※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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会議の前に・・・・・・ 工廠編その3

パニッシャー改の件で混乱したシゲと護が、ようやく我に返って落ち着きを取り戻したところで、明石が伊吹に向かってこの様な事を尋ねる

 

「あのぉ~……、もしかして伊吹さんが最初に工廠に運んで来た奴も、そのパニッシャーとか言う兵器と同じレベルで危険な物なんですか……?」

 

明石のこの言葉を聞いた途端、先程までそれはそれはいい笑顔を浮かべていた伊吹は、ばつの悪そうな表情を浮かべ、溜息を吐きながら後頭部をバリバリと掻き始め……

 

「ありゃパニッシャーほどの代物じゃないのう、使いこなせばかなり強力な奴なんじゃが……」

 

「ん?何か問題でもあんのか?」

 

伊吹の言葉に反応したシゲが、伊吹に向かってこの様に尋ねたところ、伊吹は今一度大きな溜息を吐いた後に問題の品の方へと歩いて行き、それに掛けられたカバーを外してそれの姿をシゲ達に見せる

 

「これは……、Ξのガンダムスーツか?」

 

「そうじゃ、これは璃栖瑠さんが集めてくれたペーネロペーのデータを基に仕上げた、4つ目のガンダムスーツなんじゃ」

 

「……んん~?ディープストライカーにペーネロペー、そしてこれだったら3つ目じゃないッスか?」

 

「その前に戦治郎さんの依頼で、タウイタウイの提督用にネオ・ジオングのスーツを作っとるんじゃ。ユニコーンのシナンジュを格納しとるアレのな、じゃからそいつも数に入れたら4つ目じゃ」

 

「ネオ・ジオングはガンダムじゃねぇだろ……?」

 

「出典がガンダムシリーズのモンは、全部ガンダムスーツなんじゃい!」

 

シゲ達が問題の品、第4のガンダムスーツであるΞガンダムスーツを目の当たりにすると、シゲ、伊吹、護の3人はこの様なやり取りを交わす

 

「さっき伊吹さんはこれは使いこなせば強力と言っていたけど、具体的にはどう強力なんだい?」

 

そんな中、Ξガンダムスーツを興味深そうに観察していたヴェルが、不思議そうにそう尋ねて来るのであった

 

「こいつはのう、装着したら空をマッハ2で飛行出来る様になる上に、艦載機を操作する要領で操作可能なファンネルミサイルっつーミサイルを使える様になるんじゃ。それ以外にも通常のミサイルランチャーを両腕に、大型ミサイルを両脚に備え、リアスカート部分には追加ブースターも兼ねたマイクロミサイルポッドを装備、更に頭部には40mm機銃を基にして作ったバルカンを搭載し、両肩にはメガ粒子砲をモチーフにした熱線砲を装備しとるんじゃ。因みに、以前ディープストライカースーツを装着してヌ級と戦った燎さんが、相手にボコボコにされて大怪我した関係で、装甲面はかなり強化されとる」

 

「そんなのがトム並の速度で飛びながら、頭上からその武装でバカスカ攻撃して来たら、冗談抜きで厄介だな……。しかも話聞く限りだと装甲も厚そうだし、あたしの対空機銃でも仕留めるのが難しそうだな……」

 

伊吹によるΞガンダムスーツの説明を受けた摩耶が、苦々しい表情を浮かべながらこの様な言葉を口にする。如何やらこのスーツを装着した者との戦闘を、自分の頭の中でシミュレートし、良い結果が出せなかったのだと予想される……

 

「艦載機以外で制空権が取れるって凄いですね……、でも何で浮かない顔をしてるんです?」

 

「そこなんじゃが……、実はこいつはリチャードさんの依頼で、剛さん向けに作ったモンなんじゃ……」

 

「剛さん向け……?あっ……」

 

伊吹と摩耶のやり取りを聞いていた明石が、不思議そうに伊吹に尋ねたところ、伊吹はバツの悪そうな表情をしながらこの様な事を言い、それを聞いたシゲが何かを察して声を上げるのであった……

 

「シゲは気付いたか……、こいつの欠陥に……」

 

「「「欠陥?」」」

 

シゲの反応を見た伊吹がそう言うと、それを聞いたヴェル、摩耶、明石の3人が不思議そうな表情を浮かべる。それを見た伊吹は徐にΞガンダムスーツを操作して、Ξガンダムスーツを装着出来る状態にするのであった

 

「ああ~……、確かにこれは欠陥ッスね~……、剛さんに限ったらッスけど……」

 

「これ、修正出来なかったのか?」

 

「納期ギリギリってとこで完成したんじゃよ……、そんで完成してから剛さんの身体の事思い出してのう……」

 

それを見た護とシゲが伊吹に向かってそう言うと、伊吹は自分の右手で顔を覆いながら、この様に返答するのであった

 

そう、このスーツの欠陥とは、剛に足が無いにも関わらず、脚部に足を通さなければ足を動かせない様になっている事と、剛自身と艤装が一体化していて艤装の切り離しが不可能な為、艤装ごとスーツを装着しなければいけないにも関わらず、スーツ内部がそれを考慮されていない構造になっている事なのである……

 

「それじゃあ、これは剛さん以外の方が使うしかなさそうですね……」

 

「リチャードさんには悪いが、そうするしかないじゃろうな……。リチャードさんとしては、それを纏った剛さんと肩並べて戦いたかった様なんじゃが……。一応その埋め合わせと言う名目で、移動中輸送船内でパニッシャーを作った訳なんじゃが……」

 

Ξガンダムスーツの欠陥について説明され、それを聞いた明石がそう言うと、伊吹は申し訳なさそうな表情を浮かべながらこの様に返事をする

 

「そう言う事なら、今から剛さんが装着出来る様にに改造するか?」

 

「そうするくらいなら、別の物を作った方が早い気がするッス……」

 

伊吹の様子を見た摩耶がこの様な提案をするのだが、それを即座に護が渋い顔をしながら却下する

 

「あ~……、これを剛さんが装着出来る様にするってのは難しいが、剛さんでも使える様にするってんなら、今思いついたんだが……」

 

そんな中、不意にシゲがこの様な事を口にし、それを聞いた皆がシゲの話に耳を傾け、その提案に乗る方向で話を固めると、6人は早速Ξガンダムスーツに改造を施すのであった

 

 

 

 

 

 

それから時間が経過し、Ξガンダムスーツの改造が完了させると、シゲ達は通信機で剛に陽炎と一緒に工廠に来る様に伝え、剛と陽炎の2人が工廠にやって来ると、先ずは陽炎に改造を施したペーガソスのキーを、剛にパニッシャー改を渡すのであった

 

因みに、その通信の中でパニッシャー改の所有権についての話し合いが行われ、剛が所有者になる事が決定すると、伊吹は内心でホッと安堵の息を吐くのであった

 

「伊吹ちゃんったら中々面白い武器を作ったわね~、流石にこの重量はアタシの腕じゃ支え切れないけど、艤装の腕の方なら何とか出来そうね。本当にありがとうね、伊吹ちゃん♪」

 

「それが、実は剛さん用の装備はそれだけじゃないんですわ」

 

パニッシャー改を受け取った剛が伊吹に対してお礼を言ったところで、伊吹はこの様に返答しながら右腕を伸ばし、先程改造を完了させたΞガンダムスーツの方を指し示す

 

「これは……、燎ちゃんが使ってるガンダムスーツの仲間かしら?でもごめんなさい、アタシは身体の構造上それを装着出来そうにないわ~……」

 

「いえ、あれはガンダムスーツじゃないですよ」

 

伊吹の腕の先にあるΞガンダムスーツを見た剛が、申し訳なさそうにこの様な事を言ったところで、シゲがこの様な事を言い放ち、それを聞いた剛と陽炎は不思議そうな表情を浮かべるのであった

 

「これは水母でも動かせる艦載機ッス、元々は剛さんが言う通りガンダムスーツだったんッスけど、剛さんでも使える様にとついさっき自分達が改造したんッスよ」

 

そんな剛と陽炎に向かって、シゲの代わりに護がこの様な言葉を口にし、それを聞いた剛と陽炎は予想外の返答に、思わず驚愕してしまうのであった

 

そう、このΞガンダムスーツはシゲ達の改造によって、前代未聞の人間大の人型艦載機に生まれ変わったのである。先程のシゲの提案とは、装着して運用出来ないならば、いっそ装着しなくても運用出来る武器、艦載機にしてしまおうと言うものだったのである

 

尚、艦載機となったΞガンダムが持つファンネルミサイルについては、剛の意思で操作出来る様になっていたりする

 

「こいつはリチャードさんからの注文で、剛さん用に作られた品なんですわ。まあワシら技術班のミスで注文通りには出来なかったんですけど……」

 

「その話を聞いた俺達が、何とかこれを剛さんに使ってもらおうと思って、艦載機に改造したんです。剛さんの親友であるリチャードさんの依頼で、剛さん用に作られた奴は、やっぱ剛さんに使ってもらいたいですからね」

 

「リチャードの依頼……、そう……、そう言う事なら受け取らない訳にはいかないわね……。皆、アタシの為にこの子を使える様にしてくれて、本当にありがとうね♪」

 

伊吹とシゲの言葉を聞いた剛はしばらくの間静かにΞガンダムを眺めた後、シゲ達に向かって改めてお礼を言うのであった

 

こうして、大砲だらけとなったペーガソスは陽炎の手に、パニッシャー改とΞガンダムは剛の手に渡り、それらの兵装は後の戦いで戦場を派手に引っ掻き回し、大いに活躍して見せるのであった

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