します、本当に申し訳ございませんでした……」

 

そう言って通さんは私に頭を下げて謝罪してきました、私は別に不快なわけでもなく……、どちらかと言えばちょっぴり残念だったような……って私は何を考えているのでしょう……

 

「あの、顔を上げて下さい、私は特に迷惑だったと思っていませんし、倒れそうになっていたという事は私は気絶していたと思うので……、それよりも私の方からお礼を言わせて下さい、助けて頂き本当にありがとうございます、おかげで天津風さんと再会する事が出来ました、他の子達の事は残念ですが……、それでもこの子達を救って下さった事は事実ですからとても感謝しています」

 

「……そう言って頂けると幸いです、他の子達のお墓を浜辺に作っていますので今日は流石に無理でしょうから明日にでも行ってあげて下さい、きっと喜んでくれると思いますから」

 

本当は今すぐにでも向かいたいのですが、深海棲艦になりかけていたのが原因なのでしょうか、疲労感で思うように身体が動いてくれません……、通さんがいう通りここは大事をとって休む事にしましょう

 

「では、私はこのあたりでお暇しますね、天津風さんも今日は色々あった事ですし疲れが溜まっているはずですから部屋でゆっくりと休んでいて下さい、それでは神通さん、おやすみなさい」

 

「それじゃあ私もこのあたりで戻りますね、先生、おやすみなさい」

 

そう言って通さんと天津風さんは退室し、この部屋には私だけになりました……

 

部屋を出る前に通さんが私に向けた微笑みを見て、少々胸がときめいてしまいました……

 

通さん……、誠実で……、とても素敵な方でした……

 

そんな彼の事を思いながら、私は静かに瞼を閉じました

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